ミステリアスな釣りゲー「About Fishing」のオープンベータに参加してみよう
ここ最近、インディーゲーム界隈では「釣り」をテーマにした作品がじわじわとブームになっている。
そんなことを勝手に感じている僕は、最近ちょくちょく釣りゲームを遊ぶようになり、Steamにある謎のインディー釣りゲーを週に1度くらいのペースでプレイしている。
なにせ忙しいと、実際に釣りへ行く時間がなかなか取れない。パソコンの前から離れられない日も多い。そんなとき、「ああ、釣りがしたいな」と思ったら、ちょっとゲームを起動して15分ほど竿を振る。そんな“代替の釣り体験”として、いわばジェネリック・フィッシングを楽しんでいるわけだ。
そしてここ数年、インディーゲーム界隈では明らかに「釣り」というテーマがホットになりつつある。理由ははっきりしないが、確実にその流れは来ている。
そんな中、またしても気になる作品が現れた。それが今回紹介する『About Fishing』というインディーゲームだ。テストプレイが行われていたので、さっそく参加してみた。

フィッシング・ミステリーゲーム「About Fishing」
このゲームを開発したのは、かつて“極寒の世界でひたすら卵料理を作る”という、あまりにもシュールな作品を手がけて話題になった The Water Museum。
本作もまた、どこかノスタルジックでレトロな雰囲気をまとった世界観が印象的だ。懐かしい釣りゲームのようでいて、どこか違和感のある空気が流れている。
実際にプレイを始めてみると、その違和感はすぐに確信へと変わる。冒頭からすでに不穏なのだ。
舞台はどこか懐かしい、セガサターンや初代PlayStationを思わせるグラフィック。しかし、なぜか冒頭から人魚が登場する。しかもデザインが妙に不気味だ。
さらに主人公は子ども時代の姿で登場し、黄色いカッパを着て釣りを始める。だが空はずっと雨。穏やかなはずの風景なのに、どこか落ち着かない。
やがて可愛らしい黄色い魚がヒットするのだが、次の瞬間、その周囲にいる同じ魚たちが突然襲いかかってくる。現実でも魚が群れることはあるが、これはさすがに怖い。
しかも釣りの難易度が意外と高い。ルアーは使えず、流れを読んでエサを流し込むような操作が求められる。岩や倒木にラインを引っかければ即ラインブレイク。一匹釣り上げるだけでもかなり神経を使う。
そして登場する謎のおじいちゃん。この人物がまた、ただならぬ雰囲気を放っている。
「このくるくるした食べ物が欲しければ、英語で魚を釣れ」などと、意味深なことを言ってくるのだ。
穏やかな釣りゲームのはずなのに、全体に漂う空気はどこかピリピリしている。特にこのおじいちゃんの存在が、終始不穏さを強調している。
今回のテスト版は、あくまでプロローグ的な内容で、本編は製品版に収録されるとのことだが、その短い体験の中にも強烈な印象が詰め込まれていた。
穏やかでありながら不気味。可愛らしさと不安が同居する、不思議な世界観。どこかデヴィッド・リンチ作品や『ツイン・ピークス』を思わせる空気もある。
開発側は『シェンムー』などから影響を受けていると語っており、レトロな表現や独特の間の取り方にも納得がいく。
ただの釣りゲームでは終わらない、強烈な個性を持った作品。完成版ではどこまで踏み込んだ世界が描かれるのか、今から非常に楽しみだ。

