Dコンタクトが大嫌いだけど認めざるを得ない【レビュー】

ミノー
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正直このルアーについて語りたくは無かった。

けれどさすがにそろそろ向き合わないと行けないというか

いくら逃げていても仕方がないことがあるというか

というか、僕はいつでも逃げてばかりというか

小学校の頃からクラスメートの好きな女の子には怖くて声をかけれず目も合わせなかったし、イジメッコから逃げるために早々に学校から抜け出した。

社会人になっても苦手な人間関係から逃げるため、仕事にばかり集中したり、家に帰っては映画とアニメとインターネットに没頭したり、今でもそう、このブログを書きながら何かから逃げています。

しかし、逃げるべきものもあれば、逃げてはならない出来事があることも、シンジ君が初号機にのるシーンを見た幼少期から察しは付いていた。

それは僕にとってあまりにも害となる社会生活全般や対人コミュニケーションに対してではありません。

僕にとっての逃げ場である、渓流でのルアーフィッシングについて。

その渓流ルアーフィッシングの中で、あれだけ有名であり、僕も所持しているにも関わらず、ブログを開設してから1年6ヶ月あまり延々とスルーし続けたあのルアー。

そう、SMITHから販売されているDコンタクトについてですよ。

渓流ルアーマンでヤマメやイワナを釣る人間なら、知らない人間なんて一人もいないだろうこのルアー。

直接インプレやレビューを書いたことはありませんが、ブログ記事内には幾度も登場しています。

というかですよ?

これくらいのルアーになると、あまりに有名すぎて誰もレビューなんか書かないし、あえて語りが足らないもの。

もはや「好きなアニメって何?」っていう質問に「エヴァ」って答えるようなもの。

というか、そういうやつ大体アニメ大してみないの知ってるαトラウトです!逃げちゃだめだ!

まぁ渓流とアニメがどうつながってるのかは僕もわからないけど、アニメといったらエヴァっていうのは、渓流ルアーといえばDコンみたいなもんですよね、うん。

だからこそ僕は嫌だった。

もう以前からお察しの方もいたかもしれません

いや、僕のブログを初期の頃からお読みの方なら「なんとなく察した」的な意見も出るでしょうが。

僕はDコンが物凄い嫌いだったんですよ。

その理由はおいおい話すとしても、とりあえずレビューを書ける位にはその手の感情も落ち着きはじめたわけで。

しかし、かといって書きやすいわけでないというか。

それでもこのルアーをスルーしたまま、今シーズンの渓流ルアーフィッシングを本格始動するにはいかない気がしました。

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Dコンタクトが僕のクソツイに反応した

Dコンタクト

嫌いなものを褒めることほど辛いものはありません。

例えばムカツクやつがいたとしましょう。容姿端麗才色兼備とか漢字ばっかり並べても仕方がないんで、イケメンで趣味がサッカーのインテリクソ野郎みたいに書いておきましょう。

ほら、もうクソって書いちゃったじゃないですか。

無理なんですよ、腹立つやつのことを褒めるなんて、もう普通に考えてできないんです。そもそもこの感情が原因でDコンのレビューができなかったんですよ。

それでも我慢してレビューするとか耐えられない。

もうこの時点で残り5000文字使ってDコンのことをこき下ろしてやりたい。ていうかTwitterでクソツイしたほうがマシにきまってるじゃないか!

