スピンキャストは実用性ゼロ!?チープだけど愛されるリール【レビュー編】

リール
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というわけで今回はダイワのスピンキャスト80に関するレビューです。

実は以前から所持をしていながら、そのレビューを一切していなかったこのリール。

というのも、このリールを使えるロッドをもっていなかったのが原因。

そこでようやくスピンキャストを使うためのロッドを手に入れたので、いよいよリールのレビューをすることができます。

ここに至るまで約3か月。

その間、部屋の中でエアフィッシングとしてリールを回し続け、すでに鯨を釣り上げるイメトレを完了したαトラウトです。シャウラァ!

まぁです。

範馬の血が流れている僕のイメトレ術はこのスピンキャストで鍛えられたわけで、一回も釣り場で使ってないけど釣ってるも同然。イメトレでインプレ記事書けるから。

でも、普通の血しか流れてない皆様には

「インプレしてねぇじゃねぇか!」

と嫉妬にからえてしまうでしょう。

申し訳ない。

こればっかりは遺伝子レベルの問題。今回は僕のエア・インプレをお見せし、皆様を嫉妬の炎で黒コゲにしないように、まずはスピンキャスト80を購入した経緯からスペック、面白い点などについて詳しくご紹介します

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スピンキャストとは?

ダイワから販売さているスピンキャスト。

このリールの名前や姿を見たことはあっても、一度も使ったことが無い人が大半でしょう。

僕もその一人だったのですが、中古ショップでついその姿を発見してしまい思わず衝動買いしてしまいました。

というのも、以前からスピンキャストに興味があったもののまったく使っていなかった。

というか、その姿だけはずっと見ていて、むしろ憧れすらあったけど買うチャンスがまるで無かったリールなんですね。

ちなみに購入したのはスピンキャスト80という現行モデル。

このほかにもアンダーキャスト80というやつもあり、そちらも紹介していこうと思います。

動画でスピンキャストのレビューをご覧になりたい方はこちら

今回も動画を撮影しております。

文章と一緒に楽しんでもらえれば幸いなのと

冒頭にこの動画を撮影した日にあったお弁当に毛が入っていた事件への訴えも収録

本当に全国展開中の某お弁当屋さん!気をつけ本当!

その出会いは場末の中古ショップだった

 

僕とスピンキャストの出会いはいつもの中古ショップ。

むしろ僕が普通の釣具店から普通に釣り道具を買うことがまずない。

というかですよ

そもそも僕の住んでいる辺りに釣り具やなんて皆無なんですよ。悲しい。

まぁそれとは関係なく、昔から中古や巡りが好きな僕

とくに理由もなく

「ちょっとリサイクルショップ行こうかな」

と、まるでコンビニ感覚で出向くんですね。

そこで新しく入っている商品だとか眺めるのが好きなんです。

僕の家の近くにあるリサイクルショップはそれはまぁ小さいところ

常に店の前にソファーが永遠と出ていて、永遠と雪をかぶっているけど大丈夫だろうかと来る客が不安になる位チープな店なんですね。

まぁ僕はそのチープさが結構好きだったりして、買い物ついでに立ち寄ってるんですね。

そこで、ガラスケースの中に見れないリール達を見つけました。

普段この店にはリールなんて滅多に置かれないんですけど、それが同時に3つもあったわけですよ。

しかもだいたい1000番~1500番クラスのものが中心ってことで、エリアか渓流で使っていたアイテムだと予想。

その中に、ひと際目立つ赤い物体が。

なんだこれは?と思ってみれば、妙に丸い奇妙な物体。

これはもしや・・・スピンキャスト?しかも80なのか?

昔、釣りブログなどを見てその存在だけは知っていたものの、実物は一切見たことが無かった幻のリール。スピンキャスト80。

というかそんなレアじゃないんだけれど、需要があまりにも無いので釣具店で取り扱っているのを見たことが無い。

けれど、僕は一目見た瞬間、そのスピンキャストに夢中に。

欲しい、なんでこんな所にスピンキャスト80があるんだよ。

しかも使用感殆ど無い。

買ったはいいけれど、使いどころがまるで無かったから売ったのか?

値段を見ると、なんと1900円。

安い、あまりに安すぎる。これだから中古屋巡りはやめられない。

 

というわけで、即座にスピンキャスト80を購入。

近くのスーパーで買った大根と鶏肉の隣に赤い箱を積み、僕は喜び勇んで帰ってきたわけです。

で、家に帰り、その箱をもって気が付いたんですよ。

渓流用のベイトロッド一切持ってないっていうことにね!

