【謎のルアーを追え!】Dコンタクトの偽物?アウトロールアーの正体をつきとめたらニジマスまで見つけた

釣り超コラム
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その商品を見つけたのは3ヶ月程前のこと。

メルカリでルアーを買おうと色々と調べて「スピアヘッドリュウキ」を購入しようと思ったときです。

リュウキは元から安いのですが、中古ならばさらにやすい。

最近メルカリで商品も売れたし、その売り上げてルアーを買おうじゃないかとウキウキと調べていたんですよ。

ところが、リュウキで検索したにも関わらず、なぜかDコンタクトが検索画面に出現している。

しかも5個セットで2500円?

そんな安いわけないだろ、どれだけボロボロなルアーなんだよと思ってタップし商品画面を開いてみる。

すると、凄まじく新品。

けど、何かが違うというか、なんか色合いも模様も見たことがないモデル。

なんだこれ?え?Dコンタクトじゃないの?

とか首をひねりながらタイトルを見ると、「リュウキ、Dコンタクト」の文字がある。

普通商品タイトルをつけるのにこんな紛らわしい付け方はなしし、リュウキ欲しい人にDコンタクト売れるのか不思議に思う。

しかし画面を下へとスライドさせると、そこには大量のリュウキが売られている。

しかも、どれも新品で、驚くほど値段が安い。

セットばかりで売られているのに、まるで仕入れてきたリュウキをさばきまくっているような感じ。

そしてもう一度Dコンタクトを見てみる。

そしてはっきりとわかる。

こいつは・・・パチものルアーだ!

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メルカリに大量出品されている偽ルアー達

ルアーの形に著作権は存在しない。

とはいえ、ここまでそっくりのルアーが販売されているとは。タバコを吸って、酒を飲んで落ち着くしかないというか。

それから冷静になってもう一度メルカリを調べてみたんですけど・・・

もうね、ここまでパクりルアーが出てたら唖然とするしか無いというか。

なにこの量って位売ってるし買われてるわけですよ。

一体このパクリルアーはどこからやってきたのか?

確かにDコンタクトやリュウキは渓流ルアーの中でも人気のアイテム。

知名度も高く、海外への流通量も多い。

だからってパクリルアーを作っていいわけではないのだけれど、その販売価格があまりに安すぎる。

5個で2500円なら、一個500円でDコンタクトが買えるということ。

つまり、本物のわずか3分の1の価格。

そんな値段で本物そっくりのルアーが売ってたら、そりゃ試しに買ってみようとしてしまうのはわかる。

しかしどうだろうか?パクリルアーを買ってしまうなんてとか思いながらも、前回ブログでDコンタクトを値段が高いとディスりまくっていたことを思い出します。

もしこれがDコンタクトと同じ性能だったとしたら?

考えた時にはすでに購入ボタンをタップしていたのは言うまでもなく、ついに僕はパクリルアーに手を出してしまったのです。

試しに偽Dコンタクトを買ってみることにした

偽のDコンタクト以外にも、多数のパクリルアーがメルカリで売られていました。

その数はあまりに多く、もはや有名ルアーには必ずと言って良いほどパクリがあるレベル。

特にDUO系のルアーは圧倒的にパクリが多く、ありとあらゆるルアーのパクリが販売されていましたね。

おそらく、どこからか大量にパクリルアーが流れていってるんでしょうが…

にしても、この売り方は利益を上げるつもりのやりかたです。

売っているユーザーはパクリルアーをほぼ専門的に売り続けていますし、検索ワードにはネタ元のルアーを設定。それなりに儲かるんでしょうから、仕入れ値はさらに安いはずです。

到着したDコンタクトを回収して驚く

さて、それから数日後。

メルカリからの商品が届いたとの連絡があり、僕は公衆トイレへと向かいました。

この場所は僕がメルカリから「とんでもないブツ」を買う時に使用する場所。

大抵が違法なものを取引するさいに使用するのですが・・・例えば内緒のヘソクリで買ったルアー、リールなど、見つかればすぐ反逆罪で処刑されるようなモノはすべてこのトイレに届くのです。

しかしいつもの場所にはない。

クソ…買収した郵便局員が裏切ったか?いつもワイロとしてガマカツのシングルフックを渡してるっていうのに!

