今回はD-ダイレクト(direct)のレビュー&インプレ記事になります。
まさかこのスラム系ブログで、SMITHのルアーをレビューすることになるとは。
当の本人もまるで予想しておらず、レビュー記事を書く手が焦るαトラウトです。金持ち怖い。
このブログはもともとコスパ系を主題としており、常に安価で使えるタックル類を紹介しているのですが、今回扱いのはSMITHのD-ダイレクト。あの高級ルアーの中でもかなりのキレものと言われるヤバ過ぎるセレブルアー。
ただし、もちろん購入したのは中古。
そんな新品とか僕が買えるわけない。
それでも、この高級ルアーをレビューできているのも、普段から当ブログのレビュー記事などでお買い物をしてくださる読者様のおかげ。ありがたい限りです。
しかし僕は常に安いルアーを使っているので、こんなセレブルアーのレビューなんて書けるかまったく自信がない。というか、いますぐドクターミノーに縋りたい。
しかし、買ったものはやるしかありません。
普段とは勝手の違う渓流の高級ルアーですが、緊張しつつもDーダレイクトのレビューのため、ご本人にインタビューを行ってきました。それではどうぞ。
D-ダイレクトという成功者に聞いてみた
はじめましてαトラウトです。
この度は取材を受けて頂きありがとうございます。
いえいえ大丈夫ですよ、なんでも聞いてください
はい、それでは早速なんですが渓流域のディープレンジ攻略に成功した理由をについてお聞かせ願えればと思います。
もちろんスミスという企業で働いているのは大きかったですが、Dシリーズのプロジェクトに参加したことが大きいですね。
Dシリーズというのは、D-コンタクト氏が率いる渓流エリート集団ですよね?
集団というより、プロジェクトですね。プロジェクトDとでもいいましょうか。同じ理想を持つD-コンタクトが率いているプロジェクトであり、渓流に革命。いやイノーベーション。いや、innovationを起こすべく集まったチームですね。そこでアサインされたのがディープレンジ担当です。
なるほど、ディープレンジ攻略を担当されているんですね
ディープレンジは未だどのルアーもたどり着いていない領域でしたからね。ストリームのボトムは届く以前にリスクも大きい。だからこそチャンスがあります。僕はビジネスに対しては常にセンスで動きます。一瞬で頭に浮かんだグランドデザインを実行する上でも、常に先を読むというよりは、イメージが先に動く。だから、そこからすでにクリエイティブですよね、遺伝子レベルで。
え?あ、遺伝子レベルで・・・なるほど、それでディープレンジを担当されたということですか
もちろんD-コンタクトや他のDのメンバーともエビデンスを取り合って決めましたが、なにより僕自身がディープレンジに大きな魅力を感じてました。未知の領域へのチャレンジって、やりがいがあるというか、そう、もう呼ばれているっていうか。そこで生まれた、いやむしろ挑戦がむしろ自分みたいな。自分っていうアイディンティティがダイレクトにオンデマントしちゃったみたいな感覚ですね。あ、すいませんついてこれてますか?ちょっと深すぎましたか?
い、いえ・・・でも深いですね
というわけで、渓流ITベンチャー・スミスのマーケティングディレクター、D-ダイレクトさん。
ともかくキラキラとしたデキル男オーラ前回で、つねにタジタジです。
D-ダイレクトさんは、もともとDシリーズの一つ。
もともとSMITHから販売されていたD-コンタクトですが、それでも届かない渓流の落ち込み付近を攻略するために生まれたのがD-ダイレクトというわけですね。
ただ、なにか深みがヤバすぎて逆に浅い気がしないでもない。
それになんでしょうが、このルアー、なんかちょいちょいイラっとする。
しかし、この僕も腐っても釣りブロガーの端くれ。
溢れだす衝動を抑えつつ、なんとか正常なレビューを保ちたいと思います
D-コンタクトのディープレンジ攻略用モデル
D-ダイレクトは、ディープレンジを攻略するために生まれたD-コンタクトの派生形です。
メインの攻略レンジは1~2メートルというかなりの深場。
渓流域では落ち込みや、岩の間のエグれ、流心のボトムなど、普通のルアーではなかなか届かないような場所です。
元々D-コンを使っていた開発者の平本仁さんが「なんとかミノーでボトムを攻略できないか」ということで作ったのがこのモデル。
アップクロスで釣りあがっていくことの多い渓流で、狙いにくい落ち込みを徹底的に攻めるための能力が沢山詰まっています。
渓流の深場は常に攻めにくい
渓流域の深場はいつも攻めるのに苦労するのは僕も同じです。
まず、何を通そうか迷います。
まずフローティングミノーじゃ絶対に届かない。
同じフローティングでもディープダイバーを使うという手もありますが、上流になげて目的の潜航深度に達するころには、とっくに足元にやってきています。
シンキングミノーも同じ。自重で沈めようにもフラッタリングしながらフォールするので、流れのせいでポイントに到達できない。
とうことで、渓流域の深場は基本的にミノー系では大抵攻略できない
だから僕も落ち込みのような厳しい深場では、たいていメタルバイブレーション、もしくはメタルジグといった落下速度の速いルアーを投げて直接ボトムを狙います。
でも、渓流ではミノー好きが多いですし、開発者である平本仁さんも次のように答えています。
(図を見せながら)
