ラパラのハスキージャーク伝説?蘇れジャークベイトの救世主!

ミノー

誰でも知っているルアーメーカーと言えばラパラ

そして、世界一ルアーを売っているメーカーも、やはりラパラ

世界のラパラ。

もしくは、伝説のラパラ。

1930年代にラウリラパラが初代オリジナルフローティングを作って以来、数多くの世界的ヒット作を作り出してきました。

しかし、そこに一切の曇りが無かったかといえば、それは嘘。

それどころか、社の存続に関わる大ピンチに陥ったことすらあります。

 

では、そんなラパラのピンチを

ある一つのルアーが救っていたとしたら?

 

そんな質問を投げかけられたら、きっと多くの人が色々なラパラのルアーの名前をあげていくと思います。

カウントダウン、フローティングジョイント、シャッドラップなどなど。

しかし、もしラパラを救った救世主が

実はハスキージャークだとしたら?

きっと多くのアングラーは首をかしげるでしょう。

いや、かしげるどころか

「そもそも、ハスキージャークって何?」

と言われるのも仕方ない。

それほど、このルアーは日本で知名度が低く、存在すらも忘れさられ、いつの間にか廃版ルアーとなっていたのです。

しかし、2017年ついにハスキージャークが復活。

それ以来、日本では着実にその知名度を伸ばしています。

ラパラのハスキージャークとは?

ハスキージャークとは、1995年にラパラが初めて作ったプラスチック製のミノーです。

また、ラパラにとっては初となるジャークベイトということで、世間に大きな衝撃を与えました。

アメリカやカナダでは「ハスキージャーク」は有名で、幼少期にはじめて使ったジャークベイトであったと言う人もいます。

しかし日本ではハスキージャークの知名度は恐ろしく低く、名前なんて聞いたことが無い人のほうが多いほど。

なぜここまで日本と海外で温度差があるのか?

この問題は、1995年の日本のルアー業界と、ラパラ社に訪れた危機が大きく影響しています。

ラパラ・ハスキージャーク紹介【rapala/husky jerk】

ちなみにレビュー動画も撮影しておきました。

みんなお願いだからハスキージャークを愛してあげて

そんな愛の押し売り的動画になっています。

90年代の日本はバスバブルによりラパラの知名度が低下

ハスキージャークが販売された1995年。

この年、日本ではまさにバスバブルが起き始めた頃であり、多数のルアーメーカーが日本中に誕生していました。

かの有名なズイールのアライ君が発売されたのもこの年であり、僕も釣り具やで信じられない値段でショーケースの中に飾られていたのを良く覚えています。

さらにメガバス社からメガヒットルアーのPOPXが発売。

現在有名なDUOもこの年に生まれています。

それだけではなく、各メーカーがこぞって成長を遂げたのが90年代であり、各メーカーから日本性の優秀なプラグが誕生。

その結果、ラパラの存在感が薄くなったのも事実。

ハスキージャークの知名度以前に、他の国産ルアーに押され、ラパラの人気そのものが低下していたわけです。

アメリカでもラパラのルアーは絶滅しそうだった

90年代は日本だけでなく、世界中のルアーフィッシングが盛り上がっていました。

特にアメリカではバストーナメントの人気が凄まじく、テレビでは毎日のように釣り番組を放映しており、お茶の間でビル・ダンスがボートから落ちまくっていた頃。

また、ヒロ内藤氏がいたことで知られるバグリー社のライン部門(シルバースレッド)スミスウィックなどをプラドコ社が買収し、世界最大のルアーフィッシングメーカーが最終形態へと突入していました。

 

このようにアメリカ国内のルアーフィッシングが盛り上がれば、ラパラも波に乗って売れるはず。

と思っていたラパラでしたが、実際はその真逆。

アメリカでのラパラの地位は以前にもまして落下していました。

 