しかし、トイレの裏側を探ると茶封筒が一つ。

よかった、間違いなく例のブツ。

中をあけると、ラッピングされたルアーが5つ。

その一つを開けてみる。

「うそだろおい・・・」

一目みてわかるほど、そのルアーはDコンタクトに似ていました。

塗装はわずかに雑さがあるし、本物とは色味も違う。

けれどボディの形、リップの形状、アイの位置、そして重心まで本物そっくりで、おもわず冷や汗が出ました。

さすがにこれはマズイだろ・・・

そんな感想が自然と口をついて出てきました。

本物そっくりの偽Dコンタクトの正体は?

手元にそろった5本の偽Dコンタクト達を眺めていると、明らかに偽物だとわかる部分が大量にあることがわかります。

例えば塗装はやはりザツで、内部のホログラム張りもザツ。

リップ近くまで塗装しきれてもいないし、肝心の塗装も色が暗く、安い塗料だけで塗ったのがよくわかります。

ただ、その形状はあまりに似ている。

ボディウェイトはいずれも4.5~5gと微妙にバラバラながら、全長は5㎝きっかり。

ウェイトの重心もわずかな後方重心に設定されているらしく、ベリーフックを持った時の傾き具合はかなり似ている。

極めつけはボディの形とリップ。

ここはまさに瓜二つ。

もし塗装やアイの形、特徴的なエラ模様まで似せれば、誰も見分けが付かないレベルにまで仕上がるでしょう。

写真左が偽物、右が本物

このルアーが、アジアの何処かで作られて売られているのか?

そして、メルカリで売っているやつはそれを仕入れて転売しているのか?

それとも、このコピー品を作った人間が流しているのか?

そうくると、香港ノワールの傑作「男達の挽歌」の冒頭でも偽札を作っていたのを思い出してしまった僕は察しましたね。

もしかしたら、これは命がけの戦いになるかもしれないと。

それまでジャッキーなどのカンフー映画しか知らなかった僕が、アジアの恐ろしい世界を見知った初の作品。

このチャイナ・アウトローなルアーの正体を突き止めた場合、僕もあの映画のようになってしまうのか?

もしかしてチャニーズマフィアに消されてしまうのか?

それともレイバンに二丁拳銃で派手な撃ち合いを演じることになるのか?

そんなことを考えていたら身震いと共に、もう一度男達の晩歌が見たくなってしまった僕はDVDをセット。

懐かしい若きユンファの姿と「英雄本色」のタイトルクレジットを片目に調査を開始したのです。

当然のごとくアリババを調べてみる

残念ながらルアーに刻印が一切ないため、販売もとをすぐに調べることができない。

ならまずはあそこだなと、レイバンをクイっとしながらアリババをチェックしたのですが、もう速攻で出ててきましたね。

発売しているのはproleurreというショップですが、このショップには「Japan lure」のキーワードで商品が出てくるように設定されています。

で、案の定他にも日本製のルアーらしきアイテムが大量にある。

いや、それだけじゃない。

Rapalaやアメリカンルアーなども模倣したような商品も大量にあります。

しかも値段が恐ろしい。

Dコンタクトにそっくりのルアーは

日本円にしておよそ300円しかしないんです。

あの高級インジェクションルアーであるDコンタクトが、たった300円?

普通に計算して、その金額は5分の1以下。

もはや原価なんて軽く通り越したような値段で売られてるし、これならメルカリで売ろうが利益がでますね。

日本製ルアーの模倣品を求める客が多いらしい

これだけDコンタクトにそっくりのルアーですが、どう見ても偽物なのは明らか。

どこにもSMITHなんて書いてなければ、「Dコンタクト」の文字すらないんです。

しかし、そのレビューを見ればどれも高評価ばかりなんですよ。

購入層は世界中に散らばっていますが、ロシアやヨーロッパ層がかなり多いし、日本人からの評価なども出ています。

これだけ高い評価を付けている理由が何かはわかりませんが、間違いなく「偽物」だとわかって購入しているからでしょう。

本物ソックリの偽物ではなく、本物に似ているだけの偽物をなぜ買うのか?

その理由は、間違いなく値段の安さに他ならないはず。

僕も貧乏人だからよくわかります。

前回のDコンタクトだって、ロストした時のメンタルダメージがでかいことを真っ先にディスってた位ですから。

しかしですよ?

