スピンキャストを渓流で使うとポンコツカーでタイムスリップ【インプレ編】

リール
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渓流にダイワのスピンキャスト80で挑むことになるとは。

渓流ルアーフィッシングをはじめた2年前にはまるで予想すらしていませんでした。

というか、スピニングでの渓流釣りのあとは、かくじつにベイトフィネスでもやるのかと思ってたんですが。

なぜか気が付けばスピンキャストを車に積み込んでいました。

なんで僕はいつもこうなのか?

誰かの期待通りにいかないばかりか、自分の期待通りにすら物事がうまく進まない。

それも釣りならば少しは思い通りになるかと思えば、それすらも不可能。

何故か不思議と惹かれてしまったスピンキャストは、驚くほどのローテクリール。

けれど買ったものは使うしかない。

というか、新しいリールなんて買っている余裕はない。

もういいよ!やってやると!インプレしてやる!

と開き直り、アクセルを踏み込んだ結果車の後輪がスピンキャストしたαトラウトです。アイス・エイジ。

ほんとうに冬道は安全運転が大事。

開き直ってアクセル全開なんて死刑執行と一緒。もう本当に怖い。

しかも目の前で事故車を見る率が1日1回くらいに増加。

道北地方の国道には毎日のように氷のIEDを仕掛けられ

住宅街の狭い路地では一時停止ができない車の巻き込み自爆テロ

4月になるまで終わらない雪まみれのゲリラ戦が展開しています。本当に死にたくない。

そんな地獄の道路を僕のポンコツ車はをノロノロと進み、凍てついた渓流へと到着しました。

ちなみに前回購入したスピンキャストのレビューはこちらです。

https://douhokuhinntyou.com/2018/12/22/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AF%E5%AE%9F%E7%94%A8%E6%80%A7%E3%82%BC%E3%83%AD%EF%BC%81%EF%BC%9F%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A9%E6%84%9B/
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スピンキャストをもって渓流に到着

ダイワのスピンキャスト80をもって渓流へとやってきた僕。

しかし、息も絶え絶えに藪を漕いでやってきたポイントを見て愕然とします。

 

凍ってる。

 

渓流が完全に氷に覆われているっている

ということは

僕は氷河期にまでタイムスリップしてしまったのか?

いつ?どこで僕は時を超えた?時計台に雷とか落ちてないんだけど?

けれどスマホを取り出したあたりで、ここがいつもの渓流だと気が付きます。

それは、雪景色に覆われ、姿がまるで変ってしまった渓流。

岩が転がり音を立てて流れていた渓流の姿は消え

変わりに表面を覆う分厚い氷が、渓流の姿をすっかり隠していたのです。

道北の川は北海道の中でも一段と氷やすいのか、冬になるとこんな感じで姿すら見えなくなりますね。

こんな渓流にやってきてしまって、そもそも魚なんて釣れる気がしないんですが、今回の僕の目的は

スピンキャストってどうやって使うのか?

というのを学ぶためですができれば魚が釣りたかった。

キャストできる水が殆みえない状況なので

単純に雪山にスピンキャストもって登山しにきただけ

というか、ここまで来て今更引き返すってこともできないので、スピンキャスト80を投げて、最低限のインプレだけでもしていきたいですね。

スピンキャストはどんなロッドに合うのか?

スピンキャウトで釣りをしようと思った時、一番最初に迷ったのが

どんなロッドが一番合うのか?

という非常に難解な問題でした。

そもそもスピンキャスト用と銘打たれたロッドがあまりにもありません。

スピニングならスピニング用、ベイトならベイト用でわかりやすいし、丸型ベイトならチャンピオングリップだとか、ガングリップだとか一目瞭然。

しかしスピンキャストにはそれがない。

ネットでスピンキャスト用のロッドで探してみると出てくるのは

大抵セットロッドですし

シェイクスピアの機関車トーマスのコンボは今は欲しくない!

