釣りを長くやっていると「これはちょっと怖かったな……」と思う出来事に遭遇することがあります。
とくに僕がやっている渓流釣りは、街中の釣りとは違って山の中へ入っていくことが多いので、魚が釣れるかどうか以前に自然そのものが怖かったりします。
熊だったり、転倒だったり、突然の増水だったり。
楽しいはずの釣りなのに、一歩間違えると普通に危ないこともあるんですよね。
というわけで今回は、僕が釣りをしていて「これは怖い」と感じたことを5つ紹介していこうと思います。
1. 熊がいるかもしれない恐怖
渓流釣りをしていて一番怖いものといえば、やっぱり熊です。
とくに北海道で釣りをしていると、どこへ行っても熊の存在を完全に無視することはできません。
実際に熊を見ていなくても、山の中を歩いている時に突然藪の中から「ガサッ!」なんて音がすると、それだけで一気に緊張します。
鳥だったり、鹿だったり、小動物だったりすることも多いんですけどね。
それでも音がした瞬間は、
「熊じゃないよな?」
と考えてしまいます。
それから熊の足跡を見つけた時ですね。
これを見かけたら即Uターンして釣り場を離れるのが鉄則。
そのまま釣り進んで行くと熊に遭遇しかねませんから。
それらが無くても、常に釣り場に熊がいる可能性を考慮しなければなりません。
とくに見通しの悪い藪や、川の音が大きくて周囲の気配が分かりにくい場所は怖いです。
僕の場合は熊よけとして笛を鳴らしたり笛を吹いたりしていますが、それでも完全に安心できるわけではありませんし、釣りどころじゃなくなるレベルの恐怖という意味では、やはり熊が一番ですね。
2. 川で滑って転びそうになった時
渓流釣りでは本当に怖いのが転倒です。
川底の石って、とんでもなく滑ることがあります。
見た目では普通の石なのに、足を乗せた瞬間にツルッと滑る。
もしくは足元の石がグラっと動いて、そのまま転倒。
僕も川を歩いている最中にバランスを崩して「これは転ぶ!」となる瞬間がありますが、あれは何度経験しても怖いですね。
それに浅い場所ならまだしも、水深がある場所や流れが速い場所で転倒すると洒落になりません。
さらに怖いのが、転んだ先に大きな岩がある場合。
頭や腰をぶつければ、釣りどころではなくなります。
渓流というと熊の怖さが際立つものですが、実際に釣りをしていて身近な危険という意味では、転倒や滑落のほうが遭遇する確率はずっと高いと思っていますし、魚一匹のために怪我をするのは割に合いません。
3. 雨で川の水が増えてきた時
川の増水もかなり怖いです。
釣りを始めた時は普通だったのに、雨が降って少しずつ水位が上がってくる。
こういう時、最初は意外と気が付きません。
「なんか濁ってきたな」
「流れが強くなった気がするな」
くらいだったのが、しばらくすると明らかに川の雰囲気が変わってきます。
川というのは、自分がいる場所で雨が降っていなくても上流で大雨が降っていれば増水することがあります。
だから晴れているから安全とも限りません。
しかも渓流の場合、行きは渡れた場所が帰りには渡れなくなっている可能性もあります。
これはかなり怖いですね。
魚が釣れていると、
「もう少しだけやろう」
と思ってしまうのが釣り人というものですが、水位が上がってきた時だけは早めに撤退したほうが良いと思っています。
4. 釣りの最中に熱中症っぽくなった時
夏場の釣りで怖かったのが熱中症です。
釣りにおいての本格的な熱中症の経験はないのですが、釣りをしている最中に軽い熱中症のような状態になったことがあります。
「これなにかヤバい」
と思って水分を取り、日陰で休みました。
幸い休んで回復しましたが、あの時は結構怖かったですね。
熱中症という意味では、渓流釣りは意外と運動量があります。
川の中を歩き、岩を越え、藪を歩き、さらにずっとロッドを振っている。
本人としては釣りに夢中なので気が付きにくいんですが、かなり体力を使う釣りです。
しかも魚が釣れている時ほど休憩を忘れてしまいがち。
「あと一つ上のポイントまで」
なんてやっているうちに、どんどん奥へ進んでしまう。
夏場は釣果よりも水分補給。
これは本当に大事だと思います。
5. スズメバチに追いかけられた時
そして夏から秋にかけて怖いのがスズメバチです。
僕は渓流釣りをしていると虫に遭遇することが多いですが、その中でもスズメバチだけは別格です。
蚊くらいなら鬱陶しいで済みますが、スズメバチが近くを飛び始めると一気に緊張します。
とくに「カチカチ」というような威嚇音を出しながら近くを飛ばれると、もう釣りどころではありません。
釣りを続けるかどうかなんて考えず、とにかくその場所から離れます。
渓流には木や倒木が多く、知らないうちにスズメバチのテリトリーへ入ってしまいますし、これは避けようがありません。
そこで、僕の場合はなるべく狙われないように白っぽい服を着いたり、肌の露出を減らしたりしていますが、それでも遭遇したら全力で逃げますね。
熊ほど大きくないのに、あれほど恐怖を感じる生き物もなかなかいません。
釣りは楽しいけど自然の中では油断できない
こうして振り返ってみると、釣りをしていて怖かったことのほとんどは魚とは関係ありません。
熊、転倒、増水、熱中症、スズメバチ。
全部自然の中で釣りをしているから遭遇する危険です。
とくに渓流釣りの場合、誰もいない場所へ一人で入っていくこともあります。
そんな場所で怪我をしたり体調を崩したりすると、普段なら大したことがないトラブルでも一気に深刻になります。
だからこそ、少しでも「今日はなんか危ないな」と感じたら無理をしない。
川の水が多ければ帰る。
体調がおかしければ休む。
危険そうな場所なら入らない。
熊やスズメバチの気配があれば離れる。
結局これが一番大事なんだと思います。
魚が釣れないのは悔しいですが、無事に帰ってくればまた釣りに行けます。
そう考えると、釣りで一番重要なのは大物を釣ることでも、坊主を回避することでもなく、
ちゃんと家に帰ることなのかもしれません。