ベイトロッドが無いのにスピンキャストを買ってしまった。

まったくもって不覚。

いや、最初っから気が付いてましたよ、僕がこのスピンキャストを付けるためのベイトロッドを持っていないということに。

昔バス釣りでベイトは使っていたんですが、そのロッドはとっくに手元から消え、あったとしても渓流では使えない。

なんてバカなんだαトラウト。

そう反省しつつスピンキャストを眺めながら自らを責めます。

でも欲しかったんですよ。

ずっと前から買いたいけど、なんか買うのをためらっていたスピンキャストリール。

それが激安で目の前にあったらそりゃ買っちゃうじゃないですか。

でも新品が高いかっていうとそうでもない。

Amazonでの販売価格は2950円送料無料って感じですから、もはや激安の部類に入ってくるリールなんです。

だから先に買っておいて、あとでベイトロッドを手に入れるまで封印することにしたんです。

で、今の今間で部屋でぐるぐる回して遊んでいたんですが、いよいよベイトロッド到着ということでレビュー記事を書きたいと思います。

 

スピンキャストとは?

僕が購入したダイワのスピンキャスト80。

このリールを知っている人も多いでしょうが、実際に使った経験がある人はかなり少ないと思います。

僕も勿論経験なんてないんですし、初めての購入なんですけど

手にした瞬間に感じるこの親近感。

見た目は何とも奇妙なのに、手に握るとなんとも親しみ深い。

さらにリールを回すと感じる

半端じゃないチープさ

駄菓子でも食べてるような安心感と

妙なこのワクワク感は一体?

 

見た目も使い心地もまるで体験したことのない謎のリール、スピンキャストの謎に迫りたいと思います。

ダイワのスピンキャスト80とは

 

まずはダイワのスピンキャスト80から紹介です。

ダイワのスピンキャストの歴史は1970年代からはじまります。

この頃、ダイワから初めて販売されたスピンキャストがレーク3500

このリールは1971年のグッドデザイン賞を受賞。当時スピンキャストリールというのはカッコイイというイメージが先に来るアイテムだったようです。

それから1972年に、このレーク3500を改良したスピンキャスト№2(1972)と言われる真っ赤なリールが販売されます。

このリールから、ダイワに正式に『スピンキャスト』のシリーズが生まれることとに。

シリーズはかなりの数があり、リールが円盤状のスピンキャスト30D、スピンキャストXD、ミニスピンキャストなどなど、結構豊富なバリエーションだったよう。

その後1979年にスピンキャストの上位機種となるハイキャストと言われるリールが登場。

ダイワのスピンキャストの数は最多の数を誇るようになります。

しかし、スピンキャストがどんどんと売れなくなり、ハイキャストは発売停止。

1990年代に入ると、ダイワはどんどんとスピンキャストの生産をやめ、かわりにベイトリールの生産に力を入れ始めます。

つまり、2000年頃の日本ではスピンキャストはほぼ絶滅状態になっており、多くの釣り人はスピンキャストのことすら忘れはじめたんです。

 

しかし、ダイワはスピンキャストを捨てなかった。

 

なぜかは後述するとして、とにかくダイワは日本では売れもしないスピンキャストの生産を続けます。

しかし、バージョンアップやハイエンドなど、高級モデルの生産は一切なし。

日本での販売は2014年にモデルチェンジしたスピンキャスト80とスピニング用のアンダーキャスト80のみとなっていますが、それでもなお細々とスピンキャストを作り続けているんです。

スピンキャスト80のスペック

スピンキャスト80のスペックですが、これが驚く程低い。

現行販売されているリールとは思えない次元でして、ローテク感を楽しむのもいい加減にしてほしい。

でも、スピンキャストはやっぱりこのスペックじゃないと楽しめない!

