渓流ルアーをやってると、ミノーで魚を釣らないと、なにか物足りない気がすることがある。
これに関しては、わりと多くの渓流ルアーマンに「ミノー投げないと釣った気がしない」現象が起きているのを確認しているので、恐らくワシだけでは無いんだろう。
けれど、そんなのは幻想だ。
なんかほら、渓流といえばミノーみたいな固定概念みたいなものだ。そんなものぶっ壊せば良いじゃないか。それに僕はスプーンを頻繁に使うし、スピナーだってつかう。渓流でミノーを投げなくてもぜんぜん渓流ルアーフィッシングをやっているし、そもそも
──と、早口オタクでまくし立てることはできる。
だが、たしかにあるのだ、なんか
「・・・なんか、ミノーで釣った魚が一番釣った感あるな」
という現象が・・・ぐぬぬぬぬ
なぜだ!どうして!なんで渓流ではミノーが一番釣った気がしちゃうんだ!失礼だろ!スプーンに失礼だろ!スピナーは・・・くそ!とにかくミノーが一番なんて認めないんだから!
渓流でなぜミノーが一番釣った感があるか考えてみる
渓流といえばミノーという風潮に抗いたい反抗期のオッサンである僕。
しかし、やはりある、渓流ルアーフィッシングでは「ミノーが一番魚釣った充足感」を得られるという、謎の現象が。
クソ・・・一体なぜだ!なんでスプーンじゃなくてミノーなんだ!
だいたい釣果的には、ミノーもスプーンもそんなに変わらないし、むしろスプーンのほうが根掛少ないし、値段だって安い。
なのに、なぜミノーなんだろうか?
ルアーを動かして魚を掛ける充実感
今年僕が渓流で使ってきたルアーは、半数以上がスプーンだ。
ミノーは釣りの半分以下で、わりとあらゆる場所でスプーンを投げてきた。
けれど「んじゃあ、そろそろミノー使うかな」という時は、だいたいミノーが向いているエリアだとか、活性とか、そういうのではない。
なにせ、スプーンとミノーでは釣果に大きな差などない。むしろスプーンのほうがストレスなく釣れるほどなので、実際は最初から最後までスプーンを投げ倒したほうが釣果は上がる説すらある。いや、言い過ぎでもなんでもなく、それくらいスプーンは快適だ。
おまけに、スプーンはそれほどルアーを動かさずに魚が釣れる。
ミノーの場合だと、しっかりシェイクやトゥイッチをしないと動きが出ない。アクションを出すために、しっかりリップに水を受けさせ、バランスを崩してやる必要があるからだ。
一方、スプーンはただ巻きやフォールが中心だし、トゥイッチやシェイクも軽くて良い。ちょっと動かしてやれば、簡単に水中でヒラヒラっと不規則なアクションをしてくれる。なので手首も疲れにくいので、ストレスが少ない。
にもかかわらず、ミノーを投げようと思ってしまう。
つまり、ストレスが欲しいのだ、なにかこう、心地よいストレスというやつが!
ミノーイングという抵抗値が欲しくなる
ストレス、というとザックリとしてしまうが、ようは「噛み応え」みたいなもんだと思う。
渓流で使う外のルアーは、基本的に巻きが中心で、なおかつ抵抗が少ないものが多い。むしろ巻きの釣りだと感じるものが少ない。
一方、渓流で一番負荷を感じられるのが、ミノーイングだ。
釣りあがりの釣りでは、リップで水を受けるミノーを弾くのが、一番ロッドがしなってるし、手も動かしてるし、やりすぎると手首が痛くなる。いや一回ほんとうになってしまって、ミノー投げるのやめたこともある。
しかし、この「釣りごたえ」みたいなのが、やはりミノーイングをやってしまう原因なんじゃあないかと思ってる。ほんと手首痛くなるまでやるのはダメだが、そこまでやらせてしまうミノーが凄いという気もする。
やはり、適度なストレスは快楽なのか?
「いくぜ!攻めてるぜ!うひょー!」みたいな感じは、手を動かし、ルアーが水の抵抗を受ける重さを感じることが重要なのかもしれない。
渓流ミノーは魚に仕掛けて釣っている感じがする
ルアーフィッシングは攻めるだけじゃないけど、やっぱり攻めたい、というタイプが多い。
僕もやはりそうなのだが、攻めるというよりは、具体的には「アクションを掛けて魚を引きずり出して釣りたい」ってことになる。
ルアーを投げる、着水、そこからロッドを使ってアクションをかけて、チェイスを確認して、喰え喰えーと念じてる時に、魚にひったくられたルアが真横にスコーンと飛んでいく。
この一連の流れを渓流で味わえるのがミノー。
というか、バスのジャークベイトを使った釣りのミニバージョンみたいな感じが凄いする。
ブラックバスはジャークベイトを多用するアングラーが昔から多い。それこそトップウォーターと同じくらい中毒性が高いので、それしか投げない人もいる。
で、ジャークベイトをやってる人は、やっぱり「アクションを掛けて魚を引きずり出して釣る感覚」の中毒になってるし、そのアクションがロッドを動かし、大きな抵抗をルアーにかけるトゥイッチやジャーキングだというのも理由の一つだと思う。
つまり、抵抗を感じる動きと、アクションによる攻めの釣り。
こいつが両立する渓流のミノーイングは、そりゃアングラーにとっては中毒。
しかも、こうした「抵抗」を感じれる大きな巻物は渓流では使えないこともおおいし、土台選択肢も少ない。
つまり、「やりごたえ」のある釣りが、渓流ではもうミノーしかないのだ、がんばれミノー、いまのところ君しかいないんだよ!
渓流のミノーはやっぱり見た目ですね
とかなんとか言いましたが、やっぱりね、見た目ですよ。
渓流でミノー投げて楽しいのは「カワイイ見た目のルアーが多い」からなんです、いやごめんほんと、それですマジで。
デザインも豊富だし、個性的なやつも多い、もちろん値段が鬼みたいなやつもある。
いやね、ほんと、見た目は大事。これで釣りたいなーと思ったら、ちょっと釣りにくいと思っても投げちゃうからねルアーって。釣果絶対主義なわけないですね、とくに渓流は趣を大事にするアングラーが多いから。タックルだって不便でも古いのみんな使うし、あえてのグラス派も多い。うん、ザ・道楽ですよええ。
で、その道楽性とやらを一番満たしてくれるのが、やっぱりミノーなのかなーと思う。インジェクションでもバルサでもね。
てなわけで、やっぱりミノーは投げてしまう、渓流アングラーのサガについてでした。