イトウクラフトの蝦夷スプーンは傷付くほどに輝く【レビュー&インプレ】

スプーン
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イトウクラフトから販売されている蝦夷(蝦夷)スプーンのレビュー&インプレ記事になります。

 

イトウクラフト。

この名前を聞いたことがある人は、間違いなくトラウトフィッシングをやっている人だと思って良い、しかもかなりのめり込んでいる。そう思ってほぼ間違いないでしょう。

 

そして、イトウクラフトのスプーンは、ロストが最も嫌。

あります?ロストがそんなに怖いスプーンなんて。

僕はもともと貧乏ですから、高いルアーを投げるのは抵抗があるんですけど、イトウクラフトの蝦夷スプーンは高くても実売600円。ルアーとしては安い部類に入っています。

 

それに、スプーンというの安く、スナッグレス効果が高いルアーですから、ミノーだと投げにくいような場所まで広範囲に攻めるためのもの。

そんなスプーンは、僕にとって常に1番バッターだったんですが、イトウクラフトのスプーンに関してはロストしたくない。

なぜなら、使えば使うほどに愛着がわいてくるから。

でも、釣果はすごく出るし、浮き上がりにくい設計で河川ではとても重宝しますから、結局投げるんですね、ロストしたくないよという強い思いを抱きながら。

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イトウクラフトの蝦夷スプーンとは?

イトウクラフトの蝦夷(エニシ)スプーンは、イトウクラフトの代表作。

イトウクラフトの蝦夷は、けっこうエゾと呼ばれていますが、ホントウの読み方はエニシ。

ちなみに、メーカー名もイトウをターゲットにしていると勘違いされがちですけど、イトウクラフトの代表、伊藤氏が自分の苗字を社名にしただけなんです。メーカも岩手に本社があります。

そして、イトウクラフトといえば、あのバルサミノーの傑作BOWIという意見を聞きますけれど、僕にとってのイトウクラフトは、この蝦夷スプーン。

僕が普段からよくスプーンを多用する釣りをしているのもありますが、あのシンプルな鉄の塊が、見るだけで満足してしまうような芸術品になっていることに驚きましたし、もはや革命。渓流で芸術が大爆発してしまったわけです。

というわけで、今回は渓流メタルルアーファンを魅了してやまない孤高の鉄の芸術家、蝦夷スプーンにインタビューをしてみました。

イトウクラフトの異端児!蝦夷スプーンに聞いてみた

インタビュー:蝦夷スプーン

渓流アート集団『イトウクラフト』に在籍。岩手芸術大学卒業後、伊藤氏に師事し渓流芸術を学ぶ。スプーンという鉄の塊に命を吹き込む孤高の芸術家。その研ぎ澄まされた感性からスプーンの鬼とも呼ばれ、イトウクラフトの中でも異端とされている。

 

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はじめまして、αトラウトです。今回はインタビューをお受けいただきありがとうございます。

・・・どうも

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イトウクラフトのルア―の中でも特にコアな人気を誇るのが蝦夷スプーンさんだと思うのですが、今回はその詳細についてお伺いしたいと思います。

・・・どうも

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それではさっそくなのですが、蝦夷スプーンさんの作品に対するこだわりについてお聞かせ願えますか?

聞いてあげることだね

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聞いてあげる・・・というのは?

鉄の声だよ、聞こえるだろ?ほら(懐から真鍮板を取り出す)

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いえ・・あの、何も聞こえませんね・・・すいません

この声が聞こえないのに、俺の作品について聞こうっていうのか?

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いえ、ただ僕はお話をお伺いして記事にしようと思って…

いいか、アーティストはただの生みの親だ。俺の声に意味なんかない。だからこいつの声が聞こえるやつにしか、俺の話は理解できない。言ってみろ、この鉄がなんて言っているか

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え?・・・えっと・・・・・・・は・・・はやくスプーンになりた・・・い?

ふざけるな、鉄がスプーンになりたがるわけないだろ。耳をすませろ、そうすれば聞こえるんだよ。それに、こいつはこう言っているんだ・・・

ああ、将来は立派なユーチューバになって金髪にして怪魚とか釣りながら世界を旅に出たいし生餌釣りで炎上とかもしたい』・・・どうだ、聞こえただろ?

