今回は Angler’z System(アングラーズシステム)からは販売されている名作スプーンであるバックス(BUX)についてのレビューです。
というかこのスプーン、一体何時から販売されているのか。
毎度のごとく中古釣り具店でスプーンを探していた1年前、偶然このスプーンを手に入れたのも今思えばすでに懐かしい思い出。
もはやこのスプーンしか使わない人も結構いますし、信頼度№1としてタックルボックスにストックが沢山ある方も多数いるでしょう。
かく言う僕も貧乏人ながら、中古のバックスを見つけ次第即座に購入。いくら塗装がハゲてようがお構いなし。カラーすらもおかまいなし。バックスが手に入るならそれで良い。
ところが、ある日気が付いたのです。
僕がバックスを買うと、1週間ほどで何らかの理由でロストする。
すると気が付くともう一度同じバックスを買う。
そしてまた数日後にロストするのですが、また同じルアーを買う。
最初はただ似たような日が続いていると思ったのですが、ついに気が付きました。
これはタイム・リープなのだと
バックス・タイムリープに落ちた男
ことの始まりは1年前。
バックスを購入し、そのままタックルボックスに温存していたんです。
たあ、そこまではよかったのです。
このスプーンを使うまで何も起こらずに日々が過ぎていったんです。
ところが、このバックスを使いはじめてから全てが変わったしまった。
いや、変わらなかったんです。何一つ。
朝釣りに行き、そのままロストするとmその日の日中旭川に出向き、中古やでバックスを買う。
すると翌日も釣りに行く。
で、やはりロストし、なぜかまた旭川に行く。
おかしいと思ったのは三週目。
もしかして、自分はタイムリープをしているのではないのか?
そこで様々な脱出方法を試みるもいずれも失敗。
どうしょうがかならず朝釣りに行くし、どうやっても旭川にいくし、何をしようがバックスのルアーを買うしかなくなっている。
バックスのスプーンを朝投げ捨てようが、必ず夕方に自分の手元にある。なにもせずともバックスのスプーンは消えてなくなるが、何をしようが必ず帰ってくる。一度など自殺を試みたものの、そのまま救急搬送され旭川の大学病院に運び込まれ、なぜかテロリストが病院を占拠され、警察の突入とともに外に逃げ出しこれでリープから抜け出せたかと思いきや、夜12時寸前でポケットにテロリストが入れたと思われるバックスに気が付き絶望したのです。
これがバックスタイムリープなのか?
バックスってそういう意味なのか?いいや違う。違う、けれどなんだこの記憶は。まるで幾度も同じことを繰り返しているような・・・そうか、そうかみんな!タックルボックスの中のバックスは永遠になくならないんだ。いやちがう!違うのか!?
つまりこういうことだ。
無くしたと思ったとたんに過去に戻り、中古屋でバックスを買ったあの時にもどる。つまりバックスがロストしたその瞬間に限界時間に到達するということ。この世界線に捕らわれたまま永遠と、僕はこの世界から抜け出せないんだ!くっそ!ということはバックスを永遠と買えるということなのか?
しかしなぜだ、なぜ財布の金は消える?
なぜルアー貯金の小銭が毎回減ってしまう?
くそぉおお!違う!これはタイムリープだ!バタフライエフェクトだ!シュタインズゲートの選択だ!エンドレスサマーだ!
というかふざけるな、初代タイムマシーンから何年たってると思ってんだ。
永遠と愛する何かを失い続けるシュチュエーションを見させられていると思ってるんだ!
むしろそこがタイムリープじゃないか!
だったらこのルアー小銭もリープすべきなのに一切リープしないっておかしいだろう?減るな!
まてよ、この小銭こそが平行世界の唯一干渉を受けない世界線なのか?
バックスのスプーンを永遠に買うためにはタイムリープしない世界線など必要ではないのだやめろぉおお!!お薬はさっきのんだぁあ!!どうせ未来は白紙じゃよとかバックトゥーザフューチャー的なラストでお決まりか!ほんとに白紙なのは僕の将来だばぁあかぁああ!!