元々、ラパラ社が世界的に成功したのは「アメリカ」という巨大市場があったおかげ。

パイク、トラウト、バスといった多数のフィッシュイーターが生息している国だからこそラパラは重宝されていました。

ところがラパラが有名になるにつれ、対ラパラを掲げるアメリカのルアーメーカー(レーベル)が勢いを増しはじめ、老舗メーカー(ヘドン)などを中心としたプラドコ社がアメリカ国内で強力なシェア率を誇るようになります。

その結果、最後のヒット作となるシャッドラップ以降、90年代に突入したラパラは、アメリカ国内でも以前のような影響力は無かったのです。

プラスチック製ジャークベイトという天敵

バスフィッシングが人気を博し始めたのにも関わらず、ラパラが業績を悪化させたのは

専門性の高いルアーが次々と登場してしまったことです。

もともと、ラパラのミノーは現在のように専門性の高いルアーが無い時代に世界中にひろまったルアーであり

「どんなルアーフィッシングでも使える」ということが人気の理由でもありました。

ところが、巷にルアーが溢れた90年代にもなると、魚種やエリアだけでなく、季節や水温、魚の産卵や捕食ターゲットの変化など、より細かい魚の習性や、悪化したスレ問題に合わせた様々なルアーが生まれました。

つまり、ラパラのような汎用型ルアーを使い続けるのではなく

数多くのメーカーが作る特化型のルアーを状況によって使い分ける「ローテーション」の釣りが定着してしまい

汎用型であるラパラの古いミノーの必要性が薄まってしまったのです。

 

特にラパラにとって脅威だったのは、主戦場であったアメリカ国内を席捲しはじめた

プラスチック製ジャークベイトの存在です。

 

ラパラといえばミノー。

その歴史を見ても、最も多く作っているはもちろんミノーです。

しかし、アメリカを中心としたバスフィッシングの世界では、すでにただのミノーではなく「ジャークベイト」というジャーキングに特化したミノーが大量に使われる時代に突入したのです。

ジャークベイトが持て囃されたのは、春先や秋の終わりの低水温期に強いことや、すでにスレ始めたフィッシュイーターのスイッチを入れることができたから。

さらに、ジャークベイトはこぞってプラスチック製。

ボーマーロングA、レーベルのスプーンビルミノー、そしてスミスウィックのログがジャークベイトとして有名でしたが、いずれもプラスチックで作られたミノーでした。

これらは飛距離はもちろん、ジャーク時の移動距離や、バランスの崩し方も全てプラ製ならではのもので、ロングポーズで食わせるためのサスペンド・チューニングも流行していました。

バルサのオリジナルフローターも一部ではジャークベイトと呼ばれていはいますが、本物のジャークベイトのような動きを出せるアイテムではなく、ただ巻きが基本。

また、ジャークベイトは流れの中でも使いやすく、バルサよりも強度が高いため、海や川に潜むあらゆる大型のフィッシュイーターを釣ることに長けていました。

 

その結果、バスだけでなく、パイク、トラウト、シーバス相手にも活躍し、バサー以外のアングラーのタックルボックスからもラパラのミノーが消えていったのです。

 

さらに追い打ちをかけたのは、プラスチック製ルアーがあまりに安かったこと。

 

というか、これが一番の痛手だったのは言うまでもありませんね。

 

輸入販売されるバルサのラパラミノーと、国内販売の安価なプラスチック・ジャークミノーでは時として1000円近い値段差が出ることもあったとか。

結果、値段、性能、専用性など、あらゆる面で敗北しつつあったラパラの主力ミノーは売上を落としていったのです。

ラパラの買収騒動とバルサの呪い

ルアーの販売実績が伸び悩んでいた1990年代、Rapala社の歴史の中でも最大のピンチが訪れます。

 

それは買収騒動

 

これはM&A(戦略的買収)を仕掛けらたのではなく、ラパラ一族の中からフィンランドの複合企業に会社を売る計画が持ち上がったのが切っ掛けと言われています。

 

まさか、世界のラパラが会社を売ろうとしていた?

