ここまでの怒りを今まで釣りに感じたことはなかった。
そもそも、僕自身キレやすい方かもしれないし、ストレスだって溜まりやすい方かもしえれない。
だからこそ釣りに癒されてきたし、釣りこそが僕の癒しだった。
なのに、僕は完全にコケにされ、ついにキレた。
4日間ポイントを探しまわるも雷魚は釣れず、鯰にはシッポでルアーを弾き返され、あと一歩というところで逃げれらた。
それが僕は許せなかった。
コケにしたやつは、何があっても許してはいけない。
人間だろうが、魚だろうが僕は差別しない。
コケにしたやつには絶対に復讐する。
だからこそ、僕は新なフロッグの改造にその晩に着手したのです。
ウィップラッシュファクトリーのコマネズミを即席で使えるようにする
僕がまずやるべきことは、手に入れたフロッグの改造でした。
以前から持っていたフロッグでは、とても鯰など獲れない。
雷魚一本にしぼったって、この硬さじゃ雷魚すら釣れないかもしれない。
なめやがって、と、手にしたコマネズミを見ながら意味もなくブチギレた僕は、机のわきにあったテッドの縫い包みを抱え、一人ジャーマンスープレックスの練習を繰り返しました。
「この!この大麻熊が!イラついてんだ!僕にも吸わせろ!コラ!」
と叫びながらジャーマンをしますが、映画と違って縫い包みのテッドは喋りませんし、大麻もやりません。
それを一通り行い、多少落ち着いたあと、いよいよコマネズミの改造に取り掛かりました。
まず、フロッグを改造するためにはスロットシンカーという専用の重りを中に入れ、それをパンドーなどのウレタン系接着剤で固定するのがセオリー
というのは知っていたのですが、注文した商品はまだ届いていない。
なにせ、僕は先にフロッグを注文し、あとで改造方法を知って、慌てて改造用の材料を頼んだのですから。
けれど、悠長に改造用パーツを待っていたら、イラ付きすぎたあげく、僕は鯰と雷魚を絶滅させるため全裸で沼に飛び込みかねない。
やってやる、絶対に明日の朝までに雷魚用フロッグを仕上げる。
ということでネットを調べてみると。
無改造でもフロッグで雷魚を釣ることは可能らしい。
さらにいえば、鯰などをフロッグで釣る場合、フックを固定しないほうが良いという記事も見かけたのです。
ならば、この状態でとりあえず中に板重りを仕込んでみよう。
と、フロッグの中からフックを抜き出し、板重りを張る。
それを瞬間接着剤で固め、元通りに戻しておく。
あとはバイト率をあげるブレードを装着するため、初期装備のシッポをカットすれば・・・
これだ。この姿勢。
斜め45度で浮くこの角度こそ雷魚や鯰がバイトしやすい角度
だってユーチューブでやっていたやつだ!
と、ネット世代のアングラー丸出しで自室で大声で叫んでしまいました。
すると下から「ナニさわいでるのー?ユーチューブ?仕事してるの?」と嫁の声が。
ま、まずい。
僕は自室でさっきのパーツを組んでいると嘘をついているんだった。
「あ?ああーうんーいやー、マザーボードが合わないと思ってたら、きちんと起動したってユーチューブみながらやってるんだ」
と大嘘をこき、フロッグの改造を続けます。
本体側の改造は、先端部分から空気が抜けないようにPEラインで結び、接着剤を塗るだけ。
しかし、この即席改造のまま使ったら、せっかく頼んだ改造用パーツが無駄になるかもしれない。
と感じた僕は、とりあえず先端をPEラインできつく縛り、接着剤はぬらずに置きました。これならあとでカットして、改造しなおせますしね。
頼んだブレードを装着するはずが・・・
最後はブレードをテール側にセットするだけ。
ブレードの有無によって釣果は当然かわるだろうし、フッキング率も変わるはず。
たしか、フロッグはブレードが無いほうがフッキング率は良いらしいんですが、鯰や雷魚はブレードが大好きらしい。
だったら付けるしかないだろ、ってことで注文したコーモランのコロラドブレード3番を装着してみます。
ところが
コロラドブレード3番を装着して水槽で泳がせると、なにかが変だ。
ん?もしかして、普通のスイベルを使っているからだろうか?