と叫びながら今夜も精神安定剤を飲無前に、バックスのスプーンについて話してみます。
いなみにこの記事を書くことは15000回目のチャレンジですが、きっと今回こそブログを読んだ読者が起こす因果律の改変によってタイムリープを繰り返すバックス世界戦から本来のβ世界戦に戻れると信じています。
トラウトスプーンといえばバックスは外せない
バックス、正しくはBUXという名のこのスプーン。
トラウトフィッシングでは定番中の定番スプーンというか、もはやこのスプーンのみを使う人も多い。
というのも、この独特の形状から生み出されるアクションを好む人が多いから。
ただ、苦手な人はかなり苦手だったりするので、クセがとてつもなく強いのも事実。
ただしハマれば完全にバックス中毒となり、釣具屋でバックスを摂取するたびにバックス・タイムリープの中へといざなわれます。
というわけで、このタイムリープからぬだけだすべく、バックスのスプーンがなぜここまで僕に中毒症状をひきおこさせるのか?その原因を見ていこうと思います。
掟破りのフロントワイド形状が浮き上がりにくい
多くの人間を「バックス・タイムリープ」にハマらせるこの独特な形をしたスプーン。
本来はテール側が幅広なのが、まるで真逆になっているほか、カーブの形状も他のスプーンとは一線を画しています。
この「フロントワイド型」と言われるスプーンは、もはやバックス以外思いつかないレベル。
従来からあったスプーンの形状、ウイーローリーフ、ティアドロップ、への字形状のどれにも当てはまらない全く違った形状。
そして、この独特の形状が生み出す「浮き上がりにくさ」が、このスプーンを使う上で最も多くの人間をリープにおいやっている原因だといえるでしょう。
スプーンは本来、、カーブするテール側に受ける水圧によりアクションを起こすのですが、その水圧によって浮き上がりも抑えられています。
一方、バックスはテール側で水を受けるよりも、フロント側で水圧を受けたほうがルアーの姿勢が水平に近くなり、浮き上がりを抑えられると考えました。
その結果生み出されたのが「フトントワイド型」といわれるバックス独特の形状。
スプーンのフロント広げ、なおかつ逆カーブを大きくすることでルアーを水平にし、浮き上がりを抑えています。
若干複雑ですが、このフロントワイドな部分はプラグのリップのようなものだと考えればいいでしょう。
なお、その姿勢のままテール側で水を受けるとアクションが大きくなりすぎるため、あえて細いテールに仕上げてます。
この「浮き上がりにくさ」という特性は、河川でのスプーニングでは必ず必要な条件ですよね。
強い流れの中、魚たちは流れに押されないように、必ずといって良いほどボトム付近に待機しています。
そこにスプーンを通す場合、どうしてもボトムをキープできずに浮き上がってしまう。
これを昔はウェイトの重さや、スプーンの細さでカバーしていたのですが、バックスはフロントをワイドにするという発想でクリアしてきたのです
これにより、ボトムへスプーンをキープしやすく、なおかつサイズは通常のスプーンのまま。アクションのキレすら失わない不思議な性能を付与されたのです。
浮きにくさと同時に根掛回避能力もアップ
バックスのスプーンは水平に泳ぐのが特徴ですが、その副産物として根掛の少なさにも注目したい所です。
スプーンはハードルアーの中でも根掛がしにくいのですが、後方重心の形状ゆえに、どうしてもが引っかかることはありました。
一方、バックスは水平に泳ぐため、ルアーのフロントとフックがほぼ一直線の形になり、根掛を回避しやすい形状となっています。
また、フロント部分がワイドに作られているため、まるでクランクベイトのように障害物を弾きやすいという特徴もあります。
派手すぎずアピールするローリング主体のアクション
バックスのアクションはどちらかというとローリングが強め。
かといって左右へのウォブンもしっかりやってるんですが、テールが小さいこともあり、あまり大きく動いているように見えません。
しかしフロント側はしっかりと動いていてアピール力があるので誘いは十分ですね。
この「派手なようにみえて実は地味」っていう動きがバックスの特徴なんですが、利点は色々とあります。
まずはワイドなアクションで警戒されがちな魚に有効なこと。
横から見ると大きく動いているように見えて、後ろかみるとアクションがとてもコンパクトなため、チェイスしやすく、なおかつ食べやすいと思われます。