みたいなヤバい人が多いのか、億もせずこのスペック表が箱の裏に書いてありましたね。

 

ギヤ比:4:3:1

最大巻き取り長:56㎝

自重:250g

ボールベアリング:1

 

このスペックを改めてみると、まぁ凄いですね。

これで2014年にモデルチェンジですから、もうシーラカンスリールです。

スピンキャスト80をメンテナンスしてきた

スピンキャス80をメンテナンスして謎の苦労をする
今回はスピンキャスト80を分解してきましたよ。 未だかつて一度たりとも中身を見たことがないリールがうちにあります。 それは、以前このブログでも紹介したスピンキャスト80。 中古わずか1900円という値段で購入したわけですが、なんかお気に入り

スピンキャスト80をメンテナンスしてきました。

実際に中身をみると、これまた不思議なリールですね。

最初はなれてませんでしたが、一回中を見てみると結構楽しいアイテムです。

スピンキャストを渓流で試しに投げてきた

https://douhokuhinntyou.com/2018/12/23/spincast2/

続いてスピンキャスト80を渓流で試してきました。

これまた最初は慣れなかったんですけど、実際に投げtみたら妙なもので、けっこうやみつきになるかも。

たまらないチープさがあるのでおすすめですよ。

スピンキャストは面白いけど疑問だらけ

スピンキャスト80をここ数か月、ことあるごとに回し続けていたんです。

そうすると、とにかく巻いていて面白いし、なんかこの安っぽさがチープでたまらんとやみつきになる部分が多いんです。

それにネットを見ると、スピンキャストファンというのは一定層いるらしくて、スピンキャストばっかり使う変態紳士もいらっしゃいます。

でもね?

僕としてこのリール、なんで存在しているのかまったくわからない。

というのも、各機構などを見ても他のリールへのアドバンテージがまるでない。

正直使うまでは「初心者向け」だとか「誰もが簡単に使える」みたいな情報を得ていたので、さぞかし使いやすいだろうとか考えてたんですよ。

でもね、ぜんぜん違う。

なにこれ

もう全然使いやすくないんだけど?

ていうか何これ、もう意味不明なんですけど!どう使うんですか!?

という部分があまりに多いので一つ一つ書いていこうと思います。

なぜスピンキャストはピンで糸を巻き取るのか?


まず、僕にとって最大の疑問であり、スピンキャスト最大の特徴である

ピンを使った糸の巻き取り機構。

これが僕的には非常に面白くも疑問です。

スピンキャストは別名「クローズドフェイスリール」と呼ばれるジャンル。

それだけに、スプール部分がカバーで覆われているのが特徴です。

その中にはスプールがあるんですが、回るのはスプールではなく、その上にある飛び出したピン。

このピンがスプールから出た糸に引っ掛かり、回転することで糸を巻き上げるっていう仕組みです。

で、思ったんですけどね。

なんでこの機構作ったの?

っていうことなんですね。

だって、ダイワのスピンキャストが登場した頃なんて、とっくにスピニングリールがあった時代。

というか、スピンキャストは1950年代にアメリカ初登場したらしいんですけど。

確かその頃って、もはやスピニングムーブメントすら起きてたと思うんですけど。

なのに、あえてベイルアームではなく、クローズドフェイス方式を作ったのって何故なんでしょう?

古い仕組みだっていうのは知っているんですが、にしてもピンで巻き取る理由がよくわからない。これベイルアームじゃだめなの?なんで?

なぜクラッチがボタン式なのか

続いて疑問で仕方がないのが、クラッチがボタン式っていう部分ですよ。

これがスピンキャスト最大の特徴であり、デザイン上の特徴。

でもね、ベイトのようなクラッチボタンなら良いんですが。

なんか飛び出してるんですね。

なんでこんなボタンデカイの、なんでなの?

ていう疑問。

これがまぁ不思議でしょうがない。

そもそもこのスピンキャスト、その姿形からして内部の機構はほぼ間違いないくスピニングリールに酷似しているはずなんです。

それを無理やりベイトみたいにクラッチ切れるようにしているって感じ。

だからこんなデカイボタンが付いているんでしょうが、にしてもデカイ。

普通のベイトみたいな感覚で握ると親指が今まで見たことない曲がり方をしている。

自分の親指が見えない敵を威嚇している。

そしてめっちゃつりそうになる。

なにこれどうやって握るのが正解なの?教えて!おねがい!親指が死んじゃう!!

と、初めてこのリールを握った時は救急車を呼びかけました。

というか、なんでこんな位置にクラッチボタンがあるのか?

