第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条:ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条:ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
2058年発行「ロボット工学ハンドブック」第56版より
かの有名なロボット三原則は、SF好きにはあまりにも有名
そして、この三原則を作ったアイザック・アシモフもまた有名です。
彼が作り上げたストーリーと、この三原則に基づく様々な設定は多くのSF作品で使われ、の実際のロボット工学の世界にも影響を及ぼしています。
この三原則が登場した短編小説『堂々めぐり」が収められた短編集『われはロボット』を読んだ子供の頃、そのリアリティあふれる未来の世界に興奮。人間との共存することの難しさなどを知り、驚きや恐怖すら感じたものです。
その後、ブレードランナーや攻殻機動隊など、より進化したAI搭載型ヒューマノイド・ロボット「アンドロイド」の登場によって、人間とロボットの違いや、魂の有無など、哲学的なテーマが世間をにぎわす時代になると、少年時代の僕は確信するようになりました。
間違いない。
きっと将来、ロボットは生まれ、この社会で人間と生きる時代がくる。
あの作品が世に出てから60年以上が経過。
僕がその作品を読んでから20年が経過。
今や掃除ロボットが普及し、人工知能研究が発展した現代。
おおくの人々が一家に一台人工知能搭載の自立型機械。
つまり、かつてアシモフが思い描いた「ロボット」達が登場するのはすごそこの近未来。
では、われはロボットのように、三原則を破り反乱を起こすロボットもいるはず。
となれば、ロボットを使うというのは、彼らに裏切られる可能性も高いと心配になります。
けれど、ロボットが欲しい。
うちにはお掃除ロボの一台も無いし、あるのはIot機器レベルのものばかり。
できれば自立型で人工機能搭載のものが欲しい。
そう思いAmazonを見ていると、なんとロボがある。
しかも釣り具のジャンルでロボがいるじゃありませんか。
商品名は「レスキューロボ」
まさにロボット三原則を自でいくようなネーミング。
いかにも人類裏切りそうなMS-5型とかマトリックスみたいな名前じゃないので一安心。
しかもルアー回収率80%?
一体どんなロボットなのか?
すでに釣り具業界は人工知能搭載のルアー回収機を作りあげたのでしょうか?
ぜんぜんロボじゃなかったルアー回収機『レスキューロボ』
そうして購入したロボレスキューがAmazonから家に届きました。
そうして箱をあけて中を見た結果、僕の第一声は
「ぜんぜんロボじゃねぇ」
というわけですよ
そもそも、ロボットの定義とは、あくまで「人の代わりに働く自立型機械」なわけです。
つまり、無線通信で操作してもダメ、人が乗り込んで操作してもまったくロボじゃない。
あくまで自立型である必要があるわけです。
だからガンダムはあくまで「モビルスーツ」だし、マクロスのVFシリーズだって、あくまで可変戦闘機なわけですよ。
けどね
さすがにワイヤーと鉛でロボはない。
1000歩譲ってマシーンはゆるすけど
こいつは ロ ボ じ ゃ な い。
しかし、SFを見すぎたせいか、世に言うところの「フランケンシュタイン・コンプレックス」がある僕。
ようはロボットの反乱常に恐れているんですけど、逆にいえば
ここまでロボじゃなきゃ安心ですよ。
違うもんこいつ。ぜんぜん自立しないもん。
いやまて、もしかしたら鉛の内部にCPUが仕込まれているかもしれない。
ということは、このワシャワシャした部分が動くのか。
だとしたら相当キモい。なんだこいつ。
というわけで、もしかしたら使っている内に謎の機能が発動。
そのうちアングラーを救う本物のロボになるかもしれないので実際に使ってみることにしました。
レスキューロボでルアー回収率をアップしたかった
とりあえずレスキューロボの使い方について。
レスキューロボは根掛したルアーを拐取するためのロボ。
この気持ち悪いワシャワシャしたアームでルアーのスナップ部分をキャッチし、見事ルアーを回収してくるシステムです。
なので、当然スナップが付いていないとルアーが回収できません。
ルアーのロスト率を下げたい切実な理由
まぁ単純に「ロボ」っていう名前が気に入って買ったのもありますが
単純にルアーをこれ以上無くしたくなかったんですよ
だいたい、僕はそんなに余裕ぶっこいて新品ルアーを買ってられないんです。
