近頃久々に渓流というか本流のほうでルアーを投げておりまして、ふと「ミノーって本流で必要ある?」とか思ってしまった僕。
というのも、とにかく僕はスプーンを投げてしまう。なんせ飛距離が出るし、どんな場所でも使えるから。そして根掛かりがとっても少ない。
なので本流で使うルアーは9割以上スプーン。浅い場所でも深い場所でもスプーンがあればどこでも釣りになると思ってしまっているので、ミノーの出番が圧倒的に少ないのです。
しかし、毎度「まぁタマにはミノー使おうかな」とか思いタックルボックスにミノーを入れては行くんですけど、これが使わないんですよ毎度。
だから「やっぱミノー使わないなぁ」とか思いつつ帰っていくんですが、それでも本流でミノーを使うメリットはあるぞ!と自分に言い聞かせるため。そして僕と同じように「ミノーっていらなくね?」とか思ってる貴方に向けて本流ミノーの良さについて語っていこうと思います。
本流で使うミノーのメリットとは?

ぶっちゃけるとスプーンに比べて、ミノーは本流でのメリットが少ない。
なにせスプーンが万能すぎる。飛距離が出るし重くすればボトムも攻められる。いや、そもそも軽くても上流に投げてフォールさせていけば、狙ったポイントのボトムに到着させることが可能です。
なんてこともあり、本流ではスプーンにくらべ出番が少ないミノーですけど、過去に本流でミノーを使ってニジマスやらアメマスやらを釣ってきた経験を元に色々とミノーのメリットについて書いてみようと思います。がんばれ本流ミノー!
流れが強い場所ではミノーが強い
まず一番最初に上げられるのは、流れが強い場所ではミノーはかなりメリットが大きいことです。
なぜならミノーにはリップがあるから。沈む力はスプーンほどは無いものの、流れのなかでも浮き上がりにくいうえに、流れが強くなればなるほど、同時に潜航しようとする力も強くなるため、狙ったレンジを攻め続けることができます。
これはシャッドやディープダイバー、ヘビーシンキング系などなど、数々の本流用ミノーがありますが、そのどれもが流れが強い場所で効果を発揮するといえるでしょう。
そして本流は増水すると一気に水かさが増して、水位が平気で数十センチくらい変化します。
するとルアーが受ける水圧も一気に増してしまい、もはや重さだけでボトムに到達させるのは困難。やろうとおもえば出来ますが、できたとしても丁寧にボトムや中層を狙うなんてことはできませんし、そんな時ほど魚は水圧の少ない川底の岩陰などに定位しているのでキツい。スプーンで狙うにはかなりテクニックが必要になります。
一方、ミノーであればダウンクロスでルアーをポイント付近まで流し込み、あとはラインを張るだけ。
すると水圧でルアーが一気に潜航し、中層付近めがけて突入。
あとはロッドを寝かせてゆっくり巻いていけば、狙ったポイントにルアーを簡単に到達させることができます。
この時、水圧が強すぎるとルアーがアバレすぎてひっくり返ったりするので、やはりヘビーシンキング系のあまり動かないミノーが有利になります。
ただ、僕は普通のシンキング系にウェイトを貼って使ったりもします。こうするとルアー強い水圧の中でも安定して泳ぐようになりますし、飛距離もアップ。
そして激しく強い流れの中でも浮き上がらないというミノーのメリットがより生きる結果をえられます。
食い上げのバイトに強い
次にスプーンは苦手だけどミノーは得意としてるのが、食い上げ系のバイトに強いってことですね。
ようはフックが2つ設置できるのがミノーの利点。
下から食いあげるようなバイトをベリーフックがキャッチしてくれるので、フッキング率が向上する効果がえられます。
これは明らかにミノーのほうが有利というか、スプーンを使っていて「あー今スプーンにアタックしたなー」というバイトミスが連発している時には、ミノーにチェンジすると一発でヒットなんて事は極稀にありました。
これは渓流あるあるというか、まぁフックではなくスプーンにアタックするのは普通にあること。
じかに魚がバイトするシーンを見ているとわかるんですが、魚はよく岩陰に隠れており、そこから突然飛び出してきてルアーにアタックしますが、そのとき、だいたいルアーというのは岩の上を通過していきます。でないと本流では確実に根掛かりしますから。
そうなると、当然下から上にサカナは食ってくる。しかもチェイスもほぼなし。いきなり飛び出してきて、バコーンとルアーを突き上げるわけですね。それがフィッシュイーターが小魚を食べる時の習性。ニジマスはわりとチェイスしますが、それでも川でメシ食ってる以上これをよくやります。なんせ川はエサに遭遇してチェイスなんてやれる場所ではありません。みんな上流から流れてくるワンチャンスに全力で食い上げてきます。
するとルアーのお腹側を狙ってくるのは当然というか、むしろ頭側を狙ってるというか。ようは頭側をねらう。エサとなる小魚は頭を押さえれば捕食しやすいわけです。
なので、どうしてもスプーンみたいにテールフック一本のルアーはミスバイトは多い。できるだけフックに食ってくれるようにやりますが、まぁまぁチェイスでもしてくれないと、スプーンに直接バイトしてきます。
しかし、ミノーならフックが二本ある。この強みはやはりデカいです。
本流でのミノーのデメリット

