メガバスの渓流ミノー「グレートハンティング」を実際に使ったので、そのレビュー&インプレ記事を書いていきますよ。
というわけで、今も昔も金はないけど、メガバスルアーに未だにコンプレックスを持っているαトラウトですよ。ドッグX事件はまだ忘れてねぇからな!!
てなわけでね、僕と同じ年代のルアーマンはみーんな大抵そうなんだけど
メガバスのルアーといえば、あの90年代~2000年初頭のルアーフィッシングブームの中で爆発的人気があったブランドっていうイメージなんですよね。
だから、30代前後のアングラーでメガバスっていうと、大抵あの頃のこと思い出して凄く複雑な感情になる。
例えば、発売されたにも関わらず、まったく釣具屋に入ってこなかったドッグXを都会の釣具屋で見つけたと思ったら、なんか知らないけど1万円位で売ってたりとかね。
本当に今思い返してもあれはないよ。
人気凄すぎなんだよ本当に。
雑誌でさぁ、あんだけ散々宣伝しててさぁ、うわーこれ欲しいーーー!!って思ってたキッズで
どんだけドッグX手に入れられたと思っているのか。
あんなにカッコイイのに!こんなに欲しいのに!
まったく手に入らないあの絶望感!
どうせなら!もうちょっとダサくしてほしかった!
そうしたら僕でも買えるのに!
とか滅茶苦茶意味不明なことすらワメきつつ、雑誌のドッグXの広告を永遠と眺めてましたよね。
それが僕にとってのメガバスのイメージなんですが、なんかそれを未だに引き摺っちゃってるというか
メガバスを見ると、もう凄い複雑な気持ちになるのね。おまえあの時のことまだ忘れてねぇぞとね。
まぁ僕が卑屈なだけというか、僕より下の世代のメガバス好きにはそんな気持ちはまったくないはずです。
そんな僕が渓流用ミノーでメガバス使うのって、結構珍しいんですけど
なんか札幌の釣具屋さんの改装セールにいったら、なか凄い安く売ってたんですよね。
そうしたら、なんかドッグX事件のことを思い出しちゃって
メガバスが安くなる、まじか、メガバスが安い・・・
てな気持ちで、つい買っちゃったんですけど
最初はこれ、どーやって使うのか良くわからなかった
けど、実際に使っる内にフックが秀逸な他、ミノーの動きもかなり独特で、ハマったらやみつきになるタイプだなと思いましたね。
メガバスのグレートハンティング45フラットサイド
メガバスといえばブラックバスのメーカーだと思っていたのは、やっぱりあのバスブームのイメージが強すぎるからなのか。
そもそも名前がメガにバスですから、やっぱりバスのイメージがあまりに強い。
だから、渓流を始めた頃、まさかあのメガバスから渓流用ミノーが出ているとは思わなかった。
しかも、山岳渓流ですら使える、シンキングモデルのフラット系ミノーが。
僕が買ったグレートハンティング45フラットサイドは、メガバスのグレートハンティングシリーズの中で最も小さく、ヤマメやイワナを釣るためのモデル。
しかし、やはりメガバスのデザインというのは独特というか、オーラがある。
タックルボックスに入れても、こいつだけなんか目立ってるというか。
やっぱり、小さくてもメガバスなのだなとつくづく思う。
渓流用、しかも扁平ボディのミノーというのは、まぁ大抵似てる。
この小さいボディにそれだけ多くの特徴を詰め込むほうが無理だし、そもそも無駄。
極論を言えば、ダイワのシルバークリークミノーのような、いたって扁平かつ、無駄のないデザインで十分なはずだし、魚から見ても、そう大して違いは無いとすら思える。
けれど、グッドデザイン賞受賞歴19回、ルアー界のカリスマデザイナー、伊藤代表は、まーそんな単純なものは作らないですね。
もうなんか、量産型のインジェクションミノーですよ?
それでここまでやる必要ある?ってくらい美しく攻撃的なデザインになってるんですよね。
「いやーメガバスは、どこでもメガバスだなー」
とか言いながら、まじまじと見ちゃいましたよね。
渓流ミノーで美しいってい言われるタイプは沢山あるけど
このグレートハンティングはまったく異質。
曲線のカーブからヘッド部分のデザインまで、デザインに一切の妥協無して感じで
なんかキレたフインキがありますよね。
グレートハンティング・フラットサイドのスペック
グレートハンティング45フラットサイドのスペックについて紹介です。
フローティングモデルとFS(ファストシンキング)モデルの二種類がありますが、僕が買ったのはFSモデル。
フローティングもありますけど、流行りの渓流ミノーのスタイルとはやっぱり違ってます
【グレートハンティング45フラットサイド FS】
全長:45mm
重さ:2.9g
フック:鬼手仏針
タイプ:Fast Sinking(ファストシンキング)
【グレートハンティング45フラットサイド F】
全長:45mm
重さ:1.7g
フック:鬼手仏針
タイプ:フローティング
とまぁこんな感じのスペックで、主に山岳地域での使用を意識したモデルですね。
しかし、ちょっとこれは軽すぎるからベイトフィネスはきついなーって思った人も安心
ワンサイズ上の50mmモデルもきちんとあります。
グレートハンティング50フラットサイド
50㎜もフローティングのシンキングの両モデルがあり、どちらも少しだけ重量アップ。
投げやすく、遠投も可能なタイプなんで、少し広い渓流向きですね。
【グレートハンティング50フラットサイド FS】
全長:50mm
重さ:4.0g
フック:鬼手仏針
タイプ:フローティング
【グレートハンティング45フラットサイド F】
全長:50mm
重さ:2.5g
フック:全長:50mm
重さ:4.0g
フック:鬼手仏針
タイプ:フローティング
ちなみに、このフックの「鬼手仏針」って何?って気になるでしょうが
このフックについては後で詳しく説明しますよ
グレートハンティングってそもそも何?