その疑問は未だ解決されていませんが、とにかく奇妙なポジションにあります。

ちなみに他のスピンキャストはもっと押しやすい位置にあったりしますね。

このダイワのスピンキャスト80はなぜだか昔っからボタンのポジションが変わっていないとか。何か理由があるんでしょうが、まったく押しやすくはありません。

巻き心地のレベルを通り越してクセになるハンドル

つづいてこのハンドルをご覧ください。

なんとも安い、こんなに安いハンドルを見たのは生まれて初めて。

それじゃぁ巻き心地はどうなのかというと。

これがもう凄い。

シャリシャリ音がいうっていうレベルじゃない。

巻くたびにギアの振動がじかに伝わってくる。

今時のリールにありがちなシルキーな巻き心地だとか

ハンドルの重みだけで回る滑らかさだとか

完全に無視。

ハンドルを回すと、もろにギアを巻いている感覚があるレベルなんで

巻き心地が悪いとかそういう次元じゃない。

もはやこういう巻き心地なんでと、完全に言い切られた。

正直言って良いっすか。

僕、この巻き心地すごい好きですわ。

そりゃ

2014年にニューモデルになったリールとしてはダメですよ。

こんなのワールドスピン以下ですよ本当に。

でもね

そういうんじゃない、これ。

そういうベクトルにいないの。

なんか妙な懐かしさがあるっていうか。

今間でこんな巻き心地のリールを使ったことなんてないのに、みょうに懐かしいんですよ。

たぶんこれ、リールじゃなくてハンドルを回して動かすその他の機械に物凄い似てるんですね。

たとえばオルゴールとか、コーヒー豆を挽く機会だとか、ジャッキだとか、玩具だとか。

そういう「もろ機械」みたいな道具を使っている感覚が、なんか妙な郷愁を感じさせるんですね。

もはやハイテクなんてどこ吹く風。

例えるなら、キャブレター付きの旧車感。

パワステなんて付けるだけダサい

ヒーターはあるけどエアコンなんか無いからとりあえず三角窓あけろ。

みたな、そんな感触というか。

安ぽいハンドルを回すとカチカチと伝わるギアの動き

これが「機械を動かしている」とい実感が、ハンドルからめちゃくちゃ伝わてくるんですよ。

それが妙に心躍るし、懐かしくもあるし、やばい、なんだこれ。

なんでベアリング付けないんだよ最高かよ

なんでドラグがヌルヌルなんだよ

つづいてこのドラグ部分。

ダイヤル式で、しかもこの位置についているのってスピンキャストだけですよね。

操作は親指で行うんですが、マイナス側に回すとゆるみ、プラス側に回すとしまる仕組み。

このドラグ操作だけは「これ便利だな」って思っていて。

ファイト中でも親指でシュッと動かせそうだから、結構いいかも?

しかも、ドラグを出してみると、これが案外ヌルっと出てくる。

スピンキャストの機構ってスピニングに似ているから、てっきり「チリチリチリ!」とか音が出たりするのかと思えば、まったくの無音。ここが妙にベイトっぽい。

しかも出方も悪くなくて、案外使えそう。

でも。なんでドラグだけ良い感じなのかわからない。

ほんとうに謎リールだこれ。

どうやってキャストしてサミングするのよスピンキャスト!

続いてカバーを外して目に付くのが、上部について黒い部分。

これ、さわった感じシリコンぽいんですよね。

で、どうやらこの黒い部分と、上部のカバーの間で糸をはさんでキャスト中にラインをホールドするらしんですよ。

ていうかなんではさむんだよ。

そこ指でやるから!

と言いたくなりますが、それはスピンキャストでは許されません。

クラッチボタンをおし、スプール上部の機構を押し上げてカバーとシリコンをはさむ。

この無駄っぽい機構を楽しめなければスピンキャストを使う意味がない!

というわけです。

正直、もとからスピニング使っている人間からすると。

「いや、これスピニングのほうが投げるの簡単だから・・・」

とか思っちゃうけどきっと気のせいじゃないかなうん。

だって大手メディアとかで色々「初心者向け」って言ってますからね。

僕みたいなアングラ釣りブログの主が「これはさすがに初心者向けじゃない」って言ったって気にしないでください。こんなブログなんて・・・どうせ大手になんか負けるんだ・・・畜生・・・・あのメディアの問い合わせフォームにスピンキャスト投げつけてやる。剛性だけはやたら高いんだからな!

なぜスピンキャストは現代も生き残っているのか?

それにしても、スピンキャストはひたすら変わったリールですね。

全体的に殆ど金属で作られているし、なんか重いし

しかも巻き心地なんて昭和のまんま。60年代から変わってないんじゃないかって具合。初代グロリア乗ってるんじゃないんだよこっちは。

いや良い車ですよグロリア、友人も乗ってますから。

でもね、やっぱりパワステ位付けても良いんじゃんないか?