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え・・・あ・・・・はい、い、いま聞こえました。

よし、それならインタビューを受けてやる。常に声を聴け。俺の声じゃない、鉄の声を聞くんだ、俺以上に良くしゃべる。

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はい・・・わかりました。

とうわけで、イトウクラフト所属のイトウスプーンさんにお話しを聞いていくことにします。
かなり気難しい方なので慎重にインタビューを進めましたが、まさかこれからスプーンにされる鉄板が人気釣りユーチューバーになりたいと考えていたとは驚きです。

それにしても鉄の声が聞こえるとは予想外でしたが、やはりスプーン界の異端児ともなると、これ位の偏屈さが必要なのかもしれません。

イトウクラフトが販売するトラウト用スプーン

 

蝦夷スプーンはトラウト、特に渓流に生息するヤマメ、イワナ、ニジマスなどをターゲットにして作られたスプーンです。

当初のころはそれほどサイズバリエーションがありませんでしたが、次第にバリエーションを増やしていき、今では渓流域ならあらゆるフィールドを攻略できるにまで発展しています。

さらに2018年は本流サクラマスを狙うための新モデル『R-CROSS』を発売。今後もさらに展開が期待されているスプーンだと言えます。

アップクロスを中心に組み立てる釣りのために

イトウクラフトのルアーは、その大半が渓流から現流域での釣りを想定して作られています。

それは蝦夷スプーンも同じ。止水域というよりは、釣りあがってポイントを打ち続けていく渓流の釣りのための設計になっています。

しかし、オールラウンダーなティアドロップ型であるため、湖でも使用可能。

ダウンクロスにも強く、浮き上がりにくいスプーンとして重宝します。

渓流ルアーマンから常に支持され続けるコアなメーカー

使いやすさはもとより、ブランドイメージを含めた渓流愛がファンを引き付けてやまないところが大きい。

こういったコアな渓流スプーンといえば、アートフィッシングのBit(忠スプーン)などがありますが、蝦夷スプーンも同じように渓流ルアーマンに愛されまくっているアイテムといえますね。

イトウクラフトの蝦夷スプーンの特徴とは

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それでは早速なんですが、イトウクラフトの蝦夷スプーンの特徴についてお聞かせ願えますか?

もちろん生きていることだ

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・・・えーと、はい、では蝦夷スプーンさんの作る作品の特徴についてお聞かせ願えますか?

鉄の命を感じ、それを魚にしてやることだ

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鉄を魚にするということは、どういうことでしょうか?

鉄っていうのは、命の塊なんだよ。それも色んな命が入っていて、凝縮されている。そこから魚の声だけを聴いて、その通りにやる。それだけだ

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あ、なるほど・・・ええっと、声なんですねやっぱり

聞こえるだろ、お前にも鉄の声が、こいつは今にでも魚になりがっている。だから俺はその通りに形作ってやるんだ。

だからただのスプーンにはしない。デザイン、カラー、アクション、ありとあらゆる面でスプーンという点を忘れさせる。ルアーではなく、鉄から生まれた魚であることを使い手に意識させるんだ

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なるほど・・・それで、鉄はなんと言うんですか?

鉄はこう言う「最近思うんだけどネットフィリックスのオリジナルドラマってBGMケチりすぎだよね」と

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結構そういうアルアルな感じのこと言うんですね

そんな事はない。鉄は常に生きるという意味において誠実であるだけだ。また、鉄は俺に触れられて驚き言う『アイアインフィスト面白いとか言う奴とは絶対に同じ釜の飯は食わない』と

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それ完全に貴方がアイアンフィスト嫌いなだけですよね?

ていうかネットフィリックス見てるの貴方ですよね?

鉄はつねに語り掛ける、その声を聴き魚として渓流を泳がせる。それが俺のやり方だ。

というわけで、イトウクラフトの蝦夷スプーンさんは常に鉄の声を聴きつつスプーンを作っているようですね。

そのせいか、やはり普通のスプーンには見えません。

むしろ、鉄であることを忘れさせるような・・・

スプーンの中でも革命的ともいえるデザインの機能美を埋め込んだ投げる芸術作品であると僕は考えています。

鉄であることを忘れさせるデザイン

イトウクラフトのスプーンは、何よりデザインが素晴らしい。

僕はそれこそ、このデザインは機能美ですらあると思っています。

スプーンは本来、魚のリアクションを誘うためのルアー。

シルバーやゴールドといった光物が基本で、塗装やデザインよりも、カラー選択で釣果を分けるようなアイテムです。

ですから、そこまでデザインに拘ったスプーンというのは殆どありません。僕が良く使うスプーンも、柄はパターン化されたものが大半です。

しかし、イトウクラフトのスプーンは、見た目がすでに魚。

塗装ではなく、溝を掘ることで作ったフロント部分の攻撃的なマスの顔。

さらにボディ部分に細かい鱗模様を掘り、塗装も魚をアイコン化したような秀逸なデザインが多数。

すでに販売中止されていましたが、運よく僕が手に入れたアメマスカラーなんて、イトウクラフトのデザイン力が驚くほど詰まってます。

イトウクラフト

(参照元:イトウクラフト)

