釣り場にあるゴミ問題っていうのは結構深刻ですね。
色々な釣り場が閉鎖になったりするのはもちろん、SNS上でもゴミ捨て問題でモメたという話もききます。
そんな時代だからこそ、ゴミ問題について考えないと釣り自体やっていられない。
SNSでは毎日のように釣り場で見つけたゴミを晒仕上げ「こんなやつは釣りをやめればいい」と豪語し、そうだそうだと声をあげる人々の群れを見ながら、ああ今日もみんなストレス発散してんなーと思ってるαトラウトです。精神的ゴミのほうが凄い。
まぁね
僕が住む場所だって釣り場には結構ゴミがあるし、ルアーにラインは転がってるし、ビニール袋やら肥料袋やら農家が出すゴミやらが満載って感じですね。
けれど、こうやってゴミ問題が本格的に取り上げられるようになったのって、僕からすると凄く最近のことのように思えるます。
というのも、釣り場の清掃活動は中学生の頃にやってたんですが、あのころはそんなの全然なかった。
ん?
ええそうですよ?
皆様がゴミがどーだ、釣りやめろーとかいう遥か昔から、僕は釣り場の清掃活動をやってたんですからね?うやまっていいのよ?まじマウントとらせて?
90~00年代初頭の釣り場は地獄すぎて笑う
釣り場の清掃活動をはじめてやったのが中学生の頃でしたね。
理由は、僕が入っていた釣りクラブの活動で、どうしてもボランティア活動が必要だったから。
でないとクラブとして認めてもらえないから、定期的に釣り場のゴミ拾いをやり続けてたんですよ。
で、当時の釣り場は釣り人の数が尋常じゃない。
バスフィッシングが日本中で大ブームを起こしていて、いままで釣りをしたことが無い若い連中がこぞって釣り場に通いはじめてたしね。
その層は異常なほど幅広くて、学校の教師と高校退学したヤンキーと声優のラジオドラマが趣味のクソオタがならんで釣り場でルアー投げてる感じ。
で、そんな頃の釣り場のゴミって、それはもう凄いものだった。
もし今、その釣り場の様子を若い子がみたら、全員失神しちゃうんじゃないかってレベルでした。
まずタバコのポイ捨てが凄まじいことになってる
昔の今の釣り場で何が一番違うかって、吸い殻の量が圧倒的に違います。
今釣り場にいって吸い殻って、まじで数える程度しかない。
それでも「釣り場でタバコ投げ捨てすんなよ!」ってなりますよね?
でもね?2000年前後の釣り場って、もうそんな奴は一人もいなかったの。
むしろ釣り場にいた全員が喫煙者で、その7割がタバコをポイ捨てしていたんじゃないか?そんな疑いすら持ってますよ。
それくらい吸い殻が多かったのは間違いない。
今よりも圧倒的に喫煙者が多かったし、しかもポイ捨てが普通だったんですよ。
ほら、よく昔の刑事ドラマとかで、柱の陰でタバコをすって、その吸い殻が地面に溜まるなんてシーンがあるじゃないですか。
あれ、演出でもなんでもなくて、みんなああだった。
タバコの吸い殻は地面に捨てるなんてのはどこでも普通。
それが釣り場でも適応されていて、みんなタバコすいながらルアーなげて、そのへんに捨てまくるわけですよ。
しかもね、岸沿いにばかり捨てるわけじゃなくて、池の中にも捨てちゃうんですよ。
えーそんな人いるのー??と10代の子は思うかもしれませんが、おじさんの時代はみんなドン引きレベルのマナー知らずばっかりだったんですよ。
だから、釣り場の清掃活動をするときには、この吸い殻が異常なほどあった。
あとタバコの箱も滅茶苦茶あった。もう叢をみたらボコボコ落ちてます。
これを拾うのが滅茶苦茶嫌でしてね?
