というわけで、すでにYouTubeの方でご紹介させてもらっていますが。
初代バスライズ、もらっちゃったんですね。
もう見て?これ見て?どう思う?この97年製のバスライズの青とシルバーのデザインとかどう思う?すんごいダサくない?もういい感じに香ばしいよね!
と、もう滅茶苦茶自慢したくて先に動画に出したんですが、べつにディスってるわけじゃありません。むしろ思い出がありすぎる。良いものも、悪いものも。
なお、このリールの送り主は、アルコール中男を名乗る人物。
中男といえば深夜釣りドラマシリーズの主演であり、うちの倉庫に勝手に居候している閉鎖病棟からの脱走者なんです。
その名前で荷物が送られてきて中をみたら、このバスライズが入ってたんですね。
にしても懐かしい。
巻いた感じとかもそうだけど、この青とシルバーの色合いが本当に懐かしくて、つい2000年を迎えようとしていた、あの世紀末に戻ってしまいます。
時は世紀末、僕はバスライズ
僕とバスライズとの出会いは、たしか99年だったはず。
なんでそんなことを覚えているのかというと、僕がこのリールをはじめて手に入れた時には、ノストラダムスの大予言を読んで震えていたからですよ。
そう、世は世紀末。
2000年に入る直前の世の中というのは、とにかく不安や期待で渦巻いていて、2000年問題で世界中のパソコンが機能停止になると言われていたり、ノストラダムスの予言により世界が終わるなんて話もそこら中で聞いていました。
そんな僕も、図書室に置かれていたノストラダムス関連の本を読んだり、学校返りに本屋で立ち読みした月刊ムーなどから、とにかく次のワードを拾いまくっていました。
「世界が終わる」
2000年になれば、世界が終わる。
それは不安ばかりではなく、なにか期待めいたモノすらあったのは、僕があまりにも世の中を恐れ、憎んでいたせいなのか。
ともかく、僕はノストラダムスの予言が当たることを期待していたのは間違いありません。
しかし、そんな悲観的な子供だった僕が、唯一2000年に期待いしたものがあるとすれば、ファイナルナルファンタジーの新作をやること。プレイステーションを買うこと。そして、新しい国産ベイトリールを買うこと。ただそれだけです。
ただ、それだけのことがあれば、明日は生きれてしまうというのもすごいもので、世界が滅亡するのはいいけれど、釣り具メーカーとゲームメーカーとソニーだけは潰れずに居てほしいという、とんでもなく我儘な将来像を描きながら世紀末を待ち望んでいました。
しかし、世紀末よりもはやくやってきたのが、リールを買うチャンス。
お年玉は親に管理されていた僕は、ようやく始められたバイト代を手に入れた僕は、いよいより国産リールを買うことが出来る状態になりました。
しかし、金額は8千円程。
この金額で唯一買える国産ベイトリールがバスライズっだったのです。
けれど、本当に欲しかったのはスコーピオンだったのは言うまでもない。
とくに銀メタという、あの銀色のスコーピオンが滅茶苦茶欲しかったマジで。
しかし、夢と現実は違うというもの。
僕に買える国産リールはバスライズしかなく、仕方なくこのリールを購入したのでした。
バスライズで修業のはじまり
はじめて手に入れた国産ベイトリールはバスライズ。
その流れを90年代の終りに経験している僕ですが、中には「はじめて親に買ってもらったリールが銀メタだった」とか言ってるバスプロがYouTubeでイキリ散らしているのを見てたんですけど。
ほんとうに腹が立ちまして。
もうこのクソボンボンが畜生と、あの頃の怒りが沸き起こってしまいました。
まぁさっきも書いた通り、僕は本当は銀メタ、もしくは赤メタが欲しかった。
それでも100歩ゆずってスコピーン1500が良かった。
しかし、ようやく手に入れたのは、赤でも銀でもない、青の初代バスライズだったわけですよ。そりゃ親の金で銀メタかったキッズは全員滅べば良いとコンプレックスが大暴走しますよ。
でもね?