でも・・・と、朝に鯰に吹き飛ばされまくったフロッグにつけてあったブレードを付けてみる。
すると、さっきよりも明らかに回転する。
なんだよコーモラン、僕の自作ブレードの方が回るじゃないか!
というのも、このブレード。
家にあった0.5mmのステンレスプレートを挟みで切り、やすりやペンチで整えた超簡単なコロラドブレード。
大きさはコーモランの3番と全く同じなのですが、おそらくカップの形状や、ブレードの重さなどが理由で、僕が作ったやつのほうが回転率が妙に高いのです。
クソ・・・こんなんだったら注文しなきゃよかった!
というわけで、せっかく買ったコーモランのコロラドブレードは予備となり、メインのブレードは自作のコロラド3番となってしまいました。
これでフロッグは仕様可能な状態。
あとは釣りにいくだけなのですが
もちろん、翌日に行くしかない。
なにしろ届いた即席チューニングのフロッグの性能や、新たに覚えた雷魚&鯰釣りの技術を試したかった。
そして何より、僕はこのまま寝ることはできなかった。
歩き続けて見つからない雷魚や
バラしまくっってコケされた鯰
そのせいで生まれた強烈な怒りは、いつの間にか驚くほど純粋な欲求に姿を変えていたのです。
このままじゃ終われない。
なにがなんでも、あいつらを絶対にやってやる。
片手にフロッグを握りしめながら、僕は朝を迎えるまで鯰と雷魚を釣る方法をネットで検索し続け、クロスフィールドの先端につるしたテッドを使い鬼フッキングの練習を続けました。
またせたな!鯰へのリベンジ
気が狂ったように迎えた朝。
いや、事実僕が気がくるっていた。
だからこそ、一睡もせずに朝の3時に家を出たんです。
それまで、ネットで鯰や雷魚の釣り方をあれこれ調べ続け、チャットで鯰釣りをしている人に釣り方を教わったり。
その結果、やはり僕のタックルは雷魚にはいいが、鯰にはあまり向かないこと。
そして、鯰をやるなら、フロッグよりもプラグメインでやるのが良いということも知りました。
けれど、トラウトしかやらない僕には鯰用プラグも、それに類似するアイテムも無い。
それに、あの場所は雷魚もいると言われている沼。
いくら鯰ばかりいようが、ウィードエリアのほうが広いし、もし雷魚が掛かった場合には対処しきれない。
まぁどっちにせよ、僕が今使えるのは、このコマネズミ以外ないのですから、もうハラをくくるしかありません。
今度こそ、絶対に獲る。
何度繰り返したかわからないこのセリフを口の中でつぶやき、怒りと釣欲が入り混じった、暴力的な感情に突き動かされながら車を飛ばし、あの因縁の沼へと到着しました。
時刻はやはり朝方。
それも徹夜でしらべた鯰釣りや、鯰の習性から選んだ時間。
前回、朝方に鯰が釣れたのはおそらく偶然ではなかった。
本来夜行性の彼らは、日中よりも夜間のほうが活発に動く。
だからこそ、あのオープンエリアに大量に集まっていたはず。
使うのは、もちろんクロスフィールド732Hと、アサヒさんから頂いたアンバサダー6500C3/2speed
このタックルで獲れなきゃ意味がないし、リールをもらった恩だって返せない。
やってやる、ぜったいに釣ってやる・・・!
もはや鬼と化した僕は、装備を整えると、気配を隠すことすらせずにポイントに近づきます。
そして一投目。
投げるのは、前回フッキングミスをした倒木の際。
ここで前回ミスをした鯰がいるなら、この時間にもう一度出るはず。なら、絶対にやれると、僕はこの時、一投げ一釣で獲る気しかありませんでした。
息を吐き、偏向グラスを外す。
そうして、僕は前回投げた場所とまったく同じポイントに、勢いよくフロッグを振り込みました。
勢いよく飛んだフロッグは、ド派手な音を立てて着水。
続いて、水の中で何かが動きました。
──居た!
