渓流釣りにおいて、PEラインは今や定番の選択肢となっています。ライントラブルを避けるため、スピニングでもベイトでもPEラインをメインに使う人が増えています。
しかし、PEラインの先につける「リーダー」はどうでしょう?ナイロン?フロロカーボン?意見が分かれるこの選択こそ、実は釣果やトラブルに直結する重要なポイントです。
この記事では、渓流釣りでPEラインに接続するリーダーについて、現場での実体験とともに解説していきます。
PEラインのリーダーにはフロロが常識?
実は“理論上”の話かもしれない
ルアーフィッシングでは「リーダーはフロロカーボン」というのが通説です。擦れに強く、沈みやすく、アタリもとりやすいと言われています。初心者向けの解説でも、フロロから始めることが多く見られます。
しかし実際の釣り場、特に渓流のような自然の変化に富んだフィールドでは、「フロロが一番良い」とは限りません。
特に僕が釣行する北海道の渓流では、ナイロンリーダーを使用しているアングラーがとても多いのです。
なぜ北海道ではナイロンリーダーなのか?
僕が使うのは殆どナイロンリーダー、だいたい10LB前後。フロロを使うのは本流のみで、小さな渓流では大体ナイロンリーダを使います。
それは魚が大きいからとか、バレにくいからとか理由は色々ありますが、一番の理由は、同じ号数でもフロロを使うと簡単にラインブレイクを引き起こしてしまうから。
というのも、僕が行く渓流、つまりフィールドに多い“尖った岩や石”の存在です。こういった環境では、リーダーが石や岩に接触するリスクが高く、フロロにするとすぐにラインブレイクしてしまいます。
しかしナイロンにすると、突然ラインブレイクが起きなくなる。
それは、ナイロンが擦れに強いのではなく、そもそも川底の尖った石や岩にラインが触れにくく、強く接触しないという特徴があるからなんです。
フロロは根ズレに強いが尖った石や岩には弱い
なぜフロロにするとすぐにラインブレイクを起こすのかというと、基本的には「フロロが沈むから」というのが一番大きいです。もしフロロが沈まなければ、ナイロンよりも持つかもしれない。
けれど沈む以上、僕の行くフィールドではナイロンよりもラインブレイクします。
沈むフロロは石や岩と接触しやすい
フロロは確かに擦れには強いです。水草や倒木のような柔らかい障害物との接触なら、フロロの硬さが活きてきます。テトラポット、岩礁帯、ここでもフロロは強いです。なぜならそれらは、だいたい表面に苔、藻、海藻などがついていて、鋭利な部分が少ないんです。
しかし、尖った岩や石が多い渓流では話は別ですし、そもそもソレは「擦れ」ではなく、ラインと尖っった石や岩が勢いよくぶつかる「衝撃」によりできた傷が致命傷となることが多いのです。
そして、石や岩と擦れるといっても、渓流の石や岩というのは転がって削れて出来た天然の砥石みたいなモノばかりですし、鉱石渓流みたいな所は角張った岩や石ばかりです。
つまり、もはやヤスリか、原始時代のナイフみたいな代物にラインを擦るというか、おもいきりブツケていると思っていいです。
そうなれば、もはや細いフロロでも細いナイロンでも似たようなものです。擦るというより、トゥイッチなどでラインが石にぶつかるだけで傷がつく。
となれば、そもそも沈むフロロのほうが、川に沈むヤスリやナイフと多く接触する。フロロリーダーを使った場合、水よりも重い比重のせいで、ルアーがなにか石や岩にぶつかった場合、かなりの確率でラインもその岩や石と接触してます。なんせ沈むから。
つまり、沈むラインは圧倒的に消耗が激しいと思っていいです。フロロでなくと、沈むラインなら全部こうなります。
おまけに、その当たりかたがフロロのほうが強いし、小さな切り傷のようなモノが致命傷になりやすい。
なにせ、フロロは感度がいい・・・つまり硬いから。
つまり石や岩と接触しやすい上に、衝撃を逃がせない。鋭利な一点集中の衝撃をもろにうける。
一方、ナイロンは弾性がたかく、伸縮性があるということは、衝撃が逃がせる。
そしてナイロンのほうが、こうしてできる小さな切り傷があっても、けっこう粘る。そこから根掛かりやフッキングでラインブレイクする確率が引くなります。
反対にフロロはどうなるかというと、僕の経験上、見た目も大丈夫で、触っても傷がないと思っていても、気が付かない小さなキズが原因で、根掛かり、キャストの高切れ、そしてフッキングのタイミングでラインブレイクします。鋭い石や岩との接触によって出来たワズカな小さな切り傷が、強い衝撃で一気に広がり「パン!」と、前触れもなくラインが切れる感じで、特に渓流で使うような細いフロロは触ってもわからないレベルの傷が原因でラインブレイクを起こすんです。