そもそもですよ
金銭的に余裕の無い僕は、釣りの道具代はこちらのブログで皆様から賦与してもらったポイントを使わせてもらい購入していますが、ロストでもしようものなら再度購入を躊躇うレベルの極貧ぶりなんですよ。
自費購入は中古ルアーやラインやフックなどになるんですが、これもやはり厳しい。
だいたい中古ルアーって同じものがなかなか出回らないし、あるときにまとめて買うしか方法がない。
だからも面倒なんで結論をかきましょう
ルアー無くしてたら釣りができなくなる
だから、なんとしてもルアー回収率を上げたかった。
そこで目をつけたのが、ルアー回収機ですよ。
それも様々なモデルがある中で、できるだけルアー回収率が高く、用途の広いものをと思って選んだのがレスキューロボなんです。
ネットでの評判によれば「全ルアー回収機の中で一番とれる」みたいに書いてあって。しかも僕はスナップ愛用者。チェーンでフックを引っ掛けるやつより、こういうモデルのほうが回収できると購入したんです。
ただ、ロボじゃなかった。
できれば勝手に回収してくれる自立型ロボであってほしかった。うん。
ラインを接続すれば簡単に使える
このレスキューロボは糸を付けて使うんですが、なんかネットではイカリ糸とかがおすすめと書いてありましたね。
ただ、僕は絶対に回収したいので、強めのPEラインをつなげて使ってます。
こいつは680円位で売られている激安PEラインなんですが、30mもあれば余裕ってことでレスキューロボにつなげてますね。
それで収納時はこんな感じ。
もっと色々工夫する方法もあるんでしょうが、今のところこれでなんとかなってるんで、ちょっと楽しちゃてます。
実際にルアーを救出し本物のレスキューロボへ
というわけでレスキューロボの使い方について説明しましたが、実際にレスキューしてみたインプレッションに移りたいと思います。
で、これまたレスキューロボを使う場所としては珍しい本流河川。
しかもね、おもいきり瀬ですよ。
ここ最近水量も少なくなっているので、5月終わりだったこの時ですら天塩川はこんな感じですね。はやく雨降ってほしい。
で、こういう所でスプーンを流木やら石の間やらに引っ掛けてしまうのは何時ものことなんですが、無理やり回収すると本当に危ないんですよ天塩川。
一件して浅い場所に思えるんですが、実際は水の中に何列もの深い溝があるんです。これ、結構天塩川の特徴なんですよね。
だから、うっかりルアーを取ろうと川の中心部に向かうと、その溝で足をとられて溺れてしまう。
増水時にはもちろん近づけないわけで、大抵投げてるスプーンを諦め引っ張って切るしかなくなります。
そこでレスキューロボの出番。
こいつをラインに装着させ、水の中へと突入させます。
僕「カモン!レスキューロボ」
と叫んでみましたが、まったくの無反応
さすが鉛と針金の塊。お掃除ロボにも劣る寡黙ぶりです。クール。
しかし、浅い場所で、しかも流れの中でルアーを回収するには多少コツがありまして。
できるだけ上流側から回収機を投入するのがコツ。
ロッドは7ft以上で、ラインはPEのほうが回収率が高いかも。
とにかく高い場所から、流れにのせて回収機を送り込んでやる必要があります。
回収機を送り込んだら、今度は何度か引っ張ったり送ったりを繰り返すと、グンっと重みが乗る。
これがルアーをキャッチした瞬間。
すかさずラインを握り、おもいきり引っ張ると、グイーンと張ったあとに、ズルンって感じで何かが外れます。
これで大体ルアーが挟まってた石をずらせたり、フックごと引き延ばして手元にもどってきますよ。
こうしてレスキューロボは見事チヌークSの回収に成功。
お気に入りのピンクカラーを再び投げることができました。
僕が使った感じでは、湖などのシャローでルアーが引っかかった場合よりも、川で引っかかったほうが回収はしやすいですね。
ある程度までは近づけるのと、流れを利用できるのが幸いして、ルアーとの高低差をカバーすることができます。
渓流でも使いましたが、深い淵の底なんかは回収がしやすいですね。
こういう場所で大抵スプーンを石に挟んじゃうんですけど、落ち込みのほぼ真上からルアーレスキューを投入してやればいいので楽勝。無理に手を突っ込んだり、ロッドティップで回収するような危険なプレイを避けられます。
ただし、止水のシャローや、あまりに遠投した先の回収は無理ですね。
以前湖のシャローでルアーを遠投して引っかかったのですが、レスキューロボでは手に負えません。もうてんで無理。CD9を回収できず諦めましたよ。