そんな疑問すら浮いて来るのに、かたくなにローテク機構を守ってダイワが作り続けてる理由は何なのか?

あとぶっちゃけ

このリールに実用性とかまるで見当たらないんですけど。

すいませんね。

でも、もうここまで読んでもらったわかるでしょうけど。

こんな謎機構よりスピニングの方がよほど初心者向けですよ。

なのに、70年代の車バージョンアップもろくにせずマイナーチェンジで売ってるようなことしてるですよ?

しかも握りにくいし、キャスティングだってぶっちゃけ難しい。

多分餌釣りだったらやりやすい。

けどルアーフィッシングにおいては完全玄人向けリールな気がする。

なのになんで未だに売られているのか?

そのあたりについても調べてきました。

アメリカでは未だにスピンキャストが人気

じつはダイワのスピンキャストは、USダイワから発売されているシルバーキャストや、ゴールドキャストというモデルが存在するんです。

なんでUSダイワ?

と思って調べると、どうやらこのスピンキャストは日本向けではなくアメリカのユーザーのほうが沢山買ってるみたいなんですね。

そういえば、なぜ僕が使ってもいないスピンキャストの存在を知っていたのか?

そのあたりについて振り返っても、やっぱりアメリカ産の映画が原因だったと思います。

アメリカ産映画、つまりハリウッド映画には時折釣りをするシーンがでてきますが、その時になぜか妙なタックルを使っているんですよ。

なんかベイトロッドっぽいのに、スピニングを反対側に着けているみたいなタックル。

しかも、アメリカ人は時折スピニングですからベイトのように持ち使っているシーンすらあるんです。

しかも、だいたいボートに乗っていてるやつら。

だから、ぶっちゃけ昔は

「あれ全然釣りを知らない人がやってるな!逆だよ逆!」

とか思って監督をディスってたんですけど、どうにも違う。なんかあまりにもスピニングを反対につけたようなタックルや持ち方が多すぎる。

で、気が付いたんです。

あれ、全部スピンキャストリールだったんだと。

そうなんです。

アメリカではなぜかスピンキャストリールが物凄いメジャーなんです。

普通にスピニングやベイトを使うのがあっちでも基本なんですが、世界でも類を見ない位スピンキャストが出回っていて、とくに初心者用タックルに多い。

さらにスピンキャストを世界一押しているバスプロショップ(最近あのキャップをかぶっている人が多い)で僕もスピンキャスト用ロッドを探してたんですけど、ものすごいバリエーションのスピンキャストのセットリールが売ってるんですよ。

それもキャラクターものが多くて、ダースベイダーとか、仕事を選ばないキティーちゃんとか、もう滅茶苦茶。

アメリカではスピンキャストなら何をやっても良い法律でもあるのか?

そういえばと、さらに何かを思い出す。

あれは確か、ルアーが水中でジグザグに動いて忍ビートしたりするアレ。

そう、グランダー武蔵。

あの時主人公の武蔵が使っていたグランダーロッドも、なぜかスピンキャストリール(クローズドフェイスリール)だったはず。

そんなわけで、僕はなぜか「初心者用リール=スピンキャスト」の図式をすっかり覚えていたんです。

さらに、アメリカ等の海外では少しか釣りをしたことが無い人はスピンキャストに慣れているけど、スピニングやベイトは使ったことが無い人もいるらしい。

で、その人たちは決まって

スピニングを逆に持つらしい。

そういうことか

だから映画でスピニングリール逆に持ってたのか!

と、長年の謎が少しだけ解決したのは妄想です!

なぜアメリカでスピンキャストが流行したのか?

そもそもこの奇妙なリールが流行した理由がさっぱりわかりませんよね。

だいたいスピニングリールがあれば初心者には十分だと思うし、初心者向けって言われてもよくわからない。

というか、1970年代のカタログや雑誌なんかを見ても、スピンキャストは別に「初心者向け」ってキャッチコピーで売ってたわけじゃないんです。

むしろ、やっぱりダイワだってスピニングをファミリーフィッシング向けに売ってたし。スピンキャスト=初心者向けっていうイメージは最初は無かったみたいなんですよ。

まぁそりゃそうですよ

このリールとスピニング比べたら、そりゃスピニングのほうが使いやすい。

だったら、なんでスピンキャストが生まれて、しかもアメリカで人気なのか?