しかし、メガバスのグレートハンティングって名前、一体どういう意味なんだろう?
疑問に思って検索を掛けてみると、実は90年代のメガバスに、すでにグレートハンティングなる渓流用のサブブランドが存在したことがわかりました。
いや、確かに昔は渓流やってなかったけど、まさかバスブームの最中から渓流用のアイテムを作っていたとは。まったく知りませんでしたね。
グレートハンティングは90年代から存在したらしく、伊藤由樹さんがサツキマスを作るべく生み出した重心移動機構搭載のGH70という世界発の扁平ミノーが結構なヒットを飛ばしていたらしい。
その後、こちらも世界発の55㎜扁平インジェクションミノーであるGH55を発売して、これもヒット。
というわけで、結構コアなファンが付いていたらしんですが、その後のバスブームのせいか、そこまで活発には動かなかったらしい。
それからダイワとの資本提携とか色々あって、渓流用のアイテムはどこまで作れていたかはわからないんですが。2016年になり、いきなりグレートハンティングシリーズが再始動しはじめた。ルアーどころかロッドまで作り、メガバスが渓流に本気になってきているそうですね。
ちなみにグレートハンティングという名前なんですが。
伊藤由樹さんが猟犬を連れて山岳渓流に挑むスタイルで渓流釣りをやっていたらから、この名前になったらしいんですね。
伊藤さんはかなりの愛犬家らしく「犬のきもち」というあの雑誌、一般人を装いさらーーっと登場したこともあるお方。
「仕事:釣り具メーカー」と書き、メガバスの名前を一切出さずに犬雑誌に登場してるレベルなんですが、そこで「渓流で一緒に釣りをしていた」と書いちゃってるんで、まぁ犬好き、渓流好き=グレートハンティングになったんでしょうね。
まぁ猟犬に限らず、犬を連れて渓流に入る人なら僕も何度か見たことがあるけど、あれは楽しそう。
うちは猫だから無理だけど、犬ならああいうのもできていいなーとは思うし、愛犬家の方はこのルアーでグレートハンティングしちゃってくださいよ。
でも、グレートハンティングって、犬連れていかなきゃだめなの?
え?うそ?うち猫しかいないんだけど??
犬は居ないが渓流でグレートハンティングしてきた(インプレ)
我が家に犬はいませんし、要るのは猫だけ
それでも、このミノーを使って渓流ルアーフィッシングをすれば、それはもうグレートハンティングなのか?
なんか良くわからない天才伊藤氏の提唱するグレートハンティングをするため
渓流に向かうことにしました。
といっても、時間がないのでお昼の後の30分だけ。
かなり短い時間ですね。
でも、犬がいない。
ここまできたらグレートハンティングしたいとに、どこにも全然犬がいない
僕「くそ・・なんかその辺りから銀とか出てこないかな」
と伝説の熊追い犬の登場に期待していたのですが、やっぱり東北じゃないと出て来ないようなので、今回は一人グレートハンティングに勤しむこととしました。
【使用タックル】
ロッド:鱒レンジャーNext SP40
リール:17セドナ
ライン:PE0.8号/6lbリーダー
ルアー:グレートハンティング45フラットサイド FS
トリプルバーブレスフック「鬼手仏針」が凄すぎる
まずはアクションをチェックしようとミノーを投げてみてみる。
動かし方がわからないと攻め方もわからないんで、巻いたり、トゥイッチしたり、シェイクしたり、色々と試していると、いきなり一匹目が釣れてしまいました。
しかもフッキングとか対してやてないし、ほぼーと
これでバーブレスはバレちゃうかなーと思って巻いてみると、ぜんぜんバレない
釣れたのはヤマメかニジマスかわかんない位の小さいやつ
こんな軽いやつで、アワセなくてもフックが深く口元に刺さってる
このフックいいな・・・すげぇぞ
口元から外す時も、すごく簡単にスルっといく。
それからあと、このミノーでヤマメ、ニジマスを釣り続けたんですが、バレたのは1回だけ。
バーブレスフックにしては、驚異的なキャッチ率だと感心しましたよね。
この鬼手仏針、読み方はキシュボシン?なのかわかりませんが
メガバスが開発した独自のトリプルフックで
異常にカーブした針と、細く鋭いフックが特徴。
このカーブが魚のアゴにしっかり掛かってホールドしてくれるから、バーブレスなのにバレにくい。
しかも軸が細いから、アワセをしっかりやらずとも、自重の軽い魚だろうとも、簡単にフッキングできてしまう。
うーん、これはいいね。本当に
トリプルとはいえ、これだけ細い針だと、魚を釣ったあとのダメージが極端に低いから、リリースするのにうってつけ。
ヤマメやイワナを釣るのに、このフックは本当に良いし、このフックだけでも欲しい
と思ったら、メガバスで別売り販売されてましたよ。
そういえばメガバスって何時からか「鬼手仏心」ってパッケージに書くよになりましたよね。
ぶっちゃけ、トリプルのバーブレスってどうなのかなーと思ってたけど、メガバスの鬼手仏針一回使うと、もうコレだわって感じになる。全部のミノー、このフックに交換しちゃおうか?
