ロキサーニBF8を使って渓流に初釣行に行ってきました。
苦節4ヵ月。雪の中でこらえてにこらえたこの数か月間は非常に長いものでした。
釣りに行きたくてもいけず、道北の雪に埋もれた我が家の中で、ひたすらに寝ても覚めても渓流のことを考える日々。
けれども渓流にはいけず、先日など入渓ポイントを探しまわったあげく雪にスタックしてしまいました。
そう、僕は渓流に依存しています。
この世の人間の大半が何かに依存いしているとは言いますが、僕にとってこれほどの中毒症状を引き起こす釣りは、あらゆるドラッグをほぼ超えていると言っても良い。
なぜなら、覚せい剤の中毒患者なら治療をはじめ4ヶ月後の継続率は最高でも80%。
しかし釣りはどうだろうか。4ヶ月たったいま、釣り中毒は100%継続しているわけですよ。
僕にとて、すでに釣りは薬を超えた。
しかも冬の間に購入した、いまだ未使用のニュー・ドラック、ロキサーニBF8まである。
使いたい、はやく渓流にいって、こいつを思い切り使いたい。
そんな中毒症状で吐き気をもよおし、腕の静脈にガマカツのシングルフックを刺しラパラの合成麻薬を打ち込んでいることにも耐えきれなくなった僕は、いよいよ渓流に向かうことにしました。
ロキサーニBF8を持って初渓流ベイトフィネス
というわけで到着したのは、近所の渓流。
ちょっと前まではすっかり雪に覆われていたのに、ここ数日で気温が上昇したこともあり、すっかり流れが見えています。
これならやれる、思い切りキメてハイになれるぞ。
と思って腕をまくりあげ、ベルトで腕をしばり静脈をカッチカチにしてスプーンのフックを刺そうとしたのですが、もうこんな事をしなくていい。
思い切り渓流で釣りができる。もうコソコソ釣り針を刺す感覚でハイにならずにすむ。
ついに渓流合法化!
この国は自由だぁあああはぁああ!!
とか叫びながら入渓したんですが、あまりの冷たさに一気に体が寒くなりました。
しかも渓流にきたら、そこら中に足跡がある。
あれ、もう渓流合法化でいらっしゃったジャンキーの方々なのかな?医療用でほしいのかな?
とか思ってたら、ぜんぶ獣の足跡。
なんか色々いますけど、水飲み場を求めてやってきたヤツらでしょうね。水場を求めてるのは僕ら人間だけじゃないってことでしょう。
初の渓流ベイトフィネス
そんなこんなで解放感が溢れすぎ、もはやみどりの葉っぱの話しか書けなくなったあたりで閑話休題。
まずは初挑戦となった渓流ベイトフィネスについてです。
今回僕ははじめて渓流でベイトを使ったんですけど、多少の慣れは必要ながら、確かに面白いと感じました。
もちろん釣りができない禁断症状のせいでわけがわからなくなり、いきなりマグネットブレーキの設定をせず全力キャストをしたせいで、ハードなバットトリップならぬバックラッシュを経験したんですけどね。あれなおすの大変だった・・・
けれどブレーキ設定もすみ、キャストも慣れはじめると、やはりスピニングと違った感覚に痺れました。
まずキャストコントロールが驚くほどしやすい。
使っているのが鱒レンジャーのベイトだっていうのに。
スピニングのようにシュパっと投げないから、コントロールしやすい。しかもキャスト中もしっかりサミングで調整できるから、思ったところにきっちり入れられる。
そして立ち上がりの速さもいい感じ。
スピニングよりも低い弾道で、しかも滞空時間もそれなりに稼げることもあり、着水即リーリングが可能なのは感動でした。
ロキサーニBF8の渓流での使い心地
アブガルシアのエントリーモデル的ベイトフィネスリールであるロキサーニBF8の使い心地ですが、なるほどって感じ。
スプール重量があるわりには5g前後のヘブーシンキングミノーがソコソコ飛びます。
ただし、今回はラインが凍る時期なのでナイロン8lbを巻いていたので、PEの細いのならもっと飛ぶでしょうね。
スプーンのほうが4gのバックスをメインに使っていましたが、飛距離は悪までそこそこって所。
スプールが地獄のように軽い上位機種のベイトフィネス機には負けます。つかえないことはないですけど、このライン径だとキャスト精度重視で飛距離20mがせいぜいです。