そこでTwitterにこのようなツイートをし、ブログ記事の作成を一時中断し、さっさと面倒な仕事に戻っていったわけです。


まったくもって典型的なクソツイであり、こんなツイートに反応するほうがおかしい。

するとスマホの通知が

きっと僕のようにDコン嫌いの人間がイイネボタンを押してくれたのだろう。ありがたき共感。クソな人間は僕だけでは無かったのだ。

と思いTwitterの画面を開いてみると

Dコンさんからリプきた。

しかもこんなクソツイに真面目に返している。

いや、この場合クソツイをしたのは僕で、Dコンタクトはただ普通に返しただけなのかもしれない。

ていうかなんでDコンさんがTwitterやってんの?とか思ったんですが、これはチャンス。

もしかしたら、苦労してわざわざDコンタクトの記事を書く手間がはぶける。

もうこうなったら、直接Dコンと対決するのだ。

そうしなければ、僕は永遠とDコンタクトのことを内心ディスりながら渓流ルアーフィッシングをやるしかないのだ。

僕は思いのたけをDコンタクトにぶつけてみると、なんとDコンタクトがインタビューに応じてくれるというのです。

Dコンタクトにインタビューしてみた

Dコンタクト


4月某日

僕は付近の喫茶店でDコンタクトと待ちあわせをし、準備してきた質問を全てぶつけることにしたのです。

やってきたDコンタクトは、やはり風格がある。

スタンダードでいてストイック、それでいてアクティブ。

ツイッターでクソリプを送ったことに怒っているかと多少緊張していましたが、Dコン。まるで気にした素振りをみせはしません。

アイコン

はじめまして、αトラウトです

どうも、Dコンです

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今回はあんなクソツイに答えてもらって恐縮です

いえいえ、こちらもきちんと返事しようと思ったんですけど、とくに他意はなかったというか、逆に申し訳ありません。

アイコン

え?ああそういう感じだったんですか?

ああ、はいそうなんです

アイコン

ああすいません、ええっと今回はなぜインタビューをさせてもらえるんですか?

こうして批判的な意見をもらったら、必ず真摯に受け止めようと思ってるんです。さらにブログもやられているということで、それならばちょうどこの機会にαトラウトさんのように誤解されている方にも誠実にお話ができるかと思ったんです

アイコン

く・・・なんて誠実なルアーなんだ・・

私どもSMITHの渓流ミノーとしては、やはり一部の批判的意見があることは仕方がないのですが、やはりDコンタクトという看板を背負った以上、いかなる批判にも向き合い、誤解を解いて行きたいと考えているんです

冒頭から早々にさわやか野郎で腹が立ちます。

ならあとで色々と聞かれる前に、そうそうに僕の本音をぶちまけてしまおうと思ったわけです。

アイコン

えーっと、もうインタビュー前に最初からぶっちゃけちゃうと、僕、Dコンさんのことが・・・

いやもうそれはもう・・・というか、あのツイート見たら誰もが嫌いだってわかりますから。

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そうでしたか、すいません、それじゃぁ改めて

僕、スミスのDコンタクトさんが嫌いなんですね、特にオリジナルのやつが

より詳しく言わなくてもいいですよ、それがわかって私は来てますから

というわけで、出だしから険悪なムードが漂っていますが、もはや仕方がありません。

なにせ目の前にいるのはDコンタクト。

type2でもTSレーザーでもなく、間違事無きDコンタクトです。

それを目の前にして冷静にはいられない。

今すぐにでもそのリップをへし折りたくなってしまいますが我慢してインタビューを続けていきます。

渓流ルアーの絶対王者

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正直いってDコンさんことは嫌いなんですけど

いやもうソレ何度もきいてるんで

というかインタビューはじめてからずっと私のこと嫌いしか言ってないですからね?

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それはいいとして

いいんですね

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僕もあれだけTwitterで暴言吐いてるんですけど、やっぱり渓流ミノーの現王者でいられることは認めざるを得ないんですよ。

どう考えてみてもそれは避けられないというか、使用率、所持率、釣果、いずれも渓流では現在ですら実績№1なのは間違いないと思うんです

まぁ・・・そんないきなり褒められると困るんですけど、確かに王者であるという自覚はありますし、その自負を持ち続ける努力はしています

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・・・やっぱ腹立つな・・

え?なんか言いました?え?

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いえ何も!いや、確かにその通りというか、それにしても王者の威厳というのがありながら、そこまで威張っていないというか、もはやスタンダードの領域っていうか

そうなってこその王者だと思っていますし、過度な宣伝はもはや必要ないですし、そういうルアーを目指し続けてきたというか、ユーザーの方々の信頼を勝ち取るためには、やはり地道な努力が必要ですから。

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なるほど。

まぁ、僕みたいなアンチもやはり要るわけですけど、そういう人間すら認めざるを得ない部分なんですよね、そこは

みんな特にDコンタクトがどうのとか言わないけど、もはや言う必要もないっていうか

渓流やってれば誰のタックルボックス見たって一個は必ずいるし、中にはDコンタクトさんしか入れてないレベルの人だっているみたいな

しかも、他にもDコンパクトやインサイト、タイプ2なんかのシリーズがあるのに、いまだに渓流では絶対の信頼があるルアーはDコンタクトだけっていうか

ありがたいことに、実戦投入された2000年初頭以来、今でもトップを走れていることには感謝していますね。

しかしそれは私の努力などではなく、これも全てユーザー様のおかげに他なりません。魚とは違って、ルアーは使われなければ泳ぐことはできないのですから

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…まじ腹立つわこのデキスギ野郎が…

え?今・・・え?