 

僕も驚いたのですが、90年代初頭のラパラはかなりマズイ状況だったようです。

 

買収危機の発端となったのはRapala社が抱えていた多額の負債です。

80年代後半から90年代前半にかけ、Rapala社はヒット作を生み出すことができず、ルアーの販売が大幅に傾き経営が悪化。そこで経営を安定化させるため、ボートや住宅など多数の事業に乗り出したのですが、こちらも見事失敗していたのです。

おかげで経営は完全に火の車となり、幾らあがこうが負債を膨らませることが予想されていました。

つまり、ラパラ一族は近いうちに会社が倒産すると予想していた

そこで、まだ会社に価値が残っているうちに

 

「世界のラパラ」として他の企業に売ってしまおうと考えたのです。

 

しかし、ラパラ一族の一人であり、当時の経営責任者であったJarmo Rapalaは納得しませんでした。

Jarmo Rapalaは一族の中でも先鋭的な思想を持つ人間。

彼はRapala社の生みの親であるラウリラパラの孫にあたる人物でしたが、一族経営の古い体制を嫌っており、ルアーの開発も経営も、全て古い一族によって縛られ、自由な発想が殺されていると考えていたのです。

 

ラパラのミノーが他社に押され売れなくなったのは、製品の大半がバルサ等のウッド製品だったから。

それは経営が悪化する前からわかっていたはずですし、アメリカを主戦場としていたラパラが時代の流れを読めないわけがありません。

それでもプラスチック製のミノーを作れず窮地に立たされたのですから、もはや「バルサの呪い」とも形容すべきものです。

 

ラパラには多くのファンがいましたが、その多くはバルサ・ウッドで作られたミノーへの高い信頼を寄せていました。

また、ラパラ一族もウッドのミノーこそのラパラだと考えていた節がります。

だからこそ、最新のプラスチックミノーを作ろうにも作れない状況が社内にあり、経営責任者であるJarmoは、ウッド製品に囚われて沈むラパラという船を救おうと考えていたのかもしれません。

そこでJarmoはラパラ一族を説得し、ある決断を実行。

 

それは「家族経営を終わらせる」というもでした。

 

Rapala社といえば、ラウリラパラとその息子たちによって固められた伝統的な家族経営企業。

それはバルサのラパラと同じレベルの確固たる企業イメージです。

しかし、会社を売らず、そのまま存続させるためには、家族経営をやめ、新たな体制を整えなくてはならないとJarmoは一族に説いたのです。

この計画に同意した一族は悪化した経営を復活させるべく、一族所有の株の半数以上を銀行に売り、資金を得て経営を立て直そうとしました。

 

伝統を重んじるフィンランドの古き家族経営から、世界の銀行を相手に投資を得て活動する企業への変化。

 

これは、おそらく長いRapala社の歴史の中で最も大きな変革。

というよりも、そうしなければラパラ社は今にも買収されるか、そのまま経営を悪化させ倒産するしかなかったのです。

ただし、株を売り、経営に銀行を巻き込んだとしても一時的な投資しか得られません。

継続して投資を受け、悪化した経営を立て直すためには銀行が納得する利益を出す以外にない。

そんな決意を込め、第一陣として販売されたのが、この記事を書く僕の手元にあるハスキージャーク。

そして、これは比喩ではなく

正真正銘、後のラパラの命運を左右したルアーでした。

ラパラを救え!秘密兵器「ハスキージャーク」出撃

家族経営から完全な株式会社として生まれ変わったラパラは本格的な利益追求を迫られました。

もはや今までのようには行きません。

それは、家族経営の甘さも、拘りも許されない世界。

経営に銀行や投資家を巻き込んだ以上、背水の陣になるのは必須。自ら窮地に追い込むことで活路を見出す他無かったのです。

 

