数あるルアーの中でも最古の歴史を持つというスプーン。
その始まりは大変古いながらも、今なお現役で活躍している長老様のような存在。
特にトラウトフィッシングにおいては、もはや無くてはならないルアー。トラウト大国である北海道は日本一スプーンを投げている都道府県だと思っています。
そんな北海道に住む僕にとって、スプーンは大好きなルアーであり、自作もしていますが、このルアーはそう簡単に全てを知れない奥深さがある。
初心者でも簡単に扱えるのに、その動かし方のバリエーションは無限大。
渓流、本流、湖、沼、海、管理釣り場など、あらゆるエリアで使えるばかりか、狙える魚種も無限に近い。
そんな奥深きスプーンについて、今回は真面目に見て行こうと思います。
北海道はスプーン大国
スプーンというルアーを知らない人は殆どいません。
それどころか、ルアーフィッシングすらやったことが無い人ですら、このルアーを「スプーン」と呼ぶことすら知っている。
そんな体験をしたのは11月のはじめ、ある中古屋でスプーンを購入した時のことです。
買ったのはスミスのピュアやフォレストのミュー、そしてD-customスプーンなどなど。
それらを持って旭川にあるスシローに入り、寿司のかわりにラーメンで腹を満たすというストリートスタイルで昼食を終え、貧しい財布から500円玉を出して店を出でる。
うん、今日の寿司は上手かった
一皿だって寿司食べていないけど
それも仕方のないことで
僕はルアーの購入代金を決めた食費の中から削りつつ出すことが多い。
つまり、ルアーを買った日は絶対に良いものなんか食べれないのです。
ただ、それも僕にとっては慣れっこ。
ともかく車にのり店を後にしたのですが
そのあとふと、買ったスプーンが入った袋が手元にないことに気が付きました。
しまった、スシローにスプーンを忘れてきてしまった!
なんということでしょう
自分の食費すらも削って買った大切な中古スプーンを忘れるなんて
このまま帰ったら寿司を食べたという幻想が崩れ落ち、精神が持ちこたえられない。
というわけで、急いで電話を取り出し、スシローに電話をすると、店員であるオバチャンが電話にでます。
それにしても、なぜあのスシローにはオバチャンばかりいるのか?
そのあたりは旭川に住む方のコメントに期待するとして
とにかく、なけなしの金で買ったスプーンを無くしてならないと必死に
あの、ルアーを店に忘れちゃったんですけど
はい?ルアー?えーと、なんでしょうかそれは?
えっと・・・その・・・金属で作ってあって・・・針が付いている・・・
ああ・・・届いてますね、スプーンが3つ
ス・・・そうです、それです!
そのあと確認のため商品名や色などを訪ねられたのですが
何より驚いたのは電話対応に出たおばさんが
「ルアー」を知らないのに「スプーン」を知っていたことですよ。
スプーンというルアーは一度釣りを経験した人ならかなり覚えやすいアイテムなのか?やっぱり形が普段使うスプーンに似ているからなのか?
唯一はっきりしているのは、北海道で初心者が投げるルアーはほぼ確実にスプーン。
一応ルアー経験がある人なら、ルアーが何かは知らなくても、自分が投げているのはスプーンというのは間違いなく知っています。
普通の釣りはなくとも、アキアジ釣りでスプーンを投げてれば、スプーンが何か位知っている。
また、僕の妻も「ルアー」と「スプーン」の二つの言葉しか知らないんですよ。
あらゆるターゲットに簡単に使用できるルアー
ルアーフィッシングにおいてスプーンが優れているのは
1・どんな魚種にでも使えること
2・誰もが簡単に扱えること
3・使い込むほどに底が見えない奥深さがある
の3つに集約されていると思います。
僕としては特に3の『奥深さ』をこの記事で表して行きたいと思うのですが
そうすると文字数が幾つになるのかまったくわからなくて怖い。
下手すると徹夜で朝まで書いている可能性すらある。
それくらい、一言どころか1記事で表現できるレベルじゃないんです。
ちなみにスプーンを使う釣りを「スプーニング」と言ったりしますが、このスプーニングという言葉を使いはじめると、もはやスプーンの深淵から抜け出せなくなることだけは覚えておきましょう。
スプーンは湖の上から落としたら魚が釣れたって本当?
