水温が低い時は魚はとっても低活性。冷水が好きなマスといえど春先はまだまだ動きが鈍いです。
そんな時にルアーで魚を釣るためには、なんかこう「フワっ」とさせると釣れます。そう、こうフワっとした感じでルアーをフワっとさせる。フワフワっとしたやつ。ほら、わかるでしょ?フワっと伝わるでしょ?
とかフワっとし過ぎな言い方は人間はまったく伝わらないので、この記事では「フワっとアクション」の釣り方について詳しくご紹介します。
マスのリアクションバイトは「フワっとしたもの」にもある
マス類のリアクションバイトには主に二つのパターンがあります。
- ミノーなどを激しくトゥイッチして魚の攻撃本能を刺激し、反射的にバイトさせるパターン。
- フワッとしたものに、思わず口をつかってしまう、捕食やじゃれついてしまうようなパターン。
今回注目したいのは後者。軽量スプーンやミノーなどをスローリトリーブで使ったり、流れに乗せて自然に漂わせる。
これは伝統的な日本のエサ釣りに近いアプローチで、ノベ竿を使った流し釣りのように、ナチュラルに流れるエサを演出する。もしくはフライ。そういった動きをルアーで行うんですが、これをルアーでやるのは結構難しく職人技が求められます。
マスは「水中をフワっと流れてくる小さいもの」に反応する生き物
渓流魚であるマスたちは、流れに乗ってくる自然のエサに強く反応します。とくに水生昆虫や魚卵、動物の死骸など、自然下では多くの“漂流物”が彼らの食事になっています。最近では水中映像の撮影も進み、木の枝や葉、ゴミのようなものに対しても、彼らが口を使って反応する様子が記録されています。
この“なんでもとりあえずパクっとしてしまう”習性をうまく利用すれば、フワっとした動きのルアーは十分な武器になります。
水の流れに合わせてルアーを漂わせるテクニック
このフワっと系アプローチで最も重要なのが「水の流れへの同調」です。
渓流では、ただハイギアのリールでトゥイッチをかけるように攻めればいいというものではありません。それに、それだけだと飽きます。マスも人間も。そしてテンションが低いと激しい動きについて行けないって時もある。こういう春先の魚はトゥイッチに反応はするけど、ダートやヒラウチという素早くイレギュラーな動きを追いきれなくてすぐにUターンしたり、ミスバイトも増えるし、すぐ諦めるケースがかなりある。
だからこそ、たまには水の流れにのせるように動かすといいです。彼らが追いやすく、食べやすい速度とレンジを優先するルアー選びと、操作方法です。
ただ、それはとても繊細です。かなり気をつかいます。まずルアーを遅く動かすということは、ルアーをよく見せるということです。そうなると、今度は魚の目を騙しにくい。フワっと漂ってきた漂流物として見せないといけない。だから水より速くても遅くても不自然さが目立ち、反応しなかったり、違和感を覚えて見切られてしまいます。
そしてレンジコントロールがとても難しい。まずルアーロッドは短いく、これは脈釣りのように長い竿を使うほうが簡単ですが、それだと面白くない。あくまでロッドワークとリーリング、そしてアクションで成立させるのがルアーフィッシングですが、そうなると繊細さがさらに増す。あまりに高度で初心者はまず出来ません。
で、あえてソレをやるというなら、意識したいのが以下の点です。
- レンジキープ:流れの中で一定の水深を保つようにするか、狙ったポイントの手前でボトムに到達するようにキャストする。そのあと、ルアーの沈む速度や水流の変化を計算しながらルアーを流していく。川の流れは表層ほど速く、ボトムほど遅い。沈むほどラインに抵抗が増えることも意識する。
- 繊細なロッド操作:ミノーやスプーンを激しく動かさず、まずはとにかくルアーを狙ったコースを通すように調整し、そのためのロッドーワークを最優先とする。ここでは短いロッドは不利となるので小さい渓流でも最低5ft以上が理想。短いロッドを使う場合はとにかくロッドを立てて腕をのばす。フライやエサ釣りのようなイメージで操作。アクションは小さく、ゆるいシェイクをいれる感じで、水中を小さな生き物がフワフワと漂っていくようイメージする。
