ダイワから新型のルアーが出る。
しかも、それがスピナーらしい。
そんな噂を風をネット上で発見した僕はついため息を漏らしてしまいました。
いやいや、今更スピナーの新作?
あの地味ルアーをリニューアルしようって部分は良い
けど、一体誰が注目するのこれ、俺でなきゃ見逃しちゃうね
的な感じで団長の手刀を見切った僕の目でなければ、みなさん総スルーしそうな地味ジャンル、それがスピナー。
だいたいスピナーなんて、渓流ルアーの中ではとても目立たない存在だし、せいぜいAR-Sみたいなインラインタイプが人気なだけ。
それじゃぁダイワもインラインタイプを出してくるの?
と思ってメーカーの画像を見て驚きましたね。
なにこの古めかしいデザイン
え?これが新型?と目を疑ってしまった、そんなシルバークリークスピナーを使ってみました。
ダイワの新型シルバークリークスピナーを手に入れた
ダイワのシルバークリークスピナーというと、あの魚型のボディを持つスピナーでしたよね。
ダイワが出してるスピナーといえばブレットンが一番有名でしたが、あっちはフランスからの輸入商品。
シルバークリークスピナーはダイワが出すオリジナルのスピナーになります。
で、もともとあったミノーの様なスピナーのデザインを大幅チェンジ。
まるで原点回帰でもしたかのように驚くほどスタンダートなモデルとなったが、今回紹介する新型シルバークリークスピナーです。
というか、もともとダイワのシルバークリークスピナー、あまり売れてなかったと思うというか
そもそも僕はあれ、買う気が全然起きなかったんですよね。
そもそもスピナーといえば、この記事でも紹介しているブレットンとかメップスのコメットみたいなスタンダードなモデルが好きな僕は、どうしても魚形のウェイトが付いてるモデルは買う気になれなかった。
かといって初代インラインスピナーのパンサーやスミスのAR-Sみたいなのは、まだ使う気がしない。いや、あれ確かに良いんだけど。
だから未だにブレットンとか投げてるんですけど、ここにきてダイワから滅茶苦茶スタンダードなタイプのスピナーが出てきて、正直驚いたんですよ。
なぜダイワは今頃超スタンダードなスピナーを出してきたのか?
確かにダイワは昔からスピナーを販売し続けているし、僕が子供のころから使い続けてる、大好きなブレットンだって頑張って輸入販売してくれてる。
けど、どうして今スピナーなのか?
そして、なんでこのスタンダードな形のか?
正直言って、釣りの世界で唯一現役でスピナーを使う渓流アングラーにしても、このデザインは困惑したろうし、嬉しくもあったはず。
だいたい今どき、渓流ルアーフィッシングでスピナーを使う人って物凄い減ってる。
以前ラパラの記事でも書いたけど、ただ投げて巻くだけの釣りっていうのはとっくに皆飽きちゃっているから、ロッドワークで釣るシンキングのミノーイングが今の主流ですよ。
そこにきてスピナーで新作?
ダイワさん気でも触れたの?的な感じでしたよね。
しかもわざわざこの形ですよ。
誰がどう見ても普通のスピナーというか、むしろリバイバル品みたいな雰囲気というか。
どうせならインラインスピナーでも作れば良かったのに、なんて思ったりもしますけど、実際にその細部を見ていくと、このモデルを作った理由が見え始めます。
新型シルバークリークスピナーは地味だけど凄い
「基本性能を見直し、よりトラブルを無くしたスピナー」
といったセリフが新型シルバークリークスピナーのキャッチコピー。
まぁ確かに、スピナーがあまり使われなくなった理由には、投げてまくシンプルな釣りのくせ、やたらトラブルが起きるっていうのが原因。
糸がよれるとか、飛ばないとか、フック交換しずらいだとか、もう色々。
その全てが詰め込まれてるかのようなブレットンを現役で使う僕としては、かなり感動した所もある。
なんか凄い地味だし、基本はただのスピナーだし、投げて巻いて釣るっていう部分は他とまったく一緒。
ただし、それぞれのパーツのレベルが以上に高い。地味にだけど。
こんな昔ながらのスピナーなのに、細部の作りこみが半端じゃない。
すごい地味だし、使ったってわからない人も大量にいるけど、わかる人にはわかる的ないぶし銀のシブ―い試みが大量に詰まってるんです。シルバークリークだけに!うん!
