渓流ルアーフィッシングをしていると、魚がルアーの後ろまで追ってくるのに、最後の最後で食わないことがありますよね。
あれはなかなか悔しいです。
魚がまったく見えていないなら、まだ諦めもつくんですけど。見えていると悔しさがすごい。今日は魚がいないのか、活性が低いのか、川の神様が有給休暇なのか。それともゴールデンウィークに入ってしまったのか。だとしたら仕方ない。そういうふうに自分を納得させることもできます。
でも、魚は追ってきているわけで、お魚さんはまったくお休みではない。
つまり、ルアーには気づいているし、ある程度の興味も持っている。なのに食わない。
これは釣り人の心に地味なダメージを与えてきますよね。
そこでこの記事では、渓流ルアーで魚が追ってくるのに食わない理由と、そんな時に試したい対処法について書いていきます。
渓流ルアーで魚が追ってくるのに食わないのはなぜ?
魚がルアーを追ってくるということは、少なくとも魚の視界には入っていますし、興味も持っています。
しかし、追ってくるだけで食わない場合、魚はルアーに興味を持ちながらも、最後の一線を越えていない状態です。
渓流魚は意外とシビアなもので、ルアーの動き、スピード、距離、色、サイズ、釣り人の気配など、いろいろな要素で反応が変わります。
追ってきたのに食わない時は、魚のやる気がゼロというわけではありません、やる気はあるのですが、何かが少しだけ合っていないのかも。
人間で言えば、店の前まで来たけど、メニューを見て帰るタイプです。食欲がないわけではない。ただ「なんか違うな」と財布を開く決定打がないのです。
ルアーのスピードが速すぎる
魚が追ってくるのに食わない時、まず疑いたいのがルアーのスピードです。
渓流では流れがあるため、釣り人が思っている以上にルアーが速く動いていることがあります。
特にアップクロスやクロス気味に投げた時、流れに乗ったルアーはかなり速く下ってきます。
魚が後ろから追ってきても、食うタイミングがないままルアーが通過してしまうことがあります。
この場合、魚は食わなかったというより、食えなかった可能性があります。
試したい対処法
ルアーを少し遅く見せることを意識します。
ただし、リールを巻くスピードを単純に遅くすればいいとは限りません。渓流では、巻かなさすぎるとルアーが沈みすぎたり、根掛かりしたり、動きが破綻したりします。
大事なのは、流れの中でルアーが自然に見えるスピードを探すことです。
スプーンなら、流れを受けてヒラヒラ動くギリギリの速度を意識します。ミノーなら、トゥイッチを入れすぎず、間を作るのも有効です。
追ってくるだけなら、少しだけスピードを落として、魚が食いつく間を作ってみると反応が変わることがあります。
ルアーが魚に見切られている
渓流魚は、ルアーを追いながらよく見ています。
特にクリアウォーターの渓流では、魚もルアーをかなり確認しているように感じます。
最初は勢いで追ってきても、近づいた時に違和感を覚えると、スッと反転して帰っていきます。
魚が見切る原因はいろいろあります。
ルアーの動きが不自然だったり、同じルアーを何度も通していたり、サイズが合っていなかったり、カラーが水色や光量に合っていなかったりします。
試したい対処法
まずは魚が見切られない速度を意識し、激しくルアーを動かしてみます。見切る魚はリアクションを起こさせるような動きにのみ反応してくるかもしれないので、とにかくリアクションバイト狙いのハードな動きで誘ってみます。
そして、これでダメなら同じアクションやコースを通さないことが大切です。
一度追ってきて食わなかった魚に、まったく同じコース、同じスピード、同じアクションで投げ続けても、だんだん見切られるだけのことがあります。
そんな時は、ルアーを変える前に通す角度を変えてみるのも有効です。
上流側から見せるのか、横から見せるのか、流れに乗せて見せるのか。
魚に対してルアーがどう見えているかを変えるだけで、急に食うことがあります。
それでもダメなら、ルアーのサイズやカラーを変えます。
目立つ色で追ってくるけど食わないなら、少し地味な色へ。逆に地味な色で反応が薄いなら、金系や赤金などのアピールカラーを試すのもありです。
ルアーのサイズが合っていない
魚が追ってくるのに食わない時、ルアーのサイズが合っていない場合もあります。
大きすぎるルアーは、魚に警戒されることがあります。
逆に小さすぎるルアーは、魚の興味を引いても、捕食スイッチを入れきれないこともあります。
渓流では、魚のサイズ、ベイトの大きさ、水量、流れの強さによって、ちょうどいいルアーサイズが変わります。
大きいルアーを追ってくるのに食わない時は、魚が興味はあるけど最後にビビっている状態かもしれません。
試したい対処法
まずはワンサイズ小さくしてみます。
ミノーなら50mmから45mm、または40mmクラスへ。スプーンもワンサイズ落としてみるのも一つの方法です。
ただし、流れが強い場所で軽くしすぎると、ルアーが浮きすぎて狙ったレンジに入らないことがあります。
渓流では、サイズだけでなく重さも重要です。
小さくしても流れに負けないルアーを選ぶことも大事です。
カラーを変えてみるのも手
追ってくるけど食わない時は、カラーの強弱を変えてみます。
金系や赤金で追ってくるけど食わないなら、シルバー、黒、ヤマメカラー、ナチュラル系に落としてみる。
逆にナチュラル系で追いが弱いなら、金系やチャート系など、少し強い色を試してみる。
大切なのは、同じ色ばかり投げ続けないことです。