そこでラパラ社が目指したのは、ラパラの顔であるミノーをプラスチック製のジャークベイトとして復活させることでした。

前述の通り、ラパラといえばミノー。

その売り上げを阻害し続けてきたアメリカのプラ製ジャークミノーに勝ち、なおかつ利益を出すには、ラパラもジャークベイトを作るしか無かったのす。

そこでオリジナルフローターを飛距離重視でマイナーチェンジしたウッド製の「ハスキー」を元に、同社初となるプラスチック製のサスペンド式ジャークベイトを開発しました。

それが「ハスキー・ジャーク」

最初に販売されたのは、12㎝と14㎝のたった2種類。

これもジャークベイトとして最も多用されるサイズを意識したものでした。

しかし、当時のラパラの社員の中で、どれだけの人間が手くいくと思ったでしょうか?

ハスキージャーク以前にも、ラパラの一度プラスチックルアーを作っていましたが(ラトリンラップ)そちらが成功していればラパラの経営は復活していたわけで・・・やはり販売実績が低く、おせじにも売れたルアーとは言いがたいアイテム。プラスチック製による批判も多かったようですし、しかもバイブレーションです。

しかし、今回はラパラの代表作でもあるミノー。

それも新型のジャークベイト。

歴史あるラパラのミノーを、まったく新たな形にアレンジするのは相応のプレッシャーがあったでしょう。

それでもプラスチック化を進めなければ、ラパラが生き残る道はない・・・

そんな決意の元作られたハスキージャークの外観は、古いラパラの面影を残しつつ、中身は当時の最新モデルという仕様。それは、皮肉にもラパラの社内に起きた大革命を現す形となりました。

このルアーが日本に持ち込まれた1996年頃、ハスキージャークは「なぜラパラがプラスチックなのか?」と評されがちだったと言われています。

ラパラは昔のままが良いと言われるばかりか、「もはやラパラは終わった」とも2000年前後のネット履歴で揶揄されていました。

しかし、ただラパラがウッドを捨て、時代に合わせようと軽薄な考えで素材を変更したのではではありません。

このプラスチックボディには、伝統やプライドによって沈む運命を、身を削ってでも変えようとする覚悟が秘められています。

生き残りをかけたハスキージャークのアメリカ襲撃

ハスキージャークが出撃したのは1995年のこと。

フィンランドの湖上に浮かぶラパラ社は沈没寸前。

穴だらけの甲板に見えるのは、在庫として沈む予定のバルサ製レシプロ機達の列。

彼らが不安そうに見守る中、残る資金の全てを費やした最新のプラスチック製ジェット戦闘機「ハスキージャーク」がカタパルトへと上がります。

果たして、あの名作ジャークベイト達と渡り合えるのか?

ラパラのプラスチックミノーは本当にウケるのか?

今までのファンはこのミノーを受け入れてくれるのか?

離れていったファンは戻ってきてくれるだろうか?

もし負けたら?

いや、負ければもう後はない

けれど、もしも

もしも勝てれば──

 

──そんな期待と絶望をのせ、ハスキージャークは意を決し大空へと飛び出したのです。

 

もちろん

目標はアメリカ合衆国。

 

その任務は、圧倒的な高速ジャークで木製ミノーを撃墜し、ラパラ社を沈没寸前においやったアメリカのジャークベイト達と五角以上の戦いをすること。

さらに、その後は水中へと潜航し、ブラックバスやトラウト、パイクを釣り上げ、ラパラのプラスチックミノーを世間に認めさせること。

いずれか達成できれば良い・・・わけじゃありません。

どちらも達成されなくては、ラパラは存続不能!