その謎を解くカギは、アメリカの1950年代におけるリール事情が大きく関係していたようです。

スピニングリールの流行とロッド不足が生んだ亜種

調べてみると、スピンキャストが生まれたのは50年代頃。

当時はゼブコから世界初のスピンキャストを作っていたようなんですが、これがアメリカで大ヒットして現在に至るそうなんです。

ゼブコ的にはスピニングの機構を利用してベイトリールを進化させようと作ったらしぅ。

「よりトラブル無く投げれるベイトリールを作ったぞ!

的な感覚だったらしいんですよ。やばい俺たちの時代きたー!みたいな?

ところがです。

僕が知る限り、この50年代~60年代のアメリカってスピンキャストではなく「スピニングブーム」のほうが大きかったはずなんです。

なのになんでスピンキャストとスピニングが同時にヒットしたの?

とか思って調べてみると、どうやらこの時期のアメリカは確かにスピニングブームのほうが先にきたようなんです。

しかし、アメリカは元々ベイトリールの国。

ヨーロッパからスピニングがやってくるまでダイレクトリールとチャンピオングリップが基本の国だったんです。

そこにラパラなどのミノーやスピナーが入ってきて、軽いルアーを投げれるスピニングタックルが流行しはじめるんですが、リールは入ってきていても、スピニングのロッドが物凄い不足していたそうなんです。

しかもただ不足していたわけじゃなくて、当時のルアーフィッシング用のロッドは今みたいに安くなくて、大量にロッドを持っている人間なんて大金持ち以外いなかったんです。

ということはですよ?

スピニングリールを買いたくても、ロッドまで買わなくちゃいけないから面倒

とかいうやつがアメリカに大量にいたはず。

そこで目をつけられたのがスピンキャストだったんですんr。

このスピンキャストなら、軽量ルアーをベイトタックルで投げれる。

しかもチャンピオングリップで。

つまり、スピンキャストはベイトロッド用にスピニングリールを改造したことが始まりだったんですね。

だから、そもそも初心者用だったわけじゃない。

むしろそれまで釣りをしていた連中の中でも、金がなくてベイトロッドでスピニングを使いたい人間に受けたのがスピンキャストだったわけです。

リールの機能向上により初心者向けへと姿を変えた

当初はベイトタックルしかないアメリカ人に人気が出たスピンキャスト。

その独特な古いSF感あふれるデザインはアメリカ人が大好きな部類ですし、スピニングリールの普及と共にアメリカ中に広がっていきます。

しかし、そのうちにスピニングリール用のロッドも多く作られるようになり、スピンキャストの需要に陰りが見え始めます。

ただ、それでもアドバンテージはあった。

70年代にまでくるとスピニング劇的に使いやすくなりますが、ベイトリールの性能はまだ低く、軽いルアーをストレス無く投げれません。

そこで「ベイトスタイルなオシャレでトラブル無く軽いルアーを扱える」という形でアングラーに売り込みをかけるわけです。

また、キャスティングのしやすさに着目し、ベイトタックル用のスピンキャウトだけでなく、スピニングタックル用のアンダースピンも発売していきます。

ところが

これも90年代に入る頃には、とっくに通用しなくなる事態に陥ります。

ベイトリールの性能が格段に向上し、10g以下のルアーも余裕で投げれるようになるわけです。

しかもベイトリールはバスフィッシングで多用され、巻き上げパワーの強さが売りにになり、スピンキャストはもはやマツダのロータリーエンジン状態。

強いタックルならベイトを、繊細なタックルならスピニングを。

このようなすみわけが出来てしまった80年代では、もはやスピンキャストの居場所は消えて無くなったんですね。

元々ベイトとスピニング繋ぐ為に売られていたリールですから、仕方ないかも。

で、そこで登場したのが「初心者用」という使い方ですね。

クラッチボタンを押すだけで簡単にキャストできる!というコピーをもとに売りはじめ、その流れはアメリカを中心にはじまったと予想されます。

 

また80年代はファミリーフィッシングも流行しだした頃なんで、このキャッチコピーは成功。スピンキャストは延命。ファミリ―フィッシングのリールとしてCMにも登場するようになりました。

ただし、やはりスピニングとベイトの進化が止まりません。

スピンキャストが初心者とコアファンを相手にしている隙に、ベイトリールはフィネスまで対応。

一方のスピニングは剛性と巻き心地を限界にまで上昇。

もはや、巻き上げをピンで行うスピンキャストでは太刀打ちできない領域にまで突入していたわけで、初心者すらスピンキャストは必要し。

つまり残念ながら

その機構上、もはや現役で使われることは絶対にあえりない旧型となってしまったのです。

それでもスピンキャストは回り続ける?