スプーンはルアーフィッシングの歴史の中でも特別古いアイテムです。
その逸話で最も有名なのが「湖の上からスプーンを落としたら魚が食いついた」という話。
たぶん釣りをしている人なら一度は聞いたことがある逸話ですが、そのスプーンを落としたのがジュリオ(フリオ)・トンプソン・ピュエル(Julio Thompson Buel)という人物。
この人物が湖で食事をしようとした時、偶然スプーンを水の中に落としてしまったら、そこにトラウトが食いついたのを見たのが始まり。
というのは有名な話ですね。
ただ、この時にスプーンの原型が生まれたと言われると、誰もが今の形のスプーンを思い浮かべるのですが、実際にはそうではありません。
そもそもスプーン事体、遥か昔にヨーロッパで生まれたルアーですし、本来はもっと歴史が長い。
けれど、当時のアメリカでは、さほど有名じゃなかったらしい
トンプソン氏は「こりゃすげぇ!スプーンに魚が食いついたぞ!」と大騒ぎし、家にかえると早速スプーンの柄を切断し、凹面にフックを溶接したのです。
現代ではまず見ない形ですが、アブのトビーなど、海外の一部のスプーンに似た形でフックが取り付けられているものがありますね。
このルアーでトンプソン氏はさらに魚をキャッチし、ついにスプーンを実際に販売するにまでこぎつけます。
ところが、実際にトンプソン氏が作り最初に販売したトローリングスプーンを見てみると
画像引用元:https://whitehall.bloatedtoe.com/jtbuel.html
このカタログをご覧になればわかる通り
うん、どう見てもスピナー。
いやいや、スプーン作ったんじゃないの?
だって、湖からスプーン落としたあの人だよね?
と思うでしょうが、落ち着いてください。
そもそも彼は、最初は確かにスプーンにフックを溶接したらしんですよ。
けれど、そのうちに色んなタイプのスプーンを作りまくり、一番使えると感じたのがコレ。
そしてアメリカでは、今でもトンプソン氏は「スプーンの生みの親」という認識よりも「ブレードルアーの生みの親」というイメージが大きいんです。
ちなみにこの形を見ていると、皆様の思う通り3つのルアーの要素がつまっているのが一目でわかるというか。
スピナーと、スプーン、そしてスピナーベイト。
それを全部ごちゃまぜにしたハイブリットルアーに見えなくもない。
つまり、この初代スプーンにはブレード系ルアーが三つの形の原型すらも詰め込まれていた。
という非常に奇妙なアイテムであり、厳密には初代スプーンと言えるのか非常に微妙。
しかし、確かにブレード系ルアーの始祖であることは間違いないのです。
さらにこの人が凄いのは、ほぼ同時期にバズベイトの原型まで作ってることです。
画像引用元:https://www.cucharillasedu.com/en/historia/
つまりブレード系ルアーの元をたどると、ほぼトンプソン氏に行きつくわけで
スプーンの生みの親ならず、ブレード系ルアーの生みの親と言ったほうが良い位とんでもない人物なんです。
ちなみにトンプソン氏が作ったスプーンは画像右下。
画像引用元:https://whitehall.bloatedtoe.com/
現代のスプーンにはまるで似ていませんし、本当にスプーンそのまんまっぽい。
どうやら凸面は元々赤く塗られていたらしい。
現在のスプーンの定番カラーである赤×金も当時からよく使われたカラーなんでしょうね。