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…何軽く最後に名言ぽくカマしてんだスカしてんじゃねぇぞ…

ええ?すいませんよく声が聞こえないんですけど??スカ?スカって?

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いえいえなんでもないです本当に

本当にスカっとするなーDコンさん王者なのに、それだけ低姿勢でいられるなんて、他にも横暴なルアーとかありますからね本当に

いえいえ、渓流ルアーなんてそんなもんですよ、地味で実直に、ユーザーに信頼し続けられるしかないんですから

最後に思わず心の声が漏れてしまったんですが、もうこのキャラがイラっとします。もはや

いかしそのイラッとする部分を我慢していえば、やはりDこんたくとは王者としか言いようがない。

それはスペック以上に、ユーザーからの信頼度を勝ち取っている部分が最も大きいのです。

その理由は、やはり渓流ルアーフィッシングにヘビーシンキングミノーを使う釣りを定着させた部分が最も大きいでしょう。

ヘビーシンキングミノーの火付け役

渓流におけるヘビーシンキングミノーの元祖。

Dコンタクトが持つ最も有名は逸話は、おそらくこれに尽きるでしょう。

あるジャンルの釣りを成立させたレジェンドルアーというのは様々なジャンルに存在します。

その中でも、ヘビーシンキングミノーを使った釣りは、Dコンタクトが存在しなければここまで定着していません。

で、Dコンタクトが何時生まれたのかというと、時代は2003年の春。

スマップが世界で一つだけの花を歌っていた頃、アメリカはイラク戦争に突入。

郵政民営化、千と千尋の神隠し、そして日本初の 小惑星探査機 「はやぶさ」の打ち上げ。

これらの出来事の中、ひっそりと渓流ルアーとしてデビューしたのがDコンタクトだったわけです。

そのルアーの登場により、渓流ルアーフィッシングの世界にジョジョにヘビーシンキングミノーが浸透。はじめはこのルアーで釣れるのかといぶかしげな人も多かったようですが、次第にその人気が高まり、現在のように多数のメーカーがヘビーシンキングミノーをリリースするようになったわけです。

つまり、このルアーが無ければ渓流の今の姿はない。

そういう逸話付きのアイテムなんです。

ルアー開発者ではない人間が作ったミノー

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Dコンさんを開発したのは誰なんですか?

私を開発したのは平本氏という人物で、SMITHの後方担当の方でした

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広報担当ですか?その人が貴方を?

はい、ルアー開発の専門家では無かったのですが、だからこそ現場の人間と近く、渓流ルアーフィッシングの情報をいち早く察知していたんですけど、1990年代後半から東北地方でにわかに盛り上がりはじめた渓流ミノーのヘビーシンキングチューンを自分で試していたんです

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なるほど、そのころはまだ渓流用のヘビーシンキングミノーは無かったんですね?

専用品はありませんでしたが、他にもヘビーシンキングミノーはありましたから、それを流用したり、元来のトラウト用フローティングミノーに鉛をつけたシンキングチューンがあったんです

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で、それをテストしていたと

そうです。

しかしそれでは十分ではなかった。

とくにレンジキープ能力には大きな問題がありましたし、動きも緩慢でフローティングに劣るものばかり。

そこで平本氏は私を作るため、5年をかけてプロトタイプを作り上げたのです。

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もともとビルダーでもないのによくやりましたよね。

 

というか、当時はヘビーシンキングミノーでの渓流ルアーフィッシングなんか無いんですから、よく作ろうと思ったというか…

その通りです

Dコンタクト登場前まで5年の歳月がありましたが、その間ですらヘビーシンキングの渓流ミノーは登場しませんでした。

それほど一部でのムーブメントでしかなかったスタイルですから、当然SMITHも開発に乗り気ではありません。

 