もしも、Dコンタクトに近い性能を持つルアーが、わずか300円で買えるとしたら?

買うでしょうよそりゃ。

貧乏人ならなおのこと、こんな美味しいルアーに飛びつきたくなるわけですよ。

それこそ塗装なんて細かいところはどうでもいい。

Dコンタクトに近い動きさえしてくれるならエエねん兄ちゃん

そんなつもりで買うでしょうし、このルアーをアリババで買った人間達の大半はそのつもりでしょう。

誰が偽Dコンタクトを作っているのか?

こんなもの、一体誰が作っているのか?

発売しているショップを特定できたものの、肝心のルアーメーカーまでは普通の検索では調べようがありません。

そこでアリババにある偽Dコンの写真をよく観察すると、僕のもっているルアーとわずかに違う点があるのに気が付きました。

それはルアー上部にある、わずかな線。

僕のもっているルアーと塗装やアイの形まで同じルアーなのに、なぜか背面に細い線が入っているのです。

この線は一体…何か文字のようにすら見える。

そこで他のサイトで見つけた偽Dコンタクトの画像とアリババで見つけた画像を比較したのですが、その線はアリババにしかない。

つまり、背面にテキストありのモデルと、無しのモデルが存在することになります。

ルアーの背面に文字を書くとしたら、それはルアーの名前かメーカー名に他ならない。

そらく生産元はショップに納品する再にはメーカー名をつけたものを売り、そうでない場所にはノーネームで売る。僕のようにメルカリなどのオークションやマイナーなECで買う時には、おそらくノーネーム品を出してるんでしょう。

そこで画像から推測できる文字を持つルアーメーカーを丁寧に調べてみると、一つの企業へと行きついたのです

発売元はタイ?

画像を調べた結果、ルアーの背面にある文字は「LURE MASTER」であると推測。

そこでメーカーを調べてみると、幾つかの企業が見つかりました。

さらにそこからメーカーを一つ一つチェックすると、タイにある会社のフェイスブックページからたどり着いたショップで、僕が持っているDコンタクトとまったく同じものを見つけたのです。

画像引用元;LURE MASTER

その会社は、なんとタイにあるルアーメーカー。

正式名称は「Lure Master Gold」

ルアー名は「DCT」

もうね、どう見たってDcontactの略称ですよ。

設立は最近ながら活動はかなり目立っており、フェイスブックページや公式ページだけでなく、ユーチューブ上でも盛んに動画をアップロードしているのです。

この時点で僕の予想は完全にくつがえされました。

この手のルアーを売っている会社なんて絶対に公の場に出てくるわけないと思っていたし、企業名やアドレス情報から親会社をつきとめ実態を暴こう位に思ってたんです。

しかし、ルアーメーカーの名前がわかったとたん、情報があふれかえる僕のブラウザーは「Lure Master Gold」の一覧で埋め尽くされてしまいました。

さらにいえば、このメーカーが発信する情報だけではありません。タイのアングラーたちのレビューや、ユーチューバーが「釣れるルアー」と紹介している様子。

そして、きわめつけはフィッシングショーですよ。

Lure Maste Gold社はPoseidongroup(PSgroup)と名付けられた釣具合同会社に属しており、そのgroupはタイのフィッシングショーに参加してるんです。

しかもDUOやメガバスまで日本から呼んでるんですよ

動画をご覧になればわかるでしょうが、7分11秒地点でメガバスの広告の隣にPSGroupの文字があるのがわかるはずです。

日本のパクリルアーを作っており、日陰者であるはずのメーカーが、タイで堂々とルアーショーに参加?

まったくわけがわかりませんが、はっきりとしたことが一つ。

彼らは決して隠れているわけではなく、むしろタイ国内では釣り業界を盛り上げる一社となっているようなんです。

アジアの釣りでパクリルアーは欠かせない存在

この偽Dコンタクトを作ったルアーメーカーは、タイ国内ではそれなりに知名度のある会社でした。

にしても意味がわかりません。

フィッシングショーまでやって日本メーカーを引っ張ってくる会社が、なんでこんなパクリルアーなんて作ってるのか?

