ラパラのミノーを振り返る!年末の釣り総決算

ミノー
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ラパラのミノーを本格的に使いはじめたので、そろそろ一旦僕のラパラのミノーに対する考えでもまとめておこうと思います。

とくに、今回はX-rapシリーズ以外。

つまり2000年以前からモデルが存在するようなラパラのミノーですね。

なんてことを書く位ですから、当然僕はこのルアーが好きになってるわけですよ。

釣れるから好き!とか、歴史があるから好き!とか、バルサが多いから好き!とか色んな理由で愛されているんですが、今回は改めてラパラのミノーたちについて考えてみたいと思います。

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使ってきたラパラのミノー達

今年一年ラパラのミノーを使ってきたのですが、これがなかなか深いルアーだなと時間しましたね。

最大の特徴は、なんといってもその歴史。

初代オリジナルフローティングの販売が40年代ですから、すでに70年以上の歴史があるわけで。

ぶっちゃけ僕より年上のルアーばっかりなんですよ。

唯一の年下はハスキージャーク位。

あとはX-rapになっちゃうので、もはやパイセンルアーばっかりってことですね。

一応歴史的にはヘドンのほうが長いんですけど、ラパラはトラウトフィッシングにばかでかい影響を与えてるんですね。

とくに北海道じゃ、今でもラパラってのはレジェンドメーカーって感じで、ラパラがめっちゃ好きな人が多い印象。

というわけで、僕もラパラのルアーを使って釣りをしたんですが、しかしまぁ面白いルアーでした。

ちなみに動画のほうを撮影しておきました。

冒頭から意味不明の愚痴を垂れていますが、本当に年末が嫌いということだけ伝われば幸いです。

オリジナルフローティング

ラウリラパラとオリジナルフローティングの歴史を渓流で体感してきた
今回はラパラのオリジナルフローティング、F5での渓流釣りと、ラウリラパラについてのご紹介です。 渓流で使うフローティングミノーで、バルサ製のアイテムを唯一使ったことがあるのはやっぱりラパラ。 もちろん安いからってのもあるんですが、使い勝手が

今季の渓流で一番印象に残ってるのは、やっぱりオリジナルフローティングですね。

使っていたのはF5ですが、釣果も出たけれど、それより使ってる感覚が面白かった。

まず飛ばない。

これがもう一番印象に残ってるのはおかしな話ですが。

普通に投げてこんなに飛ばないのかと愕然としたショックが出かかった。

でもそこからのアクションがまた飛距離と対照的というか

投げて動かして、それからブリブリと動き始めたかと思うと、あっという間に魚釣ってくるみたいな。

動きはそこまでハイレスポンスってわけじゃないんですけど、フローティングミノーの元祖と言われるだけあって、なんとも滑らか。

潜航深度もそれなりにあって僕的には好き。このリップを削って浅くするっていうのもあり。

なんでこんな良い動きをするんだと思っちゃうし、操作している感覚も楽しい。

トゥイッチ、ジャーク、浮かせてからのダイブ、水面でのダートと、フローティングミノーの基本が全部詰まってるって感じで、特別どれかが得意って感じはないし、トゥイッチやジャークへの反応は最新のミノーのほうが優れていると思いまいます。