つまり、ヘビーシンキングの渓流ミノーイングが成長するとは誰も思ってなかったんですよ

 

しかし平本氏は私の開発に執着し、ウッド素材のハンドメイドを作り、独自にプロトタイプを製作しはじめたのです。

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すごい執念ですね、開発者でもないのに

確信があったんでしょう。

しかし当時は、それを狂気だと思われていたらしく、会社からは「無駄なことはやめろ」と叱られていたようですね。

平本氏はめげずに開発を続けましたが、素人の開発はあまりに時間が掛かり、構想から数年がたち、ようやく周囲を納得させるだけのプロトを作ることに成功しました

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かなり時間がかかったんですね

生まれてはじめてハンドメイドを作ったそうですから、それは時間も掛かります。なにせ広報だったんですから。

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え?生まれてはじめて?

そのようです。

木を削るのも初めてなので、最初はかなり苦労したそうですし、塗装なんて全てマジックだったそうですよ。

 

しかし私を作り上げるため試行錯誤を繰り替えし、ついに2001年に製品化の目途を取り付け、2003年に私を発売したのです。

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それが渓流で最も多く使われるルアーにまで成長するなんて、当時は誰も気が付かなったでしょうね。

素人でこれだけのルアーを作れるんですから、現代のビルダーさんたちにもワンチャンあるよ的な逸話にも聞こえます。

そう思ってもらえればうれしいですが、運やラッキーの類ではないと思っています。

SMITHというメーカーから生まれたことも大きいですし、なによりヘビーシンキングの領域をみなさんに知ってもらうのにも色々と苦労をしたそうですから、開発にせよ営業にせよ、まったく新しいルアーを浸透させるには多くの努力が必要だったはずです。

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…なに典型的な成功談語ってドヤってんだ畜生…

はい?今何かおっしゃいました?

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いえいえ別に!いやー凄いですね本当に!

というわけでDコンタクトさんの成功談なんですけど、まぁ腹立ちますね、さっさとシクジリ先生に出てほしいですマジで。

しかしまぁやはりDコンタクトといえば、やはり渓流ヘビーシンキングミノーの火付け役であると共に、開発者の平野氏の逸話なども有名です。

当時はヘビーシンキングミノーなんて皆無だった時代。

そこでこのルアーが売れるなんて当然誰も考えなかったろうし、そこに非はないですね。

おかしかったのは平野氏の方だし、まさかここまで売れてしまうと思っていたのかどうか?

ただ、それくらいの自信が無ければ、素人からルアーを作ってプロトにするなんて滅多にやることじゃないでしょうし、その構想に確信があったんでしょうね。

Dコンタクトの意味は「出会い」である

Dコンタクトという名前は、開発者である平野氏がつけた名前です。

Dの文字の由来は「ディープ」や「ディレクション」「ディスタンス」といった意味。

ディープとは当然低いレンジの意味。

Dコンタクトはヘビーシンキングだから低いレンジを引けるのではなく、アイの位置を下側にしたことでトゥイッチでも浮き上がらないように設定されているからで、この部分にはかなり苦労したようです。

ディレクションとは管理製作といった広告業界用語であり、広報担当の平野氏らしい意味。アングラーがルアーをコントロールするということでしょう

ディスタンスは距離をしめした言葉であり、Dコンタクトの持つ圧倒的な飛距離をしめしたものでしょう。

そしてコンタクト。

意味は当然「接触」もっと柔らかくいえば「出会い」

これは平野氏がかなり悩んだすえつけた名前だそうですが、渓流ルアーフィッシングが平野氏にとっては全てが「出会い」に結びつくからこそ、この言葉を選んだといいます。

つまり、Dに込めらた様々な意味は、平野氏にとって全て出会いのためのものなんですね。

渓流釣りが出会いだと言われて、確かにそうだと感じる部分があります。

人里離れた場所へ、山を歩き、川を歩き、様々な苦労をしてまで釣りに行くのは、全てそこにあるものと出会うため。

魚を釣るためのだけのものではない。結局は自然という存在に敬意すら示すようになる釣りだからこそ、「出会い」という言葉が出てくるんだと思います。

渓流王者として現役最強であり続ける性能

そもそも渓流においてDコンタクトが王者として君臨し続けているのか?