そのあたりまで調べてみると、タイ国内での釣りがこ10年で一気に盛り上がったのが大きな原因だとわかりました。

特に盛り上がりをみせているのは管理釣り場で、現地の富裕層や観光客を中心に釣りをする場所となっている様子。

また、ネイティブでの釣りも人気がではじめ、ルアーフィッシングが一気に定着しはじめたようです。

そこでタイ国内でルアー製造の需要が高まったのでしょうが、そんなノウハウを持つメーカーはおそらく無かったはず。

しかも人気のルアーはいずれも海外製。

基本的に富裕層には売れても、タイの若者に届くような品ではない。

だからこそ安価なパクリルアーが登場したというのは、第一次釣りブームが起きた70年代の日本と状況がかなり似ていると感じました。

当時の日本はルアーを製造する能力がとぼしく、海外製品が主力となっていましたし、日本製のルアーはいずれも海外メーカーの模倣品ばかり。

そこからオリジナルの路線を手に入れたのは80年代に突入するまでの間のこと。

そのような状況にタイがあるのだとすれば、日本のルアーに良く似た商品を売りつつ、なおかつ堂々とフィッシングショーに参加しているのもうなづけます。

ただ、当時の日本と明らかに違うのは、タイは今なお経済的に苦しい国で、コピー商品大国であること。そして現代のインターネットビジネスの存在でしょう。

タイ国内は昔からコピー商品を作り続けている国

ゆえに日本国内に持ち込まれるコピー品もタイ産のものが多数ありますね。

それに賃金が低く、日本よりもはるかに貧しい生活を送る人が多いタイ国民にとって、輸入してくる「¥lure」なんて高級品。

そんな彼らが釣りをするためには、安価なパクリ品が必要だったわけです。

日本のルアーメーカーは対応しないのか?

それにしても、釣り発展途上国のタイは、現状日本メーカーにとっても美味しい市場。

そこで日本メーカーそっくりのルアーが販売されているのを何故黙認しているのか?

しかしこれ、決して許しているわけではないでしょう。

仕方なく諦めているというか…タイならば仕方ない的な部分もあるはず。

それに、機器自体が特徴的な動作を起こすよなシステムが組み込まれてないルアーには特許を出すことができませんしね。

ただし、特許はなくとも 意匠権があるはず。

意匠権とは、特徴的な外観と機能性を持つデザインを独占的に使用できる権利であり、コピー品排除のための必殺技みたいなもの。

ただし、意匠権を取得したとしても、「似ているがそれと見て明らかに違う」ようなデザインの場合、権利を侵害したとは認められないものが多いのも事実。

また、よほど特徴を有さない限り意匠登録もできないため、この世には知名度が高くとも、意匠権がまったくないルアーが多数存在すします。

よって、ルアーの世界は驚くほど似通ったアイテムが流通しているわけで…

ちなみにDコンタクトの意匠権を調べてみましたが、やはり存在しませんし、あるのは商標登録のみ。

となれば、タイ産の偽Dコンのようにわかりやすい偽物なら可愛いもの。

スーパーコピーを得意とする韓国や中国なら、パッケージまで似せてくるでしょうから、誰かがネットで買ったDコンタクトは、もしかしたら完璧な偽物かもしれません。

偽Dコンタクトを持って渓流に行ってみた

日本の渓流ルアーを元にして作られたタイ王国出身の偽Dコンタクト。

正式名称はModel-DCTというらしいのですが、この際偽Dコンタクトの名前で定着してもいいかなと思ってます。

さて、このルアーを買った目的はただ偽ルアーの存在を確かめたかったわけではない。

現在の偽ルアーはどこまで本物に性能が近づいているのか?

これを確かめたいがための購入だったのです。

貧困アングラーならば釣具コーナーで一度は夢見る

「もしもDコンタクトが300円で買えたなら?」

を実現している可能性がある禁断のルアーが、一体どこまでその領域に近づいているのか?