サミングのミスさえなければバックラッシュはしにくい
スプーンなどの飛距離が出やすいルアーはロキサーニBF8でもカッ飛びますね。素早くロッドを振って投げるようなやりかたでも、案外バックラしにくかったです。
マグネットブレーキがフル装備なので、それもあるかも。
ただ、これは高級なベイトフィネス機に比べて初速が付きにくい分、初速が付きすぎでのバックラッシュが防がれている説を唱えてみますが実際よくわかりません。
ただ、スプール重量は明らかにベイトフィネス機の中でも重いほうですから、それがバックラを防ぐのに貢献してるかもしれません。
やっぱりPEラインの細いやつが渓流に向いてる
今回はナイロン8lbで釣っていたんですが、やはり飛距離はPEのほうがいいです。
前回練習ではPE0.8のラピノバを使ってましたが、ナイロンの2号と比べたら飛距離ぜんぜん違います。投げれるルアーの軽さも最低値が2g位引き上げられた感じがします。
渓流でのベイトフィネスではナイロンよりもPEライン推奨ってことらしいし、5g以下のルアーを投げるとしたら、やっぱりラインの軽さや細さはとても重要だと痛感。
今後気温があたたかくなったらPEに戻したいです。
本流や湖用のルアーが結構扱いやすい
ところでこのリール、ナイロンで使ってみてわかったのですが、6g~8g、10g以下のスプーン といった渓流の本流で使うようなスプーンやミノーにも向いてますね。
渓流で使える軽さは3gが限度ということで、渓流ベイトフィネス専用機と比べると軽いルアーを扱う能力では劣っているロキサーニBF8。
当然上位機種に比べると軽いルアーが投げにくい。
ところが、逆に少しだけ軽いレベルのルアーの扱いになると抜群によくなります。
例えば6~10㎝のミノーや、本流用の6~8gのスプーンなんかにも結構良い感じ。
最大ドラグ力も5.5kgあるし、スプールもシャローとはいうけれどマグネット機構のぶん重量もあり頑丈。
ということは、ロキサーニBF8て、案外本流や湖でルアーを投げて、大物とのファイトがやりやすいリールだと思ってますよ。
また、こいつに通常のロキサーニスプールを入れたら、さらに重いルアーを投げれるようになるだろうし、今年は小渓流だけでなく渓の本流ニジマスを釣ろうとしている僕にとっては、結構重宝しそうです。
軽いトップウォータープラグも使いやすい
それと今年使用する予定の軽量トップウォータプラグも試してきました。
主に投げたのはヘドンのタイニートピードやタイニークレイジークローラー、メガバスのPOPXといった6g前後のトップウォータープラグです。
まぁ当然釣れなかったんですけどね。
この辺りはスピニングで使う人が多いモデルですが、やっぱりベイトで投る人も多い。
けど、やっぱりベイトだと扱いにくいですよね。
とくにヘドンのタイニー系は「軽いし空気抵抗大きいし、ちょとベイトで投げにくいけど、スピニング出したくない」的な軽量トップウォータープラグ。
そこにロキサーニBF8はばっちりハマリますね。
完全なベイトフィネス機と通常のベイトの間を幅広く
僕がロキサーニBF8を使って思ったのは、完全なベイトフィネス機と通常のベイトリールの中間をカバーしていると思ってます。
だから、源流や小渓流でも2g代のルアーさえ使わなければ使えないことないし、川幅の広い本流や湖でも使えないことない。
けど、まぁまぁっていう感想で、「すげぇよこれ!」的なことはいえません。
源流域なら2g代の出番が増えるので、そこはアルファスエアとかアルテバラン辺りを買って使ったほうが良いと思う。逆に広い本流や湖での遠投なら15g以上が扱いやすいほうがいい。
もちろん使うラインの細さにも影響するところが大きくて、PE0.8号以下を使うなら最低3gほど、上限で投げやすいのは10gに届かない辺り。ナイロンやフロロの2号(8~12lb)以上を使うなら最低は5gで、上限は10g代前半って所に代わるっていう感想。
だから特別凄いって思えないレベルというか。そういう感想。
