その日の気分は最悪でした。
朝から気圧が下がってしまい、メルカリで落札した僕の中古自律神経は動作不良。
頭痛、体の痛み、とにかく気分が悪い。
それでも仕事はまってくれず、催促の連絡がやってくる始末。
もうウンザリだ。
本当に日々の生活にくたびれてしまうと、この言葉しか出てこなくなる。
クソ。本当にクソ過ぎる。
しかもその日、嫁と大喧嘩をしてしまった。
理由はシンプルかつ重要なこと。
そう「夕食を何にするか?」である。
この日、体調不良であまりにも気分が悪かった僕は当然。
「なんだっていいだろそんなの!」
と語気を荒げたものの、その結果は皆さまの想像通り。
この世で最も偉いのは、総理大臣でもクトゥルフ神でも神様でもない。
飯を作る人物。そう、嫁なのである。
その嫁にあろうことか、なんでも良いと楯突くということは、ゼウスウが地面によだれを垂らして生命を産もうとしている瞬間に口にティッシュを詰めるようなもの。
結果、ここ最近一番の大喧嘩となった僕はついに頭に来てしまい、愛用のドクターミノーを握りしめ、チャリンコにまたがり渓流へと向かったのである。
ドクターミノーで釣りをして頭を冷やす
というわけで、嫁との喧嘩の結果とにかく気まずくなった僕は。
「やーい!お前の母ちゃんデストロン!」
と、やけくその捨て台詞をはくと
「トランスフォームしないし!ていうかそれあんたの義理の母親だし!」
と、一瞬で論破される始末。グゥの音も出ずにその場を後にしたのでした。
そこで向かったのは、家から多少近いけれど行ったことのない渓流。里川エリアとなっている場所で、基本的にはヤマメとニジマスが生息中。
そういえば行ったことなかったし、とにかく怒りのエネルギーが凄い。
というわけで、ひたすらチャリをこいで渓流に向かいました。
ちなみに車を使わないのはガソリン代が値上がったから。
そして体調管理のためというわけで、貧乏になると人は健康になる。
最近はよくチャリを漕いでおります。
ドクターミノー蛍光サビヤマメカラー登場
というわけで川に到着したころには汗だくになっておりましたが、とにかくイライラがおさまらない。
もうこんな時は釣りをして癒されるしかない!というわけで、秘密兵器のドクターミノーを投入です。
ドクターミノーのフローティング・ジョイントは僕のお気に入りのルアー。
動きの軽やかさはもちろん、ジョイントならではのキモい動きが魚を引き寄せてくれるので、ボトムにいる魚も引き出してくれる超優秀なルアー。そしてなにより安い。
というわけで使用頻度ナンバーワンのフローティングミノーなんですが、それも使いすぎて塗装が剥げてきてしまいました。
そこで上から塗装しようと思ったのですが、秋ってことでサビヤマメにしようかと。ちょうどヤマメカラーのドクターミノーですしね。
ただ、普通に錆っぽい色だと面白くないんで、蛍光マニキュアで縫ってみました。
以前このブログでチャートカラーについての記事を書いたんですが、もしかしたら淡水の魚も生物蛍光しているんじゃないか?という予想で、錆ヤマメが水中で蛍光に見えているつもりで塗装してみました。
まぁ結果としてサビヤマメではなく婚姻色のニジマスっぽいレッドバンドが入っちゃったという。
婚姻色は生物蛍光とほぼ同じ仕組みで色が付いているので、もしかしたらこの部分は魚にとって蛍光色に光って見えているのでは?という妄想をふくらませ、背面だけでなく側線のレッドバンドにも蛍光塗料を使ってみました。
これが功を奏したのか、レッドバンド出まくりのニジマスさんからの猛攻を喰らうことになったのです。
今回も動画を撮影
というわけで今回も動画を撮影しておきました。
なんか音量とかめちゃくちゃですいません。
とにかくブログっぽいというか、小説っぽいというか、一人称で喋り続けている釣り動画。
そして、人間の負の側面を全面に押し出すスタイルです。
あと、最初に投げてたハードコアミノーの部分で「今ドクターミノー使ってます」とか言ってるのを発見してしまいました。最初の一匹目はハードコアミノーですので訂正とさせて頂きます。
ドクターミノーの一匹目は小さいヤマメ
ドクターミノーにして最初の一匹目は小さなヤマメさんでした。
僕のドクターミノーのメインターゲットは主にこのヤマメさん。
ジョイントフローティングのクネクネアクションにヤマメさんが猛烈にアタックを仕掛けてくるわけです。
それにしても、フローテイングのジョイントミノーって少ないですよね。
僕はかなり好きなんですけど、有名どころだとあまりなくて、ラパラのJ5を今度使ってみようと思っています。ヤマメさん釣れるかな
2匹目でドクタミノー最大のニジマスが出現
さっきのヤマメを釣り上げたあと、そこから20mもしない場所の淵にやってきました。
とりあえず深さはさほどなさそう。
手前側から探ってみるかーとフリップでポンとドクターミノーを放り込み、リールを巻いた瞬間。
ゴッ
という、何かルアーが固いものに引っかかった感触がしました。
これは木でも沈んでたか?