ところがです。

ここまで時代遅れになったスピンキャストが未だにダイワが販売していたり、ゼブコなどのメーカーが売り続けています。

これは、アメリカで初心者に対してスピンキャストが未だに売れていること。

そして、なによりコアなスピンキャストファンが今でも生まれ続けているのが原因ですね。

 

需要があり、売れるならば作り続けるしかない。

ということで、ダイワもスピンキャストやアンダースピンを売っているんですが、価格はやはり抑え気味、機構もまるで古いものをずっと使ってます。

このあたりは初心者だからいいやーっていうのもあるんでしょうが

おそらく「スピンキャストはこれじゃなきゃダメ」っていうユーザーが妙に多いんでしょうね。

でなきゃとっくに作りを変えてるはず。

というわけで。

なにも知らない初心者と、やばい変態アングラー向けという両極端な価値を持つ滅茶苦茶変わった需要にこたえ続けているリールらしいです。

日本のスピンキャストリール達

ダイワのスピンキャストについて色々と知ると、やっぱりこいつは特殊なリールなんだなと実感しますね。

しかし、スピンキャストはこれだけじゃない。

アンダースピンも含め、クローズドフェイス機構を備えたリールはコアなマニア達のために今もなお作られています。

チープさを極めた五十鈴のスピンキャスト

スピンキャストの魅力であるチープさを極めつつ

オシャレに仕上げ、さらにポップさもアクセントに追加

もはやビレッジバンガードに置いてあっても不思議じゃない

そんなレベルに仕上げたのがこのPICCHINO(ピッキーノ)です。

このサブカルポップさが可愛いリールは五十鈴工業という日本のメーカーが作っています。

何を隠そうこのメーカー、日本で最も古いリールメーカーらしく、高級丸型ベイトリールのBCシリーズなども有名。

そんなメーカーが初心者や子供用むけに可愛いスピンキャストを作ってみたそうですが、結果として大人のお友達が大量に買いまくったおかげで、一躍メーカーを代表する人気リールになったとか。仮面ライダーかよ。

まぁこのリールを見てもらえれば、スピンキャストマニアじゃなくても一度は使いたくなる。

値段も6000円代から売っているんで、決して高いアイテムじゃないってのも良い。

僕もいずれ使ってみたいリールです。

高性能アンダースピンキャストTU-01

こちらも同じく五十鈴工業が作り、トライアングが企画した超高性能アンダー・スピンキャストリール。 最大巻き取り80㎝のハイギアに加え、PEライン対応。

現代の釣りに対応するハイスペックを秘めたスピンキャストリールです。

企画したのはアニメオタク渓流アングラーで有名なヤマケンさん。

あの人もこういっちゃなんですが、けっこうな変態。 こだわりが行きすぎて作っちゃった感がやばいリールですね。

ダイワのアンダースピン80

そうそう、ダイワのアンダースピン80も紹介しておかないと。

僕の持っているスピンキャスト80の兄弟機で、こっちはスピニングタックル用。

レバー操作でキャストするタイプであり、こちらも愛用している変態さんが結構います。

ギア比やスペックはほぼ一緒。

スピニングタックルでクローズドフェイス機構を楽しみたい人におすすめです。

ダイワのUS逆輸入スピンキャスト

赤いボディがなんか苦手!

っていう人には、ダイワUS逆輸入モデルであるシルバーキャストがおすすめ。

お値段はスピンキャスト80より若干高めで、しかも品薄。

ついでにさらに高くて8000円代となっているゴールドキャストというモデルもあります。

海外のスピンキャストリール達

 