このロキサーニBF8はベイトフィネス機として尖ってないし、かといって普通のベイトではない。
で、一番美味しい数字をたたけるのは、その中間。
渓流の本流、減衰したダム湖など、すごい真ん中って感じですね。
使い方は幅広いぶん、性能的には尖った部分が無い。
正直軽いルアーならスピニングのほうが飛距離が出ます、はい。
軽くて表面積が大きいルアー。例えば3g台のフローティングミノーやシャッドは飛ばしにくい 。5㎝程度でもシンキングならいけますけどね。
つまり、ベイトフィネス機としてはやはり上位モデルには及ばないです。
ベイトフィネスリールと銘打たれていますが、フィネス特化型というわけでもなく、スプールだって重い。
でも、そのぶん多少重いルアーも使いやすい設定になってるし、スプールの剛性も犠牲になってない。
それがむしろ僕は好みというか、先ほど書いた通り、スプールの重量や剛性、ドラグ性能も特化型のベイトフィネス機より上の設定になってるので、案外強引な釣りができる。
なので、これは案外「ベイトフィネスでマジパワーフィッシング」的な使い方が良いと思うんですよね。
なんかデカくてパワーのある相手にベイトフィネス機使う時は、ナイロン使うとスプールがゆがむだとか、スプールを抑えすぎて変形するとか、そういった事例が多々あるみたい。ちょっと重いルアーをなげただけで歪んだとかもある。
それも全ては軽いルアーを投げるために払った犠牲なんで仕方ないんですが、一方そこまでの極致に到達していないロキサーニはそういうトラブルは少ないと感じてます。
だから「デカイのを強引に引っこ抜く」とか「軽いルアーでデカイのを狙う」的な使い方が安心してできるベイトフィネス機だと思う。例えるならスティーズCT SV TWみたいな軽量ルアーも扱えるベイト機のコスパ・バージョン位に考えてもらえれば幸い。
本来のベイトフィネス機の目的である「カバーに軽いルアーいれて太いラインで強引にぶち抜く」みたいなスタイルのために作られているリールだし、小物ではなく大物狙いのフィネス機って思ったほうが良い。バスに限らず、ニジマス60㎝オーバーを本流でファイトしたり、シーバスのランカーを7㎝のミノーでフッキングしたり。ライトテキサスでロックフィッシュを引っこ抜いたり…そんなシーンに強そうです。
値段も13000円以下で買えるため、コストパフォーマンスも良いし、スーパーレーシーな軽量化はされなかったけど、その副産物として強引な釣りがしやすくなってると思ってます。
このロッドはULよりもLかMLのロッドが合う
今回はULレベルの鱒レンジャーベイトを使いましたが、実際にはLかML位のロッドが一番いいですね。
理由はさっき言った通り、少し重いルアーを投げれるところや、強引なファイトをしやすいから。
それに、このリールとL~LMXのロッドなら、かなり広い場所をカバーできそう。
ロキサーニBF8で初フィッシュ
スプーンで丁寧に探っていたのですが、今のところはヒット無し。
魚影もぜんぜん見えないし、一体どこにいるのやら。
そこで、春先の小渓流で以前から釣果を上げていたDUOのスピアヘッドリュウキ・バイブ45sにルアーチェンジしました。
このリュウキバイブは5gあって投げやすいし、ボトムを小突くようにダート&バイブでリアクションバイトがとりやすいルアーなんで、活性が低い時に良いんですよね。
それから上流にリュウキを投げて、ボトムをポンポン跳ねさせていたら、いきなり根掛り。
ボトム狙うとルアーが石にはさまるんだよなーああこういうのも数か月ぶりだなとロッドをあおってみたら。
掛かってた、魚が。
もう久しぶりすぎて根掛か魚かもわからなかったとか恥ずかしすぎる。
もういいやもう!釣ってやるぞぉお!と巻き始めると、ズルーっと動いたかと思うと、ブンブンと首を振りはじめる。
間違いない、魚。
今回はナイロンだから多少強引にいってもバレないはずとゴリゴリ巻いていきます。
というか、やっぱさすがベイト。いくら超ハイギアとはいえ、巻くときの力の入り具合はスピニングとは違いますね。