スプーンの基本的な使い方
スプーンというルアーはとてもシンプル。
曲げた鉄板にフックを付ける。たったこれだけ。
しかし、だからこそ奥深いのがスプーン。
こんなシンプルな代物が現代でも通用するのは色々と理由がある。
ただ巻いて誘うだけではない、スプーン独自の使い方が存在したことや、スプーンの持つ汎用性の高さを知ると、スプーンの素晴らしさにいつしか気が付くでしょう。
あらゆるレンジやエリアを攻められる万能性能
スプーンはあらゆる釣りに使えますし、それが最も重宝された理由です。
海、湖、川、深さやエリアの状況をまるで問わず、ルアーで釣れる魚であれば、ほぼすべてのターゲットに対して有効とすら言われています。
その汎用性の高さこそがスプーンの強みであり、古くから現代まで使われ続けている最大の理由ですね。
ノーマルリトリーブ
スプーンの基本アクションといえばノーマルリトリーブ。
本来はトローリング用アイテムとして作られただけあり、ただ巻き性能は断トツ。
しかも、スプーンは水面に飛び出るほど速く巻こうが、デッドスローと言われる領域にまで速度を落そうが、きちんと動き続ける唯一のルアー。
だからこそ、ただリールを巻くことしかできず、その速度も調整できない初心者向けのルアーとして重宝されています。
やり方は説明するまでもなく、キャストして、あとはリールを巻くだけ。
これだけのアクションで魚が釣れるのですから、ルアーフィッシング初心者にはうってつけです。
リフト&フォールとストップ&ゴー
スプーンの基本アクションの2つ目はリフト&フォールです。
より広いレンジを探りつつ、さらに魚にバイトチャンスを与え、リアクションも取れる効果的な釣り方。野生のトラウトを狙う場合には、ただ巻きよりもこちらの方法が多く使われています。
こやり方は簡単で、リールを巻いては止め、再び巻くを繰り返すだけ。
ただし、巻く速度によって浮き上がり方も変わる他、使うスプーンの形状によりも浮き上がり具合や、フォール速度が変化するので、それぞれのルアーによって使い方が違いますね。
また、流れの中でこれを行うと違った方法が必要になるので、それについては後で説明します。
トウィッチング
野生のトラウトをはじめ、多くの魚のリアクションバイトを取れるのがスプーンのトゥイッチングです。
トゥイッチングというと、ミノーイングで使われるイメージが多いですが、ネイティブトラウトを狙うスプーンを使ったトラウトフィッシングでは基本的な戦法ですね。
方法はミノーとほぼ一緒で、リーリングしながらロッドを細かく、急激に動かしラインスラッグを発生され、不規則なフォールとアクションを付けます。
ネイティブトラウトでトゥイッチングが多用されているのは、逃げまどうベイトを捕食する魚がとても多いことや、アップクロス(流れの上流に向かってルアーを投げる釣り方)が多いから。
あとは縄張り意識を持つ魚に対して、威嚇していると見せかけるためとも言われています。
ボトムパンプ
続いて砂地の川や、管理釣り場でよく使われるのがボトムパンプですね。
ボトムパンプは川底のエビや小魚に似せた動きで、ワームのようにボトムにスプーンを這わせつつ、時折ロッドを煽って小さくリフト&フォールを繰り返しします。
この方法が使えるのは、スプーンが根掛しにくい構造のルアーだから。
普通なら根掛しそうな場所でも、案外するりと抜けてくるウィードレス効果もあるのです。
ジャーキング
スプーンでジャーキング?