それでも、バスライズを手に入れた時の僕は、本当にワクワクしてたんですよ。
たった5000円、しかも糸付きのベイトリールなんて、今だったらそうワクワクもしないんですけど、あの頃は今より数段金が無かったから、5000円のリールだって高級品ですよ。
それで箱から取り出してみたら、青とシルバーのツートンカラーで光り輝くリールが出来てきたわけです。
今のバスライズは黒一択って感じだし、そもそも青と銀のベイトリールなんて、今考えたらクソダサイ配色のリールなんて、初代バスライズしか見たことないんだけど。
当時は、もうそのカッコイイとしか思わなかった。
なんというか、ロボットっぽいというか。テレビアニメに出て来る主人公機って、結構青とか多かったから、そのイメージもあったかもしれない。
そのリールを、安物のフジグリップ系グラスロッドに装着すると、そりゃもう見た目が地獄のようにアンバランスだったんですけど、それでも思いましたよ、カッケーって。
そんなもんですね、初めて自分のお金で手に入れたリールっていうのは。もう通常の10倍くらいはカッコヨク見える。青だけど、僕にとっての銀メタですよ。
それから近所のため池に行って、ルアーを投げてみる。
使うのはラッキークラフトのサミー115、アユカラー。
そいつを投げた時の感覚は今でも覚えてますね。
そう、普通に飛んで、普通に巻ける。
すごい!普通だ!滅茶苦茶普通だ!
というわけで、すでにYouTubeの方でご紹介させてもらっていますが。
初代バスライズ、もらっちゃったんですね。
もう見て?これ見て?どう思う?この97年製のバスライズの青とシルバーのデザインとかどう思う?すんごいダサくない?もういい感じに香ばしいよね!
と、もう滅茶苦茶自慢したくて先に動画に出したんですが、べつにディスってるわけじゃありません。むしろ思い出がありすぎる。良いものも、悪いものも。
なお、このリールの送り主は、アルコール中男を名乗る人物。
中男といえば深夜釣りドラマシリーズの主演であり、うちの倉庫に勝手に居候している閉鎖病棟からの脱走者なんです。
その名前で荷物が送られてきて中をみたら、このバスライズが入ってたんですね。
にしても懐かしい。
巻いた感じとかもそうだけど、この青とシルバーの色合いが本当に懐かしくて、つい2000年を迎えようとしていた、あの世紀末に戻ってしまいます。
時は世紀末、僕はバスライズ
僕とバスライズとの出会いは、たしか99年だったはず。
なんでそんなことを覚えているのかというと、僕がこのリールをはじめて手に入れた時には、ノストラダムスの大予言を読んで震えていたからですよ。
そう、世は世紀末。
2000年に入る直前の世の中というのは、とにかく不安や期待で渦巻いていて、2000年問題で世界中のパソコンが機能停止になると言われていたり、ノストラダムスの予言により世界が終わるなんて話もそこら中で聞いていました。
そんな僕も、図書室に置かれていたノストラダムス関連の本を読んだり、学校返りに本屋で立ち読みした月刊ムーなどから、とにかく次のワードを拾いまくっていました。
「世界が終わる」
2000年になれば、世界が終わる。
それは不安ばかりではなく、なにか期待めいたモノすらあったのは、僕があまりにも世の中を恐れ、憎んでいたせいなのか。
ともかく、僕はノストラダムスの予言が当たることを期待していたのは間違いありません。
しかし、そんな悲観的な子供だった僕が、唯一2000年に期待いしたものがあるとすれば、ファイナルナルファンタジーの新作をやること。プレイステーションを買うこと。そして、新しい国産ベイトリールを買うこと。ただそれだけです。
ただ、それだけのことがあれば、明日は生きれてしまうというのもすごいもので、世界が滅亡するのはいいけれど、釣り具メーカーとゲームメーカーとソニーだけは潰れずに居てほしいという、とんでもなく我儘な将来像を描きながら世紀末を待ち望んでいました。
しかし、世紀末よりもはやくやってきたのが、リールを買うチャンス。
お年玉は親に管理されていた僕は、ようやく始められたバイト代を手に入れた僕は、いよいより国産リールを買うことが出来る状態になりました。
しかし、金額は8千円程。
この金額で唯一買える国産ベイトリールがバスライズっだったのです。
けれど、本当に欲しかったのはスコーピオンだったのは言うまでもない。
とくに銀メタという、あの銀色のスコーピオンが滅茶苦茶欲しかったマジで。
しかし、夢と現実は違うというもの。
僕に買える国産リールはバスライズしかなく、仕方なくこのリールを購入したのでした。
バスライズで修業のはじまり
はじめて手に入れた国産ベイトリールはバスライズ。
その流れを90年代の終りに経験している僕。
しかし、中には「はじめて親に買ってもらったリールが銀メタだった」とか言ってるバスプロがYouTubeでイキリ散らしているのを見て体中からあふれ出したコンプレックスが空気中に飛散し粉塵爆発を起こして黒焦げなんですけど。
まぁいいですよ、もうどうだっていい。
そもそも僕はバスライズ、あっちはメタニウム。生まれた環境が違いすぎるのだ。
けれど、それでも僕はバスライズを手に入れた時はうれしかったし、こんな汚れた感情を抱く大人じゃなかったんですよ。
たしかにスコーピオンは欲しかった。銀メタも、赤メタも欲しかった。
けれど、バスライズを手に入れた時、僕はとても嬉しかった。
なんせ初めての国産ベイトリールですからね。それまでワケのわからない安物中華リールを使っていた僕からしたら、もう凄まじいグレードアップでしたよ。
いうなれば、今まで生活保護だったのが、最低賃金んがらもアルバイトを始められたようなものです。
だから、あの青とシルバーのリールが凄いカッコヨク見えた。今みたらクソダサデザインなんだけど、あの時は大好きなSFロボットアニメの主人公機みたいで。さらに横になんかダイヤルが付いてる。これを回すとマグネットブレーキっていうのが効くのか、え?磁石でブレーキができるの?すげーこれがシマノかー!