と、何度さがしても出てくるシェイクスピアの機関車トーマスにブチギレること数回。

そこで最終的には「じゃぁ皆どんなロッドに合わせてるのかな?」ということで調べ始めました。

スピンキャストに一番似合うのはガングリップ

スピンキャストを使っている人たちの動画や画像を漁り続けた僕。

その頃になると脳みそがスピンキャストに侵され、瞼がクローズドフェイス状態。

いかん、このまま寝るな、このまま寝たら夢に機関車トーマスが出てくる。

そう自分に言い聞かせ、様々な組み合わせを見ていきました

その結論としては。

スピンキャストリールにはガングリップが一番似合う。

 

ということです。

そもそもスピンキャストリールは50年代~60年代のアメリカでデビューし、ガングリップ(チャンピオングリップ)に装着することを前提に作られてきました。

その伝統はなぜか今も続いており

たいていのスピンキャストリールは垂直方向にやたらデカイ。

しかもデカイだけならいいけど

親指で押すボタンの位置までなんか高い。

 

そのため、リールシート部分が一段低くなっているチャンピオングリップが一番しっくりくるんですね、見た目としても。

 

でもね。

僕が買ったスピンキャスト80って、1900円だったんですよ。

新品で買っても3000円位しかかからないんですよ。

そこにグリップが中古で1万、ロッド部分で中古で2万だして滅茶苦茶良いセットを買うのってまぁきつい。

それも釣り具にお金を掛けられない貧乏な僕にしたらすさまじいハードルの高さ。

みなさんが犬小屋を跨いで乗り越える感覚なら僕はタワーマンションによじ登っているような気持ちですから。ぜったい無理だからこれ。

それと重量の問題もありますね。

渓流でガングリップ使いたいけど、今までのタックルに比べるとおしっこ漏れそうな位重くなる。

スピンキャスト自体重めのリールなんで、いきなり重量UPはきつい。

けど、それならどうしようか。

ゼブコやシェイクスピアなどのスピンキャストを売っているバスプロショップでは、実売3000円位でバス用のガングリップULロッドが売ってるんですよ。

なんか見た感じFUJIグリップに激似でけっこう渋い。

で、これならいい感じにロッドにはまるかも…

と思ったら、まさかのアイテムを見つけてしまったのです。

ベイト用の鱒レンジャー・ダークナイトが闇より復活

スピンキャストに価格的にも見合うベイトタックルは無いだろうか?

このさいガングリップとかじゃなくて良いから!送料とかも無料で!

とか思って定期的にAmazonを眺め続けていると

ついに見つけてしまいました。

なんと、ベイト用の鱒レンジャーが再び売られていたのです。

このロッドについては後程詳しくレビュー&インプレしたいと思うので詳細を省きますが

このロッドがネットに出てくるのは非常に珍しい。

鱒レンジャーの中でも特に品薄で、ベイトモデルは瞬く間に売り切れ、当分購入のチャンスが出てこなくなる。

しかもAmazonではダークナイトの残りの数が少なくなるやいなや

いきなり値上げをしてくるケースすらある。

僕は定価の2980円で購入できましたが、このブログを書いている最中には3980円にまで上昇。

しかしまた突然の値下げが起きたりと、もう全然値段が安定しない。

このロッドを探している人も多いので仕方がないですが、どうせまた売り切れるはず。

とにかくコレだと思ったわけで、即座にポチり。

これにスピンキャストを付けることにしたのです。

ラインはナイロンがベスト

スピンキャストはその機構上、細くてしなやかなラインは不向きだと判断。

ということで、普段渓流で使っているラパラのPE0.8は一旦保留し、ナイロンの8lbを巻くことにしました。

使っているのは、余っていたダイワ・ジャストロン。

なにげにダイワのリールにダイワのラインという統一感が生まれたのは初めて

みなさんはシマノのロッドにシマノのリールとか、ダイワのロッドにダイワのリールなんでしょうけど。

僕の場合はスピンキャスト80にジャストロンですからね。

クラスのオタとヤンキーというはみ出しもの同士が偶然ゲーセンで出会って意気投合した

そんなドラマティックな出会いですけどマジでどうでも良いですね。よし釣ろう。

早速渓流でスピンキャストを試すことに

そんな感じでようやくタックルを揃えて渓流にやってきたんですが

ここからが本番。

渓流が凍って魚が釣れないっていう不安は確かにありますけど

問題はそれ以前。

スピンキャストをどうやって使ったらいいのか全然わからない。

それくらいのスピンキャスト初心者だから

 