- リーリング:この釣りではラインのテンションをどう保つかが問題となるので、リーリングがもっとも難しい。もしテンションが張りすぎているなら、速く巻きすぎていて、狙ったレンジから浮き上がりはじめたと思っていいし、緩みすぎていたらボトムを引きずってしまい、根掛かりのリスクが増える。複雑な水流の中、ほんのわずかに緩んでいる程度を狙ってリールを巻くし、アクションを掛けたあとのラインスラッグの量もリーリングで調整する。あたりもロッドよりラインやリールに先に出ることが多いので巻き合わせ。
このスタイルには、軽めのスプーンやミノー、あるいはフライ風ルアーが適していますが、それは浅くて、流れが遅い場所でのはなし。この釣りにおけるウェイト調整はもっとシビアです。
フワっとした釣りはウェイト調整が最重要ポイント
フワっと系釣法の肝はウェイトにあります。違和感をおぼえさせず、かつボトム付近を狙えるようなウェイトが必要なんですが、それはポイントやその日の水量によって毎回違います。
なので、釣り場で即座に調整する必要があります。つまり、ルアーチェンジを頻繁に行います。
このスプーンならここでは沈みぎるから2gとか、ここなら3.5とか、4gなどを試す。流れとの同調が出来てないと思ったら、スプーンの重さ変えます。
例えば軽すぎれば動きは自然だとしても、ボトムに着底させるのに時間が掛かりすぎてしまう。逆に重すぎたら今度は流れに乗ることができず、自然と速く動かしてしまう。
ミノーでも基本一緒なんですが、こちらは重さと浮力が加わる。そして、浮力があるモノのほうがフワっと流れに乗せるのは楽だし、スプーンより重いルアーを使えるのでベイトフィネスでも投げやすくなります。
ただミノーの場合、こうしたフワっとしたリアクションバイトを取るためには、ルアーのサイズが大きすぎたり、わずかな水流の変化だけで動いてくれません。なんせ渓流はヘビーシンキングミノーが主流です。同じ重量であれば普通のスプーンのほうがわずかなシェイクや水流を受けるだけでヒラヒラと動いて誘ってくれます。そして、ミノーはウェイトの種類が少ない。1gキザミで存在するミノーなんてものはまず無いので、スプーンとの併用が基本です。
ただ、ミノーにしろスプーンにしろ、沈む速度が異なる複数のルアーを沢山持っていったほうが有利ですし、ミノーはドリフトの後半のターンで浮かない利点があります。
まぁとにかく水の流れにナチュラルに同調させつつ、狙ったコースとレンジにルアーを通す必要があるので、もしルアーが間違ってると、まず釣れません。
そしてとっても気をつかいます。木や鉄やプラスチックの物体で、しかも5ftクラスのルアーロッドを使い、フワっとしたリアクションバイトを取るのはとても難しい。渓流のルアーはこういう釣り方をするアイテムがないし、ウェイトの種類も管理釣り場用のスプーンほど沢山ない。
というわけで手持ちのルアーの数が少ないなら、まずは軽いミノーやスプーンを選び、そこにシール付き板オモリやガン玉を使って調整するのも有効です。板オモリをリーダー部分につけてもいいです。とにかく、その場で微調整できるようにしないと、このリアクションバイトを取るのは難しいです。
スローにボトムを攻める
水温の低下、急上昇、そして濁りがあると、魚はボトムにベッタリと張り付きます。
そんな時は、遅く、フワっとしたアクションで魚の目の前にルアーを届けるようにすることが大切です。アクションは細かく、動きは遅くする。そしてルアーに食いつけるチャンスを沢山つくってあげましょう。頑張らなくても大丈夫なように。
そうすると「お!これはイケるぞ!」とパクっと来てくれます。優しくサービスしてあげるんです。まぁ釣りますけどね。
これはアップストリームの釣り上がりでは難易度が高くなりますが、ルアーの着底を意識しつつスローに誘うと効果的。理想はクロスですけど、それも状況によって出来ないこともあります。
また、濁りが強い場合などは、釣り下がりやバイブレーション系ルアーを使う徹底的なボトム狙いのダウンアプローチの方が釣果が上がることもありますので、臨機応変に対応したいところ。
そして釣り上がりスタイルでも、できるだけクロス気味にルアーを流す。そしてボトムを意識して、ゆっくりとした“フワっ”のリズムを大切にしてみてください。
まとめ
春先や低水温の渓流では、「激しく動かす」釣りだけでなく、「フワっと漂わせる」釣りも非常に有効です。
エサ釣りやフライに近い感覚で、自然の流れにルアーを同調させることで、魚の“なんとなくなバイト”を誘発できます。道具やルアーの選び方も少し工夫すれば、低活性時の釣果は大きく変わります。
ぜひ、次の釣行で試してみてください。