発売からとっくに10年以上が経過していますが、この10年であらゆるメーカーからヘビーシンキングミノーが登場しました。

しかし、今なおDコンタクトの信頼はゆるぎないもの。

それも後発のシリーズが発売されているにも関わらず、現在でも初代Dコンタクトを使う人が多いのです。

その原因として考えられるのは、やはりDコンタクトの持つ慣性スライド能力の高さです。

慣性スライドはいまだ止まらない

Dコンタクトは上流からルアーを投げ入れ動かし続けるために慣性スライド能力がはじめから搭載されていましたが、これが現在でも支持され続ける最大の原因です。

慣性スライドとは、ルアーの重心をわずかに後方に設置することで生まれる連続トゥイッチ対応のためのシステム。渓流用のシンキングミノー以外には搭載されていない特殊なものです。

これは、ようはドリフトのようなもので、トゥイッチ時にルアーが跳ねヒラを打つと、そのままテール側が移動。それが次のトゥイッチの間まで動きを継続できる能力になってます。

これが連続トゥイッチで釣る渓流ではひたすらに釣れる。

そもそも渓魚は動きを止めるとまったく追ってこないこともあり、動きを止めるのはチェイスを止めてしまう原因になる。

かといって、シェイクを連続しよにも限界がある他、リトリーブが速くなりあっというまに魚を置いてけぼりにしてしまう可能性がある。

そこで慣性スライドです。

一度のトゥイッチで大きく方向を変えてくれるので、激しいシェイクを繰り返す必要がなくなり、リトリーブ速度も落とすことができる。

ということで、短い距離でも多数のアピールができる他、ひたすら楽にミノーイングを行えるというメリットがあるわけです。

一度使えば誰もが「これ楽だわ」と思うようなルアーというか、安心感がすごい。

遠い距離でトゥイッチをかけても確実に動いてくれているという安心感とか、ロッドワークに対して気を使わなくてもキッチり動いてくれる。

アングラーの腕を全てルアーがカバーしてくれてるような感覚にすら陥りますね。

ダウンでも飛び出さないバランス感覚

アップクロス特化型のルアーはダウンでは動かし辛いのですが、初代Dコンタクトはダウンですらきちんと動くわけです。

こういったヘビーシンキングミノーはやはりDコンタクト位のもので、ひたすらにバランスが凄いというか、作りこみが半端ではない。

さきほど述べたアイの位置がダウンでもルアーが飛びださない一番の理由でもあるんですが、わずかに後方重心であることや、リップの位置や厚みなども大きく関係しています。

Dコンタクトはそのまま流れを逆に引くと、ルアーが水の中で水平に近い形になります。

そこからトゥッチをかけると頭を下にして潜り、ラインスラッグによりテールが下に向き、テンションがかかると水平になる。

つまり、常に前傾姿勢ではなく、基本水平姿勢のミノーだからこそできる芸当であり、リップの水圧をひたすら上手く逃がしていたりします。

後方重心ゆえのキャスト精度と飛距離

わずかに後方重心にしたことにより、慣性スライドを生み出したDコンですが、その恩恵は飛距離とキャスト精度にも影響しました。

後方重心にしたルアーはキャスト後、テールを正面に向けながら空中をつきすすむため、空気抵抗が極めて少ない状態になります。

ということは、飛距離も伸びやすくなるばかりでなく、ルアーが空中でバランスを崩し着水地点が予想と外れることも少なくなる。

これが理由で使う人も多いですし、僕みたいにベイトフィネスをやる人間にとっては、とてつもなくあり難い性能。

なにせベイトで投げる場合、ミノーのような空気抵抗の大きなルアーは、空中で横向きになると一気に失速しはじめ、バックラッシュを引き起こす原因になるからです。

それが少ないDコンタクトはベイトフィネスをやる人間も愛用者が多いですね、うん、まじで投げやすいんです。

完成度があまりに高すぎて超えられない

これだけ性能が高いヘビーシンキングミノーともなると、その性能を超えるようなミノーはなかなか出てきません。

5cmというサイズで使いやすい4.5のウェイトは現在でも渓流ヘビーシンキングミノーのスタンダードなバランス。

飛距離もキャスト精度も抜群、しかもアップクロスの釣りで使いやすく、誰が使ってもキレイにルアーがヒラを打つ。

その慣性スライドは初登場の2003年から永遠と止まっていないというか、もう一体いつまで慣性スライドしてんだというか、もう止まれ!正直もう止まってもいいだろ!とか思っちゃいますが、止まらないんだな、これが