ダジャレより滑りが良いパーツで糸ヨレ防止
もうダジャレを言う歳になったことに、この文章を書きながらショックを隠せませんが、まずはパーツの作りこみで重要な部品の精度に関して。
スピナーで一番困るトラブルといえば、やっぱり糸ヨレ。
この糸ヨレ問題のせいで使いたがらない人も多いのですが、それには部品の精巧さが案外大きく関係しています。
糸ヨレの発生を防ぐために色々な対策があるんですが、中でも地味に重要なのがパーツごとの摩擦抵抗をいかに減らすかという部分。
この点、新型のシルバークリークスピナーはひたすらに摩擦抵抗を減らす努力がなされてますね。
まず第一にブレードが軽いこと。
ブレードが軽ければ、それだけ回転時の遠心力が軽減されるので、エネルギーがシャフトに伝わりにくい。しかもブレードを取り付けるクレピス部分もザツじゃないし、研磨の具合も良好。
さらにクレピス部分に2つ、ウェイト部分に2つのビーズを挟むことで、より摩擦係数を減らしている。しかも一体型スベイル付き。
どのパーツも仕上げが良好で、限りなく摩擦係数を減らす努力がされているのが際立って光るスピナーです。
ウェイト部分も下方に重心がある中通しタイプを採用しているので、糸ヨレ防止に一役かってます。
立ち上がりが良く美しいブレード
続いて立ち上がりが良くなった軽量ブレードです。
これも見た目は普通のブレードながら、持ってみると驚くほど軽い。
しかも仕上げが美しいんです、これも。
鏡面もしっかり仕上げられていて、silvercleekの文字が凄く渋い。
よくみるブレードながら、丁寧に作りこんでるのが見てとれる美しいスピナーです。
最高にありがたいスプリットリング
最後に忘れちゃいけないのが、フックとの接続にスプリットリングが使ってあることですね。
以前のシルバークリークスピナーにも付いていましたが、このようなスタンダードな形のスピナーにスプリットリングが付いていると、僕としてはとても新鮮ですよ。
なにせ、スピナーの大半はスプリットリングが無いんですよ。
ドロッペン、ブレットン、メップス、そして現役スピナーとして活躍するAR-Sまで、なぜかスプリットリングが一切ないんです。
そのせいで、フック交換のためにニッパーで必死にフック部分のアイを切る作業を繰り返さなきゃならず、買ったあとに結構苦労するんです。
これもスピナーが面倒な奴である原因の一つなんですけど、こうしてスプリットリングが付いていると、購入して即フックをシングルに交換できるので凄まじく便利。
というか、僕的にシルバークリークスピナーを使う一番のメリットはここ位に思っているというか、もう本当にフック切るの面倒だよね、うん。
本当にいろんな部分でトラブルレスな仕上がりになっているし、それがスタンダードな形だからこそより際立って見えてきます。
ただ地味だけど。
際立って地味だけど凄いんですこれが。
お値段わずか500円の高性能スピナー
そして何より素晴らしいのは、やっぱり値段ですね。
ダイワは大手ながら貧乏アングラーへの貢献度は業界トップクラス。
もちろん、シルバークリークスピナーも安く
お値段たったの500円。
すばらしい、この作りこみで500円はとても素晴らしい。
AR-Sが700でちょい高いな位におもっていた人には朗報ですね。
ただ、インラインスピナーとはアクションがまるで違うので、ここは使い分けだと思われます。
あと、海外製のスピナーはもっと安いので、ちょうど中間位の値段設定ですね。
なお詳しくは公式ページをご覧ください
公式:シルバークリークミノー
シルバークリークスピナーで渓流インプレッション
この非常に地味なダイワの新作ルアーを実際に使ってみよう。
ということで、3日後の朝には渓流に入っていましたね。
場所はニジマス川でニジ狙い。
まぁ結論からいうとチビっこいのに遊んでもらっただけで、基本ルアーの性能とかをチェックしただけ。
それにしても、スピナーオンリーで渓流で釣ろうと思ったのは久しぶりですね。
それまで困った時のスピナーって使い方をしていたので、いきなり投げることは無かった。
けど、新型なのにオールドスクールなスピナーを手にしたら使いたくてたまらず、即座にフックを交換して実戦投入。
この朝はずっとシルバークリークスピナーを投げ続けることにしました。
水中で安定した姿勢を保つ
まずは水中でのアクションをチェック。
フック交換が簡単なので、すでにスプーン用のロングシャンクタイプを装着しています。
回転はひたすらスムーズで、スプーンの安定感が際立ってますね。
フックが回ることも少ないし、大きく暴れることもなく動き続けてくれる。
挙動は安定性重視で、やはり立ちあありが速いタイプ。
渓流での使用を前提に作られてます。
4gという絶妙なウェイトが存在する
今回僕が使うのはシルバークリークスピナーの4g。
この4gというウェイトは絶妙ですね、とてつもなく使いやすい。
もちろん3gも使いやすいんですが、万能感は4gのほうが上ですね。
僕が使っているスピナーは、たいていが3.5gの上は4.5gなんですが、この0.5gの差のせいで重すぎると思い、あまり使う気になれなかったんです。
ところが4gというジャストサイズを見つけて使ってみたら、やっぱり使いやすい。
最近は川が増水しているので、支流の細く浅いところをせめたのですが、季節がらどうしても魚がボトムについてしまっている。
で、効率よく底にスピナーを送り、なおかつ低活性なやつを釣るにはドリフトさせないとならない。
これが3gや3.5gだと軽すぎてポイントをスルーしちゃうんです。
一方4gならボトムも表層もイケるし、浮き上がりも低いし、浅いところも通しやすい万能性能。飛距離だっていいですしね。
あと、今回は今年一度も使ってなかったスピニングの鱒レンジャーを引っ張り出しましたが、本来ベイトタックルでも投げれるという理由での重量チョイス。ベイトフィネスやる人間にしても、この絶妙なサイズがあるのは嬉しいですね。
もちろん渇水したら3gがベストだし、ニジマスより小さいヤマメ狙いなら3g投げるほうがいいかも。
なので、3~4gさえ買っておけば渓流はどこでもOKって感じでした。
確かにトラブルが少ない
スピナーは根掛が多いルアー。
あだ、シルバークリークスピナーはあまり根掛しませんでした。
おそらく、買ってすぐ使うにしてもシングルフックへの交換しやすいのが一番の理由かな?