こうしたコダワリをスプーンに詰めたものは、イトウクラフトならではの特徴。

ただの鉄のルアーと思ってほしくない。

スプーンにも一切の妥協なく、大好きなルアーとして手にとり、満足してほしいというアングラーへの200%のサービス精神と職人気質です。

ボディ背面ですら美しいスプーン

イトウクラフトが作るスプーンは、表面だけでなく背面すら美しい。

ハンマーストーン加工が施されているのですが、それも背面をひたすらに叩いたような雑なものではなく、不規則に凹凸の感覚をあけ、それぞれのハンマーの形が違う緻密さ。鉄でありながらナチュラルさを作り出す、実に巧妙なデザインを作用しています。

また、その中央に掘られた『蝦夷』の銘が引き立つようにも作られているのが良いですよね。まさに職人芸というか、もはやスプーンの伝統工芸品です。

使い込むほどに生命感を増す不思議なスプーン

蝦夷スプーンのデザインとして僕が最も驚いたのは、使えば使うほどに力強さを増すことです。

スプーンというのはボトムを転がすことも多く、ミノーに比べれば塗装が剥げやすいアイテム。

普通なら、それでただのボロボロのスプーンになるのですが、蝦夷スプーンはそうではありません。

むしろ、傷を負うほどに精悍な鱒の姿になっていく。

その理由は蝦夷スプーンのフロントに掘られた顔。

もはや厳しさすらある雄のマスが描かれていますが、これにより、ボディの塗装が剥げると、まるで鱗が剥げながらも遡上していく雄の鱒の姿に見えるようになっているんですよ。

もしこれが、フロントの顔が少しでも可愛いものなら、ただ傷ついた可哀そうなスプーンになってしまいますが、あくまで成長しきった雄の鼻曲がりの顔にするこで、傷すらも雄々しく見えてしまう。

また、基礎的なデザインは全て金属加工で表現しているので塗装が剥げてもOK。

本来傷ができやすいスプーンのデメリットを利用し、傷つきながらも逞しく泳ぐ鱒の雄大さを表現する逆転の発想。

これが、僕がイトウクラフトの蝦夷スプーンが革命的だと思った最大の理由です。

イトウクラフトのスプーンの使い方

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イトウクラフトのデザイナーとしてお聞きしますが、作ったスプーンはどのように使ったほうが良いでしょうか?

俺は全てを鉄の意思にまかせているし、水の中に入ったとき、ルアーの方から泳ぎだすようにデザインしている。だから君らも声を聴けばいい。この俺のように。

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あ、いえ・・・あの、蝦夷さんにお聞きしてるんですけど

水の中に入れば聞こえる。なにせこれは鉄ではなくすでに魚。アングラーを選ぶことなく、どこであろうと、何もかも自由に生きるという声が。

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ということは、アングラーに頼らないルアーということですか?

頼るもなにも、このスプーンは生きているんだ。アングラーはそれを手伝ってやるのだ。声をききながら、より自由に生きれるように操作してやれば。

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えーと、ということは、やっぱりアクションを掛けてあげたほうがいいと?

違う、声を聴くんだ。俺の作るルアーは常にアングラーに語り掛ける。それを感じて、より自由にしてやるんだ。

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は・・・はい、わかりました

蝦夷スプーンはノーマルリトリーブが基本

蝦夷スプーンはティアドロップ型のスプーン。

フロント部分に逆カーブが殆どないオーソドックスなスタイルです。

カップは深めで、リトリーブの反応が良いタイプ。

河川ではアップでもダウンでも使いやすいです。

肉厚形状でダウンクロスに強く浮き上がりにくい

渓流スプーンの中でも蝦夷スプーンは浮き上がりにくいタイプだと感じます。

その理由は分厚い真鍮のボディ。

肉厚設計のスプーンなので、ボディサイズが小さく、ルアーの表面部分で水を受けにくいことにより、浮き上がりを抑制。

さらに、テールのカップ部分が広く深いことから、水流に対してルアーを沈める効果が高いのも原因です。

渓流でのスプーニングでは深場を攻める時に重宝しますが、蝦夷スプーンは沈みやすくダウンに強いので、足場の高い場所から落ち込みをダウンで狙うようなシーンでも扱いやすいです。

アップクロスではトゥイッチを掛けるのもあり

アップクロスで蝦夷スプーンを使う場合には、リトリーブしつつトゥイッチを掛けてあげると釣果が伸びやすいです。

ティアドロップ型ではありますが渓流仕様の肉厚設計であるため、他のスプーンよりは少し重く沈みやすい。

しかし、その重さを利用してトゥイッチを掛けてあげると、ミノーのようなキレイなヒラ打ちをするのでとても気持ちい。

スプーンとミノーの中間の動きを意識して、リトリーブにトゥイッチを織り交ぜつつ釣りあがると魚の反応がとても良いです。

イトウクラフトのスプーンはお高いのでは?