というわけで、結果的には、接触率が圧倒的に高いフロロラインのほうが切れやすい結果を生み出してしまいますが、僕のフィールドに限ったはなしではなく、石や岩がゴロゴロしているような場所ではまったく同じ現象が起きます。
これを僕は「フロロトラップ」と勝手によんでいまして、いたる場所で渓流ルアーのタックルとして推奨される「PE+フロロ」なんですが、初心者がそれを信じて使うと、ものの5分でラインブレイクを引き起こす。そして理由がわからない。「なんで根ズレに強いフロロなのに簡単に切れたんだ?」みたいになるんですよね。
ナイロンは浮きやすさと衝撃吸収が生きる
一方、根ズレに弱いとされるナイロンは水に沈みにくいため、水中でフワっと浮いているようなラインテンションになります。
そうするとどうなるか?水中ではルアーが最も下側にきて、そこから斜め上に放物線を描くかのようにラインが水面へと伸びていく。
つまり、ボトムに真っ先にぶつかるのはルアーであり、ラインは上へと逃げている。その結果、ラインが受けるダメージがフロロより低い。根ズレに弱くとも水中で浮くことによって硬い岩や石とラインの接触率を減らし、ラインブレイクを防ぐという特徴が存在するんですね。
それが岩や石にはナイロンが強いと言われる理由。強いっていうか、そもそもぶつかりにくいんです。
なので、渓流でなくとも岩盤帯が多い湖でのレイクショアジギングなどでもナイロンラインが多く使われます。感度はもちろん劣りますが、ここでもラインが上へと逃げてくれないと、岩におもいきりラインがぶつかってすぐダメになちゃうし、魚が掛かって走られた時の衝撃による切れや、ファイト中に岩にラインが接触してしまうのも怖い、なんせ小さなキズ一つでフロロはパツンと切れるから。
なので、こんな場所でフロロでやるとリーダーの交換頻度が高くなりすぎて釣りにならないです。
また、柔軟性が高く、衝撃を吸収しやすいため岩と接触時に衝撃を逃してくれます。ナイロンラインが岩や石と接触したとき、フロロのように欠けるよな傷というより、ラインが潰れて変形しているような状態か、白く表面が擦れている感じです。
そして一番良いのが、傷が目立ちやすく、トラブル前に異変に気づきやすいんです。フロロはそもそも傷が目立たない上に、そんな小さな傷が致命傷になり高切れを起こしたりするけれど、ナイロンはそもそも傷が目立つんでダメになるのがわかりやすい。ゴワゴワしてものすごい白くなるから。
そんなわけで、僕が行く岩や石だらけの渓流で何度も試しましたが、安価なナイロンでもフロロより長持ちしてしまう。それもラインの値段や感度に関係なく、フロロであれば何でも沈む。だから石や岩にガンガンあたってしまい、10分ともたないし、持たせるためにはだいぶ太くて硬いフロロにしなくちゃならないので、そもそも渓流用の小口径ガイドタックルなんかで使えないんです。
北海道遠征なら特に注意!
釣りにおいて「常識」とされることは、実は“その人のフィールドでの常識”であることも少なくありません。
特に北海道のように尖った岩が多いフィールドでは、細めのフロロリーダーはほぼ即死級の脆さになります。
それに比べて、ナイロンリーダーを使用すればトラブルも減り、ストレスの少ない釣りが可能になります。もしラインブレイクが多発していると思ったら、ナイロンに変えるとラインブレイクが減るかもしれません。
それから「ボトムを攻めやすいからフロロがいい」と思って使うと、すぐにラインがダメになったりしますが、それも結局フロロがボトムと接触しまくってスグにラインをダメにしてしまうから。
それが起きるようなら、ナイロンラインを使って、ちょっと重いルアーを使ってボトムを攻めたほうがいいです。そっちのほうがラインが受けるダメージを減らせますから。
まとめ:現場の環境でリーダーを選ぼう
- フロロリーダーは擦れに強いが、岩場の“衝撃”には弱い
- 北海道など、尖った石が多い渓流ではナイロンのほうが有利
- ナイロンは浮きやすく、ラインの状態も目視しやすい
- 理論よりも「釣り場の環境」に合わせた選択を
あなたが行く渓流がどんな特徴を持っているのかをしっかり見極め、リーダーの素材や太さを選ぶことが、渓流釣りでの大きな一歩になります。