 

それほどの重大任務を担ったラパラの最新ミノー出撃のニュースは、すぐにアメリカ中に流れました。

それは雑誌にとどまらず、テレビの釣り番組やCMでルアーの存在を知った人すらいる程。

ルアー1つの宣伝にCMを打った事実から、ラパラがこのルアーに縋るような気持ちだったのかが伺えます

 

その効果は抜群だったらしく

「あのラパラが、プラスチック製のジャークベイトを作った?」

「しかもサスペンドだって?」

と、テレビを見ていた人たちが店に殺到。

 

主にジャークべイトを普段から使っていたバスアングラーを中心に買われまくります。

さらにアメリカで売れたもう一つの理由に、元々サスペンド式のジャークベイトとして販売されたのも大きい。

当時のジャークベイトはフローティングタイプばかりで、サスペンドのためには専用のチューニングを必要としたのですが、ハスキージャークは元からサスペンド。

 

また、ラパラのファンが多いカナダやロシア、ヨーロッパでジャークベイトを使っていたパイクマンや大型トラウトを狙うアングラー達からも「ラパラからジャークベイトが出るなら使いたい!」とばかりにお買い上げ。

その性能は驚くほど高く、既存のジャークベイトと互角、もしくは以上の性能を発揮し、アメリカのトーナメントでも多数使用されました。

また、北米やカナダではパイクフィッシングに絶大な効果があるとして定番ルアー化に成功。

その後長らく「パイクを釣るならハスキージャーク」と言われるようになります。

ただ、日本では国内メーカーが強すぎたのと、ロングミノーをバスフィッシングに導入することを躊躇う人が多かったのが原因となり、さほど売れず。

唯一12cm以上のジャークベイトを頻繁に使っていたシーバスアングラーを除き、初代ハスキージャークはあまり売れなかったと言われます。

しかしアメリカや欧州におけるハスキージャークの活躍により、Rapala社の地位は向上。

ルアーは1年計算で700万個。わずか2年で1400万個を売り上げたのです。

さらに新生ラパラが新たに立ち上げたアメリカでのアウトドア事業も好成績を収めます。

その結果、会社の規模も一気に大きくなり、本社従業員も470人以上に増え、バルサの呪縛から解き放たれたかのようにプラスチック製の新型ルアーを作り出します。

ラパラを救ったハスキージャークのその後

Rapala社の危機を救った救世主、ハスキージャークは様々なサイズバリエーションを展開し、6㎝までサイズダウンしたタイプも販売され、日本のトラウトフィッシングでも良く使われました。

しかし、その活躍はあまり長くはありません。

ハスキージャークが成功したRapala社は、後に「X-rap」を作り、スラッシュベイトと呼ばれるような本格的なプラスチック製のジャークベイトを作り出しました。

ところが、そうなると立場がないのがハスキージャークです。

切れ味が自慢のスライドダート性能に特化し、飛距離すらも克服したX-rapシリーズに比べれば、もはやハスキージャークは旧世代のジャークベイト。

アメリカやカナダ、ロシア、ヨーロッパではパイクフィッシングのための必勝アイテムとして長らく愛されていましたが、やはりそこでも90年代初頭の戦闘機のような立場は変わらず。さらなる高速ジャークが可能となった新世代のジャークベイト達に完全に居場所を奪われてしまい、いつの間にか廃版ルアーになったのです。

ところが、2017年から限定復刻盤が販売。

2018年には完全復活をとげ、きちんとラパラの公式サイトにもプロダクトとして名を連ねています。ほんとうによかったね、ハスキージャーク。

復活を遂げたハスキージャークの特徴

ここからいよいよハスキージャークの詳しい説明といきましょう。

ジャークベイトとして欧州の三大ジャークベイトとして数えられている。

というのは僕が勝手に思っていること。

ただ、ロングA、ログ、ハスキージャークは確実に一時代を築いたジャークベイトということもあり、海外ではかなりのファンがいます。

最大の特徴は、ジャークベイトながらただ巻きで全然釣れるという点。

スライド系のダートをさせたり、トゥイッチで誘ったり、スローに引いて誘ったりと使える幅が非常に広く、バス系のみならず、渓流のトラウトフィッシングにすら使えるジャークベイトです。

