渓流に着いた瞬間、まだルアーを一投もしていないのに、
「今日はなんか釣れなさそうだな……」
と思うことがあります。
もちろん、その予感が完全に当たるわけではありません。
「今日は絶対ダメだ」と思っていたら普通に釣れたり、逆に「これは釣れるだろう」と思った日に完全坊主だったりするので、釣りなんて最後までわからないものです。
ただ、それでも釣り場を見た瞬間に感じる「今日は厳しそう」という感覚には、それなりの理由があるように思います。
というわけで今回は、僕が釣り場に着いた瞬間に「今日は釣れないかもしれない」と感じる時について考えてみます。
激濁りの水
最もわかりやすく「釣れない」と感じるのは激濁りの状態かもしれません。
「これはあまりにも濁り過ぎている」と思ったら、僕は基本釣りはしません。
なぜなら、大量の雨などで増水し、濁りまくっている川ほど釣れる気がしない場所はありません。
というか、それほど濁りがきつく増水しているなら、釣りをするのが危険な場合もあります。
こういう時は大人しく移動して、濁りが少ない川に移動するのが良いでしょう。
ただ、多少濁っている位ならむしろ釣れる気がするので、濁り方にも度合いがあります。
水量が異様に少ない時
続いて水量が少なすぎる時。
渓流に到着して川を見た瞬間、かなり嫌な予感がします。
もちろん水が少ないから絶対に釣れないわけではありません。
むしろ水量が少ないことで魚の居場所が絞りやすくなり、深場や流れ込みに魚が集まっていることもあります。
ただ、水が少なすぎると魚の警戒心が強くなりやすく、こちらの姿も気付かれやすくなります。
それから水温も上がり気味になっているのと、水中の酸素量が不足して魚に元気が無い可能性もあります。
この「川が元気じゃない感じ」があると、どうしても今日は厳しそうだと思ってしまいます。
水が澄みすぎている時
渓流では水が綺麗なのは良いことなのですが、あまりにも澄みすぎていると逆に嫌な感じがします。
川底まで全部見えるような透明度で、しかも水量まで少ない。
こうなると魚からこちらも丸見えです。
個人的にサイトフィッシングがあまり得意ではない僕としては、水が澄みすぎている状況はあまり好きではありません。
魚が見えると、「よし、あそこにいる」と思うのですが、こちらが魚を見つけている時には、向こうもこちらを見つけている気がするんですよね。残念。
そういう見える魚に対してルアーを投げると無反応。追ってきても途中で見切る。一度驚かせたらどこかへ消えてしまう。などなど・・・
こういうことが続くと、「ちょっとは濁っているくらいのほうが楽なんじゃないか」と思うことすらあります。
なので少しだけ濁りが入っていたり、水面が波立っていたりするほうが、僕としては釣れそうな感じがします。
人の足跡が大量にある時
これはかなり現実的な話ですね。
川に降りた瞬間、砂地や泥の上に新しい足跡が大量にある。
しかも明らかにウェーダーの跡。
これを見ると、
「ああ、先に入られてるな」
となります。
先行者の存在は人気河川では仕方がないことですが、直前に誰かが同じ区間を釣っていた可能性が高いと、どうしても期待値は下がってしまいます。
これが餌釣りならまだ良いんですが、同じ渓流ルアーのアングラーだと一人先行者がいるだけで、反応が大きく変わってしまいます。
多少大きな河川なら良いのですが、人一人歩けるだけの小渓流だと厳しい。
一度ルアーを見せられた魚だけでなく、川の中を人が歩いてしまうことで警戒してしまい、その後しばらく反応しないこともあります。
だから駐車場所に車があったり、川辺に新しい足跡が残っていると、まだ投げてもいないのにテンションがガクンと下がってしまいます。
水温が極端に冷たく感じる時
川に手を入れた瞬間、
「冷たっ」
となった時は、魚の活性が下がっています。
秋の終盤や春先なんかは特にそうですが、水温がかなり低いと魚の動きも鈍くなるので、ルアーを追う速度もノロノロとしてきます。
もちろんトラウトは冷水を好む魚ですし、水が冷たいから釣れないという単純な話ではありません。
しかし、急激に冷え込んだ直後などは魚の反応が鈍くなるため、どうしても釣りづらい日になります。
なので個人的には、安定して寒い日よりも「急に冷えた日」のほうが厳しい印象があります。
それでも投げてみないとわからない
とはいえ、「今日は釣れない気がする」という予感ほど信用できないものもありません。
僕自身としては、あまりに濁りすぎていて
「今日は完全にダメだろう」
と思った直後に釣れたこともあります。
反対に、「この水量なら絶対釣れる」
と思って初めての河川を何時間も歩いた結果、完全坊主だったこともあります。思い出すだけで辛いですね。
で、結局魚のことは魚にしかわからない。
人間が川を見て勝手に予想しているだけなので、最後はルアーを投げてみないと何もわかりません。
むしろ「今日は釣れなさそう」と思った日に釣れる一匹は、妙に嬉しかったりします。
期待していなかったぶん、魚が出た瞬間の喜びも大きいです。
だから僕の場合、川を見た瞬間に嫌な予感がしても、安全そうならとりあえず釣りはします。
せっかく来たんですから、1投もせずに帰るのはもったいないので。
釣れない予感も釣りの一部
釣りを長くやっていると、なぜか「今日は釣れそう」とか「今日は無理そう」といった勘が働くようになります。
その勘が経験によるものなのか、ただの思い込みなのかはわかりませんが、おそらく両方でしょう。
ただ、釣り場に到着して川を見ながら、
「今日はどうかな?釣れそうかな?」
と考える時間も、釣りの面白いところだと思います。
水量を見て、流れを見て、魚の気配を探して、自分なりに予想する。
そして釣り方を組み立て、ルアーを選ぶのも釣りのゲーム性。
だから今日もまた、
「今日は釣れなさそうだなぁ」
なんて言いながら、結局ルアーを投げるのです。