と思われるでしょうが、これも案外よくつかわれる方法です。
使うのは10g以上のスプーンで、場所は止水気や海。
遠投したのち、フォールでボトムを取ったあと、一気にジャークを入れて急浮上させ、ふたたびフォールを繰り返すような釣り方です。
スプーンは鉄で作られているルアーであり、その使い方はメタルジグにも良く似ています。
中にはメタルジグとほぼ同じ形のスプーンや、スプーンに似たメタルジグ(スプーンジグ)などもある位で、その扱いには共通性が多いのです。
貧困層アングラーにとってスプーンは神
スプーンがなにより優れているのは
釣れるのに値段が物凄い安い。
これに尽きるとおもいます。
使い勝手の良さよりも、極貧アングラーや初心者にはこれが助かる。
さらにルアー強度もかなり高く、塗装が剥げても全然釣れる。再塗装も楽。
つまり、安くて使いやすく、無くさない限り永遠と使い続けられる。
これほど全てを兼ね備えたルアーはスプーンを置いて他はありません。
優れた耐久精度
釣りでスプーンを愛用する人は、塗装が剥げたスプーンを何度も塗りなおして使っています。
再塗装がとても楽なルアーで、マスキングも必要ないのもありますが、一番の理由は。
壊れることが殆ど無いから、永遠と使えてしまう。
だから塗装が剥げても手元に残るスプーンが多いんです。
スプーンは一枚の鉄の板を切り抜いたものから作られています。
違う素材と組み合わさることがなければ、接合部分もなし。
だからこそ、かなり小型のスプーンであろうが大物とのファイトで壊れてしまうリスクが少なく、その強度は全ルアー中最強と言って良いでしょう。
また、鉄から作られているため、岩や木にぶつけて塗装が剥げようが、本体には傷が付く程度。
鉛や亜鉛を使ったメタルジグであれば曲がったり折れたりしますが、スプーンは相当の力がなければ折り曲げることができません。
根掛のしにくさ
スプーンはハードルアーの中でも根掛しにくいルアーの部類でしょうね。
ただし、スナッグレス性能はプラグよりも高い程度。
もちろんスナッグレス効果の高いオフセットのワームや
ブラシ付きのラバージグに比べれば全然根掛します。
ただ、スプーンが凄いのは
特別な根掛対策も施されていないのに、なぜか根掛しないことです。
その原理はとても簡単。
スプーンを投げるとわかりますが、フックより前に大きく動く鉄の板が付いており、それは殆ど一回転することなく、左右へとウォブンロールするように動くから。
そして、スプーンはシングルフックを上向きにセットする事が多いからです。
前方に障害物がある場合、まずはスプーン本体が障害物にあたるので回避しやすく
さらに乗り越える時にはフックが上向きになっているので、障害物に引っ掛かりにくいんです。
優れたコストパフォーマンス
スプーンを使う上で一番需要なのは。
物凄い安いこと、これに付きます。
スプーンの平均的な価格は500円前後であり、ミノーの半額、もしくは3分の1以下です。
この価格差は初心者ほど大きく響くもので、これを読むベテランアングラーの方も、昔を懐かしんでいるでしょう。
釣りをはじめた頃というのは、どうしてもお金がありません。
僕みたいにやばい貧乏人っていうわけじゃないですよ
いや、ぜひそうあって欲しい、一人はいやだ!お前も仲間になるんだ!
と貧困ウィルスをまき散らすウォーカー気分で言いたいけれど、そうではない。
釣りを始める時って、そんなに道具にお金を掛けたくないんですよ。
そもそも子供はお金がないし、大人はリスクを考えてお金をかけられない。
無くしたらどうしよう・・だとか、釣りにはまるかわからない・・・だとか。
そういう意味で、スプーンは非常にとっつきやすい値段設定。
しかも扱いも簡単とくれば、お金を掛けられない人間にほどスプーンを選びやすいんです。
北海道はスプーン大国
僕が見てきた中で、北海道ほどスプーンを投げまくっている場所はないです。
というのも、トラウトが大量にいるのがその原因ですね。
トラウトフィッシングといえばスプーン、というイメージは強い。
けど、それだけじゃなくて
実釣性能に関しては、スプーンのほうが狙える距離もレンジも広いので、フィールドが広くなるにつれスプーンを選んだほうが釣れるケースが多い。
ということで