つまり今回の課題は

とりあえずスピンキャストで投げて、ルアーを動かせるようになる

っていう所。

で、その使用感を確かめることが前提。

一応初心者向けのリールって謳い文句で売られているアイテムだから大丈夫だろう

とか思ってたんですけど、前回のレビューで書いた通りまずそんなわけがない。

だいたい最初から不安しかないし、70年代のSFチックなスーパーカーみたいなリールで何ができるのか?

期待とかないし全然不安しかないんですけど!?

予想通りキャスティングでつまづく

なにはともあれ、ひとまず投げてみよう。

と思い立ち、動画でみたスピンキャストの投げ方を真似てキャスト。

しかし、いきなり失敗。

ルアーが今まで見たことない程明後日の方角に飛ぶ。

いや、明後日なんてもんじゃない。

5年後の未来にまで飛んだ。

そう確信できるヤバい角度でした。

 

アイコン

ヤバい、このままだとルアーが時空を超える

 

という危機感が沸くレベル。

しかしそんなわけがない。

タイムマシーンみたいな見た目のリールだけど、まさかそんなわけが・・・

そう思い2投目のキャスト。

するとどうでしょう。

さらに意味不明な角度にルアーが飛んだかと思ったら。

シュン!という音と共に消えたんですよ

ルアーが!

 

アイコン

消えた?ルアーが消えた??え??

そうなんです。

僕が明後日を超えて5年後まで飛びそうなキャストをしたあと

本当にルアーが時空を超えてしまったのです。

なんということでしょう。

もしルアーが時空を超えたということは

うちの父と母が出会うダンスパーティーで不良の首に刺さる予定ということ。

これはまずい。

うちの父と母が傷害罪で結ばれることなどあってはならない!

いや?むしろ僕が生まれているということは、すでに僕が投げたルアーはヒットしている?

どういうことなんだ、やっぱりわからない。

とにかく回収だ!もうなんでもいい!

と、なんかヤバいと思ったぼくがとにかくリールを巻くと

キャストしたデロリアンが雪の中から出てきました。

危ないところでした。

あともう少し初速が速かったら確実に時を超えていた。ほんとうにひやひやします

リリースは楽だけどキャスティングは難易度高め

 

初心者にオススメ。

誰でも簡単に投げれるリール。

そんな謳い文句に疑問を持っていた僕ですが、この瞬間確信しました。

キャスティング自体は難しくない。確かに楽。

 

ただし、ピンポイントで投げるには相当練習が必要だと。

 

それに気が付いてなかったのが最大の失敗でした。

 

まずですね、このリールで投げること自体は楽なんです。

スピニングならベイルアームを起こして、ラインを人差し指にひっかけ、リリースポイントにきたら指を伸ばす。

ベイトならスプールを抑え、クラッチを切って、リリースポイントで親指をはなす。

どれも3段階の動作で行わないといけないですし、指先で直接触ってコントロールする必要があります。

一方のスピンキャストは、ボタンを押して、リリースポイントでボタンを離す。

この2動作だけで可能。

しかもラインには直接触れずにです。

だからこそ「初心者でも簡単に扱える」という謳い文句が成立している。

ただし、それ以上の動作をするとひたすらに難易度がアップして

スピニングやベイトのほうがはるかに楽になる。

これが非常に特徴的です

リリースポイントをつかむのが難しすぎる

最大の難関となったのがリリースポイントです。

渓流では常にピン打ち必須のポイントしかないので、キャスト精度が重要。

小渓流だと狙ったところにキャストできないと、すぐに枝や草に突っ込みますからね。

で、いつもとおんなじ感じで投げてみたいんですけど。

 