では本流でのミノーのデメリットは何かといえば、もうかぞ切れないほどありますよ。
そもそもフローティング系のミノーなんでデメリットだらけですからほぼ売ってません。本流で使うミノーといえばシンキング。しかもヘビーシンキングがメイン。
なので、ここではヘビーシンキング系のミノーのデメリットについて書いていこうと思います。うん、もう言わなくたってわかるよねそれは。
飛距離が出にくい
まず一番のデメリットが、スプーンに比べて飛距離が出にくいことです。
いくらヘビーシンキングとはいえ、やはりただの鉄の板であるスプーンに比べると飛距離は当然劣る。10gのミノーは7gのスプーンに飛距離で負ける。そういえばわかりやすいでしょうね。ようは空気抵抗がでかいってことです。
これはデカいルアーをあまり使いたくないタイプの本流ゲームではデメリットすぎて、やはりスプーンほうが良いなと思ってしまう僕の最大の理由です。
しかも僕が行く本流というのは川幅がかなり広く、ロッドも7~9ftを使う場所であり、14gのスプーンを投げても対岸に届くなんてことはありません。
逆に、川幅がもっと狭くなるとミノーのデメリットが消えやすくなります。僕が二番目によくいく本流は川幅が狭く、使うロッドも6~7ft程度。ここではミノーでも簡単に対岸にまで届くのでミノーの出番が増えていきます。
根掛かりが強すぎる
そして最大のデメリットは、フックが二本あることによる根掛かりの頻発ですね。
とくに引っかかるのがベリー部分のフックで、これがよく川の底にある木やら岩やら変なビニール袋やらに引っかかってしまいます。
ぼくも何本もミノーを川底に持っていかれたばかりか、なんなら川に流れている流木に引っかかってしまい、そのままブッツンと切られたこともあります。
そういう意味では、まぁまぁ無くすの覚悟で使うしかないのがミノーだったりするというか、スプーンの2倍はロストすると思っていて間違いないですね。(実際は2倍どころではない)
おまけにお値段もスプーンの倍するのが普通。ハンドメイドのミノーなんて数千円があたりまえ。強すぎる。そんなものを本流でぶん投げる度胸と金が僕にはなさ過ぎる。ついでにいうと川にゴミを放り込む勇気もなさ過ぎる。
そして、本流はルアーの回収が難しいんですよ。
普通の渓流や源流域だと回収は簡単だし、なんなら手つっこめばすぐ取れたりします。
しかし本流はそうはいかない。おまけに流れが強すぎてルアー回収機が通用しない場所も結構あるので、ミノーを投げる時はビビリながら使います。
アップクロスに弱い
そして本流でミノーを使う時、釣り上がりのアップクロスは結構使いづらいです。
使うならダウンクロス。アップクロスはスプーンに任せたほうが良いですね。
でも、使おうと思えば使える。ただロッドワークがめんどくさいというか、トゥイッチを多様しないとミノーが動いてくれないし、レンジキープも難しいし、まぁスプーンのふが簡単です。
なんかカッコイイからミノー投げよう

なんかカッコイイ、それがミノーというか、やっぱカッコイイよねミノーは。
スプーンもカッコイイんですけど、ミノーは魚のフィギア感というかプラモ感というか男子の心をくすぐる何かがたくさんあるので、やっぱりミノー使いたいという欲が毎回でてきます。
ただ、僕的にはトリプルフックはおすすめしません、本流はとくに。
だってめちゃくちゃ引っかかりますから、本流でトリプルなんて使ったら1投ロストは普通くらいに思っておいたほうが良いですね。
でもカッコイイですからね。やっぱ本流ミノーイングはカッコイイですからねぇ。
好きなルアーで魚を釣りたい!って思うのがアングラー根性ですから、僕も本流ミノーイングを今年は頑張ってみようかと思います。