北海道では湖や本流河川で釣りをする人は圧倒的にスプーンを選ぶ率が高い。
というか、もはやスプーンしか買わない人だっているレベル。
そういう土地なんですが、まぁ本州からみたら不思議だと思いますよ。
それくらい安くて使えるスプーンを信頼している人は多くて、
もっている淡水用ルアーを数えてみると、プラグよりもスプーンのほうが数が多い人が沢山います。
それに、僕もどこに行くかわからない釣りで、ルアーを一個だけ持っていくとしたら
絶対スプーンを選びますよ。
だって、スプーンだったら、基本なんでも釣れるし、使えないエリアがほぼ無いから。
漁協に禁止されていることも無いし、根掛も少ないし、海でも投げれる。
つまり、北海道でスプーン使いが多いのはトラウト相手だからもあるんですが
その裏には万能さにこそ信頼を寄せている人が多数いるっていうのが実情。
一方、エリアが狭くなり、限定された使い方しかできない場所(渓流など)が増えるほど、プラグを選ぶ人が増えていきます。
渓流ルアーフィッシングでのスプーン
というわけでまずは渓流ルアーフィッシングで使うスプーンについてです。
渓流と一口にいっても、細かくいうと色々なエリアがありますが、基本的には7g以下のスプーンを使うのが一般的です。
僕が良く使うのは3~7gのスプーンですが1g前後のエリア用スプーンを使う場合もあります。
トゥイッチを織り交ぜたアップクロスのスプーニング
渓流スプーニングの特徴はトゥイッチを使う頻度が高いこと。
それとアクションを細かく付けながら、流れを釣りあがることですね。
アップクロスでスプーンを動かすためには、普通にリーリングするだけじゃ難しいことも多く、トゥイッチを織り交ぜ、さらには20㎝単位のリフト&フォールも使います。
クルセイダー2.5g/4g
使い勝手、入手のしやすさでお気に入りの渓流スプーン。
クルセイダーシリーズの中でも僕は一番使用頻度が高いです。
値段も安く、大手ダイワから販売されていることもあり市場流通量がとても多いのが特徴。
カップが深めでアクションも大きく、アップクロスで釣りあがる時に威力を発揮してくれます。
フォレストのmiu(ミュー)
フォレストのMIU(ミュー)は渓流ルアーフィッシングでも人気のスプーンですね。
こちらのアクションも秀逸で、渓流でも良い釣果を出しています。
多少肉厚の設計となっており、低いレンジを攻めやすい仕上がり。
特にネイティブモデルのカラーリングがおすすめです。
ヤマメ狙いで僕は良く使いますが、アップもダウンもしっかりこなす優秀なスプーンですね。
スミスの定番スプーン・ピュア
スミスの定番スプーンであるピュアはやっぱり良いルアーですね。
使い方次第でアクションが色々と変わるので、渓流で使うのは玄人好みかも。
けれどこのスプーンを信頼している人はかなり多く、昔ながらの定番という感じ。
しかし使い方がとても面白いので、ぜひチェックしてください。
本流でのトラウトフィッシングで使われるスプーン
本流のトラウトフィッシングになると、スプーンのサイズと形が少し変わります。
使い方も若干変わりますし、渓流とは少し違いますね。
とくに1級河川の河口近くになれば、渓流との使い方は大違いです。
ボトムを転がすようにリフト&フォール
本流でのスプーニングは7g以上のルアーを使うのが一般的です。
川の上流へとなげ、そのままボトム付近でリフト&フォールを繰り返しながら下流側へとルアーを流していきます。
いわゆるU字釣法といわれるやりかたで、本流のボトムを効率的に攻めつつ魚を探る方法として使われます。
本流は流れの押しが強く、なおかつ深い場所がとても多いです。
そのため、スプーンは水を流しつつ、浮き上がりを抑えたデザインが好まれる傾向にあります。
使うルアーの重さは17gまでがとても多いですが、かなり押しが強い場所だと20g以上を使うような所もあります。
美しさ抜群のイトウクラフトの蝦夷(エニシ)とR-cross
イトウクラフトのスプーンといえば蝦夷。
この美しいミノーは本流を遡上する精悍なオスのマスをイメージして作られたアイテムです。
マス好きならぜひ使ってみたいアイテムですし、ファンもかなりいますね。
さらにサクラマス用のホンリュウスプーンとしてR-crossも発売中です。
浮き上がりを徹底的に抑えたBUX(バックス)