まったくリリースポイントがつかめない。

 

ちなみ、僕はベイトも昔使ってたんですよ。

しかも相当練習してたんですよ、毎晩家の裏で振りまくるほど。

だからベイトのつもりで投げてみたんですけど、全然思った方向にいかない。

その原因となったのが、親指を離すタイミングです。

普段なら指とラインが直接触れているので、ラインのテンションのかかり具合も指先でわかる。

だからロッドを振った時、どこで離したらいいのか指先で覚えてるんですよ。

でも、スピンキャストにはそれが無いんです。

だから振りかぶって投げる時、最初は絶対にリリースタイミングが狂うんです。

これは驚きましたね。

普段何気なく投げていて、こんなに指先でラインやスプールの感触を確かめてたと思いませんでしたよ。

サミングがものすごいしにくい

ピンポイントキャストではサミングは必要不可欠な技術ですよね。

スピニングではフェザリングといいますが、とりあえずここではサミングと呼び名を統一します。

 

近距離&ピンポイントのキャストを繰り返す渓流ルアーフィッシングではベイトに限らず常にサミングで距離をコントロールします。

が、しかし

 

このスピンキャストはサミングが鬼のようにやりずらい

 

ここも指先でラインを触れられないのが原因。

スピニングを使ている人なら人差し指で

ベイトを使う人なら親指でラインの出具合を調節しますよね。

ところがこのスピンキャストは通常のサミングを一切考慮してないんですよ。

まじで驚きましたね。

最初は考えてもいなかったんですが、いざサミングしようと思ったら

どこを触ったらできるのか全然わからない。

これがアンダースピンキャストなら人差し指でラインに触れられたかもしれませんが

僕の使っているスピンキャスト80はベイトロッド用。

ということは親指でスプールを抑えたいのに、肝心のスプールはクローズフェイスときたもんだ。

じゃぁまったくサミングが出来ないのか?

というとそうでもない。

方法は2通り。

1つめはライン放出口にロッドを握ってない方の手を伸ばしラインを抑えるという方法。

これがスピンキャストの代表的なサミングの方法らしんですね。

でもね、渓流でこれやるの辛い。

オーバーヘッドでおもいきりロングキャストして、ルアーの滞空時間があるなら手も伸ばせるよ。

でもキャストして1秒もたたず着水し、フォール無しで即座に巻き出す渓流のルアーフィッシングじゃぜんぜんできない。

僕もためしにやってみたんですが、あまりに忙しくて手が絡まってしまいそうでした。

 

2つ目は、クラッチボタンを操作してサミングする方法。

これが恐らく、渓流では一番活躍するサミングのしかたですね。

 

スピンキャストはクラッチボタンを押すと、スプール上部が上昇し、シリコン部分と天井のクローズドフェイスにラインを挟んでルアーをホールド。

この仕組みを利用してサミングをしてみよう!っていう方法なんですね。

まぁ指先はベイトのサミングで、機構的にはスピニングのフェザリング。

とかいう超難解な作業なのですが、これが地獄の難易度

使い勝手としては1つめの方法より渓流向きなんですが、まぁ難しい。

この難しさを表現するなら

 

地面に敷かれた雑巾の上に

時速60キロで走るデロリアンでピタリと止まる

 

というのを想像してもらえればいいでしょう。

 

自分の足で歩いて止まるならそう難しくはない作業なのに

スピンキャストでやろうとすると成功するだけで神と呼ばれる作業になるんですね。

 