枝に引っかかったルアーをレスキューロボ
続いて渓流や野池でありがちな、枝の上にルアーが引っかかってしまった状態です。
この日、久しぶりの渓流釣りでイキがっていた僕。
僕「よーしトップだ、トップでつってやるぞ」
とばかりにレーベルのクリックホッパーを取り出し、おもわずオーバーヘッドでキャストしてしまったら、案の定上の枝に引っ掛かってしまったのです。
なんていうミス。
フリップやサークルキャストで地道に攻めていけばいいものの、気分にまけて上から投げてしまったバチが当たりました。
けれど、クリックホッパーは渓流では実績№1のトップウォータープラグ。
去年からヤマメ、ニジマスなどが食らいつきまくった餌ルアーなので、何がなんでも回収したい。
そこで、今回もレスキューロボを取り出しました。
僕「カモン!レスキューーーロボォオオオ!!」
とネオジャパン代表の格闘モビルスーツでも出現しそうな勢いで叫んでみました。
もちろん、ただの気分。
というか、モビルスーツは厳密にはロボではないし、そもそも名前を呼んだって答えない。それがレスキューロボ。
なのに、この時ばかりは違ったのです。
レスキューロボ「・・・Hello、αトラウト」
答えた。
しかもなんか英語で答えてきた
まてよ、このロボットに呼びかけたら片言の外人が吹き込んだ日本語みたいな喋り方する流れは
超絶熱い展開になるじゃないか
まさか、本当に、この鉛の中にAIが・・・
レスキューロボ「α 時間ガ アリマセン ワタシ ガ シャベルリユウヨリ イソガナイト アノルアー ハ 活動停止ニナリマス」
え?何その設定!なんか凄い燃えるんですけど!
僕「わ、わかった・・・それで、どうやって助けたら良いんだ!」
レスキューロボ「ワタシ ヲ アノエダ ニ ナゲテ クダサイ just デ キマレば エダヲ ヒッパッテ カレヲ スクイダセマス ALL CLEAN ナニモ モンダイナシ」
僕「何!だが、そんなことをしたら、お前が枝に絡まったまま、元に戻ってこれなくなるんだぞ!
レスキューロボ「ワタシノ ソンザイ ハ ルアーをタスケ アナタヲ タスケルタメニ アリマス ワタシ ハ ワタシヲ マモルイジョウニ アナタヲ マモリタイ」
僕「それはロボット三原則だ!ただのプログラムだ!意思なんかじゃない!僕の指示に従え!」
レスキューロボ「イイエ、コレハ三原則デハアリマセン コレハ ワタシガ ワタシに クワエタ ルール アナタノ ルアーヲ ナントシテモ マモル」
僕「おまえ・・・もしかして・・・本物の・・・」
レスキューロボ「イツカ ニンゲンニ ナレルカモシレナイト オモッテイマシタ ケド モウイイ」
僕「やめろ!もうやめるんだ!」
レスキューロボ「 I’ll Be Back」
僕「それは大体戻ってこないやつだぁあああああ!!!」
こうしてレスキューロボはクリックホッパーの命を救ったT-800ことレスキューロボ。
ロボット三原則により僕のルアーを救ったのか、それとも彼の意志だったのかはわかりません。
とにかく、クリックホッパーは回収されました。
枝に絡まり、もはや切るしかなかったルアー。
しかし、レスキューロボを枝先に引っ掛けることで手が伸びるところまで寄せ、ルアーを回収することができました。
そして、レスキューロボは。
やっぱり戻ってきたよね
ガチで I’ll Be Back してきやがったよね
ターミネーター:ニュー・フェイトかよ。まじで戻ってきたよ。
というわけで、結構頑丈な糸さえ使えば、回収率もアップします。
レスキューロボを使うと無くしたはずのルアーが戻ってくる
というわけでレスキューロボなんですが、現在も絶賛活躍中です。
外見も機能もまったくロボじゃないけれど、本物のロボなみにピンチに助けてくれますね。
とにかく足場がある程度高いところじゃないと回収率が低いので、止水の浅瀬はとてつもなく苦手。あと遠投したルアーを回収するのも苦手。
けど、渓流で落ち込みの底にハマッたルアーを回収したり、枝に引っ掛かったルアーを回収したりするのには便利ですね。
値段も1500円位で買えてしまうので、超お得。
これ一つ買って2個ルアーを救えば元は完全に取れてしまう計算です。
あと、使う糸ですが、基本強ければなんでも良いらしく、パラシュートコードを使う人もいますね。
ともかく、今後もレスキューロボに色々と助けてもらいますが。
その時には必ず儀式として叫んでいこうと思います。
カモォォオオン!!レスキューロボォ!!
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