アングラーズパブリックから販売されているBUX(バックス)は本流での釣りで人気を集めたルアーです。
前部が大きく、後ろが小さいという特徴的な形により浮き上がりを極端に抑えた作り。
押しの強い流れの中で使うために作られたデザインであり、ボトムを徹底的に狙います。
ティムコのライトニングウォブラー
元祖本流浮かないスプーンであるティムコのライトニングウォブラー
こちらは徹底的な後方重心にすることで浮き上がりを抑える設計となっており、魅惑的なアクションが秀逸。
初登場の年代が古いながら、未だに多くのファンを持つ伝説のルアーです。
湖のルアーフィッシングで使われるスプーン
湖での使用に限定したスプーンというのはあまり無く、基本的には本流で使うようなスプーンを流用する人が多いです。
僕がよく知る専用スプーンはMTレイクス系位なもんで、某状でスプーンらしからぬ形をしたフォール攻め特化型アイテムです。
ただ、今まで紹介したスプーンで重めのタイプを使えば大半はカバーできるので、本流と兼用で使う人が多いです。
万能性能が高いスプーンが好まれる傾向にあり、遠投性能もあるアイテムが重宝されています。
万能スプーンの定番チヌークS
チヌークSはスプーン界の優等生。
本流、渓流、そして湖、さらには海まで使いどころを選ばないスプーン。
カラーバリエーションが多く、蛍光系のカラーも充実しているのが良いところ。
湖のボトム付近はかなり暗いので、蛍光やチャートカラーが人気ですね。
管理釣り場のルアーはやっぱりスプーン
管理釣り場といえばスプーンの独壇場です。
基本はカラーとサイズローテーションで釣る人がとても多いです。
特徴的なのは1gや、それ以下のスプーンも使われることでしょう。
飛距離は出ませんが、そうしなければスレた鱒は口を使わないため、ハイプレッシャーエリアを攻略できるスプーンが求められます。
シマノのスリムスイマー
シマノのカーディフシリーズであるスリムスイマーは管理釣り場で活躍するスプーンです。
有名なロールスイマーと同じく村田基が作ったスプーンであり、とても使いやすいです。
特徴は細身のボディから生み出される大振りのウォブリングです。
アピール力が大きく大物ハンターとして有名。
さらに細身のルアー本体が口の中に入った時にラインと歯が接触することを防いでくれる効果もあり、ロールスイマーと同じく愛用者も多いです。
ヴァルケインの必殺ハイバースト
DUOのエリアトラウト専門ブランドであるヴァルケインから出ているハイバースト。
信頼のおけるスプーンとして使う人間がかなり多いです。
市場に出回っている数もそれなりにあり、店舗でもよく見かけますね。
四角いボディが特徴的ですが、このボディがハイバーストの名にふさわしいハイピッチアクションを演出。スローリトリーブでもきっちり動き続け、レンジキープも抜群。隙がありません。
バスフィッシングで使えるスプーン
僕もかつてブラックバスでスプーンを使っていましたが、その時はダイワのクルセイダーや無名のスプーンが中心でした。
ところが最近、ブラックバス用に様々なスプーン系ルアーが登場してきましたね。
特にビックスプーンが一時期ブームとなりましたが、あのインパクトは凄かったです。
特大ビッグスプーン!DEPSのグルカナイフ
前代未聞のビッグスプーンとして登場したグルカナイフ。
グルカ族が使うあの武器をイメージしたとのことですが、ここまでくるともうスプーンには見えない
むしろ本物の武器にしか見えない。
にもかかわらず、ビッグバスを連れてくると有名になったアイテム。
スプーン好きとしてはぜひ一度使いたいところです。
バスルアー最終兵器コサジ
ジャッカルが放ったブラックバス用のスプーン・ルアー。コサジ。
一見してただのスプーンかと思いきや、そのカラーはブルーギル。
普通のスプーンじゃまずありえないカラーです。
他にもブラックバスに有効なカラーが多数あり、まさにバス用スプーンというべきアイテム。
ブルーギルを釣るのにも案外有効で、しかもトラウトに使えます。
トップウォーター専用!ヘドンのモスボス
これも実際に店で売られているのは見たことがない。
だけれど、ずっと気になってしょうがないヘドンのモスボス。
うーんいつみても奇妙。