サスペンドだけど実質スローフローティング

ハスキージャークはサスペンドという表記ですが、実際にはスローフローティングに近い浮き方をしてきます。水温にもよるので一概に言えないのですが、真冬以外は「ズルゥー」っと浮きます。

僕は現在トラウト相手に使うのでシングルフックを付けますが、そうするとさらにフローティングぽくなりますね。

水温が高い時期に完全にサスペンドさせたいならウェイトを張りますが、僕はこれくらいの浮き具合のほうが扱いやすいのでそのまま。

こっちのほうが動きにキレが増しますし、トゥイッチを中心に使う時には浮くほうが扱いやすいです。

細かく激しいダート

ハスキージャークは左右へのスライド系のダートアクションを得意とします。

スライド系といっても、水を完全に切るような動きではなく、パワー系のダートとの中間といった感じ。短い距離でバンバン動くため、誰もが簡単にジャークできます。

ジャーク時は頭は前につんのめるような形になり、ロールは強めで、身を思い切りよじっているように見えます。

ジャークベイトらしからぬただ巻き性能

ハスキージャークはただ巻きでも全然釣れる。

というか、釣る人の中ではただ巻きで使う人が多いアイテムです。

もともとラパラのミノーは「グリグリメソッド」と言われるただ巻きの釣りで釣果を上げてきたものが多いのですが、ハスキージャークもなぜかその性能を引き継いでいます。

そのため、扱い方のバリエーションがとても豊富。

僕は巻きながらのトゥイッチ3連発&ポーズが好きで、この動きで活性が低めの魚のリアクションバイトを取るのが好み。

他にも水面をデッドスローでトロトロ巻いてきたり、ファスト気味に巻き続けストップ&ゴーを繰り返したりと、汎用性はかなり高いです。

特徴的な高音系ラトルサウンド

ハスキージャークのお気に入りな部分はラトル系のサウンドです。

入っているラトルはとても小さく、それぞれが分散してラトルルームに収められ、ウェイトとして機能しています。

この独特のシステムから生まれる音が「シャラシャラシャラ」と、なんとも気持ちの良い音なんです。

これが僕のやってるトラウトフィッシングでは効果的なようで、ニジマスをメインに結構釣れている理由だと思ってます。

基本的にトラウト系の釣りでラトルサウンドはご法度。

警戒心が高いトラウト達は、妙な音がするとすぐにチェイスをやめてしまいます。

ところが、このシャラシャラという高音は妙にヤル気スイッチを入れてしまうらしく、不思議と襲ってきます。

僕はトラウトには基本ノンラトルのほうが良し、あっても一個程度で、ゴトゴトゴト!とか派手なラトルは厳禁だと思ってるんですが、なぜハスキージャークのシャラシャラサウンドは釣れる。

今でも理由がわかりませんが、派手なラトル音を嫌う魚であっても、この音なら結構アピールできるのかもしれません。

飛距離はそれなり

飛距離はそれなりというか、今使ってる他のフローティングに比べると飛びはしませんね。

例えばリッジディープとか、シュガーミノー辺りに比べるとやはり飛ばない。

理由はリップの形状と半固定式のウェイトが原因ですね。

ただし、プラ製になったオリジナルフローティングだと思うと飛んでいると感じる。

ラパラの古いフローティングは飛ばないから使いたくない派の人でも、このハスキージャークならまだマシな投げごこちでしょう。

流れの中でもアクションが破綻しない

最後に注目したいのは、ハスキージャークのアクションの安定性です。

僕が実際に渓流や本流で使っても安心して使えていますし、ドリフトさせても何時までも回転しませんね。

ジャークベイトは高速アクションがキモになるので、当然安定性が高いことに越したことはないのですが

ハスキージャークの安定性は異様。

もはや流れの中でジャーキングすることが前提みたいなミノーです。

というのも、ジャークベイトは止水気でジャークさせる為だけに使われてはいません。特に昔は

 