似たような色を何個も交換しても、魚から見れば「さっきのやつの親戚」くらいにしか見えていないかもしれません。
アクションが強すぎる
渓流ルアーでは、ついアクションを入れたくなります。
ミノーならトゥイッチ。スプーンならロッド操作でヒラを打たせたり、流れの中で姿勢を崩したりします。
しかし、魚が追ってくるのに食わない時は、アクションが強すぎる場合もあります。
魚の活性が高い時は、強いアクションでスイッチが入ることがあります。
でも、活性が微妙な時は、激しく動きすぎるルアーに魚がついていけなかったり、警戒したりします。
人間でも、初対面でいきなりテンションが高すぎる人を見ると、ちょっと距離を取ります。魚もたぶん同じで、なんかこいつ激しすぎるなと思うと警戒して距離を取ってきます。
しかし、ゆるやかなアクションだと魚も警戒心を解いて付いてきてくれるはず。スローなアクションを心がけ、つい口をつかってしまうような誘いを意識しましょう。
レンジが合っていない
魚が追ってくるけど食わない時、ルアーのレンジが合っていないこともあります。
魚が底付近についているのに、ルアーが上を通りすぎている。
魚が浮いているのに、ルアーが沈みすぎている。
このように、魚との距離が微妙に合っていないと、追うだけで終わることがあります。
特に水温が低い時や、流れが強い時は、魚があまり長い距離を追わないので、表層付近にルアーを流しても追いきれない事も多いです。
試したい対処法
同じポイントでも、ルアーを通す深さを変えてみます。
スプーンなら、着水後すぐ巻くのか、少し沈めてから巻くのかでレンジが変わります。
ミノーなら、シンキング、ヘビーシンキング、フローティングなどで通せる層が変わります。
魚が追ってくるだけなら、少しレンジを下げて、魚の目線に近づけると食うことがあります。
釣り人の立ち位置や影で警戒されている
魚が追ってくるのに食わない時、ルアーだけが原因とは限りません。
釣り人の立ち位置や影、足音、ラインの存在が魚に警戒心を与えていることもあります。
渓流魚は意外とこちらを見ています。
水の中から人間の姿がどれくらい見えているのかはわかりませんが、少なくとも不用意に近づくと反応が悪くなることはあります。
魚がルアーを追ってきても、途中で釣り人の気配に気づいてやめることもあるはずです。
「ルアーは気になる。でも、あそこにいる人間が嫌だ」
という理由で追うのをやめているとしたら、やはり傷つきますよね、なので、そう思ったら気をつけたほうがいいでしょう。
試したい対処法
大事なのは、とにかくポイントに近づきすぎないことです。
特に浅い場所やクリアな流れでは、できるだけ距離を取って投げるほうが有利です。
自分の影が水面に落ちていないか、足音を立てすぎていないか、ラインが魚の目の前を横切っていないかも意識します。
また、同じ立ち位置から何度も投げて反応が悪い場合は、少し移動して角度を変えるだけでも効果があります。
魚の正面からルアーを見せるのか、横から見せるのかで反応が変わることがあります。
そもそも魚の活性が中途半端
魚が追ってくるのに食わない時は、活性が中途半端なことも多いです。
完全にやる気がないわけではない。
でも、ガツンと食うほどでもない。
人間で言えば、冷蔵庫を開けたけど何も食べずに閉める状態です。
この状態の魚は、興味で追ってくることはあっても、捕食までいかないことがあります。
水温、気圧、日差し、人的プレッシャー、先行者の有無など、いろいろな要素が関係します。
試したい対処法
無理に一つのポイントで粘りすぎないことです。
追ってくる魚がいるなら、魚の存在は確認できています。
でも、どうしても食わないなら、次のポイントへ移動したほうがいい場合もあります。
渓流では、少し場所を変えるだけで魚の反応がまったく違うことがあります。
日陰、落ち込み、流れの巻き返し、瀬の肩、深みのある淵など、魚が食いやすい場所を探していくのも大切です。
追ってくる魚を食わせるために意識したいこと
魚が追ってくるのに食わない時は、次のことを意識すると対処しやすくなります。
- ルアーのスピードを少し落とす
- 通す角度を変える
- ルアーサイズを小さくする
- カラーの強弱を変える
- アクションを弱くする
- レンジを変える
- 立ち位置と影に注意する
- 粘りすぎずポイントを変える
全部を一度にやる必要はありません。
まずは一つずつ変えて、魚の反応を見ることが大切です。
釣れない時ほど、釣り人はルアーをガチャガチャ変えたくなります。
でも、何を変えたから反応が変わったのか分からなくなると、次につながりません。
まとめ|追ってくるのに食わない時は「少しだけズレている」ことが多い
渓流ルアーで魚が追ってくるのに食わない時は、完全に外しているというより、何かが少しだけズレていることが多いです。
スピード、サイズ、カラー、アクション、レンジ、立ち位置。
どれか一つを変えるだけで、急に食ってくることがあります。
追ってくる魚がいるなら、チャンスはあります。
ただし、同じことを繰り返しても、魚に見切られるだけのこともあります。
魚が追ってきたのに食わなかった時こそ、少し冷静に考えてみる。
なぜ食わなかったのか。
何を変えれば、次は食うのか。
そうやって試していくのも、渓流ルアーフィッシングの面白さだと思います。
まあ、魚が食わない理由を考えすぎると、最終的に「魚の気分」という答えにたどり着くこともありますが、実際それが正解。
そして釣り人は今日も、魚の気分に振り回されながら、川を歩くわけです。

