渓流はスプーンで釣れない!なんて事はないよという話

渓流ルアーHOWTO
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「渓流でスプーンを使うと魚が釣れる気がしない」

という話を、今年渓流を始めたばかりという人から聞いたことがあります。たしかに、そう感じる理由にはいくつか心当たりがあります。

渓流ではミノーとスプーンで釣果に大きな差が出ることは少なく、むしろ状況によってはスプーンのほうが有利なこともあります。ただ、スプーンは見た目が金属の塊で、どう見ても魚には見えない。ミノーのような生命感や「かっこよさ」が薄いシンプルなアイテムなので、あまり釣れる気がしないのも分かります。

しかし、スプーンはルアーの中でも古い歴史があり、使い方によってはミノーよりも釣れることもあります。それでも「釣れる気がしない」「使ったけど全然釣れなかった」という人もいるでしょう。

でも、諦めてはいけません。渓流スプーンはちゃんと釣れるし、使いこなすと本当に楽しい。まずは、なぜ釣れないのかを一緒に考えてみましょう。

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スプーンが重すぎて釣れない

渓流では重すぎるルアーが仇になることが多く、とくに小さな釣り上がりの渓流では操作が難しく、釣りにくくなります。よくある失敗が、重すぎるスプーンでボトムを叩きすぎたり、動かしにくくて魚に食わせられなくなること。

とくに、ミノーとスプーンの沈下速度の違いに気づかないと「スプーンは釣れない」と思い込む原因になります。

浮力のないスプーンの4gと、浮力のあるミノーの4gはまったく別物。ミノーならフワフワ動かせたのに、スプーンでは速沈みして扱いにくい、という話はよく聞きます。小さな沢で水量が少ないのに、肉厚な4gスプーンを使えば当然難しい。ミノーが4gだからといって、スプーンも同じ重さにするのは厳しいのです。

初心者のうちはそれが分からず、今使っている4gのスプーンしか知らない。その結果「スプーン=釣れないルアー」と思ってしまう。

まず覚えておくべきは、スプーンはミノーより沈みやすいということ。もし4gのヘビーシンキングミノーと同じ沈下速度や浮遊感を出したいなら、少し幅広で肉厚が薄いスプーンを選ぶと良いでしょう。

渓流用スプーンは肉厚なものが多く、沈下速度が速すぎるタイプも少なくありません。源流域のような小渓流では、あえて“渓流用”にこだわらず、管理釣り場用のスプーンを使ってみるのもアリです。

テールフックにシングル一本が釣れる気がしない

スプーンが釣れないと思う理由の2つ目が、テールにシングルフック1本という「頼りなさ」です。ミノーはトレブルフックが2本、対してスプーンは金属の板にシングル1本。見た目からしてミノーのほうが釣れそうに見えるのも当然です。

しかし、実際の釣果では大きな差が出にくい。なぜなら、渓流のヤマメやイワナは、フックめがけてバイトしてくることが多いからです。小型魚は魚食性よりも威嚇や遊びの反応で口を使うことが多く、結果的に動くフックを狙って食いつきます。

つまり、スプーンは“本体で寄せて、フックで食わせる”ルアー。そう考えると、テールフック1本でも十分釣れる理由が分かるはずです。

ただし、魚の活性が急上昇したり、繁殖期で攻撃性が高まったり、大型化して魚食性が強くなると、今度はスプーン本体を狙うようになります。これを「ブレードバイト」と呼びます。こうなると、フックが口に入らず、スプーンが不利になる。そんなときはミノーに切り替えるか、スピードを上げて見切られないようにボトムを攻めるのがコツです。

スプーンは浮き上がりやすいのでロッドでレンジを操る

「スプーンは浮きやすくて使いにくい」という声もよく聞きます。確かにその通り。ミノーよりも浮き上がりやすいのがスプーンの性質です。

ロッドを立てたままトゥイッチを入れると、スプーンが水面に飛び出してしまう。だからこそ、ロッドの高さでレンジをコントロールする意識が必要です。スプーンの形や重さによって理想の巻き速度や角度も変わるため、最終的には“体で覚える”部分が大きい。

最初は難しく感じますが、慣れるとスプーンのほうが自由度が高く感じるはず。ボトムに落としても、ロッドを立てれば簡単に浮かせられるため、根掛かり回避もしやすい。瀬が続く渓流では、むしろミノーより扱いやすいシーンも多いです。

ただし、流れが強い場所でのダウン(逆引き)は浮き上がりすぎて難しい。どうしても浮いてしまうときは、潔くミノーやシャッド、バイブレーションに切り替えましょう。

根掛かりしにくい形状とドリフトを活かす

スプーンはダウンストリームが苦手とされますが、ドリフトは得意です。斜め前方へキャストし、そのまま流して下流で反転回収する釣り方。ボトムを攻めるのが基本ですが、スプーンは形状的に根掛かりしにくいため、ミノーでは引っ掛かるような場所でも通しやすいのが利点です。

川幅のある渓流では、このドリフトでボトムを転がすように攻めると効果的。効率も良く、渓流スプーンの本領が発揮される使い方です。

沈下速度とレンジ、速度を意識すれば釣れる

「渓流でスプーンが釣れない!」と思ったら、まずは沈下速度を見直してみましょう。小渓流では、重すぎるスプーンほど釣れにくい傾向にあります。流れになじむ重さを選び、レンジと巻き速度を意識するだけで釣果は変わります。

スプーンは使いこなすほどに奥が深く、ミノーよりも釣れる場面も多いルアーです。トラブルも少なく、流れの強弱を読む楽しさもある。だからこそ、スプーンでの渓流釣りを“難しい”で終わらせず、ぜひ自分の手でその魅力を確かめてみてください。

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