と思い、思わず手を止めそうになりましたが、ここで止めちゃいけない。
ネットで知り合った人に教えてもらったセリフが頭によぎります。
「ええか、鯰は捕食が下手なんや、一度くわんでも、絶対に動かしつづけなきゃあかんで」
と、なぜか関西弁に変換されて出てきたセリフに身を任せ、そのまま巻き続けると、ついにルアーの後ろに完全についた鯰が水面を割った。
き、きたぁあああ!!
ついに鯰がヒット。
そのまま練習通り、背骨が折れるまでフッキング。
アンバサダー6500C3を引きちぎれるまで回すと、
今度もそのままスコーンとバッドパワーで鯰がすっ飛んでくる。
けど、フロッグは抜けていない。
きっちりとフッキングしている。
で、草の上に一旦置いたものの、ネットがあるのを思い出し、すあかざるラバーネットの上へ。
上あごにばっちりと掛かったフック。
雷魚用のコマネズミを丸のみしているでかい口。
間違いなく鯰。
それも、道北の、あの、バラしまくった鯰。
とった、とったぞぉおお!!!
ついにあの鯰をとった!!
水面を割る激しいバイトと、パワータックルで一発で抜き上げる豪快さ。
そして、フロッグを丸のみにした鯰の姿。
やった、ついに鯰をつった。
あの、あの僕をコケにし続けた鯰を、しかも、ポイントについて一発で。
しかも、フロッグで・・・このタックルで・・・
ついに獲った。
子供の頃、偶然釣った鯰は恐怖のあまり持ち上げることすらできなかったけど
今見る鯰はまるで違って見える。
むしろ愛しさすら感じる。
あれほど怒り狂っていたはずなのに
結局のところ、僕は
鯰のことが好きで仕方が無かったんですよ。
雷魚用フロッグはバーブレスなので簡単に抜けたし、ラバーネットもあったので、さほど鯰にダメージを与えずに済みました。
それから、鯰を釣ったポイントへとリリース。
あれだけバカにされただの、コケにされただのと怒り狂っていたに
釣れた鯰をみたら、こうしてリリースに気を使ってしまう。
なんて馬鹿な生き物なんだろう。
鯰じゃなく、僕が。
だから、なんというか
僕はこの鯰釣りにハマってしまいそうな予感がします。
奴が僕にヘビータックルの意味を教える
けど、これで終わりじゃなかったです。
それから鯰をもう一匹釣りあげたのですが、これまたサイズアップ。
さっきよりも大きな鯰が、今度はウィードが生い茂るエリアの真横でとれました。
さっきの鯰で要領を得たのか、ガツンとフッキングしたあと、PE8号でゴリ巻き。
するとあっという間に寄ってきて、手前の葦から一気に引き抜く。
これも見事な鯰。
これだけのサイズでも、いとも簡単にぶち抜いてしまえるから、このリールとロッドはそうとう強いと確信。
というか、鯰釣りだけだったら、やっぱりMHとかMなんか十分かも。
でも、抜き上げる時にはこれで十分いけるし、ぜんぜん鯰もかけれる。余裕で相手ができるぞ。
なんて気をよくして、もう鯰に勝った気でいました。
だから、今度はオープンを外し、ウィードエリアへフロッグを投入。
ここでも鯰が出てこないかなと、爆釣中のコマネズミをちょこまかと動かしていたら。
パシュンン!!!
という、空気を切り裂くような音と、鋭い水しぶき。
そして、曲がらないがゆえに「竿状の鈍器」とあだ名をつけた僕のロッドが、信じられない角度に曲がったのです。
な、なにが起きたんだ!?
油断していたせいもあり、リールを巻くのが遅れた僕。
けれど、慌てて巻き始めた時には、そいつの正体に気が付いていました。
・・・雷魚だ。
あの甲高い捕食音と、このダッシュとパワー。
明らかに鯰とは違う。
絶対に雷魚だ!