まず吸い殻は拾いにくいうえ、なんかグチャグチャの奴が多い。
そして草の影とかに沢山おちてるから、一つ一つつまむ作業がひたすらに面倒。
あとは100円ライターとかも落ちてるんですが、こいつだけ分別が違うからまたメンドクサイ。
で、僕がゴミを拾ってるよこで、ヤンキーがタバコすいながらゲーリーのグラブを投げつつ「えらいね君!」とか言ってくんの。まじでうざいから本当に。
本当に今思い返すと、タバコのポイ捨てはすさまじかった。
今なんて、たまにタバコを見かける位だしね。物凄い減ったんじゃないかと思いますよ。
ペットボトルや空き缶がそのあたりにゴロゴロ
続いて大量に落ちてたのがペットボトルや空き缶ですね。
釣りにきて飲み物を飲んで、そのまま放置で捨ててしまうアレ。
ほんとうにあの時は滅茶苦茶にあったし、なっちゃんとか、桃の天然水とかゴロゴロ転がってました。
しかも最悪なのが、あの中にタバコの吸い殻を入れて捨てるやつですね。
そうとは知らずうっかり拾うと、中から吸い殻がどさーと出てきて、服についたりして最悪。
これが当時は2m感覚で配置されてんじゃないか?ってくらい周囲に転がっていて、それを集めるのが死ぬほど嫌だった。
ちなみに、当時からアルミとスチールの分別があったんで、袋を二つ持って空き缶を集めてました。あとで仕分けってこともできるんですが、さっきの吸い殻爆弾とかあるから、最初っからわけないと最悪。
あのトングみたいなやつをもって、缶はないかと叢をゴソゴソして、アルミならこっち、スチールならこっちって具合にわけていきます。
あと、ビールの缶とかも当時は結構おちてた。
飲酒運転の罰則がとても軽い時代だったから、おかっぱりで釣りしながらビール飲むやつとか結構いた。
それこそサラリーマンも釣りにハマっていった時代だったから、ストレス発散で釣りしてビール飲んで帰るみたいなやつも結構いたのかもしれません。
なぜか持ち帰らない不思議なビニール袋達
ゴミ拾いをしていて不思議だと思ったのが、大量に落ちてるビニール袋でしたね。
当時田舎にできたばかりのセブンイレブンの袋を中心に、本当に色々なビニール袋が落ちてました。
しかも中には弁当の空き箱とかがシッカリ入ってる。
いや、まとめたんなら持ち帰れよ・・・
って思ってたんですけど、ほんとみんな池の周りに置きまくってたよね。
なんていうか、地球はゴミ箱だと思ってたんですよね、当時の大人達って。
ほんと何度もいうけど、ゴミ箱に入れるのが面倒だから、そのあたりに捨てちゃおうっていう感覚ですらない。釣り場はゴミ箱だとおもってんの、マジで。
ビニール袋にゴミをいれたら、そのままその場に捨てて帰る人とか普通にいた。しっかり口まで結んで、そのあたりぽーいと投げていってしまう。
一体なんであんなことになっていたのか、今思い出しても不思議ですね。
ワームの袋はわくわくした
続いてのゴミは、なんといってもワームの袋でしたね。
もう色んなワームの袋が落ちていましたが、わけのわからないアメリカンパックみたいなのとか、ゲーリーの袋とかが多かった気がします。
みんなタックルボックスとか持たずに、ワームの袋とロッドだけ持って釣り場に来るもんだから、袋をそのあたりに忘れていったり、使いきって捨てて帰るやつとかかなりいましたよ。
けれど、僕がゴミ拾いを一生懸命やっていたのは、全てはこのため。
そう、ワーム袋を拾うために他ならなかった!
なぜなら、ワーム袋には使いかけのワームが入っていることあったからです。
僕が当時使っていたワームの大半は、こうして拾ったワームばかりで、新品なんてタマに変えれば良いほうですよ。
だから、ゴミを拾いながら血眼でワームの袋を探してましたよね。
なんか袋のようなものがあれば、すぐさま走っていって確認してました。
けど、全部がそうじゃなくて、中には別の袋とかもけっこうあった。ワームの袋だと思って駈け寄ったら、ビーフジャーキーの袋だったこともありましたね。あれは腹が立ったなぁ。
そこで袋を見つけようなら、すぐに中身を確認。
そこでワームがあればラッキーですが、無ければ「ちっ!」としたうちをしてから、地面に放り投げそうになるのをおさえてゴミ袋に突っ込んでいきました。
エロ本探しも忘れない
それから、釣り人が出しているとは思えない、謎のゴミたちも池の周りにはたくさんありました。
中でも一番多かったのが雑誌ですね。
今や雑誌が水辺に落ちてること自体珍しくなったんでしょうが、あの時はジャンプやヤンマガがゴロゴロ落ちてましたね。
で、僕はだいたい「あ、エロ本かもしれない」という期待をしながら近づくんですよ。
今みたいにポーンハブみたいなのが無くて、ネットでエロを見るなら海外サイトになんとかアクセスしなくちゃならない。
おまけに会員制があたりまえだし、ウィルスも普通。ネットでのエロのハードルが高い時代だったんで、とにかくエロ本はありがたい。とくに落ちてるやつは、なんのリスクも無いから。
で、あーエロ本だーと思って近づいては、ヤンマガだ、これは違うとか、劇画だ、違うとか言いながら色々と集めていって、あとで乾燥させて読むわけです。
なぜか落ちてるルアー回収用自転車
あと、これも本当になぜかわからないんですが、僕が良く釣り場は絶対どこかに自転車が落ちてました。
なんで自転車が落ちてるのか良くわからないんですが、池の中にぜったいにある。池のそとにもある。もう古い自転車の捨て場所みたいになってる。
たぶん粗大ごみとして出せない人が捨ててるんでしょうが、中にはパクってきた自転車を捨ててるやつもいたでしょうね。
で、そういう自転車によくルアーが絡まってるから、それを回収するのが毎度の楽しみでしたね。
当時、そんな太いラインで釣りするやつ居なかったから、まぁよく引っ掛かってくれました。
昔に比べたらゴミだいぶ減ったよね
こうして中学生のころ、当時の滅茶苦茶なゴミ事情もあり、酷い目にあいながらもゴミ拾いをやっては、時々ルアーなどを見つけて得をしていた僕。
そのころを振り返ってみると思うのは
今の時代、結構ゴミ問題は良くなってきてるんだけど?