危ないもの好きの僕は試さずにはいられませんでした。

本物のDコンタクトと偽Dコンタクトを比較

偽Dコンタクトが届いた翌日、僕は朝の仕事前の時間を使い渓流へと向かいました。

僕の渓流釣りは基本朝方行うもので、土日など関係ない僕の生活では休み一日使って釣りなんてとうてい考えられない。できるのは朝の1~2時間。行けるのは近所の渓流だけ。

それでも隠れた河川が多い天塩川水系では十分釣りになるし、偽Dコンタクトのアクションをチェックすること位、文字通り朝飯前。

向かったのは本流から延びる一本の支流。

このポイントは僕が行く河川の中で、唯一別のアングラーと出会う場所。他はあまりに過疎っているため、まず出会うことはありません。

そこでDコンタクトがマッチしやすい、深みのポイントを選択。

水位は上昇して流速もあるものの、ヘビーシンキングが一番使いやすい状況です。

偽Dコンはアイのトゥルーチューンが必要だった

まずはじめに偽Dコンタクトを投げてダウンでの動きを確認すると、困ったことに体を斜めにしています。

これはアイのトゥルーチューンがなされてない証拠。

ということで早速アイをイジってやると、まっすぐ泳ぐようになりました。

まぁこれくらいは海外ルアーなら当たり前。

ラパラなんかは常にトゥルーチューンを施して製品管理してますけど、アメリカンルアーなんかその手のものが多いので許せる範囲です。

ダウンでのアクションは確かにDコンタクトに似ているが…

続いて流れの下流側にルアーを投げ、そのままアクションを観察。

すると、ルアーの動きは確かにDコンタクトに似ていることがわかりました。

流れがゆるければテール側を下げながら漂う姿勢や、抵抗がかかるとヘッドを左右に振りながら泳ぐ姿はかなり似てる。トゥイッチをかけるとヘッドバンキングのように跳ねるしぐさまでそっくり。

似ています。

たしかにDコンタクトに似ています。

ここは予想以上というか、ダウンでの動きはあまりにもDコンタクトに似ていて、動きだけで別のルアーだと判断するのは難しいかもしれません。

ただし、前述のとおりルアーごとにウェイトが若干違うせいか、似ているルアーと似てないルアーが存在しますね。

あと泳ぎ出すまでの動きはオリジナルDコンのほうが速いし、その後の安定感も高いです。

アップクロスでの動きはスライド幅が大きく若干スロー

Dコンタクトの本領は渓流でのアップクロス。

というわけで最後に上流側へと投げてボトムをとりつつ、Dコンタクトを動かすのとまったく同じ動きでアクションをチェックしました。

あまり遠くに投げると動きがみえないので距離5mほどでの確認でしたが、動きは若干の違いがみられましたね。

まず、キレが足りない

本物のDコンタクトはロッドワークに機敏に反応し、スパン!とヒラを打つのに対して、偽Dコンは反応が少しスローです。スパーン!って位に、わずかに遅れるんです。

しかも動きが大きい。

ダート幅がでかいので、遠くから見てもガンガンルアーが動いてるのがわかります。

これもタイプ2の動きにも似ているかも?

でもタイプ2にしては沈下速度が明らかに早い。テール側からストン。

釣れない動きではないと思うし、むしろ低活性ならこっちのほうがいい。ボトムを狙うのも効果的。

それに、慣性スライドは確かにしているし、うーん

浮力が足りないタイプ2

この新種ともいうべきDコンタクトの動き。

あえていうなら浮力が足りないタイプ2

タイプ2センター重心にしたもので、水平フォールが特徴。

だからフォールも遅いし、ダウンでも安定している。

で、これはウェイトバランスは後方重心ぎみだし

おそらくタングステンウェイトが使われてない。

その結果、ウェイトルームが狭く、浮力が足りない。

だからフォールが異様に早く、しかも動きがスローながらデカいし慣性まである。

キレはないけど、ダート幅は大きいし速攻で沈むタイプ。

おそらくはSMITHがタイプ2を作る前に、すでにこの手のルアーを作ってたとしたら

「アカンなこれ」とスルーしたかもしれない。

しかし、タイのルアーメーカーがわざわざ作って売ってるんでしょう。

この性能、正直いって止水のフィッシュイーターに効く気がする。

後方重心のままの5gなのでまぁよく飛ぶ。

いかもダート幅がでかいので、まるでジャークベイトですよ。

本物のDコンタクトにチェイスが

偽Dコンタクトの動きを一通り確認したあと、一旦本物のDコンタクトにチェンジします。

キャストフィールは偽Dコンのほうが少し良い。これは重量のバラツキのせいで、本物よりもタイプ2に近い重量となっているからでしょうね。

しかしアクションはやはり本物が良い。

トゥイッチに対するレスポンスの良さ、動きのキレなど、やはり本物のほうが良い。

さすがに300円のルアーで、あれほどの動きを出せるルアーは作れないのか?