そりゃもうDコンあれば十分だと思うというか、ぶっちゃけヘビーシンキングミノーとはいえ、レンジキープ能力が高いせいで深い所だろうが浅い所だろうが使える。

多少流速はやかろうが問題なく動くし、フラッシング能力高いからアピール力も抜群だし。

正直いって、Dコンで釣れなきゃ釣れない位のレベルまで来てしまっている人が多い。

いやそんなことはない!と言いたいのだけれど、すごく言いにくいのがこのルアー。ぶっちゃけそうなんじゃないかと思ってしまうことすらある。

というか、もう本当にそういう所が嫌い。

もうとにかくDコンタクトを使う時は、なにか負けた気がして仕方ないんですよ。

そもそもなぜαトラウトはDコンタクトが嫌いなのか?

そういえばなんで私のことが嫌いなんですか?

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い、いえ・・・別に・・・

なんか声震えてますけど

アイコン

何をいってるんですか、嫌いっていうかまぁ、軽くディスりたいだけっていうか・・・

いや・・・でもあのツイート見る限り敵意しかないというか、さっきから気のせいかディスられてる気もしないでもないというか

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…何言ってんだこのクソルアーが調子のってんなよ…

ああ今きこえましたよ!!今完全にディスってましたよね!心の声駄々洩れでしたよね!

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あーーーーそうだよぉーーーー僕はお前のことが嫌いなんだよぉおおお!!

いや、それはまぁいいんですけど

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どんだけ心広いんだよ

渓流ルアーのくせに大西洋超えかよ

いえ、もうそういったディスは発売当初で慣れきっちゃってるんで

アイコン

最初すごいディスられた経緯とかあったみたいですしね

そりゃ渓流でそんな重いルアーとか無いわとか言われましたから。

 

けど、今どき私をディスってくるアングラーさんがいるのがすごい珍しくて、逆に興味しかわかないんですよ

アイコン

いやもうそういう所ね、もうなんか余裕ぶっこいているそういう所がもう嫌いだから

いえ、別に余裕とかじゃないんです。

より完璧な渓流ルアーを目指すために、Ðの系譜を続けていくためにも、そうした意見はとても貴重なんですよ

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どんだけマジメなんだおい

ですから是非聞かせてもらいんです

なぜあなたがDコンタクトのことが嫌いなのかを

アイコン

そこまでいうなら言ってやろうじゃないか、僕があんたのことが嫌いな理由ってやつを!!

はい、ぜひお聞かせください

アイコン

高いんだよ!値段が!!

・・・は?

アイコン

なんだ1600円って!おまえ一個買うので苦労するし!ロストしたら死ぬほど痛いんだよ!

それが?え?それが理由なんですか?

アイコン

ああそうだ!お前にはわからないだろう!貧乏アングラーがお前を買う苦労を!高いんだ!釣れるとわかっていても高いから買う!そしてロストする!そして金をうしない、ついには破産に追い込まれえるんだ!

いや、さすがにそれは言い過ぎじゃないかと・・・

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いや言い過ぎではない!憎い!貴様は多くのアングラーの財布を空っぽにし続けたあげく、離婚させ、家庭崩壊をさせ、西成地区の日雇い労働者にしてしまった罪があるんだ!!

そうですか・・・いえ、それは本当に申し訳ありません

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え・・・え?謝るの?そこで謝るの?

いえ、おっしゃる通りです。

生産コストは下がりつつはありますが、どうしても値段を下げるのが難しい状況にあり大変ご迷惑をおかけしております。

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DRTとは大違いだなおい

いやでもね、そこは謝るところじゃないと思う気もしないでもない。なんか僕も言い過ぎたというか、滅茶苦茶なことを言ってしまった気がしないでもないというか。むしろDRTしちゃって良いんですけど?