ってことですね。
それくらい当時は酷かった。
まじで地球はゴミ箱だと思ってる大人が大量にいたし、アングラーもそう。それを注意するやつも一人もいない。
けれど、今の時代は凄くゴミ問題の意識が高くなったと思う。
昔の人間からしたら「もうやりすぎだろ」ってくらいだね。
某プロなんかタバコの火を水面で消しただけで叩かれて謝罪文出すようになったし、そりゃもう多くの人間が「釣り場でゴミをだしたらいけない」という強迫観念じみた意識を共有しているわけです。
それは仕方ないと思うし、こうしてゴミ問題について書くと、なにかとみんな厳しいこと言うしか無い場合も多い。
でないとカッコ付かないっていうのもあるし、おまえらに刺さらないだろっていう感覚で書いてる人もいる。あとそっちのほうがバズるっていうのも当然ある。
あと、ゴミに対しては常に厳しい意見を言っておかないと、気が緩むっていうのもあるよね。
人間ってのは常に低きに流れる生き物なわけだから、常に周囲に監視されてる位の気持ちじゃないと、捨てるやつは捨てる。
そして、社会は釣り場のゴミ問題に対して、アングラー以上に厳しい目を向けてきてるから、当然気なんて抜けない。
ぶっちゃけると、今のようにSNSでたたき上げて、つるし上げて初めてゴミを捨てる人間が減るっていうレベルなんだから、ギスギスしてないと、あっという間にゴミが出てくると思ってるよえん。
けど、僕は今回はこう言いたい。
みんな、めっちゃ頑張ってる
ゴミは大して出さなくなったし、黙って拾って偉い、いやマジで。
僕みたいに20年前の地獄みたいな釣り場を見てた人間からしたら凄まじくゴミは減ったと思うよ。
法律での規制もあったり、個人でゴミを拾うような人が出てきたりしたし、SNSでゴミ拾いましたーとか言ってなくても、釣り場でゴミを見つけたら持ち帰るような人は凄い沢山出てきてる。
「時代は変わったって」良く言うけど、時代って勝手に変わるんじゃないんだよ
良くも悪くも、ゴミを捨てず、拾っている人間たちとか、ストレス発散だろうがゴミ出したやつを叩いてるやつが時代を変えたんだよね、ほんとおじさんびっくり。
だから、たまには認めて良いんじゃないかって思う。
たまにはゴミを出さないようにして、拾って帰る自分とか、他人とかを。
あんまり厳しい見方ばっかりしてると疲れるし、ぶっちゃけ、やってることは素晴らしいけど、こいつの態度なんなん?って思うこともあるしね。疲れるじゃん?ガチで。
でもね
大人たちが釣り場をゴミ箱にしていた時代を見て育った僕らがゴミ問題へ強い意識を持ち始めていって、次の若い世代は、さらに釣り場のゴミを減らすようになるだろうと思う。その速度が社会よりも遅く、釣りそのものが環境問題と言われて、釣りが無くなったとしても。それは仕方ないじゃん?
だからたまには、だいぶ皆成長したんだなーと思ったほうが良いかもしれない。
わしもキッズの頃にゴミ拾い活動してたら、大人はみんな褒めてくれからね。
あとはね、ゴミ拾いってぶっちゃけつらいよ。
一個や二個ならまだしも釣り場全体となると、まじでしんどい。
だから、ルアーとか釣り道具とか拾うと思うと凄いやる気でるよね。
なんかSNSで「ルアー拾った!ラッキー」とか書くと、それは警察に届け出なさいとか言われるけど、別に警察にロストしたルアー探しにくるやつ居ないし、よほど高いルアーじゃなきゃ積極的に拾って使ったほうが良いと思うよ、うん。
だいたいロストしてるルアーだってゴミに違いないしね、ぜったい集めたほうがいい。
てなわけで、今回は「昔に比べたらだいぶマシ」なゴミ問題について、たまにはホメて行こうという記事でした。みんなゴミ捨てないで偉いで。
コメント