リールを巻くのをやめようかと思うと、なぜかだこっちに寄る。
しかも頭を左右に振っている感触。
魚。
が、気がついた時にはすでに遅し。
すでに魚が淵から脱出し、みるみるうちに流れを下りはじめてしまったのです。
ヤバイヤバイうそデカいナニ?エエ?そのまま下るの?マジ?
と脳内で叫んでいる間に、掛かった魚は僕より下流側へ。
まったく油断していました。
はやくランディングを!
と、焦ってネットを取り出すも、まったくこっちに寄ってくる気配がない。それどころか流れに押されてどんどん下っていく。
いっそのこと自分が先に下ろうかと思ったものの、テンションが抜けたらやばい。
なんせドクターミノーについているフックはヤマメ用。
掛かりは絶対に浅いだろうし、フッキングの位置がなんかおかしい。
たぶん下あごに掛かってる。最悪だ・・・
どうしたものかと数秒迷っている間に、魚はどんどんと下流に。
もうこれは耐えたってしょうがない。やってやる。こっちも下って下の淵で獲る。
そう自分に言い聞かせ、テンションが抜けないようにリールを巻きつつ、ずりずりと下ります。
すると、魚はさっきヤマメを釣った淵に突入。
自分も一緒に淵に入ると、さっきまで下る一方だったニジマスが、今度は淵の上流へと向かって走りはじめました。
つまり、僕はようやく下流側。
ベストポジション。なんという幸運。
そのまま淵を全力で下られたら危なかった…でも、まだランディングしてない。
ニジマスとの距離が縮まったおかげで、そこではじめて魚体をしっかり見れましたが、それが予想以上にデカい。
目測60upにほぼ近い。
体高もでかく、動きは遅いけど寄ってくる気配がない。
強引にいこうにもフックが伸びるかもしれない。
ていうか、針小さすぎ。しかも下顎ならフックアウトの不安のほうがでかい。
どうしよう・・・
とととにかく!ここここんなと時には冷静にならなくちゃ!
落ちつけ、まだだ、まだまだ──と自分に言い聞かせる。
すぐにくる、ランディングのチャンスが、すぐに──
すると、いままで上流に走ろうとばかりしていたニジマスが頭を左右に大きく振る。たぶんラチが開かないとイラついたんでしょう。下流へ行こうか迷うようなそぶりを見せました。
チャンス到来。
そこで一気に距離を詰めてネットを差し入れると、方向を見失ったニジマスを無事ネットインしました。
キャッチしたのは、見事なオスのニジマス。
金色に輝く体。
浮き出たピンクのレッドバンド。
浅い川を泳いでいたために黒い斑点が浮き出た体に、でかい口。
これを見て、一瞬何の魚かわかりませんでしたが、よく見れば、それは婚姻色。
ニジマスの産卵期は基本春なんですが、地域によっては秋に婚姻色を出すやつもいると聞いていました。
それにしても、なんともイカメしい顔をしたニジマスです。
下りながらのファイトのせいでゼェハァゼェハァ言いながらネットから出して、ロッドを置いて撮影。そのままリリースです。
普段からあまりサイズを意識していないので、この日もメジャーをもっておらず正式なサイズは不明。ロッドから計算してだいたい55㎝前後ってところでしょう。
その良型ニジマスが水しぶきを飛ばしながら逃げる。
水沫をかぶっても、僕はしばらく疲れて動けません。
さすがに下りながらのファイトは焦ったし、しんどかった。
ヤマメ相手にしていたドクタミノーのジョイントが壊されるんじゃないかと思いました。
3匹目は最後のポイントで
それにしても良いニジマスさんでした。
ドクタミノーで釣れたニジマスとしては一番大きなサイズです。