それとドラグの出具合もやっぱりスピニングと違う。
突然走りだすと一気にヌルーっと出ていくのですが、よくわからない内にスプールを指で抑えてドラグの効き具合を調整していました。なるほど、こうやって釣るのか。
そうしてスプール抑えながらゴリゴリで巻いてくると、色黒系のメスニジマスさんが顔を表しました。
これがロキサーニBF8の初フィッシュ。
そして、約4ヶ月ぶりに出会ったニジマスです。
なんか始めてベイトでトラウト釣ったんですけど、いやー面白い。
ロッドは鱒レンジャーCT50というザ・激安グラスロッドだっったんですが良いですね。
キャストも面白いってのはわかってたけど、ファイトの安心感や何からなにまでコントロールできる感じがします。
しかし久しぶりの魚は良いです。
すぐにリリースしちゃいましたが、もうつやっつやのボディや、なんだこれと思うくらい発達した尾びれがしっかり脳裏にやきついていましたね。
いやー楽しいなー釣りは、これだよーこれー。
と、久しぶりの釣りに満足しかけていた僕。
そのまま次のキャストをして、再びリールを巻いていたら。
突然ドゴンという衝撃ががロッドからリールに伝わる。
さっきとは明らかに違う完食に、ビックリして思わずリールを止めてしまう。
え?なにえ??
と思った時には、ラインの先の水面が盛り上がり、リュウキを咥えた巨大なニジマスが出現。そのまま空中でルアーを放り出し、水しぶきを再びあげて水の中へと消えていきました。
バラしたことに気が付いたのは、放心状態でロキサーニのハンドルを握りなおした時。
何かわからないけど、デカかった。
でもバラした。
フックが明らかに小さすぎた。
ああ、やっちまった・・と、手元に帰ってきたリュウキを見てため息をもらして、また
ああ、やっちまった、ああ。
それから水の中をのぞいてみたけれど、デカイのは底に沈んだのか、それともさらに上流へと逃げていってしまったのか、もうその姿を見ることはできず。
「これだよなぁ、釣りって・・・・マジな話」
とかなんとか、一人でブツブツ言っちゃて、なんか釣りあげてハイになっているときより、逃げられた時のほうがリアルに釣りを感じてしまう。水の中を睨むけど何も見えず、ついに瞼を閉じるしかなくなる。
なんでこうなるのか・・・
とか、悪戯に自己嫌悪が始まった頃には脳内はとっくにダウンタイム。
永遠にハイな時間が続く薬があればいいけれど、それはいつも長く続かない。
まるでネットフィリックスで大好きな連ドラ見終ったあと、仕方なく収支の計算に戻るとき。
そのあと寝る前に 吉沢明歩をスマホで見ながらシコたティッシュをゴミ箱に投げたけど、ぜんぜん入らず床に転がった時のアノ気分。
どうせ幸せは瞬きの合間。
目をあけた時、渓流に反射する太陽の光はとっくに目に痛くてシバシバする。というか、偏向サングラスを掛けてくればよかった。そりゃ魚なんか見えるわけない。
ほんとうに何やってんだろうか。
そう思っても、あのバラした魚のせいで、明日にも別のポイントに入る自分の姿を想像していしまう。どうせ今夜も仕事をして遅く寝るし、無理なんかしなきゃいいのに、明日も早起きしそうな自分がいる。というか、もう仕事なかしたくない。金のことも考えたくない。現実が嫌になればなるほど、夢中になる魔性の薬物。
それがこのドラッグの怖い所。
ロキサーニBF8で渓流釣行は続く
というわけで、最後はでかいのをバラしたせいで、結局今年も釣りの無限ループに入ってしまいました。
しかもベイトをはじめましたから、このタックルの使い方を覚えるっていう楽しみもあるんで、しばらく小渓流通いがやめられそうにありません。
あとは本流で釣れたらいいですねー。ちょうどこのリールは良い感じに合いそうだし、一発ドーンで良いサイズ釣れたらいいですね。ドーンドーンって2発出てくれればいんですけど、僕は一発でたら2発目ゼッタイばらすからなぁ・・・ああもう思い出すのはやめよう。深夜なのに川に行きたくなる。
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