スプーンのデメリットの一つに、魚がバイトしずらいというものがあります。
いわゆる「食い損ねる」というこの減少は、流れのなかでテールを大きくふるスプーンだからこそ起きやすいとも言われてます。
ミノーであれば左右への動きが主体になりますが、スプーン左右+上下の大きなハネが起きるので、そのたびにフックがブンブンと振り回されます。
その動きは、複雑な流れの中で動く魚にはかなり厳しいものがあり、フックの残像にアタックするかの如く外掛り、もしくはバイトミスなんてのもザラにある。
「スプーンは釣れるけど、ミスバイトが多い」というこの現象から、スプーンにシングルフックを二つ付ける地獄針仕様にしたり、ロングシャンクのフックから自作のループアイを使うことで、スプーン動きへの追従性をあえて落とすなんて方法も取られています。
一方、バックスのアクションは通称「バックスローリング」といわれる独特の動きに設計されています。
このアクションは左右への動きを出来る限り水平にし、上下の動きを抑えたもの。
これにより、フックの位置を通常のスプーンよりもセンター寄りにすることでバイト率を上げています。
フォール速度が遅く立ち上がりが速いため機敏に反応しアップクロスでも使いやすい
バックスのスプーンは前方重心のため、テンションフォール・フリーフォールともにフォール速度が遅いです。
また、カーブが深めに作られているせいでボトムを狙うタイプのスプーンにはあるまじきほど立ち上がりが早く、ロッドワークに素早く反応します。
小型のバックスはアップクロスで使いやすい
バックスの4g以下の小型モデルは、渓流のアップクロスの釣りでかなり扱いやすくなっています。
大き目のバックスになるとアップクロスはさほど強くないのですが、小型のバックスは水流への反応が異常に高く、逆引きでのボトム狙いをやると浮きはしないものの、スプーンがクルクルと回転するようになります。
しかし、この反応の良さはアップクロスの釣りには非常に良い動きをしてくれます。
塗装が剥げやすいのが悲しいところ
バックスは塗装が弱いというよりも、ボトムへのタッチがとても多いため、一回使うとあっという間に塗装が剥げてしまいます。
塗装自体もさほど強いタイプじゃないので、バックスのスプーンはすぐにボロボロになりますね。
ただ、スプーンの塗装はもとから持たない位に思ってますし、ボトムを狙う釣りをやってたら仕方ないこと。
塗装が剥げてもスプーンはぜんぜん釣れますし、再塗装するのも良いですね。
あんまり速く引くとグルングルン
バックスの軽いモデルはあんまり速く引くとグルングルン回割るので注意が必要です。
ただ、このグルングルンは糸ヨレ的には嫌なんですけど、これが結構釣れる気がしている。
なんか流れの速い中でひいてきてグルングルンしているところにドーンっていうのもあり。
これはこれで良いなと思っていますし、まぁ多少回転するくらいならOKですね。
バックスはアピールで一気に釣りたい時に最適
僕がバックスを使う時は、基本的に「もうリアクションで無理やりでも釣ってやるぞ」ていう時です。
実際のところ、バックスを使う人の多くはこのスプーンの持つハイアピールかつ食わせ力が高いところが気に入ってたりするんじゃないかと。
もちろんボトムを取る能力の高さも良いんですけど、アピール力が強くハイピッチな動きを簡単に出せるのがいいです。
渓流だとアップクロスで簡単にアピールできるので、まぁ助かる。ただ巻きで十分ですし、ロッドワークにも機敏にアクションしてくれるんで扱いやすいです。
本流だとボトムの取りやすさとともに、動かないわけじゃなく、しっかり動いてアピールしてくれますし、しかも浮かない。
ということで、特殊な形状ゆえに使ったことが無い人は「なんだこのスプーン」って思われがちなのですが、一旦使うのそのあまりの使いやすさに永遠とタイムリープを繰り返してしまうのです。
同じレンジを引きやすい
エリアトラウトにおけるバックスのメリットは、おんなじレンジをずっと引いてこれることでしょう。
浮き上がりが少ない分、速度を多少早めようが浮いてこないので、カウントダウン後に巻き始めたレンジを足元まできっちり引くことができるとこが人気だったり。
ただ、アングラーズシステムはエリア用のスプーンが他にもあるので、そちらのほうを使う人が多いイメージです。
アングラーズシステムのバックスという革命
アングラーズシステムのバックスが一体何時この世にでてきたのか?