にしても、ニジマスの活性が高いせいか、それとも蛍光婚姻色カラーのせいか、通したら迷わず食ったって感じでした。
掛かっていたのも下あごかと思いきや、さらに奥の舌の隣の口の中。つまり丸のみスタイルで食いついたってわけです。ライン切られなくて良かった・・・・
このころになると、もう嫁と喧嘩したイライラなんてありません。
そもそも、さっきのファイトでこっちも疲れてしまい、もう登る気も起きなくなっていまして、ここまでやってきた怒りのチャリ爆走のせいでもあるんですが、もう帰ろうかなって気分になってまして。
でも、渓流と魚のおかげで頭が冷えると思い出すのが、嫁と喧嘩していた事実。
まずいな・・・何って謝ろうか…でかい魚釣れたよ!じゃ通じないわ、あいつ魚興味ないもん。
とか考えながら、やっぱりイライラしていた自分が悪かったな。アホだったなと思うわけです。
どれくらいアホかっていうと「裁判中に透明人間になって大はしゃぎして閉廷って叫ぶ」くらい。そう、花岡ジッタ位アホだってことですよ。
閉廷おじさんこと花岡ジッタとおなじくらいアホってことは、もうヤバい。
ああどうしよう、もうここで帰ろう。この淵攻めたら帰ろうと思い、ラスト1キャスト。
そこで適当に引いてくると、いきなりニジマスがジャンプ。
まずい、ルアー追って飛び跳ねるとか、まさか渓流の閉廷おじさじゃないだろうか?
そんな不安が駆け巡った瞬間、一瞬でロッドが引き込まれました。
ヒット。しかし閉廷にじますおじさんは止まらない。なんどもジャンプを繰り返しながら。
「閉廷!閉廷閉廷!」
と叫びまくり大暴れ。やめてくれ、お前はもう透明人間じゃないんだ。ヘンリー塚本作品でおとなしくしてくれ!!
というわけでさっきの失敗から反省した僕は、しっかり下流側と取って下らせない体制に。
あんな冷や汗もののヤバい状態は御免です。
そんなわけで、閉廷おじさんが釣れたと思ったら、あんな変態ではなくリッパなニジマスさんです。
サイズは40upは堅い位かな?これも良型。
筋肉質な体というか、体がひきしまっているのが見てわかるし、尾がすごい太い。
ヒレもすごい立派で、体力有り余っているなって感じ。本当にニジマスさんは元気です。
というわけで、ドクターミノーの蛍光婚姻色でヤマメとニジマスを釣ってきました。
この後、家に帰った僕は無事嫁に謝罪し、オデンを食って仲直りした次第です。
いやいや、それにしてもドクターミノーは良い仕事してくれました。
このジョイントのフローティングはやっぱり最高です。
それに、蛍光婚姻色カラーも効果があったかも?
とりあえずバイトが深いと感じましたが、それはニジマスさんのやる気が凄いせいかも?
まぁ理由はわかりませんが、蛍光婚姻色は釣れるみたい。
またクソみたいな気持ちになったら、いや、ならなくてもか。
とにかく真冬になるまで、渓流には通い続けたいと思います。
コメント
自宅からチャリで渓流に行けるって
滅茶苦茶羨ましい環境ですね
うちの近所じゃせいぜいドブ川しか
流れていないもんな(´・ω・`)ショボーン
ブログと共に動画も見ましたが
何とも立派なサイズのニジマスですね
これを鱒レンジャーで掛けたら
さぞかし面白いだろうなぁ
顔だけ見るともはやニジマスと云うよりも
ニジマスの降海型である
スチールヘッドの顔つきですね
ばんぱくさん>チャリで行ける場所が何箇所かあります、かなり田舎なのでw
かなり立派なニジマスでした。顔がもうニジマスじゃなかったんで、何かと思いましたし、スチールとかブラウンかと疑いました。
マスレンジャーだったんで、もうすごかったですwすごい面白かったです。はい。