ただ細いフックと大きなカーブがあるので、ニジマスとかアメマスが掛かると、パワーでフックを曲げられそうなんで、使いどころは選んでいきたい。
実際、この釣行の終わりあたりで、良いサイズのニジマスが出現したんですけど(そっちは違うルアーで釣ったので別記事で)
パワフルなニジマスにこのフックを使うのは、やっぱり躊躇いますね。
テンポ良く釣るためのダート系渓流ミノー
時間が短いながらも、魚の密集しているエリアに出会えたおかげで、グレートハンティング45で6匹ほど釣ることができました。
ぜんぶ子虹や子ヤマメちゃんばかりで、たぶん越冬のために移動している最中なんでしょうね。
で、その結果わかったのは
このミノーは、すごいテンポ良く釣るためのダート系渓流ミノーだったってことですよ。
前方重心と細いリップが生み出すダート系ロールアクション
このミノー、見てわかる通りリップが凄く細い。
本当に渓流用か?ってくらい細いし、なんかシュっとして長い。
てなわけで、ただ巻きだとあんまり動かないんですよね、これ。
でもトゥイッチをしてやると、なんか凄い速度でビュゥンて体をひねりながら左右にダートするんですよ。
これは細いリップと、渓流ミノーでは珍しい極端な前方重心だから。
ボディ無いの空気室も、ほぼミノーの後方に集中していて、ルアーを止めると頭を下に向けてストーンって落ちてく。
だから、その姿勢でルアーにアクションを掛けると、左右にすっ飛ぶ。
しかもすっ飛ぶ時、細いリップに水をうけて、ボディがウォブリングするんじゃなく、ギュゥンっと高速でローリングしていきます。
ヒラ打ちでも、慣性ドリフトでもない。
他の渓流ミノーでまったく見られないタイプで、かなり変わってる。
リップやボディで水を押すというより、切り裂くように水中をかっ飛んで行くスピーディーなアクションです。
浮き上がりにくテンポ良く釣れる
あと、浮き上がりが極端なほど抑えられてますね。
スプーンかよお前位の勢いで浮いてこないので、同じレンジをずーっと引いてこれます。
フォール速度も自重に比べて速めに設定されているタイプ。
フラッタリングで誘うということはできないけれど、常に動かし続けて釣る感じ。しかも素早く。
その場でジックリ動きを見せて掛けるような渓流ミノーではなく、スピーディーに、ローリングの明滅と左右へのダートで、おもいきりリアクションバイトを狙っていく感じ。
とにかく動きが速いし、水中を縦と横の動きでアピールするから、目立つけど見切られにくい。
活性が良いやつほど思わず口を使うような感じだし、スレてるエリアほど、この動きは強いですね。
あと、釣っている時のテンポが凄く良い。
フォールが速めで、アクションもスピーディーで、パーンと打って、素早くチェックして、移動っていう高速ランガンスタイルの人にはうてつけ。
実際、グレートハンティングは山岳渓流でトレッキングをしながら使いやすいモデルだし、使ってる人もアスリートが多いイメージ。
山を登りながら、ガンガン攻めるような渓流が一番威力を発揮しますね。
グレートハンティングはやっぱり良いミノーです
実際に渓流で使って見たところ、どうやって使うのかさっぱりわからなかったんですけど
これ、実際に使ってみるとかなり面白いし、フックが秀逸ですね。
鬼手仏針はグレートハンティングのフラットサイドなら全てついてますし、別売りもしているので、そいつを買って一回試してみるといいですね。掛かりがよくて、バレにくく、魚へのダメージも少ないヤマメ・イワナ用トリプルフックを探している人にはぜひおすすめしたいです。
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