ここが、普通のミノーやスプーン、
ディープダイバーで攻めきれないデッドゾーンなんですね。
唯一攻められるのがメタルジグなんですが、
ここにメタルジグ並の重さでちゃんと泳ぐミノーを通したいわけです。[P]
メタルジグじゃダメなんですか?[平本]
重さで沈めるって事では無く、ちゃんとリップで水をつかんで、
急速ダイブさせて…やった!釣れた!としたいイメージです。
これで釣りたいと言う釣り人ならではのキモチと言うか(笑)
(引用元:スミス Dコンタクト〜Dの系譜〜)
平本仁さんも言っている通り、メタルジグをはじめとるすメタル系ルアーなら届く。
けど、そこをあえてミノーで攻めたい。
しかも潜らせて、アクションを掛けて、釣ってやった!と言いたい。
そういう気持ちは渓流ルアーマンなら誰でもあるでしょが、実現はなかなか難しいからこそ作られたのがD-ダイレクトと
D-ダイレクトのスペックについて聞いてみる
それではD-ダイレクトさんのスペックについてについてお聞か頂きたいのですが
元々ワシントン大学を出たあと、シリコンバレーのITベンチャーでマーケティングを担当していました。そこで様々なユーザーのデマンドを知る内に市内を走る渓流にたどり着いたんですよね。多くのユーザーが求めているのは、やはり癒しなんだということを知ったというか。ヒーリングというか。フィーリングというか。自然とアジャストしちゃった、みたいな。
でも、渓流を知る内に、ここもまだ入り込めない領域があると知りました。とくに落ち込みのボトムなどですね。それでアップストリームのクリークで自分が何ができるだろうと考えているうちに、自然とクリエイションしてましたね。
なるほど、それでボトム攻略をしようと思いついたと
ボトムっていうか、アンダーグラウンドですね。
そういう領域には多くのニーズがまだ眠っている場所にもし事業を展開できれば、まったく新しい形でソリューションが構築できると考えたんです。
そこでクリークの中にあるスターバックスでセルフカンファレスをしていたら、D-コンタクトと出会ったんですよ
渓流の真ん中にスターバックスがあったんですね!おしゃれですね
まぁやっぱそこがアメリカというか、自由な発想ができる場所ですよね。そういう発想がある場所のほうがクリエイションしやすいですから。
D-コンタクトもそれが理由で来ていたんですけど、話している内に意気投合して、さっそくプロジェクトに参加しようってことで、すぐさま会社をやめて日本に着ちゃいましたよね(笑)
こういう所って、やっぱり感覚っていうか、フィーリングを大事にしたいんで。そこはもうノリっていうか、流れを掴んでいくみたいな?人生とおんなじで、感じたいですよね、何ごとも。そこはもうロックでいこうよ、みたいな。
そこで日本でSMITHに入って、ディープレンジ攻略のためにリップも増設。55mmにウェイトも6gに増やして、完全に攻略できましたね。
というわで、まったく意味不明な流れで体重とリップを増やした深すぎるD-ダイレクトさん。
話がよくわからないし、やっぱりなんかイラっとするので、ここはαトラウトが丁寧に解説しようと思います。
ウエイトとリップを増やして潜航距離を短くした
D-ダイレクトの特徴は、ボディと同じ位ある長いリップとウェイトです。
リップの形状はディープダイバーやシャッドとほぼ同じ。
ただ、他のディープダイバー系とは違い、リップの先端部分の幅がかなりあります。
同じようなサイズのディープダイバーであるシュガーディープ5なんかは、もっとシャープなリップ形状をしていますが、D-ダイレクトのほうが明らかに大きいです。
この大きなリップは、潜航深度と共に、潜航レンジそのものを短くすることを目的としたもの。
もはやクランクベイトと言っても良いようなリップと言っても良いかもしれません。
また、リップの大型化は重いボディを効率よく動かすためにも使われています。
後方重心のヘビーウェイトで飛距離+フォール速度増加
D-ダイレクトのウェイト位置は後方重心になっています。
ミノーとしてはとてもユニークなシステムですが、D-コンタクトをはじめとするDシリーズはすべて後方重心に設計されています。
これにより垂直フォールはお尻からストンと落ちるように落下。
この動きはD-コンタクトに共通するものですが、D-ダイレクトのウェイトは6g。
その分落下速度もはやくなり、深場を攻めやすくなりました。
Dの系譜に根付く慣性スライドを継承
D-ダイレクトは後ろ側にウェイトがあるため、Dシリーズの特徴である慣性スライドが発生。
トゥイッチやジャーキングによりルアーが左右へ大きくお尻を振ると、アクションを止めてもまるでドリフトのように動き続けるため、プロジェクトDってそっちのことかと勘違いしそう。
トゥイッチをし続ける中でも動きを一切止めないので、魚もルアーを見切りにくいというのが慣性スライドの法則。食わせの間は与えつつもアクションを連続させてトラウトを魅了します。
ロングリップ搭載なのに抜群の飛距離
6gのタングステンウェイトを搭載していることもあり、当然ながら抜群の飛距離を発揮。
Dシリーズ共通の後方重心も相まって、投げた時のカッ飛びかんはすごく気持ちいい。
これだけ飛ぶと、渓流での釣りあがりだけではなく、湖などの止水域から本流域でも十分使えるのが魅力。僕も基本はかっ飛ばせるのが好きで投げております。
D-ダイレクトにとってのアクションとは?