本当にそれくら難しい。

いつもなら8m先、10㎝の円の中にルアーを落とせと言われてもできますよ。

ていうか釣りに慣れたら誰でも出来るんですけど

スピンキャストでこれができたらマジで神ですよ。

そらぐらいクラッチボタンのサミングが難しい

でも、誰もできないわけじゃないし

動画とか見るとめちゃくちゃ上手い外人とかいる。

マジかよ・・・って、これを書きながら今見てるんですけど

実際に使ってみないと、このヤバさはわからない。

あんなもんドリフトで鉛筆削るようなもんですよ。

イカレてます。

握り方が結構難しい

僕が買ったスピンキャスト80というモデルは、スピンキャストの中でも背が高い部類。

ということで、握り方はちょっと困りましたね。

これどうやってグリップしたら良いのよ・・・とか思い色々試したんですが、結局ベイト握りより指一つ浅い形に落ち着きました。

この点はつかうスピンキャストによって変わりますし、ベイト握りとほぼおんなじ形で操作している人もいるので完全に好みですね。

スピンキャストはローテクSF車を操作する感覚

渓流を登って1時間が経過したころ。

当然一匹も釣れないばかりか、氷でどこに水があるのかまったくわからず、ひたすらキャスト練習だけを繰り返しながらスノートレッキングをしていました。

それにしても難しい。

思った方向に飛ばすだけでも一苦労だし、サミングまで難しいから思ったところに投げられない。

なにが初心者用だよ!

どうやればいいんだこれ?こんな難しいリール触ったことないんだけど?

とか何時も通りぐちぐち文句を垂れる。

でも、それでも少しづつ狙い通りのポイントに投げ入れられてくると、このリールの面白さに気がつきはじめました。

謎の機械を使いこなす面白さ

扱いが難しいものほどはまるし、正体がわからないものほど惹かれてしまう。

その習性をもつ人間はオタク気質のあるタイプほど多いと思うのですが、やはり僕も同じ。

この意味不明かつ実用性などまるで感じないリールを使っていくと、次第にその虜になってしまったのです。

 

まずキャストの難しさが、全て機械を通して行っていることが原因という点。

これが僕のような人間にはたまらない。

 

スポーツマンではない僕は、むしろ機械のほうに惹かれがちな生き物なんです

で、それは自分の手で直接操作するのではなくて、機械を動かし、その結果何かを生むっていうプロセスに惹かれているからんですよ。

もちろんプログラミングのようなものじゃない。

どちらかといえば、車の操作に近いものがこのリールにある。

しかも今時のハイブリットカーや自動運転じゃないです。

燃料もエンジンも意味不明なデロリアンみたいな車。

古いSF映画に出てくる謎の車ですよ。

 

僕らが普段つかているスピニングやベイトは、あまり機械として見れにくい。

それは、投げるのも、巻くのも、全て人間の手が支配しているから。

だからこそ自在に操れるのですが、このスピンキャストは車を運転するようなもの。

キャストしたりサミングをかけたり巻くだけでも、この機械と上手く付き合えなければ不可能だと早々に悟ります。

 

ちなみにスピンキャストのクラッチボタンでのサミングは

車のブレーキングにそっくりですから。

しかもABSなしの超ポンコツカーのブレーキですよ。

 

というか、スピンキャストのクラッチ機構って本当にブレーキにそっくりなんですよね。

 

では、こいつでピンポイントで投げるためにはどうしたらいいのか?

そうやって試しているとある瞬間、ふと思い通りに行く。

けどそれは僕の指先の動きだけがうまく動いたからじゃないんです。

それは指先と、意味不明な機械が運よくシンクロしたから。

動かし方もわからない、ひたすらローテクなタイムマシーン。

それがあーだこーだ言いながら動かしてたら、偶然狙い通りの時間にタイムスリップに成功したような感覚ですよ。

 

ただし、スピンキャストの場合、時計台に雷が落ちてくるのはその後。

狙った通りの場所にルアーが入った時に、背中を走った電撃に声を上げて喜びました。

 

これが凄い楽しい。

 

僕と、リールが一緒になって釣りをしているような気分。

自分ひとりじゃ釣りができないとはいいますが、僕と魚だったのが、それが僕と機械と魚になる。

 