しかし、そう思った時には、すでに僕は雷魚の罠にかかっていました。
鯰より明らかに重いものの、ロッドをあおってなんとかリールを巻き、手前に寄ってきた感覚はありました。
ところが、突然さらに重みが増す。
と思いきや、その重みはさらに増し、しまいにはリールすら負けなくなったんです。
「グヌォオオ・・・ナンダコレハァアア・・・・!」
おそらく、それは雷魚がウィードの下へと潜ったせい。
PEラインと雷魚にからまったウィードが、全て束となり、リールすら負けないほど重たくなっていたのです。
そうか、そういうことか
息も絶え絶えになりながら僕は理解しました。
あれは、ただの雷魚マンの暗黙のルールなんて下らないものじゃない
このばかみたいに硬いロッドも、この頑丈なリールも
全てはこのためにあったのかと。
「引きこもりのぉお!アル中のぉ!睡眠障害者をナメンナヨォオオ!畜生ぉおおお!!」
と、普段キーボードしか叩かず、ダブルクリックで指がつる貧弱な僕の力を全てふりしぼり、おもいきりロッドをあおる。曲がらないはずのロッドは、すでにキレイな弧を描き、鉄の塊のようなリールがきしむ音すらする。
しかし、少しずつ、少しずつリールが巻けるようになる。
ウィードを引きちぎれている。
この調子だ。やれ。絶対にブチ抜くんだ!
「どぉおおおりゃぁああああ!!!」
やりました。
これぞ正真正銘の本命ターゲット。
このためにロッドをそろえ
このためにリールを頂き
久々に質問ばかりをして
足が某になるほどポイントを歩きまわった
道北雷魚です
やった、本物の雷魚だ!
しかも抜き上げてみれば、フック一本!
危なかった、マジで危なかった!
けど釣りましたよ。
ついに、ついにあの北の怪魚。
雷魚を仕留めた。
やったぞぉおおおおお
僕はぁあああ!!
道北最強の男だぁああああ!!!!
戦うということ、釣りということ
いや、さすがに最強っていうのは言い過ぎなんですけど。
もうそれくらいの気持ちでしたよね、ようやく本命の雷魚を釣った瞬間は。
しかも半ばあきらめかけてたから、なおさら雄叫びを上げるレベルだったというか。
いうなれば、グラップラー刃牙の夜叉猿編みたいなもの。
飛騨の山に住む巨大な猿と死闘のすえ勝った瞬間でしたよね。そりゃ雄叫びますよ。
けど、気になることが一つありました。
釣りあげた雷魚が、妙に細長いこと。
もしやと思い、しばらくしてから、まったく同じコースでフロッグを通す。
すると、ほぼ同じようなポイントで、フロッグの後ろで小さく水しぶきが。
バイトにいたるレベルではありませんでしたし、魚もみませんでしたが、おそらくはアレも雷魚。
ということは・・・と、僕は急いでフロッグを回収しました。
おそらく、僕が釣った雷魚はネストで子供を守っていた雷魚です。
前日に雷魚を釣るために猛勉強をしていた時、雷魚釣りの暗黙のルールの一つ「ネスト打ちを禁ずる」というのが気になって、ネストをつくる雷魚の習性を調べていました。
ネストを作る雷魚は2匹1組となり行動し、卵を守る。
だから、一匹釣ったとしても、もう一匹がネストに残っていた。
魚体の細さや、婚姻色らしきものがあることから、間違いないといえるでしょう。
結局のところ、魚と戦うなんてこんなものかもしれません。
沖合のネストを、一見しただけで僕が見抜けるわけもない。
鯰だって、はじめて見たのだから、繁殖行動中かどうかもわからない。
だけど、僕がやったのは、ただ子供守りたい魚に勝手に仕掛けて、勝手に戦いだと思い込んで、勝手に釣りあげただけ。
ただの独り相撲。
そればかりか、いたずらに子を守る親の傷つけただけです。
だから、夜叉猿編だったんですよ。
あの時も、刃牙は勝手に強敵だと思い込んで戦いを仕掛けたし、相手を失明まで追い込んだけど、最後はただ、夜叉猿が子供を守ろうとしていたとわかった。