続いてスピンキャストの本場、海外のリール達です。

僕的にはゼブコとかアブガルシアが有名だなとは思ってたんですが、探してみたら出るわ出るわ、海外製のスピンキャストリール達。

まぁそのあたりは非常に数が多いので、有名どころのゼブコ、アブ、そしてシェイクスピアをご紹介しておきます。

経歴がヤバいスピンキャスト代表!ゼブコ

今やスピンキャスト市場の半数近くのシェアを誇るゼブコ。

1947年に世界ではじめてスピンキャストリールの製品化にこぎつけたアメリカの元祖的メーカーです。

代表作であるオメガや33をはじめ、この一社だけで多数のスピンキャストリールが世に送り出されており、その数は圧倒的。

ピンが二つあるので巻き出しが速かったり、クラッチ操作で動きラインを抑える部分が円形になっており、ラインをいきなり抑え込むようになっていない。

というとよくわかんないんですけど、ようはクラッチを使ったサミングがやりやすい機構なんです。

このメーカーはスピンキャストに熱を入れまくっているだけあり、かなり高機能なリールが多数ありますね。

クラッチもかなり押しやすいし、僕の持ってるスピンキャスト80に比べると巻き心地も抜群に良いんです。

また、このメーカーが面白いのは、元々採掘用の時限爆弾装置を作っていたメーカーというところ。

その時限爆弾で時計を作っていたわけですが、その技術を使ってリールを作り始めたのがきっかけで釣り具メーカーになったとか。やばいです。

色物タックルを作り続けるシェークスピア

バスプロショップの色物タックルでおなじみのシェークスピア。

もともスピンキャストリールで有名なった会社であり、あのスターウォーズタックル以外にも美しいリールを作っています。

ちなみに、あのキャラクター系タックルセットはアメリカで

「コンボ(combo)」

と呼ばれており、キッズアイテムとしてよりネタタックルとして人気があるとか。

ちなみに僕のお気に入りのコンボはもちろん機関車トーマスです。

 

 

というわけでスピンキャストで釣りに行ってみる

それにしても、スピンキャストって初心者向けって聞いてたけど、むしろ変態向けな気がしてなりませんよ。

正直にいって、この沼に落ちたら帰ってこれない気すらするヤバいリール。なめてかかったら終わり。一生スピンキャストすか使えない病にかかりそうです。

で、この記事を書いている事典で、すでにスピンキャストを使った釣行を終えているので、もう使用感とか書けるんですけど、長くなるので次回にします。

【紹介したアイテム】

リール
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道北貧釣

コメント

  1. 7年生 より:

    はじめまして。2018.12.22アップのスピンキャストで辿りつきました。
    この投稿された頃、現在のベイトフィネスブームを予想されてましたかね?私は基本スピニング派なのですが、コロナ禍で釣りがし辛くなり引き籠りが増えた2年前位に、ユーチューブでマスゲンさんに出会ってしまいそれまで興味なかったバスベイトが楽しそうに思えたからです。
    近距離の投巻の手返しの早さと、サミングでブレーキができるベイトが試したくなり中古リール(16スコルピオン)を買いました。最初スピニングのエギングロッドで代用していましたが、結局安価なベイトロッドも買い投げてみました。そして、バックラの洗礼を受け、やはりスピニングだと浮気を後悔しました。
    しかし、その頃世間ではベイトフィネスアジングなるものが騒がしくなってきました。そもそもアジング好きだった私は、また浮気癖がでてしまったのです。知識のない私は、練習すれば普通のベイトリールでも5g以下が投げれると思っていましたが、現実は違いました。さりとて高価なベイトフィネスリール買わなくても、5g以下はスピニングでカバーできるので買いませんでした。私は買ったベイトロッドのトリガーを削り二投流(スピニ・ベイト兼用)にしていたのでね。
    でも、渓流に興味を持った最近、軽量リグをワンハンドキャストできるベイトフィネスリールは必要なのでは?と少し葛藤が・・・。通常ベイトリールでも4.5g位は投げれるようになりましたが、やはり3gが投げたい。そんな時、ネットでスピンキャストが目に止まりました。色んなインプレ読むと1gでも投げれそう。安いので即ゼブコ33ポチリました。買う前には「道北貧釣」さんのインプレも見ました。うん、結論はベイトフィネスリールいりません。投げて巻くを繰り返す釣りならこれでいけそうです。バックラもしないし。精度よさげなのも紹介されてましたが、やはり200g以下であって欲しいので、ほぼゼブコ33一択でした。
    その後「道北貧釣」さんの他の投稿も読ませていただきました。基本ベイト派のようですね。しかも、ベイトフィネス機買ってるじゃないですか ww なんか百均ネタも多いようで、庶民系なんですかね? w
    さらに読ませていただきます。インプレ参考になりました。とりあえず、ありがとうございました。