釣りというと、多くの人がイメージするのは竿とリール、もしくは延べ竿を川に垂らす光景ではないでしょうか。僕も普段は道北の渓流でスプーンを投げて、ヤマメやニジマスを釣るのが僕にとっての釣り。
けれども世界には、そんな常識をまるで無視した「奇妙な釣り」がたくさん存在します。
その中でも、特に「え、ちょっと待って、それ釣りなのか?」と日本人が驚くであろう方法が カイトフィッシング。つまり「凧を使って魚を釣る」という、子供の遊びと大物釣りが合体したようなカオスな釣り方です。
今回は、このカイトフィッシングの魅力と仕組み、そして世界に存在するほかの奇妙な釣り方法もあわせて紹介してみたいと思います。
カイトフィッシングとは?
カイトフィッシングは、太平洋の島々で古くから行われてきた漁法です。特にハワイやソロモン諸島、ニュージーランドなどの地域では、ボートを持たない人々が沖合いの大型魚を狙う手段として発展しました。
元々はココヤシの葉脈で固められた大きな葉で構成されています。釣り糸はココナッツの繊維で、ルアーはクモの巣で作られており、それで船にのって海に出たあと、タコを上げて魚を探し釣り上げるという方法です。
その操作はかなり難しいのですが、仕組みはいたってシンプル。凧を風に乗せて空高く飛ばし、その糸に仕掛けをぶら下げるのです。仕掛けには餌やルアーをつけ、海の表層を漂わせることで小魚を追い回している回遊魚を狙うのが通例だとか。
しかし、この方法は船にのらない岸からでも可能で、砂浜からは絶対に届かないような距離まで、凧の力で仕掛けを運んで大物を釣り上げてしまうのです。
仕組みと方法
1. 凧を飛ばす
まずは凧を上げます。ここで風がなければ一日終了。釣り人にとって「今日は魚の活性が低い」というのは言い訳としてよくありますが、カイトフィッシングでは「今日は風がない」というもっとどうしようもない理由で敗北することもあります。その場合は普通に仕掛けをぶん投げましょう。
2. 仕掛けを流す
凧が安定したら、糸の途中にクリップのような器具を使って釣り糸をぶら下げます。餌付きの針は海面に触れるか触れないかの位置を漂い、沖合に流されていきます。
凧は風がよければ数マイル先まで飛ぶので、とんでもない距離になります。魚のヒットはよほど大型でないと基本的にラインを通して伝わることは無く、凧の飛び方に変化などが起きてわかることがあります。
しかし、大抵の場合はまったくわからないので、延縄漁のように時間がたったら仕掛けを回収し、魚がかかっているか確認するという方法をとります。
3. 魚が掛かる
回遊してきたマグロやカツオが餌に食いつくと、凧が急にギクシャク動き始めます。空と海で同時に暴れるのだから、見た目にも相当カオス。これを回収するには力技と慣れが必要で、ちょっとした格闘技のような釣りになるわけです。
そして船でカイトフィッシングをやる場合、その光景はかなり特殊です。
船から複数のタコが上がっている光景は不思議であり、さらに船を操作する方法も通常とは異なるので、まるで異世界の釣りを見ているようです。
また、タコを上げるために通常の漁船では難しいとも言われており、風向きを考えて釣り人も船長も常に動き続ける必要があると言われます。
狙える魚たち
カイトフィッシングでターゲットになるのは、普通なら船を出さなければ狙えない大物たちです。それを船を出さずに釣るというのがカイトフィッシングなので、当然大型回遊魚を狙うことになります。
- マグロ
- カツオ
- カジキ
- その他の大型回遊魚
こんな大物たちをカイトで本当に釣れるのか?と疑問に思ってしまうんですが、コレが釣れるというか、むしろ船が近づいてこないために、表層にいる活性が高いマグロなどが猛アタックしてくるそうです。
使うタックルも色々で、先住民族の伝統的なカイトフィッシングでは手で糸を引くもの。サーフでやる場合は投げ竿。船でやる場合はトローリングロッドを使うといった方法です。
どれも食卓で見れば「ごちそう」ですが、岸から凧で釣れると考えると「いや本当にそんなことある?」と気になるところ。
そして、日本で似たようなことをやろうとしたら、浜辺で凧揚げしているおじさんが急にカジキを引っ張り上げる……なんて絵面になってしまい、周囲がびっくりしちゃうでしょうね
カイトフィッシングのやりかたは思ったより簡単
しかし普段の釣りに飽きてしまった人は、このカイトフィッシングを一度試してみると言いでしょう。なぜなら、使う道具は対して特別なものはなく、単純に凧揚げキットさえ買えば簡単にできてしまいます。
つまり、日本だからデキナイとかはまったくなく、やろうと思えば誰でも出来る。ただ周囲から「なんだあれは・・・」と思われるだけ。それが良いならすぐにでも出来ます。

魅力
- ボート不要:お金のかかる船を持たなくても沖の魚が狙える。
- スリル満点:凧と魚が同時に暴れる様子は、釣りというよりアクション映画。
- 見ていて面白い:遠くからでも「あの凧に掛かったな!」と一目でわかる。
課題
- 風頼み:風がなければ釣り開始すらできない。
- 仕掛けの扱いが難しい:凧と糸が絡むと悲劇的なカオス。
- 体力勝負:大物相手では、糸を手繰るだけでクタクタになる。
日本でカイトフィッシングをやっている人はいるのか?
この釣り方はとても伝統的な方法なのですが、日本では馴染はまったくありません。
とくにカイトフィッシングが砂浜で普通に出来るなんて事は誰も思っていませんし、やっている人はインターネット上を探しても今のところ発見はできません。海外に釣りに行った時にやったことがある程度です。
しかし、カイトフィッシングは回遊魚でなくとも釣れる釣り方ですし、ターゲットが小さくても実は可能なので、砂浜からの投げ釣りでタマには凧揚げしても良いかもしれませんね。ただし、隣に人があまり居ない場所に限りますが。
まとめ
カイトフィッシングは、空を味方にして海の大物を狙うという奇妙でユニークな釣りです。太平洋の島々では伝統的に行われてきた漁法であり、現代ではスポーツフィッシングとしても楽しまれています。
釣りといえば水辺に竿を垂らすもの、という常識を軽々と飛び越えてしまうこの方法は、日本人にとっては新鮮な驚き。世界にはまだまだ、僕らが想像もしないような「奇妙な釣り」が眠っているのだと教えてくれます。
いつか日本でも「凧を持った釣り人」が出てくるかもしれません。そのときはぜひ通報する前に「写真だけ撮らせてください」とお願いしてみたいものです。