と、嬉しいような悔しいような複雑な気持ちで、今度はドリフトさせてダウンの動きをチェック。

なるほどね、ボトム狙うならこっちのほうがやりやすいし、活性低いやつにはじっくり見せれる……

なんて思っていたら、足元に迫ったルアーを追って黒い影が出現したのです。

「・・・うぇ?」

足元でピックアップ寸前。おもわず動きを止めてしまったものお、まずいと思って即座にトゥイッチを入れる。

の瞬間一気にルアーまで魚が追いつきましたが、テール部分に口先が触れた時点でそのままUターンしたのです。

しまった、針に触れてしまっただろうか?

見ている限り、針先に触れたかどうか判断できないレベルでしたし、ラインにはテンションは一切伝わらなかった。

だとしたら、もう一度チャンスがあるだろうと対岸にわたり、魚が潜んでいるだろう当たりにDコンタクトを投げまくります。

しかし食わない。

おそらく魚が潜んでいるのは、流れの後ろ側のボトム。

そこにルアーを届かせればもう一度反応を得られるかと思ったのですが、流れが深すぎて上手く届いているかわからない。

まてよ?もしかして、偽Dコンなら届くんじゃないか?

と思い、何を血迷ったのか本物のDコンから偽Dコンにルアーチェンジしたのです。

偽Dコンは本物よりもわずかに重く、アクションも多少キレがない。

こっちのほうがフォールが速く、ボトムまで届かせやすい。

アクションはスローだから浮き上がりにくいし、リアクションで食わせられるかも

そう信じて魚がいるだろうポイントにドリフトで侵入させ、トントンとトゥイッチを入れていく。

しかし出ない。

やっぱりさっきフックに触っていたのか?さっきよりもボトムにルアーが届いている気がするんだけど・・・

と思っていたら、トゥイッチ後のロッドが元に戻らない。しなったまま。

それからモゾっと何かが動く気配がラインを伝わってくる。

あ・・・これヒットじゃないの?

うぇえ!?

と混乱している間にドラグが出ていく。重い。絶対さっきのやつだ。

いやまって・・・でもね?でもこれDコンタクトじゃないんですけど?

偽Dコンなんですけど??

とか思っていたけど、食わせられると思って投げたのは僕。

けど本当にヒットすると軽くパニックになりますね、あるのこんな事?

とりあえず鱒レンジャーのベイトで挑んでいますが、リーダーは10lbのフロロを使用。

ロキサーニBF8のドラグをきつめにして、P0.8で煽る。

すると、だんだん姿が見えてきました。

金色の体に虹色の婚姻色。なかなか大きいニジマス。

しかもオス。

まだ越冬から回復しきってないのかパワーがありません。

よーし、だったらそのままランディングだとネットを取り出し、距離をつめようとする。

すると、突然フルパワーを発揮し水中へと潜っていったのです。

焦ってランディングせずによかった。

けど、体力のないやつだと油断していたせいで、いっきに持ってかれ転びそうになる。

「クソーーーー体力あるやないかーい」

とか突っ込みつつ耐えながら、どうしようかと困る僕。

なんだこいつ…おもったより体重もあるぞ・・・ぜんぜん浮いてこない。

これ以上ファイトを続けて持久戦をやってしまうと魚体が可哀そう。

くそー・・・あ、そういえば何かで見たことあるけど、魚って引っ張る方向と反対へ進もうとするんだよなぁ・・・

ということで、魚が向かおうとしている流心方向にあえてロッドを倒してみる。

すると突然魚が進行方向をかえ、ランディングポイントまで勝手に走り出したんですよ。

こんなに上手くいくなんて、みんなもぜひ試してみてね!!