それでは、D-ダイレクトさんにとってのアクションとはなんでしょうか?
人生、だよね。
もうアクションっていうのは、ルアーにとっての生き方っていうか。
好きなように生きて、好きなように仕事するのがやぱり一番アジャストしてるよね、僕にとって。
特にディープレンジの開拓は生きがいっていうか、なんだろうな、ライフワークに近いっていうか、そういう部分?もっと攻めていきたいっていうビジョンが常にあるよね、うん。
なるほど自由なアクションですか、それはボトム攻略だけではないということですか?
もちろんですね。
ボトムっていうかもう、マインドのボトムまで攻めるよね。
つまりこう、イドに語り掛けるようなアクションをしていく感じ。
ディープ攻略もそうですけど、ミドルレンジもシャローも、あらゆる場所をいつでも攻めていきたいというか。
僕自身ビルドインしたウェイトの飛距離も、そういう意味で攻める場所を選らないよね、ダウンもアップも全然OK。
もちろん演出に関しても常に自由にフィーリングを大切にしていきたいですね。ベイトフィッシュはもちろんですけど、川虫というか、KAWAMUSIにもやっぱりメタモルフォーゼしたいし、結果としてベネフィットするのがマストというマインドだけは常に持ってますね。
D-ダイレクトさんの深い言葉に感銘をうけ、激しい混乱に陥っているかもしれません。
ただ、一言でいうなら、D-ダイレクトは深場の攻略だけに使うルアーではないということは確からしい。
そこで、深すぎる発言を丁寧にひもとき、このルアーのアクションについて詳しく見ていきましょう。
深場で急潜航させてから誘いを掛ける
Dーダイレクトの一般的な使い方は、急潜航をさせてのボトム攻略だと思います。
例えば、渓流によくある落ち込みは、水深およそ1~2メートルほど。
ここで落ち込みの少し上に投げて、流れに巻き込ませてD-ダイレクトを着水させ、そのままリトリーブで一気にボトムにまでルアーを送り込みます。
D-ダイレクトの最大潜航深度は1~2メートルとされています。
最大潜航深度に到達するまでの距離はおよそ3メートル。
ですが、落ち込みの下へと向かう流れも利用すると、さらに短い距離で最高深度に達することができます。
そのままボトム付近をリトリーブしつつ、慣性スライドを使ったトゥイッチを入れる。
これで普通ならミノーでは取れないレンジにいる魚にもアピールできるという寸法です。
やはりD-ダイレイクトを使うなら、落ち込みのボトム攻略。
この動きで底にいる大物を取るのが最大の任務のルアーです。
ロッドを立てて水平リトリーブ&ジャーキングをさせる
D-ダイレクトが面白いのは、普通のディープダイバーとは違って水平リトリーブも得意という点です。
リトリーブを早くすると一気に潜航しますが、ロッドを立てて緩めにリトリーブすると、まるで普通のシンキングミノーのように水平に泳いできます。
この動きを利用して、深場を攻めつつ、水深1メートル未満のエリアも攻められる万能さが売り。
ディープダイバーとミノーを使い分ける手間がかからないので、瀬でもない限りはコノルアーだけであらゆる場所を攻められます。
また、ジャーキングでも慣性スライドが働くので、水平リトリーブと織り交ぜながら使うと効果的です。
トゥイッチを連発し中層を狙う
慣性スライドを発生させながら中層を狙うのもアリ。
リップが大きいからといって、別段ディープだけを狙うために使うというルールはありません。
中層域を狙うのであれば、トゥイッチを連発するのがおすすめ。
着水後、カウント3で1メートルの水深に達するので、2秒ほどでリーリングを開始し、トゥイッチを入れ続けていけば普通のシンキングミノーのように中層域を釣ることができます。
使い手によって様々なアクションが使える高難易度のルアー
ディープエリアの攻略をメインとしながらも、扱い方によってさまざまなレンジが狙えるのがD-ダイレクトの面白さでもあります。
ただし、決まった使い方がないということは、それだけ使いての腕による影響がとても大きい。
平本仁さん曰く、「Dシリーズの中でも一番難しいモデル」とのこと。
おっしゃるとおり、このルアーはロッドの角度、リトリーブスピードによってまるで別物のルアーのような動きを見せるので、適当に扱えるような代物ではありません。
ただ、確かにそこが面白い。
いつも同じ動きをせず、シビアな操作を使い手に求めてくる。
そんな生粋のマニュアル車ながら、流れにのったら最後、最速で大物を釣り上げる。
つまり、泳ぐAE86
実はこいつ、プロジェクトDのルアーの中でも、テクニックを最も求められる変態ルアーだったりするのです。
D―ダイレクトさんが考える最良のターゲット
D-ダイレクトさんはどんな魚に使えるんですか?