その昔、流心の中でミノーを使おうにもアクションが破綻してしまうものが多かった時代、ロングAなどのあえて動かないミノーを使うことで川の魚を釣っていた時代がありました。

ラパラは元々ターゲットをバスに絞ったメーカーでもなく、トラウトやパイクなども釣ることを視野にいれていますから、速い流れの中での使用も考慮していたかも。実際に河川のパイクフィッシングでハスキージャークはとても人気だったようです。

銀メッキ加工

ラパラはルアー本体に直接電気メッキ加工で純銀を使った初めてのメーカーであり、その技術を最初に使ったのが、このハスキージャーク。

そのためか、昔の広告を見ると純銀メッキの加工がほどこされたハスキージャークばかり映っていて、鏡面のような磨き抜かれたボディが印象深いです。

ただ、僕は純銀ボディだけでなく、他のカラーも押したい。

僕が好んで使っているオールドなニジマス系プリントカラーなど、懐かしのデザインが楽しめるのもハスキージャークの魅力です。

ハスキージャークの種類

ハスキージャークの現行モデルは全6種類。

6㎝~14㎝までのモデルがそろっています。

僕は6㎝と8㎝を使用しており、この辺りがトラウトなどにも使えるサイズ。

ライトタックルで投げるのに向いており、トゥイッチをメインに使うと良いタイプです。

10㎝~14㎝辺りからジャークベイトとして使うのが良いタイプで、バス、シーバスに向いているようですね。

ModelRunning DepthBody LengthWeightTreble Hooks
HJ61.2-1.8m6cm3gTwo No.10
HJ81.2-1.8m8cm6gTwo No.6
HJ101.2-2.4m10cm10gTwo No.5
HJ121.2-2.4m12cm13gThree No.6
HJ141.2-2.4m14cm18gThree No.4

データ引用元:ラパラ公式

 

カラーバリエーションもかなりの数があり、2018年にさらに新色が追加しています。

初登場時の日本ではバスよりシーバスなどのソルト用としての需要が高かったこともあり、キャンディカラーやレッドヘッド、スケルトンも増えています。

 

リップを曲げてアクションを変えられる?

ハスキージャークのカスタムとして有名なのが「リップを曲げて使う」というとんでもない方法です。

正直はじめて見た時は驚きましたが、かつてこの方法が流行したのは間違いないようです。

 

ハスキージャークのリップは普通のリップよりも少しだけ柔らかく、しかも折れにくいタイプ。

このリップこそ高速ジャークからスローリトリーブまで対応可能なアクションを生み出していると言われています。

ところが、かつてのハスキージャーク使いはその性質を利用し、リップを曲げてさらにアクションを変化させるカスタムを行っていたそうなんです。

代表的なものは、リップを曲げて90度に近くしてしまう方法。

これで完全にウェイクベイト化させ、地獄のデットスロー対応トップに変えてしまうのです。

しかも曲げたリップは、再び力を加えると元に戻る。

こんな奇妙なカスタムがあるのも、ハスキージャークならではですね。

ハスキージャークで変幻自在のミノーイングを楽しむ

ということで、世界では人気でも日本ではあまり人気がなかったハスキージャーク。

復刻にともない、ようやく人気が出てきた感じがありますが、それだけコアな隠れファンが多いミノーなのかもしれませんね。

僕自身もハスキージャークのレトロな外観やデザインを含め、案外汎用性が高い所も気にってます。

それに、トラウトに使えるジャークベイトってなかなか無いですしね。

もちろんバスとかシーバスとかで使っている人が多いんですけど、このルアーは多くの魚種が釣れる。

こんなものもハスキージャークでいけるのか?と試してみるのも良いかもしれません。

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