とかハッピーなセリフを言おうとするけど、食いしばられた歯は開かない。

グヌゥウ…デカイなこいつ…重ぉお・・・

と、最後は力づくで一気に寄せてランディング。

釣れたのは50㎝は軽く超えているオスのニジマスでした。

60upまでは行かないサイズだろうけど、体が太いせいで重い。

きっと支流に入たあと、ヤマメや降下するサケ稚魚なんかを食べてるんでしょうね

背中に肉がついてるせいで、顔がとても小さく見えます。

ゴツい上にレッドバンドが凄まじくでてる。美しい、見事です。

この太いニジマスを釣ったせいで、息も絶え絶え状態。

そのままリリースしたあと、改めて偽Dコンタクトをチェックしましたが、壊れてる箇所もはなし。塗装すら剥げてません。

──このルアー、思ったよりもヤバイ。

たかがパチもの。

しかも繊細な渓流ミノーの偽物なんて、どうせまともに動くわけないだろうと思ってたのに。

むしろ本物のフォローで役に立つレベルにはなってるんです。

偽ルアーは本物を脅かす存在になるのか?

実釣テストでまさかのナイスフィッシュをかましてしまった偽Dコンタクト。

いまやディスろうにもディスれないというか、その実力はすでに証明されてしまいました。

では、こうした偽ルアーは今後本物の領域を脅かす存在になるのか?

これは想像の話となりますが、確かに脅かす存在にはなるのは間違いありませんが、そのままコピー品に甘んじるようなメーカーばかりではないでしょう。

コピー品を作るのは欲のせいであり、売り上げが出る以上作るのをやめるわけがありません。

ロゴもいれず、デザインも微妙に違うルアーならば法律上のグレーゾーンを渡り歩けるのですから。

しかもこの手のルアーには間違いなく需要がある。

本物でなくとも釣れれば良いというなら、偽Dコンタクトですら釣れる。なら、とくに細かいことを気にしない人なら買うのは当然。しかも値段は通常の5分の1ですから、貧困層にとってはこれほど良いルアーはない。

しかし、それは売れるルアーを作れないメーカーのやりかたでもある。

人間が金銭欲以上に強い自己顕示欲を持ち続ける限り「オリジナル」で勝負しようとするのは必然ですし、この偽Dコンを作るPSgroupもオリジナルの商品が多数ラインナップされつつあります。

力をつけたメーカーからコピー商売から撤退するのが普通。かつてのダイワみたいに。

もしタイにダイワのようなメーカーができて、アジアの釣り文化がより進展し、経済発展が進むにつれ、当然その手のルアーは減るはずです。

また、今後もこの手のコピールアーが市場に出回るでしょうが、僕はそれを一概に悪いことだと決めつけることはできません。

たしかに法律上はセーフであっても道徳的には悪いこと

ですが、そもそも僕は大した道徳観なんて持ち合わせていませんしね。ごめん。

それに、タイの釣り文化発展に安価なコピールアーが貢献しているのも否定できない事実。

経済的発展が遅れているアジアの国では、高価な日本製ルアーを買えない若いアングラー達ばかりで、ルアーフィッシングなんて金持ちの道楽ですよ。

そんな彼らはアウトローなコピ―品の安物を使うことしかできないし、それでようやく釣りを楽しめてるのは確か

つまり、これはタイのスラム生まれなルアーみたいなもん

僕みたいな貧困アングラーにとっては、本物のDコンタクトよりも身近な存在にすら感じますね。

もしこのコピールアーを買おうとおもったら、転売屋にかからずアリババを使用するほうが良いでしょう。もちろん推奨するわけではありませんが、買ってもべつに犯罪ではないし、試しにチェックするのだってあり。

むろん「本物コピーして何やってんだ!」と憤慨するのもありだし、否定するのだって自由。

ただ事実としてこの話をしているし、ネット上にはこの手のルアーが以前よりもクオリティを上げ、より安価で手軽な商品となり出回っているのですから、メーカーにとっては不都合で、ユーザーにとっては好都合な時代が訪れているかもしれません。

今回の調査結果

というわけで、今回の謎のルアーの調査結果は以下の通りです。

【結果】

ルアー:model-DCT

メーカー:lure master Gold 

国名:タイ王国

渓流にトラウトが居ないはずのタイ王国でコピーされ生まれた偽Dコンタクトが、ふたたび日本の渓流に帰ってきてニジマス釣ってるんですから、もうわけがわかりませんね。

にしても、この手のコピールーアは多数あるけれど、そのどれもがコレほど普通に釣れる性能なのか気になりますね。

もし機会が次もアウトローなルアー達を調べてみたいと思います。

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