もっと具体的に言うと。

いままで僕が操作するのはロッドとルアーだけだったのに。

そこにスピンキャストリールを操作するって項目が加わるんです。

ただ巻いて投げるだけじゃすまないんですよ。

リールの動きを付かんで、しっかり扱わないと思ったら所に投げれないんですよ

めっちゃ面白いですよこれ。

 

正直、実際に使うまでスピンキャストリールなんて初心者用とか、変態向けとか思ってたんですけど。

この『リールを操作する』っていう感覚にやみつきになる人が結構いるだろうなーと思ったのと

スピンキャスター達は、この感覚のとりこになってるんじゃないか?と疑いはじめましたね。

まぁ、それでも扱いにくく、繊細ですぐに機嫌をそこねるリールなんですけど

こいつをどうやったら上手く動かせるのかを探りつつ釣りをすると、まるで釣りをしはじめた子供の頃にタイムスリップしたかのように、永遠とキャストだけ繰り返していました。

 

バックラッシュしにくい

 

実際に使ってみてわかったのはバックラッシュ率が低いと思ったことです。

糸ヨレそのもは結構あるし、後半はラインがかなりグルグルだったんですが。

それでもなぜかバックラッシュしない。

普通ならバックラするところなんですが、スピンキャストはなぜかそれがないんですね。

 

恐らく、スプールが細いのと、それを覆うカバーがありラインが余計に出たりしにくいんでしょうね。

 

この辺りの性能は確かに良いと思った部分ですが、だからスピニングやベイトより使いやすいか?といわれると、そうじゃないですね。

最近のスピニングはスプールが良くなってバックラッシュしにくいですし、ベイトだってブレーキシステムの向上が凄いし、アドバンテージはさほどないかも。

でも、それでも小さな子が釣りをするなら、スピンキャストのバックラを防ぐ機能はかなり便利かもしれない。

 

それに、たぶん餌釣りだったらスピンキャストは使いやすい。

投げるのも楽だし、投げて釣れたら巻くだけで良い。

それならスピニングやベイトよりも全然いい感じ。

あと防波堤とかもいいですね、足元に落としたり穴釣りしたりも良い感じ。

スピンキャストは簡単じゃなかったけど

スピンキャストを実際に使い終わり、このルアーの魅力を知った僕は、すっかり沼にはまっていたかもしれません。

このSF映画のタイムマシーンみたいなリールで釣りをしはじめると止められなく人がいるのもよくわかる。

決して最新じゃないけれど、だからといって理解しやすいものでもない。

それにガチで勝負を挑むためのリールじゃない。

キャスト精度もそうだけれど、重いルアーを飛ばしにくいし、ドラグが弱いので大型相手だと永遠に巻き取れない可能性もある。

だから、真剣勝負じゃ絶対に他のリールを使うべきだと思うんです。

 

でもですよ。

そもそも、釣りってなにと勝負してるんだっけ?

僕は本当に戦ってる?

いや、そうじゃないなと、僕はいつも思ってるんですよ。

人生での勝負って、釣りじゃなくて、金や、名誉や、未来や、キャリアを掛けるもんなんですよ。

負けた時に、大切なものを失うかもしれないのが、きっと勝負。

それがトーナメンター、メーカー、営業、開発の人たちの釣りの戦い。

そこでデロリアンなんか誰も乗らないし、乗って負けたらシャレにもならない。

 

でも、僕はそうじゃない。

 

本当に戦う場所は現実的でクソみたいにハイエンドな人間が求めらえる場所で

そうじゃない釣りは、きっと戦う場所からあまりに遠い気がして

 

そんな僕の釣りには、このスピンキャストはあまりに合ってしまっている。

正直思うのは

これ、ヤバいなってこと

それじゃぁもしかして、

もしかして、これから僕はスピンキャストで釣りしまくるの?

うそでじょ?いやーそれはないでしょー

とかいってコーラを飲み終え、エンドロールで涙して

配給元すら不明なB級SF映画に感動しちゃったりして。

そうして、誰もがB級映画マニアになっていくとしたら?

このB級リールに?

いやいやいやいや

 

・・・マジで?

リール
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