とか滅茶苦茶褒めたたえてました。
そんなもんですよ。
あの頃、初めてみたバスライズはとても輝いていたし、それからの釣れいない釣りも、いろんな苦労も、なんだって新鮮で、初めて・・・・ああ、ほんと、やんなるなー。
ためしに使ってみたが90年代の地獄が再現される
てなわけで、あの頃の輝きを失い、汚れてしまった眼で見るバスライズは、やはりダサイ。
シマノ自身も、さすがに青とシルバーは玩具っぽすぎて、子供受けを狙いすぎたと思ったのか、すぐさまシルバー一色のモデルを出してきたし、デザインも急激に変更。一気に実用的な形へとバスライズは進化していきましたね。
けどまぁ、こんなリールをシマノが出してたのも、あの頃だけ。
あの頃かぁ、ああ、あの頃って、僕はどんな釣りをしていたっけな。
そんなことを考えつつ、机の上の請求書をまとめて引き出しに突っ込み、バスライズをしっかりと見つめる。
すると、だんだんと思い出してきた。
もう釣りに慣れてしまった今と違って、あの頃はとにかくキャスト練習ばかりしてましたね。
とにかくルアーを遠くに飛ばす、とにかくルアーを正確に投げる。
このバスライズを手に入れてからは、最初はずっとそればかり。家の近くの空き地でひたすらナス型重りを飛ばしまくってました。
すると、なんだかもう一度やりたくなる。
もうキャスト練習なんて必要ないのに。
なんでかなぁ。釣りって、魚釣るのが楽しいんじゃなかったっけ?
とか思いつつも、気が付くと当時使っていたロッドに良く似た、自作したフジグリップの鱒レンジャーに装着して、釣り場へと向かっていきました。
地獄のバスライズ修業再び
向かったのはとある沼。
ここで何時もナマズや雷魚なんかを釣っているのですが、付いたのは日中で、あまり釣れる時間帯じゃありません。
けれど、一番の目的は魚を釣ることではなく、キャスト練習。
それに、せっかくもらった懐かしのバスライズのキャスティングフィーリングを味わいたかったんです。
で、釣り場に到着してセットしたルアーは、ラッキークラフトのサミー。
これも昔バスライズで滅茶苦茶投げて居た・・・というよりも、もう最初はコレしか投げていませんでしたね。
なぜかって、
とにかく、バスライズとサミーで釣りたかったから。
当時はサミーも苦労して買えたルアーで、同じく苦労して買ったバスライズと一緒に、これで何がなんでも一匹目を釣りたかったんです。
だから周りが「ワーム投げろよ」「スピニング使えよ」と言われて、まぁそうなんだけど、でも・・・と言いながら、ずっとこればっかり使ってましたが、
おかげで2か月位一匹も釣れませんでしたよ。
けれど、まぁさすがに今じゃもっと上手く使えるはず。
にしても、どんな感じだっけなー初代バスライズ、なんかワクワクしてきた。
と、なぜかあの時のドキドキが少しだけ蘇ってくるのを感じながら、水辺に向かいました。
さぁ、いよいよファーストキャスト。
とりあえずブレーキをマックスにして、メカニカルは音が鳴らない程度。
もう何回繰り返したかわからないサイドキャストで、腕を引き、テイクバック。ルアーの重み。手を前に。親指をはなし、スプールがまわ──
──まわらない。
なぜかわからない。スプールから凄い音がしたと思ったら、サミーがヒュルヒュルと足元に落ちる。
な、なんだこれは。
いや、まてよ?もしかしてブレーキが強すぎたのか?