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唯一無二と言って良いコダワリのデザインとなると、やはりお高いのでしょうか?もうハンドメイド作品の領域なんですが・・・

バカもの。俺の作品の値段など聞くな!いいか?このルアーは売り物じゃないんだ!金のことなど聞くな!幾らだそうが売りはしない!

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ヒッ!スススススイマセン!!

定価は645円からだ

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え?

定価648円(税別)からだ

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いやいやめちゃくちゃ安いじゃないですか!

安いとかいうな!適正価格言え!

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いや・・・でも安いですよね、これだけ綺麗なスプーンだからもっと高いものだと思ってましけど

もちろん芸術のためだ。一部の富裕層のために作るルアーじゃない。このアイテムを多くの人間に届けてこそ、俺の芸術は完成する。

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なるほど、それは素晴らしい考えですね

俺のルアーを届ければ、多くの人間がスプーンのすばらしさに気が付くはずだ。イトウクラフトは決して高いルアーだけを作っているわけではないということ覚えておいてもらいたい

 

というわけでイトウクラフトのスプーンは案外安い。
もちろん激安クルセイダーに比べれば価格では勝てませんが、このデザイン性の高さを考えると600円代は破格です。

イトウクラフト蝦夷スプーンのスペック

イトウクラフトの蝦夷スプーンはかなり多くのサイズバリエーションが豊富。

源流部、渓流域、本流までトラウトフィッシングならありとあらゆるフィールドをカバーできます。

スプーンはもともと汎用性が高いアイテムなので、魚種を選ばず使用できるフィールドは多いので、ソルトで使用している人もいます。

また、2018年に発売されたr-crossにも注目。

今まで苦手とされていた押しの強い流れのボトム狙いでも活躍してくれます。

蝦夷37

蝦夷スプーンの中でも最も小さいモデル。

可愛いボディサイズでありながら蝦夷スプーンのスペックはそのまま継承。

価格が最も安く、渇水時や水量の少ない源流部での釣り上がりに特化しているスプーンです。

【スペック】

サイズ:37mm
ウェイト:3.0g / 3.5g
価格:¥648(税別)

蝦夷41

スプーンとしてミノーと併用する場合に最も活躍してくれるモデル。
落ち込みの深場を狙ったり、ダウンでボトムを攻めるようなシーンでは4~7gが最適です。
僕が使っているのもこのモデル。特に7gはボトム狙いや飛距離が求められるシーンではかなり効果的です。
サイズ:41mm
ウェイト:4.0g / 5.0g / 7.0g
価格:¥657(税別)

蝦夷52

蝦夷52は8.0~12.0gまでのラインナップ

広い川幅の本流域で効果的なサイズ。

湖でもこのサイズは使い勝手が良いので、広いエリアを攻める場合に向きます。

【スペック】

52mm
8.0g / 10.0g / 12.0g
¥743(税別)

蝦夷65

重い本流のボトムを狙う。

もしくは広大な湖のボトムを遠投して狙うような釣りに適したモデルです。

大型トラウト相手に使われるシーンが多いでしょう

【スペック】

サイズ:65mm
ウェイト:14.0g / 18.0g / 21.0g /24.0g
価格:¥838(税別)

R-CROSS

2018年5月に新に販売されたモデル。

蝦夷シリーズでは苦手としていた増水時の本流のサクラマスをメインターゲットとしたスプーンです。

ティアドロップ型から、より流れに強いリーフ型に変更し、カラーリングも一新。

春先の雪代の多い濁りでも操作性が良く、アピール力が高いモデルがそろっています。

【スペック】

サイズ:68mm
ウェイト:18g / 22g / 24g
価格:¥838(税別)

スプーンって、なんかダサイルアーだなーと思っていた貴方。

ミノーのほうがカッコイイと思っていた貴方。

そんなミノーが高くて買えない?

ハンドメイドはやっぱり高くて使えない?

だったら蝦夷スプーンを買えばいい。

というわけで、多少変わり者で頑固ながら、芸術ともいうべきイトウクラフトのスプーンを使えば、渓流ルアーフィッシングがより一層楽しくなるはずです。

スプーン
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