ボトムパンプとは、水の底を跳ねるようにルアーを動かす事。
ぴょんぴょんと水底をジャンプさせては止める、ジャンプさせては止めるを繰り返し、魚の興味を引いて釣り上げる方法です。
この方法を最初に覚えたのはワームをつかった釣りで、底にいる魚を釣り上げるためにテキサスリグを使い、ぴょんぴょんとワームを跳ねさせていました。
当初、この釣り方は「ボトムにいるエビやらザリガニやらの動きを真似ている」と思っていましたし、使うのもクロー系やグラブ系が多かったものですが、それがニジマスにも通じるとわかりはじめ「あれ、トラウトってボトムで跳ねてるものなんて食ったっけ・・・」と思うようになりました。
そして、そのうちにボトムパンプは特に魚にエビやザリガニなどの、水底を跳ねるマッチザベイトの釣り方ではなく、とくにそんな餌を食べていないヤマメやイワナなどにも通用するリアクションの釣り方だとわかりました。
そして、渓流でもボトムパンプは有効であり、この間、ヤマメがボトムバンプで釣れる瞬間を見れました。
低活性なヤマメもボトムパンプで釣れる
気温が下がった渓流で、すでに餌を食べなくなったヤマメ達。ルアーを追う速度はとても遅く、明らかに活性が低いです。
この時、僕はニジマスとアメマス狙いで渓流に入っていたので、特にヤマメは狙っていなかった・・・というか、もう釣れないと思っているので、大好きなヤマメ釣りは捨ててました。
しかしニジマスが数匹釣れたあと、川底が砂地とわかっている場所で、ふと試しにスプーンのボトムパンプをためしてみました。
使ったのはSWINGERの試作品である4.6gで、フックは自前のスイミングフック4~2番相当。
これでまずは砂地のボトムにルアーを落とし、そこからトゥイッチでピョンっとスプーンをはねさせ、ヒョロヒョロとフォール。そこからちょっと間をとって、再びトゥイッチでピョンと跳ね上げる。
こうやって、根掛かりが少ない砂の上をピョンピョンと飛び跳ねさせ、水底のルアーが肉眼で見えるくらいの位置にやってきた時、うしろに数匹のヤマメ。
それらはボトムに着底したスプーンをジーっと見つめ、それがピョンっと持ち上がる瞬間に釣られるように口を使います。ルアーの動きに引き付けられている感じ。しかし上手く咥えてくれません。
そして、今度はボトムに着底した時に、スプーンをパクっと咥えました。
SWINGERはベリーフックがあるので、その部分を掬うように咥えたというか、スプーン本体ではなく、フックだけを咥えたような状態です。
そしてロッドを持ち上げると、運よくフッキング。とてつもなく活性が低いヤマメが釣れました。
そのあとは普通にニジマスやらアメマスを釣っていましたが、時々このボトムパンプを試してみると不思議と魚が付いてきて、釣れそうもない活性の低い魚が釣れるのが不思議でした。
活性が低い魚がなぜか釣れるボトムパンプ
この釣りは、あくまで根掛かりがしにくい場所限定の方法であり、岩や石などが多い川底でやると一瞬で根掛かります。
なので、できるだけ砂地の場所か、綺麗な岩盤で覆われている場所が理想的です。
そして、とくにボトム専用のルアーとか、ダート系のルアーじゃなくとも、おそらく普通のスプーンでも同じようにボトムパンプは効果的であり、低活性な時ほど威力を発揮すると考えています。
魚のバイトシーンを思い返すと、彼らは明らかに興味を惹かれてルアーを追いかけていましたが、ただ巻きやトゥイッチ連発では、そもそもルアーに追いついてコレないほど速度が遅い上に、ルアーとの距離が離れすぎていました。
しかし、ボトムパンプであれば、ルアーは圧倒的に移動距離が少ない上に、ボトムに着底している間は、魚が目の前にやってくるまで動かずに待てる状態にあります。
そして、リフトの瞬間の動きにつられて口を使うか、着底した時に口を使うか・・・いずれにせよ、元気のない魚でも捕食できる距離、スピードですし、その全てがリアクションバイトと言って良い動きだと思えました。
なので、ルアーを追いかける元気がない低活性の渓流魚を釣るのにボトムパンプはかなり有効的な釣り方であり、それは激しく動かすというより、スローで、着底した時に魚が追いつくのを待てるだけの間が大事な釣り方だと感じました。
そして、着底中に魚が口を使うのを見たので、やっぱり着底である程度間をとったほうが釣果が上がるとも感じました。
渓流のボトムパンプに向いているルアー
渓流のボトムパンプに向いているのは、スプーンか、ボトムノックスイマーのようなボトム系のトラウトルアーでしょう。
とにかく根掛かりが少ないもの。沈みやすいものが効果的ですが、ボトム系プラグとスプーンは動きも流されやすさも違うので、使い分けが必要かもしれません。
ボトム系プラグの場合、大抵ボトムからあまり離れない設計になっていますし、ダートする動きが基本です。なので、横の動きが大きく入るのが特徴。
一方、スプーンを使った場合はフォールとリフトで誘いますし、浮き上がりやすい特徴があるので、縦の釣りになりやすいです。
ちなみに、ボトムにステイさせている間、魚が食いやすいのはスプーンよりもプラグ系(浮力でテールが持ち上がっているため)だと思ってますが、スプーンでもSWINGERフロントフックが装着できるタイプはステイ中に拾い食いしやすと思います。また、渓流用の小型のスプーンにアシストフックを装備するカスタムも有効だと思います。
一方、根掛かりのしやすさは若干プラグ系のほうが高い印象があるというか、そもそもボトムから離れにくいので、岩の間に突っ込みやすいのと、岩や石とラインが擦れて傷みやすいというデメリットもあります。
なので、トラブルを避けるならスプーン系のほうが良いと思いますが、やはりダートの動きが効果があると思うと、プラグ系も使いたい所。ステイ時にテールが浮いているので拾い食いしやすいのも魅力なので、両者使い分けていくのが良いと思います。
活性が低い時期は渓流もボトムを狙ってみよう
というわけで、低活性な渓流魚にボトム系のルアーは効くというお話でした。
ただ、やっぱり渓流って根掛かりが凄い場所なんで、この方法を使うとしたら、自分が普段よく行っている渓流で、地形を理解しているのが前提だったりします。
もし初めていく渓流なら、いきなりボトムを狙うのではなく、普通につり上がっていく中で「ここボトムに障害物なさそうだな」と思えた場所ノミで使うのがおすすめ。
とりあえず渓流でボトムを攻めると、ルアーを無くすリスクが高まるんで、あえて軽いルアーを使った「渓流フワフワ作戦」なども取り入れてみましょう。