正直いって、やっぱり限界って無いと思ってますよね。
ターゲッティングでコンバージョン率を上げるっていうのはルアーマーケティングの基本ではありますけど、だからって僕はそれに限らないというか。それが人生でしょ?
ある意味で、メソッドは存在しないほうが、僕はコンバージョンさせやすいと思ってるんですよ。ターゲットがヤマメならヤマメで、ニジマスならニジマス、ブラウンならブランっていう感じで、そのたびにアングラーとコンプライアンスを取りながら釣りたいというか。
アングラー側からも、こいつに使えるんじゃない?って思ったら常に意見を出してもらいたいし、ブレストすることでアイディア自体をブラッシュアップしていくのがドリームへの最短ルートだと思うんで。
えっと・・・つまりトラウトなら何でも釣れるってことですか?
それが人生だよね、うん。
ずっと同じじゃ意味がないっていうか、クリエイトするって、常にイノベるってことだと思うというか。
ターゲットごとに変えていく位の柔軟性?みたいなものがあったほうが、きっと楽しいと思うんですよね。
それに僕って55mmっていうこのサイズ感も、あらゆるターゲットにマッチしますし、それこそマグロにもネゴシエーション次第でいけると思うんですよ。
というわけで、人生には限界がないとうとても深いことをおっしゃるD-ダイレクトさん。
というかやたら人生っていえば深くなると勘違いしている風でもありますが、きっとそれは僕らがDーダイレクトさんのようなセレブをうらやんでいるから。醜い嫉妬だから。
なお、狙う魚種にも当然限界がないということですが、さすがにマグロは無理かもしれません。
一つ言えるのは、基本的には渓流ではかなり万能だということ。
ヤマメを狙うのもよし、イワナ狙いもよし、もちろんニジマスを狙うのもよし、あらゆるターゲットに対して有効に働くルアーと言えます。
D-ダイレクトさんにとってのディープレンジとは
それでは最後に、D-ダイレクトさんにとってのディープレンジについてお聞かせください。
僕にとってのディープレンジっていうのは、深み…だよね?
人生ってのは深み…だよね?
深くないと何にも意味がないと思うよね、マインドを維持できない。全然シャローじゃ意味がない。ナチュラルじゃないですよね。
それに、ディープレンジには新たな発見が常にあります。
僕らが視認できない大型魚が絶対いるというドリームが生まれる。
だから、僕はディープに関しては絶対にアウトソーシングですませたくない。僕自身がディープレンジに対してアクションを起こしてアジャストしていく。そういう姿勢をもってはじめて、ディープレンジは答えてくれると思ってますね。
なるほど、深いお言葉ありがとうございました
いえいえ、こんなアンサーでよければ、いつでもアジェンダ確認してアンサーさせて頂きますよ。
今後のD-ダイレクトさんに目が離せない
プロジェクトDのディープレンジ攻略担当、D-ダイレクトさんのインタビューでした。
みなさんはいかがでしたか?
かなり深い発言が多くてためになった方もいるでしょうし、今後のルアーフィッシングに役立つ意見が多数ありましたね。
ただ、本当にイラっとする発言が目立ちますね。
それ以外はやはりスミスの上級職員という感じで、かなりしっかりとしたマインドをお持ちのルアーです。
インプレッション記事についてはさらに追加していく予定ですので、たまにチェックしてください。
【今回紹介したルアー】
コメント
Dダイレクトさんの、キラキラしたまっすぐな目で吹きました。
いつもありがとうございます。
ワイズストリームさん>キラキラしてますね、かなりスーパークリアですよ。
いえいえこちらこそいつもありがとうございます。