と、次はブレーキを思い切りゼロにしてみる。もしかしたらこのリールはブレーキが強すぎるのかもしれない。さらにメカニカルを緩めて。
続いて同じように、サイドハンドで投げてみると。またスプールから凄まじい音がする。飛んだ。これは飛んだ音だ!
と思ったら、すぐさま失速。そして着水。
サミングすらしてないのに。
そして、なぜかこれが初めてではないことに気が付く。
そうだった──バスライズ、こいつは
全然飛ばないエントリーモデルだったのだ。
そうだ、なんで僕が何度もキャスト練習をしていたのか?
それはただ新しいリールがうれしかったからじゃない。
せっかく買ったはじめての国産リールが、信じられないほど飛ばない事実が信じられる、自分が下手なせいだと言い聞かせ、ひたすら練習でどうにかしようとしていたのです。
ああ、思い出してきたぞ。そうだ、このサミー85なんかじゃろくな飛距離なんて出ない。サミー115.それでようやくまともな飛距離が出るのがバスライズなのだ。
くそ!畜生!ああそうだ、そうなんだ、こいつはそういうリールなんだ。
何が良い思い出だよ畜生!ああ!くそぉ!
──、過去のあの絶望を再び思い出した僕。
けれど、せっかくもらったリール。なんとか飛ばして使い物になるようにしたい。
そこで、ブレーキを外して、もう完全にフリーな状態にしてやれば飛距離が出るんじゃないか?
と、狂った考えに縋りはじめ、スプールを外そうとする。
しかし、スプールが外れない。
いや、外れないどころの話じゃなく。
そもそもスプールを外す場所がない。
そうだった!ああああくそ!!なんで忘れてたんだ!!1
僕はその場に崩れおち、バスライズの前にひれ伏しました。
そう──実はこのバスライズ、エントリーモデルであるが故なのか、スプールを外すことがまったくできません。
普通のリールならパーツ交換やメンテナンスのためにスプールが外れるようになっているのですが、初代バスライズは「エントリーモデルを買う子供がメンテナンスなんてやるわけがないでしょw」とばかりに、スプールを外せる機構をはぶいて安上がりに済ませたのです。
ほんと何考えてたんだシマノ!
エントリーモデルのリールを使うやつをナメすぎだろ!もうこんなのただの差別だよ!貧乏アングラー差別だろ!
と憤慨しても仕方がない。その後、バスライズはスプール交換ができるようになったけれど、目の前にあるのは97年製。何度見たって青とシルバーのクソダサデザイン。つまり、タイムスリップして過去に戻ったところで、こいつのスプールが外れるわけでもない。
もう終わった・・・ああ、畜生。
こんな飛ばないリールで、一体何をどうやったらいいんだ。というか、昔の自分は良くこんなので投げてたな。ていうか魚釣れたっけか?
と思い出してみると、確かに釣れている。2か月連続ボウズの末、バスライズで一匹釣り上げたのは間違いないんです。
それは、家の近くにあったため池で、いつも通りバスライズでサミーを投げた時。対岸からルアーを投げると、ルアーが吸い込まれるように水面スレスレを飛んでオーバーハングの下に入る。
そこから、ルアーを動かそうと思った瞬間に水面が割れる。
ブラックバス。
気が付いたらロッドが重くなって、それから・・・それから・・?
いや、まてよ。
と、僕はもう一度バスライズを見ました。
間違いない。あの時、このリールは普通に飛んでる。
こんな地獄のような投げずらさじゃなく、なぜか普通に対岸に届いた上、オーバーハングの下に突っ込んでいった。
なぜだ?確かに最初は今とほぼ同じような状態だったはず。
なのに、なんであの時は別のリールみたいに飛んで・・・
そこまで考えた時、僕は気が付いたのです。
この初代バスライズを使い物にするための、ある秘策があったことを!
初代バスライズを復活させる
スプールが地獄のように重く、恐ろしく飛ばない初代バスライズ。
おまけにスプールを交換することもできなず「初心者はスプールなんてイジるんじゃねぇ」とばかりに、まさに釣業界の格差を表現したかのような地獄のエントリーモデル。
そんなリールを必死に飛ばそうとヤケになって2ヶ月ボウズをくらいながら、必死に練習していたあの頃の真実をようやく思い出した僕は、慌てて家に帰りました。
過去というのは、気が付かないうちに美化されているもの。
けれど、本当に大事なのは美化された過去でも、懐かしさだけにおぼれて、この初代バスライズの真実から目を背けることでもない。
クソリールは、たしかにクソリール。
だからこそ、解決方法も確実に存在する。
目をそむけたところで、何も解決なんてしない。
それをようやく思い出せたのは、過去の自分が2ヶ月もかけて、このリールの問題の解決方法を見つけ出したから。ありがとう自分。おまえの2ヶ月は無駄じゃなかったぞ!