そもそもこの形状のスプーンは、スプーンの歴史的にもかなり革命的デザインですよね。
開発者でありアングラーズシステムの代表である福田紀之氏いわく「最初はこの形でまともに泳ぐわけないと思われていた」とか。
ただ、実際にこの形でまともに泳がせるのは非常に大変だったらしく、ひたすらに改良を重ねてようやく製品化にこぎつけたようですね。
歴史としては2003年頃にはすでに発売されているのをネット上で確認していますが、それよりも以前に販売されていたのは間違いありません。
それくらい歴史のあるスプーンですが、このバックスを愛してやまないアングラーは永遠と存在し続けており、もはや終わる予定の平成に入った頃から永遠とバックスを買ってはロストし買ってはロストを繰り返すバックス・リープを繰り返していると思われます。
BUXの三つのモデル
BUXはエリアモデル、ネイティブモデルと、大物トラウト用のノーザンバックスという3つのモデルがあります。
僕が使っているのはネイティブモデルですが、本流ではノーザンバックス派の人が圧倒的ですね。
この3つの種類はいずれも重さごとにアクションが違う設計で、いずれもフィールドごとに特化した性能になってます。
フィールドカラー・バックス(ネイティブモデル)
バックスで一番使っているのが渓流で使う5g前後のスプーンです。
これが一番売れてるのかさっぱりわかりませんが、デイトナ系のほうが使い勝手という意味では良いかも。
僕は立ち上がり速くてアップクロスで引いても良く動くという理由で良く使ってます。
フォール速度的にストーンとボトム狙うわけじゃないんですけど、一定速度で巻きやすいので好き。それとカラーリングの拘りが凄いんで良いですよね。
ただパーマークをつけるんじゃなくて、カラーもフラッシングの度合いを考えきった感じだし、派手だけど独特の色合いのものが多いですよね。
左右対称かとおもいきや、よくみたら斜め下だけ色が別だったり、もうここまでくると抽象絵画的な印象すら受ける。
なんかこのカラーリングが好きで買うって人もいるんじゃないでしょうか。僕はネイティブ向けのバックスのカラーがめちゃくちゃ好きですね。渓流だとまぁすぐ塗装はげちゃうんですけどね。
あと値段もそれほど高くない
600円とか500円、下手すると300円とかで売ってるのでありがたい。塗装が鬼のようにはげるというデメリットのせいか、中古もまぁ安いです。
ノーザンバックス
ノーザンバックスはバックスの重いモデル。
かつてはデイトナと呼ばれるさらに重いモデルもあったのですが、現在では公式ページにはありません。市場には出てますけどね。
これは本流などのボトムを狙うために作られた専用モデル。
基本的には大型河川で使うタイプで、ターゲットはいわゆるモンスタートラウト達です。
そんな大型魚が大量にいる北海道をメインターゲットに据えたモデルということで、名前にノーザンという字が使われています。
特徴は背面の加工で、まぁカッコイイ。
ナチュラルかつ複雑なフラッシングで誘うことで、スレぎみのモンスタートラウトを確実に騙そうという作戦。
さらに背面で水を切って安定させるための
ものすごいストイックな考えによって作られた実質剛健なスプーンだけに、ボトムに届かせる能力が高いので、大型河川で遠投してからも安心してボトムを取れる性能になってます。
エリア用のバックス
エリア用に作られたバックスは、フッキング率の高さが魅力ですね。
このサイズは渓流でも活躍するんですが、まぁ動きが独特。
フロントもテールもブリブリ動くので、上からみると大してフック位置が変わっていない。
リトリーブ速度をあげてもレンジをキープできる実力から、河川でのボトムキープ力よりも、レンジを刻む能力の高さがうり。
アクションの質とレンジキープ能力の高さから、普通のスプーンに飽きたトラウトから好反応が得られます。
バックスのスプーンを使って今年も頑張る
というわけで、今年もバックスのスプーンを使って頑張りたい。
とか言ってたら、速攻でまたバックスのスプーンがなくなりましたよ。
しかもね、ロストしたんじゃないの、釣り場で落としちゃったってんですよ。
結局、お気に入りのルアーは無くなるという運命を変更できず、これでまたタイムリープ発動。
この世界からまだまだ抜け出せないのですが、なんとかして抜け出す方法を見つけたいのですが、もうタイムリープでもいいかもしれないと諦めの境地に至りはじめました。
そう、僕らはバックス・リープから抜け出せない。
いつまで続くのかわかりませんが、再びバックスを買うのだけは間違いありません。
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