面倒だからトリプルで使うときもありますが、あれはかなり石や枝を拾ってきますし、フックが回るんで根掛率はスプーンより高いですね。
あと、シルバークリークスピナーは安定した姿勢で泳ぐので、フックが暴れず引っかからないのも大きいかも。
バイト率にも貢献してるでしょうが、根掛しにくいほうがスピナーにとっては大切な気がしてます。
ブレードの立ち上がりは速すぎてスピードに追従しすぎ?
軽量かつ低摩擦のブレードのおかげで、立ち上がりは段違いで速いですね。
コロラドタイプも使ってるんで、水押しも良い感じ。
着水して巻きだせば確実に動くとわかるので、ロッドを大きく煽ってやる必要がないのは助かりますね。
もちろん普通に考えて釣りやすいし、動かしやすい。
それとフォール中もしっかりピラピラ動いてくれるし、トゥイッチかけたりした時の動きも軽やかで誘いをかけやすいですね。
ただ、僕は結構軽いブレードもいいけど、重いブレードも好きだったりするんですよ。
最近は「スピナーは立ち上がり」みたいに言われる方が多いですけど、重いブレードは立ち上がりが遅い代わりに、ブレードの回転数が凄く高くなるんです。
そのせいで糸ヨレもおきやすいし、トラブルだってある。
けど、波動はすごく大きいし、なによりスピードを落としてもブレードがずっと回ってるから食わせやすい。ブレットンとかまさにそんな感じ。
一方、軽いブレードは立ち上がりが早いけど、スピードを落とすと止まりやすい。
なので、これからスピナーを買う人は
「シルバークリークは軽いブレードだから使いやすいんだ!」
と思って買うのはいいのですが、それはあくまで着水してから回りはじめるまでの時間が短いっていう意味で捉えてください。
この性質が生きるのは、渓流の小さなスポットに入れて魚を狙い撃つ時。
短い距離で即座にルアーを動かすには、やっぱり立ち上がりが早いシルバークリークのようなブレードのほうが有利なんです。
ただ、このブレードは軽いぶん、止まるのも早いので、できるだけ回転率を落とさないように気を付けてください。スピード落とすと簡単に止まります。
釣り方としては、スピードは落とさず、一定の速度で巻くのが重要。
食わせの間はロッドワークで作るのがベストです。
ドリフトやダウンでもボトム付近を流しやすい
ルアーを流しながらボトムを取る釣りをやる場合でも、このスピナーは結構使いやすいです。
インラインタイプと比較すると、やはりオーソドックスなこのブレードは水中での安定性が高いので、流れに沿わせたり、逆らわせる時も扱いやすいですね。
それと、下方重心のウェイトがあるおかげで、スピナーが暴れすぎないのはやっぱり良い。
こうした安定性を意識した結果、昔ながらのブレードにしたんでしょう。
大場場所や小場所、アップやダウンもとわず使える性能は地味ながら有難みが深いです。
スタンダードを突き詰めたオールドスクール感が魅力のスピナー
実際に釣ってみてわかったのは、とてつもなく普通で地味だけど、細かい所を徹底的に磨きなおしたスピナーでしたね。
使いやすく、トラブルが少ないのは確かで、糸ヨレも軽減されている。
使いどころも広く、オーソドックスなスタイルのスピナーの魅力を再確認できるアイテムとなっています。
まぁなんというか
ダイワらしいスピナーというか、ソツなく基本に忠実でハイスペック。
ただ、逆に尖ってるのが、あくまで古いデザインにこだわってる所。
実際に使ってみて、そこが僕的に好ポイントになりました。
例えるなら、昔のデザインのままのハイブリット車というか
中身がプリウスのS20系クラウンというか
あえてのオールドスクール感をトラブルなく味合わせてくれるのがスピナーファンにとっては嬉しいところ。
しかも値段も安いので、一個持っておくと普段と違たシンプルで昔ながらの渓流ルアーフィッシングを手軽に楽しめるはずです。
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