カバーの上を走らせるためのスプーンとして作られたルアーであり、その形はスプーンなのか?はたまたフロッグなのか?使い方を見るだけでわからないタイプ。
しかし、カバーに覆われた地域を広範囲に、かつスピーディーに探る上で理想的なアイテムです。
海用のスプーンも多数存在
昔からスプーンは海のルアーフィッシングで使われていました。
というか、その歴史を見れば、海で使われたのが最初じゃないのか?と疑いたくなるほど
だって、スプーンて元々は漁具ですからね。
北海道の海のスプーンといえば、サクラマスやアメマスなどの降下型マス類を釣るためにも使われますが、シーバスフィッシングで使うためのアイテムも多数あります。
専用でなくとも、ダイワのチヌークSあたりを投げれば海のスプーニングはこなせます。
シーバス専用のモアザンSB-スプーン
ダイワが販売しているシーバス専用のマグナムスプーン。
モアザンSB-スプーンはかなりマニアックなアイテムですが、案外使い手がいる。
冬のシーバス相手によく使われることが多いらしく、コノシロパターンによく効くのだとか。
低活性時にフォールで食わせるのはシーバスも同じらしく、左右へとヒラヒラ舞いながら落ちるスプーンのアクションが効果的なようです。
インディーズ・ルアーながら人気沸騰の蛙スプーン
現在巷をにぎわしており、コスパ中毒の僕ですら購入を検討している人気ルアー、蛙スプーン。
沖縄生まれのこのルアーはもちろんソルトゲーム用として作られており、非常に多くの魚を釣ることができると評判を呼んでいます。
このスプーンの最大の特徴は、なんといっても逆エッジ構造といわれる特殊な加工。
本来、スプーンは凸面側のエッジを丸くするのに対して、蛙スプーンは凹面側のエッジを丸く加工。
これにより、巻き返しの水を受けた時のウォブリングが妙に滑らかで、今まで見たこともないアクションに変貌。
この動きがアングラーの評判を呼び、ソルトゲームを中心に多くの釣りに使われているのです。
その他のルアーフィッシングでもスプーンは活躍
ここまで紹介しておわかりの通り、スプーンは非常に多くのターゲット相手に使えるルアーです。
それはトラウトに限定したものでなく、あらゆる魚に対して効果的。
ということで、さらにその奥深さを知るためにマニアックな使い方をするスプーンを見て行きましょう。
ナマズのスプーンゲーム
ナマズ相手にもスプーンは活躍していますが、僕も昔スプーンで偶然ナマズを釣ったことがあります。
本当はマスを釣るつもりが、なぜかナマズが突然襲い掛かってきて子供ながら恐怖におびえた記憶がありますね。
そもそも、そのポイントにはニジマスが居なかったようで、かわりに何度もナマズが釣れました。
一度はかなり巨大なナマズがスプーンに掛かり、あえなく川に吸い込まれそうになったこともありました。あれも怖かったです。
野鯉先輩はスプーンも吸い込みまくる
僕がルアーフィッシングをはじめたころ、バスが釣れずによく野鯉先輩をスプーンで釣っていました。
スプーンは鯉すらも魅了するらしく、目の前を引いてくるとチェイスをはじめ、いつのまにか吸い込み、ロッドが信じられないほどシナる。バスが釣れない僕にとっては、野鯉先輩とのスプーンゲームは非常に良い思い出です。
困った時にはスプーンがある
ルアーフィッシングで困ることは色々あります。
例えば僕なんか貧乏すぎて高いルアーが買えない。
ルアーを沢山持っている人は、もう使い慣れたルアーばかりで飽きてしまっている。
初心者はどの魚にどんなルアーを使えば良いのかよくわからない。
などなど、とにかく悩みの尽きない釣りです。
けれど、そんな時こそスプーンの出番。
もちろん僕みたいな貧乏人や初心者こそ出番が多いアイテム。
しかし、とくにおすすめしたいのが、普通の釣りに飽きてしまった人。
スプーンは扱い方次第でなんにでも化ける非常に優秀なルアーです。
使い方は人それぞれで、アクションも千差万別。
極めようと思ったら、一生かかかっても終わらないような奥深いルアーなのです。
こんな釣りにスプーンを使ってみたらどうだろうか?
という遊び心でつかいはじめたら、案外止められなくなるかもしれません。
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