今回は「釣りをしたらストレスは発散されるのか?」という問題について考えていこうと思います。
それにしてもみなさん、ストレスは溜まっていますか?
僕なんて、生きているだけでストレスが溜まってしまいますから、そりゃもう常に発散したいわけです。人間社会、普通に生活しているだけで小さなダメージが蓄積していきますからね。HPバーが見えないだけで、だいたい毎日じわじわ削られています。
しかし、釣りに行ったら本当にストレスは発散できるのか。
というか、逆にストレスが溜まっていないか?と思うこともあります。
ライントラブルは起きるし、魚はバレるし、まったく釣れない日もある。大物を逃がした日なんて、むしろ心に深い傷を負って帰ってくることすらあります。
そこで今回は、釣りとストレスの関係について、個人的な体験と研究結果を交えながら考えていこうと思います。
釣りに行くのはストレス発散になるのか?
まず僕個人の体験からいえば、釣りに行くのはストレス発散になります。
ただ、もう少し正確にいうなら「ストレスを感じにくい環境に身を置ける時間」というほうが近い気がします。
釣りは運動として見れば、激しいスポーツというより軽い運動に近いものです。川沿いを歩いたり、キャストを繰り返したり、ポイントを探して移動したりするので、ウォーキングに近いストレス発散効果はあると思います。
ただ、それ以上に大きいのは、水辺で魚を追いかけている間は、よけいなことを考えにくいという点です。
たとえば何か悩みごとがあっても、釣りをしている時間だけは考えずに済むことがあります。普通に歩いているときとは違って、川の流れを見たり、ルアーの動きを見たり、魚が出そうな場所を探したりしているうちに、不思議と憂鬱な感情が薄れていくことがあるのです。
そう考えると、釣りは「ストレスを発散する遊び」というよりも、「ストレスから少し距離を置ける遊び」といったほうがしっくりきます。
人間界の面倒ごとから一時的に離れて、川の流れと魚の気配だけに集中する時間。
これが釣りの大きな魅力なのではないでしょうか。
でも釣りは普通にストレスも溜まる
が、しかし。
釣りをしていれば、ストレスがまったく溜まらないのかというと、そんなことはありません。
むしろ釣りは、常にトラブルがつきまとう遊びです。
ライントラブル、根掛かり、ルアーロスト、魚のバラし、まったく釣れない時間。こうした小さなストレスは、とにかく多いです。
とくに大きな魚をバラした後なんて、ショックでしばらく動けなくなりますからね。
あれはもう、心の中で葬式が始まっています。
一匹も釣れなかったうえに、大物まで逃がした日なんて「もう二度と釣りになんて行くもんか」と思うレベルのストレスがかかります。
そして、悔しくなってすぐまた釣りに行くわけです。
人間って本当に愚かですね。
でも、その愚かさも含めて釣りなのだと思います。
釣りはストレスを減らしてくれる遊びでありながら、同時にストレスを生み出す遊びでもあります。だからこそ、釣れたときの喜びが大きいのかもしれません。
釣りとストレスに関する研究
釣りとストレスに関する研究は、そこまで多いわけではありません。
ただ、イギリスで行われた研究では、釣りをすることとメンタルヘルスの間には、ある程度の関連性があるという結果が示されています。
参考:Fishing participation, mental health and wellbeing(National Library of Medicine)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10366712
この研究によると、釣りをする人は、釣りをしない人に比べて精神的に不健康な状態になりにくい傾向があるとされています。
もちろん、これは「釣りをすれば絶対にメンタルが改善する」という単純な話ではありません。
釣りという行為そのものだけでなく、釣りをするために自然環境へ出かけること、水辺で過ごすこと、体を動かすこと、日常から離れることなど、いくつもの要素が関係していると考えたほうが自然です。
実際、釣りをする場所はたいてい水辺です。
僕がよく行くような渓流であれば、そこは人間界から少し隔てられた大自然の中です。車の音も少なく、聞こえるのは水の音や鳥の声。スマホの電波すら怪しい場所もあります。
こうした環境に身を置くこと自体が、精神衛生に良い影響を与えているのかもしれません。
そう考えると、やはり釣りはメンタルにとって良い行為だといえそうです。
釣りは「考えすぎる時間」を減らしてくれる
個人的に、釣りの一番良いところは「考えすぎる時間」を減らしてくれることだと思っています。
日常生活では、仕事のこと、人間関係のこと、お金のこと、将来のことなど、考えたくなくても頭に浮かんでくることがあります。
しかし釣りをしていると、目の前の流れや魚の反応に意識が向きます。
どこに魚がついているのか。
どの角度で投げるか。
ルアーをどのくらい沈めるか。
次の一投をどうするか。
こうしたことを考えているうちに、日常の悩みが頭の外へ追い出されていきます。
もちろん、完全に消えるわけではありません。
でも、一時的にでも悩みから離れられる時間があるというのは、かなり大きいです。
人間、ずっと悩み続けていると本当に疲れますからね。
頭の中に悩みを常駐させていると、脳内メモリが常に圧迫されます。古いパソコンみたいに動作が重くなるわけです。
釣りは、そのメモリを一度解放してくれる遊びなのかもしれません。
ストレスが多い人ほど釣りに行ってみるのはアリ
というわけで、釣りはストレス発散に良い遊びだと思います。
日常的に強いストレスを感じている人ほど、一度釣りに行ってみる価値はあるのではないでしょうか。
「ああ、もう嫌だ」と思ったときに水辺へ行くと、つまらないことで悩んでいたなと思える瞬間があります。
もちろん、釣れなければ釣れないで別のストレスは発生します。
根掛かりでルアーを失えば、普通に悲しいです。
でも、それでも川の中を歩き、魚を探し、水の音を聞いている時間には、日常のストレスとは違う種類の集中があります。
その集中が、心を少し楽にしてくれるのだと思います。
釣りは魚を釣るだけの遊びではありません。
自然の中で、余計なことを考えず、ただ目の前の流れと魚に向き合う時間です。
そう考えると、釣りは生きていくうえで必要な行為なのかもしれません。
少なくとも僕にとっては、かなり必要です。
魚が釣れなくても、たぶん必要です。
いや、釣れないと普通に腹は立ちますけどね。そこは人間なので仕方ありません。