それと同じだったんですよ、今回の釣りは。
ネスト打ちは雷魚の暗黙のルールといいましたが、僕は個人的に、どの釣りでもやりたくなかった。
トラウトは特にやりたくないし、繁殖期の魚をあえて釣ろうなんて思いもしなかった。
漁業権のあるサクラマスやサケなどは、繁殖のための期間は法律で守られていることも多いけど、法律を守るのはどうでも良いし、僕だって法律を守ってこれた人間じゃない。
単純に、生き物が命を残す瞬間だけは、僕は手を出すまいと思っていたし、極力避けたかった。
だから、雷魚に関しても、ただ雷魚マンのルールに従うという意味じゃないし、正直いって、ルールって言葉この世で最も嫌いな単語の一つ。
けど、ネストは打ちたくなかった。
勝手に、そろそろ繁殖期が終わっていると思い込んでいたけれど、まだネストは存在しているのは間違いない。
しかも、僕にとってはじめて情熱を燃やして釣った雷魚がネストの雷魚だったのは、正直へこんだ。
釣りは、やっぱり戦いなんかじゃない。
情熱を燃やして、魚を追って鬼のようになる人間もいるだろうし、僕もそうだった。
けど、それでも、決して戦いなんかじゃない。
ただ愚かな人間が、愚かにも魚相手を勝手に追い求め、勝手に針をかけ、釣りをしている。
それだけのことに過ぎなかった。
この地域では、雷魚は確かに外来魚として扱われているし、問題視もされている。
鯰だって、その多くは本州から食料用として持ち込まれた外来生物だし、雷魚はとくに駆除の動きが活発。
それでも、、子を守るために、自らを省みずルアーに襲い掛かったあの魚こそ、本当に素晴らしい生き物だった。僕に比べれば、何倍も。
その事実が、はっきりとしただけでした。
それでも僕はきっと
そのあと、僕は落ちていた空き缶を拾って帰りました。
ジョージアの北海道スペシャルが二つ。
もしかしたら、ここで雷魚を釣りにきたアジアの研修生達のものかもしれませんが、とくに何もイライラすることもなく、それをバックに詰めて車へと戻りました。
むなしい気持ちでした。
空き缶を拾ったのも、釣り場を守ろうとか、そんな気持ちではない。
はっきりとはわかりませんが、せめて、池のゴミだけでも拾えば、さっきの雷魚が許してくれるかもしれないと思ったからかも。
ようは、せめてもの罪滅ぼし。
そんなことをしたって、何にもならないのはわかっているし、そもそもこの沼では、在来種を守るために駆除されそうになっている魚。
けれど、空き缶を拾うのは止められなかったし、それしかできなかった。
僕は本当に愚かだ。
釣りをすればするほど、自分の愚かさが身にしみてわかる。
けれど、車にタックルを積み込んでいる時、鯰と雷魚を吊り上げたフロッグのフックが裏返っていたことに気が付きました。
それでも破損はしてないけど、たった一日でここまで噛み後だらけになるなんて。
あとで届いたパーツで、今度はしっかりと固定させてあげないと。
正直にいって、このコマネズミが無かったら、ぜったい鯰も雷魚も釣れなかった。
今のところコレしか無いけれど、こいつは最も頼れるフロッグだと思っています。
そして、ラインとリールもまったく無事。
そういえば、本当にこいつはタフですし、90年代初頭の代物とは思えない。飛距離だってかなり出る。
マジでこのリールが無けりゃ本当に釣れなかったし、変速ギアのローで最後は無理やり引きはがせた感じでした。こいつはただの色物じゃない。本物のアンバサダーですよ。
そしてクロスフィールド732H
最初はこんな曲がらないロッド、本当に使えるのかと思ったけど、雷魚を釣って確信したのは、こいつは間違いなく雷魚対応の竿だってことでした。
いやほんとうにごめんね、あだ名は買えないけど、お前はすごいよ、マジで。
これからも怪魚相手に頑張ってもらうからな。
これからも?