部屋に戻り、リールをはずし、ラインを全て抜き取る。
それから釣り用の戸棚から、メンテナンス用に使っていたスプレーオイルを取り出し。
それを思い切りスプールの隙間に吹き付ける。
本来、スプールにオイルを吹き付けるなんて絶対にやってはいけないこと。それも隙間に吹き付ければ、シャフトやボールベアリングに大量のオイルが付着し、回転が鈍り飛ばないリールがいっちょ上がり。
けれど、──たしか、これで元に戻ったはず・・・!
ようやく思い出したバスライズの本当の記憶を頼りに、大きな賭けに出たけれど、もし失敗したら、余計に回らなくなる。いや、間違いなく回らなくなる。普通なら。
それでもハンドルを握りスプールを回してみる。
それからクラッチを切って、スプールの回転を確認。
だめだ、重い、ぜんぜん重い。
まだか?まだ足りないのか?と、もう一度スプールの隙間にオイルをぶち込む。そうして回し続けて、もう一度クラッチを切り、指でスプールを回してみると。
スプールの回転が突然軽くなったのです。
間違いない、正しかった。僕の記憶は正しかった!
と、軽くなった回転がうれしくなり、クラッチを切ったままスプールを永遠と指でまわしていました。
まぁ、軽いといっても、現代のリールよりははるかに回らないし、同年代のリールより全然まわらない。さすがの初代バスライズ。
けれど、キャストには支障が無い程度は確実に回ります。
というのも、この初代バスライズ。ボールベアリングが一つしか付いてないモデルなので、当然回転効率が悪いのですが。
その上、最初からシャフトの軸受け部分にとんでもない量のグリスが塗ってあるのです。
まじでシマノ嫌がらせとしか思えない仕様なのですが、おそらくベアリングが無いからと、摩擦抵抗を減らすべくグリスをたっぷり塗っておいたのでしょう。
けれど、その量が酷いものだから、つかいはじめどころか、使っていてもまったくスプールが回転しないクソリールと化していることがあるのです。
だからこそ、スプールの隙間に粘土の低いオイルスプレーを吹きかけることで、もともとあったグリスを溶かしてしまう。
この方法以外、バスライズの回転をまともにする方法が当時思いつかなかったのですが、やってみたら見事に成功しました。
それから、蘇ったバスライズを試しにつかってみると、まったく違う。
もう信じられないほど飛ぶ。いや、本当はアンバサダーよりも飛ばないんだけれど、それでもトブ。今までより遥かに。
それからというもの、妙にバスライズでキャスト練習するのが楽しくなり、釣り場だけじゃなく、家ですらキャストを繰り返しています。まるで子供の頃に戻ったかのように。
ただし、あの頃と同じく、これで一匹もつれてないけど。
そんな所まであの頃に戻りたくなかったけど。
まぁ、いいんじゃないかって思う。
だって、こいつは初代バスライズ。
これでいきなり釣れるようなら、なにか違う気がする。いや、んなわけない。釣りたい。なんでだ。ああくそう!バスライズの呪いなのかよ!
釣れない呪いに掛かるけど初代バスライズは楽しい
てなわけで、今回は初代バスライズを使ったり、無理やりメンテしたり、結局呪いに掛かってボウズが続いてたりする記事でした。まじで最悪。
けれど、ほんとこんなリールから釣りをはじめた時のことを思い出せたのは良かったですね。
いやー、必死でしたね、あの時は。一匹釣るのすら苦労してたし、それどころかタックルも今以上に厄介なモノばっかりだったし。
まぁ本当に技術の進化ってのは凄いもんで、たかがエントリーリールといえど、今のバスライズと初代バスライズを比べたら、軽自動車とスペースシャトル位の差がありますからね。もうバスライズ宇宙行っちゃうんじゃないかって思ってるからね。バスライズなのにね。
まぁ、それでもしばらくは初代バスライズで練習をしようと思います。
結局、辛い釣りが好きなんでしょうね、
本当に不幸になりやすい体質だなと自分でも思うんですが、しかたない。メタニウムだっていまだに買えないし。ずっと貧乏だし。まじで終わってるから、なんだろう、ああ、もういやだ。キャスト練習してこよう・・・
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