いえ、ユーザー様あってこそのルアーですからね、それも意見の一つとして聞いておきたいですし、それだけ人気があることには感謝しないといけませんから、DRTすることはできません

アイコン

そこわかって乗ってくるんだ

というわけでDコンタクトの神対応がむかつくわけですけど、要約するとこうです。

つまるところ、僕はDコンタクトというルアーを全否定したい。

値段も高い、人気も高い、それが全部気にくわない。

しかもただ高いわけじゃなくて、Dコンが王者であること、これが気に入らない。

いったい何年渓流の頂点に居座っていやがるんだと。

いつまでトップにいるなよ畜生!という苛立ちが原因

もうね、Dコン通して釣れなかったら他のミノーじゃ釣れない的に言われてるわけじゃないですか。

もうイラっとするしかないでしょこんなの。

それとやっぱり値段ですよ。

さすがに1500円クラスのミノーは貧乏アングラーには厳しすぎるし、もうほんとうにやめてほしいわけですよね。

でも釣れるのはわかる。だからこそ使ってしまうその矛盾から抜け出せないジレンマこそが最も嫌いなもの

渓流資本主義の悪魔めくそぉおお!

といった憤慨がわいてしまうわけです。

まぁよく考えたらDコンタクトに非はない

ただよく考えたら、Dコンタクトに非はないわけですよ。

いや良く考え無くたってないですね、ええすいません。

ルアーを作って売るということは当然コストがかかるし、それで利益を上げなければ新しいルアーすら作れないし、社員にだって給料は払えないのです。

しかし僕には金がない。

そんな僕ですらDコンは使う価値のあるルアーであり、なけなしの金をはたいて買う価値もある。

だからこそのジレンマ。

妬み、僻み、嫉妬を含めて憎悪とよぶなら、まさにそれが僕がDコンを嫌いな理由。

だからこそここまでレビューが長びいてしまった理由でもあるのです

本当にごめんね!

Dコンタクトを超える信頼と釣果を叩くルアーに期待してる

まぁしかし認めたくはありませんが、Dコンタクトはやはり今もなお渓流の王者であると言えるでしょう。

この渓流ミノーの性能を超えることはとても難しいでしょうし、そう簡単に超えれたら苦労してないってわけですし。

けれど、僕は思うのです

いずれDコンが王者から陥落する日を願ってやまない

Dコンタクトファンの皆様には申し訳ないですが、世代交代を願ってやみませんよ僕は。

というかね、このルアーに容赦なんかかけて褒めたってしかたがない、それが本当に釣れるルアーなんです。

有無をいわせないし、ディスりようがない、だからこそ意味不明にディスりたい。

これくらいのレベルのやつは、むしろ倒されるべきなんですよ。

というか、超えられるべき存在ともいうべきでしょうか。

Dコンタクトというルアーを使うと、その圧倒的な能力に驚くしかないし、これを超えるヘビーシンキングミノーを出すのは不可能ではないかと思されたりもする。

しかし僕は期待しているわけです。

渓流でヘビーシンキングミノーが使われはじめて20年近く王者の座に君臨しているこのミノーを超える、圧倒的なルアーが登場することを。しかも安いやつが出ることを願ってやまない。

というか最近ではDコンタクトそっくりの偽物すら出回っている始末で、このルアーの人気の高さも伺えるというもの。

けれど、パクリではなく、オリジナルでこのルアーを超えてくるのは一体だれなのか?

慣性スライドをしのぐ性能を作り出すミノーとは何なのか?

止まれば誰も食わなくなるのは、渓魚だけではないし、人間だって同じ。誰も挑まなくなった世界には興味なんて持たれない。

だからこそDコンを超えるというのは、渓流ミノーイングがこれからも続くために必要なことだったりする。

それまでは、どうしても釣りたい時にプライドをかなぐりすて、Dコンタクトに頼る釣りをしていくでしょう。くそう憎い、このルアーが本当に憎い!はやく誰かこいつを倒せ!

ミノー
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