こうやれば魚は釣れる!というメソッドみたいなものは、あくまでパチンコ必勝法とか、競馬の予想みたいなものと思っておけばいいでしょう。
つまり、まぁ確実な方法なんてない。麻雀とかと同じで、やっぱり運こそ最強の要素であり、流れがきていれば釣れまくる、流れがこなければ徹底的に釣れない。釣りは運ゲー、これ基本。
しかし運ゲー要素が強いゲームでも、勝率がひたすら高い人がいる。彼らは基本的に数字を信じ、確率でものごとを判断し、負けないための方法を徹底します。
そんな人々が言うのが『メソッド』というものですから、基本的には「ボウズになる確率を下げる方法」です。そう、ただ確率を下げるためのもの。それでもハゲ散らかすときはハゲ散らかします。
そして、渓流ルアーフィッシングにもある程度「メソッド」なるものが存在します。
それが、「投げるたびにアクションの速度を変える」という方法。これで釣れない確率をできるだけ下げるというのが基本です。
渓流魚に速いアクションと遅いアクションを繰り返す

渓流魚を釣るためのメソッドは『速いアクション』と『遅いアクション』を交互に繰り返すことです。
具体的には、常に速いアクションを使います。見切られないような速度で巻いて、トゥイッチを掛ける。釣り上がりでは基本トゥイッチを多用。そうやって効率良く釣り上がってポイントを打っていく。
そこで1投目で釣れれば良いですが、それで反応がない時。もしくは、チェイスしたが魚がUターンしたのが見えた時。
そのあとは少しだけ間を置いて、さっきよりスローなアクションにする。リーリングもトゥイッチも少しだけ遅くする。
それで釣れなければ、次はまた元の速いアクションか、さらに遅いアクション。
そうやってアクションの速度をシンプルに変えるだけ。これだけで渓流では魚が釣れる確率が少しだけアップします。
そして、これは最初に遅いアクションを入れ、そのあと速くするという順番でも実は効果があります。
なぜ最初に遅くて、次に速くしても釣れるのかというと、要は「変化」させることが大事であって、その順番はそこまで大事ではないからです。
速度の違いは魚にチャンスを作る

遅いアクション、速いアクションを使い分けるメリットは、魚に変化を感じさせるためです。
なので、最初に遅いアクションから入ってもいいんですが、それが人間側からすると面倒だし、サーチするという意味では手間がかかる。
だから最初は速い速度で投げて、追ってくる魚を探す。魚を見つけたらスローなアクションに切り替える。こっちのほうが断然人間側が楽ってだけですね。
魚は変化をチャンスと考える
渓流の魚は追ってくる姿がよく目で見えます。
そして、その魚たちがバイトの姿勢に入るタイミングは、たいてい動きが変化した時です。
それは動きが失速したり、逆に動きが速くなったりする時。
そして、大抵の魚は動きが速くなったと感じた瞬間に反応し、ルアーに向かって突進。それからアタックしてきます。
こうした変化を感じると、魚は「今だ!」と感じて動き始めてしまいます。魚でなくてもそうですね、なんか興味があるものが、すぐ目の前にきて今ならイケるなと思ったらつい動いてしまう。ぎゃくにそれが離れだそうとすると、今しかないと思って手を出してしまう。
その「あ、なんか今ならイケるな」と思うタイミングが、たいていスピードの変化。
それから上昇や降下といった動きです。
その変化を1回のアプローチの中で大抵は生み出すんですが、それで食わないという魚がいる場合、たいていスピードが速すぎることが多いんです。
要は、じーっと様子見しているか、ルアーを追うが食べるタイミングがわからないか、バイトしてもミスしている。
なので、次のキャストをしたとき、同じような動きだけど、ちょっとだけ遅くすると、彼らは「あ、さっきより動きが読めるぞ、今だ!」と、そのアプローチ自体を「チャンス」と捉えて襲ってきてくれるわけです。
一回目に様子見していただけの魚にとっても、さっき気になっていたものが、さっきよりも遅く、バイトしやすい動きをしていると「あ、なんか今ならイケそうだな」と思って食ってくるんですね。
フワっとゆっくりスローに動かす
活性低すぎてぜんぜん食わないな、ここ魚いないのかな、居ると思ってたんだけどな…
と思ったら、最終手段はすごいゆっくり、ロッドを立てて、フワフワ系の縦釣りです。
要はフワっとしたリフトアンドフォールを繰り返す感じ。フワっ、フワっと水中でルアーが水面に向かって浮き上がったり、沈んだりを繰り返す。
これくらいスローに動かさないと低活性の魚は口を使ってくれないケースが多いので、横にヒラを打たせたり、レンジをキープすることにとらわれず、縦方向の動きを使って、スローにゆっくりとアクションを加えるくらいの遅さが大事です。
アクションのリズムを速くする
速いアクションについても、リーリングのスピードを上げるというより、トゥイッチのリズムを上げるほうが良い時が多いです。
パン、パン、パンとしっかりトゥイッチを入れるより速い速度。つまり、もうシャカシャカシャカシャカとロッドの先をシェイクしながらリールを巻いてくる感じで、ラインスラッグもほとんど出ないような高速リズムを刻みましょう。
これくらい速いと、ルアーは小刻みでイレギュラーなブルブルアクションをしています。これはハイアピールとはいえ、実はそこまで左右に大きく吹っ飛んでもいないし、ヒラもたいして打たず、ルアーの軸は大してブレません。
それが水中をまっすぐブウウウン!と震えながら進んでいく。これってスピナーに近い動きで、高速回転でブレードを回しながらブウウウン!と水中を進んでいくようなもんです。
それがハイアピールだけど、魚にとってアタックしやすい速度。
スピードは速くてもルアーが直線的であれば、魚はまっすぐルアーに突っ込むだけ。つまりバイト率が高く乗せやすい。ミノーでやるスピナーみたいな釣り方。
高速にルアーを動かす時は、もはやシェイキングくらいの勢いでロッドをブルブルしつつ巻いてあげると活性の良い魚を乗せやすくなります。
ほどほどに速い動きで探り、速度の変化で乗せよう
渓流のように多くのポイントを歩いて移動しながら打っていく釣りは、スローで遅い釣りは性に合わない人も多いし、あまり効率的ではありません。
なので、最初はそこそこ速い動きでルアーを通し、次に少し遅いアクションを入れる。次はもっと遅いアクションというように、こちらがポイントを見切るまでルアーの速度を変え続け、どこで当たるか探っていくと釣れる確率が上がります。
今日はどの動きがいいのかなー…と、お魚さんの気分を探るようにスピードを変えて探り、その日の魚の活性を確認できれば、次はその速度を意識してルアーを動かすことでヒットパターンを見つけ出せるかもしれません。