僕は、まだ釣りを続ける。
それは、どうやら逃れようない事実。
あまりにも残酷な釣りという遊びを続けていく中で、僕は時々こういうことになる。
魚を釣るという行為に夢中になるほどに、自分の愚かさばかりが浮き彫りになる。
けれど、それでも釣りはやめられない。
けして素晴らしい趣味でもないし、誇れるものでもないのに。
だから、きっと次はと、車の中でネストを打たない方法を考えていました。
また、魚体にダメージをあたえないランディング方法や、釣り方についても。だからといって、魚にも許されるわけでもないのに。
そのうちに、別のポイントにも雷魚がいるのではと思い始め、鯰達のポイントも探し出そうと思い始め、スマホを開いて周囲のマップを見ようとする。
けれど、スマホ通知で仕事用のチャットが来ているを見て青ざめる。
数日間ほとんど手につけていない仕事があったのを思い出し、急いで車をとばす。
ほとんど寝ていないことを思い出すけれど、エナジードリンクを一気飲みして、そのま家へと向かう。
「くそぉおお!!仕事なんかやめえちゃるぅう!!」
と言っても、やめれるわけもなく、結局今の今まで仕事漬けで、滅茶苦茶眠い。釣りなんかしてないで、仕事を先にかたずけるべき。
ほんとうにバカで、貧乏で、不幸な生き物。
だから僕は、まだ釣りを止める気になれていませんし。
本当に幸福になれるのは、きっと釣りをやめれた時なんだと思っています。
コメント
昨年の本流ライギョに続き某沼鯰も驚かされました。そしておめでとうございます。
鯰も岩見沢では見たことはあったものの道北にも居るとは知りませんでした。
釣魚に対する思慮深い思いにも感心しました。
お陰で3000円ベイトに16lbナイロンで行けんじゃね?という気持ちを思いとどまれました。
ありがとうございますー、そういえば岩見沢は北海道随一の鯰釣りフィールドらしいですね。
トラウトだけでなく、鯰も今年はやっていくので、一度岩見沢で鯰釣ってみたいです。
いやー、雷魚は僕も「こんなヘビーなのほんとうに必要なの?」とか思ってたんですけど、ウィード生い茂るエリアで釣る時には、やっぱりあれ位ないとダメでしたねw
でもカストキングの3000円リールならいける・・・・かも?
ドラマチックな展開、楽しませて頂きました。
食べるため、生きるために魚を獲る”漁”と違って、自らの楽しみのために魚を傷つける”釣り”というのは実に罪深い所業だなぁと感慨深く思うこと、私もあります。
そんな私はリリースの際、もっとでっかく賢くなって、今度また知恵比べしようぜ、なんて頭の中で魚に声をかけたりします。
幾多の修羅場をくぐり抜けてきた老獪な魚だけがもつ智慧は、時に人間をも出し抜きおおせますが、逆に一度も危機に瀕したことのない魚は、どんなに大きくて立派でも、自然界ではきっと簡単に命を落としてしまうでしょう。
この世に生きるってことは、そういう事なんじゃないかと思ったりします。
日々これ勉強なのは、人間も魚もきっと同じはず。
無論、人間側の勝手な自己満足ともいえますが、 魚に対するリスペクトと感謝の気持ちを以て釣りに臨めれば素晴らしいな、と私なんかは思ったりします。
長文失礼致しました。
コメントありがとうございます。
そうですね、そう考えるのが釣りを続ける上では最も良いんだなと僕も思います。
ただ、僕は素晴らしい釣りはあっても、釣りそのものが素晴らしいとは思ったことがないもので。
僕にとっての釣りは癒しであったり、小さな幸福であると同時に、中毒みたいなもので
それがふと素面に戻るんですよね、何やってんだろうな自分って。