しかし、だからこその面白さ。

何かに特化した尖ったミノーってわけじゃないんですが、だからこそ使い方次第で全然変わっちゃう自由さがあります。

ラパラのカウントダウンシリーズ

ラパラのカウントダウンシリーズの中でも渓流用といわれているCD3も使ってましたね。

このルアーに関してレビューもインプレもまだやってないんで来年の仕事になりますが、これまた奇妙だと感じたルアーです。

というか、今年使ったラパラのルアーの中じゃ一番奇妙な感覚を覚えたルアーですね。

サイズはわずか3㎝。

しかし自重は4.5g

リップは丸く、ボディも全体的に丸い作り。

確実にヘビーシンキングミノーに分類されるアイテムなんですが、その操作感やアクションは今僕が使っているどのミノーとも違ったんです。

まず、大して動かない。

いやほんとうにすいませんね、もうデメリットばかり印象が強くて。人間の記憶システム上致し方ないんで。

で、普通にリトリーブしたら動かないし、アクションは頭をプルプルと物凄く細かく動かす感じ。

魚っていうか、なんか妙な虫みたいな印象。

そこにヘビーシンキングミノーらしくトゥイッチを加えると、今度はヒョコヒョコと頭を大きく振って左右へダートするんですね。

この動きは、僕みたいにここ数年で渓流釣りをはじめた人間には衝撃。

だいたい、僕が使っているヘビーシンキグミノーって基本ヒラ打ち仕様なんです。

体高があって、扁平で、トゥイッチからの水押しが強くハイレスポンスなやつです。

だいたいこの手のルアーしか使ったことがない僕からすると、CD3の動きは本当に奇妙に見えて。

これで本当に釣れるんだろうかと心配になったのも確か。

ところが、これがヤマメが釣れる。

それとレンジキープが妙に楽。

リップ角度が深いので、トゥイッチで細かく左右へ頭を振って動くんですが、そんなに暴れないからどこを泳がしているのか結構把握しやすいです。

それと、リップ角度と重心の関係で、お尻が上へと跳ねない。

これが結構良いなと思ったのが、テールフック以外ほぼバイトしてこないって所。

このサイズでベリーにもフックつけると大変だし、テール一本でいけるのはありがたい。

あとは小さいルアーってことで、ヤマメ狙いに便利でした

フローティングジョイント(ジョインテッド)

ラパラ:フローティングジョインテッド(FJ5)で渓流訴訟!
ここ最近ラパラのルアーを使い倒しておりますが、今回はフローティングジョインテッド・FJ5での渓流に釣行とレビュー&インプレッションになります。 前回はオリジナルフローティングで、続いてのラパラはカウントダウンシリーズ。 と思うのが当然ですが

お次はフローティングジョイント。

昔ながらのラパラじゃ珍しいトップ用のアイテムです。

こいつのリップはカウントダウンにかなり近くて、丸型で角度が深いタイプ。

ウェイクベイトとして水面を走らせるようなルアーですね。

そもそもウェイクベイト自体使ったのは初だったんですが、一番印象に残ってたのは

バルサだと思って買ったらプラだった

っていうことですね。もうずっと言いますよ僕は。ラパラの公式サイトで「5㎝はプラです」とちゃんと書くまで永遠と言いますからね。

という陰湿な僕のライフワークは置いておいて。

このルアーもまた面白かった。

まずジョイントミノーってことで購入したんですが

そもそも、僕の大好きなドクターミノーのジョイントフローティングに似たルアーが無いかと思って探してたんです。

そうしたら、ラパラのフローティングジョイントに渓流で使えそうな5cmがあるじゃないですか。

こりゃ良いぞと思って買ったら、それが普通のジョイントミノーとまるで違う。

まず特徴的なのが動きですね。

ラパラのフローティングジョイントって関節部分がかなり大きく動くんですけど、今時こんなに動く関節のあるジョイント系アイテムなんて無いんですよ。

そもそもジョイント系の関節って、広げれば広げるほど動きが緩くなるし、そうなるとフロントの動きにテール側が付いてこなくなって、魚っぽい動きをしなくなる。

ということで、最近のジョイント系ミノーはどれも関節部分を少しだけ狭くしてるんです。

ところが、フローティングジョイントはもうグニャグニャ動く。

アクションもフロントが動いてからテールが動くって感じじゃなくて、ほぼ同時にグネグネ動くから、魚っていうか別の何かに見える感じ。

でも、これが良い。

流れにのせて、トゥイッチをかけると、まるでワームみたいにグニャン!って動いてくれて、まるでノーシーカー投げてるような感覚ですよ。

ここまでくると、もう渓流の普通のミノーイングじゃないですね。

投げたら水面でぐねぐね動かして、そこに飛び出してくる魚に興奮ですよ。

ちなみに良いサイズなんかまぁバラしましたけどね。

いやーフックもっと大きくしとけばよかったけど、まぁしょうがない。

あと、飛距離が結構出るんですよ。

こいつも渓流ルアーじゃまずありえないタイプで面白かったです。

忘れちゃだめだよハスキージャーク

最後に登場するのはハスキージャーク。

もうこのルアーに関しては

みんな忘れないであげて、マジで

と言いたい。もう何と言われようがかまわない。

完全に擁護派にまわりたい。

 

このルアー、初登場時からなんだかんだ曖昧な立ち位置ですが、今でも販売が続いているし、海外けっこう使い手も多い。

だけど日本だと完全に忘れさられてる感が強い。

そもそも一時販売が停止してたのが、僕が釣りをはじめた2017年に復刻したんです。

つまりね。

それまで、アングラーの皆様にはすっかり忘れられた存在だった悲しいミノー。

もともとラパラがウッドからプラへの過渡期の中で登場した亜種みたいな存在なんです。

それにジャークベイトとしてはX-rapのほうが印象が強いし、愛好家はウッドのほうを好む。

というわけで、ハスキージャークはいつの間にか販売が停止していたんですね。

でもね、僕はこのルアーすごい好きなんですよ。

プラなのに見た目も昔のラパラっぽいし、ジャークベイトだけどなんでもこなしてくれるし

とにかくまぁよく動く。オリジナルフローティングを若干サスペンドにしただけって感じだし、ほぼ浮いてくるしね。

あとトゥイッチの反応も良いんで、アップクロスの釣りにも役立つ。

しかも流れの中でも飛び出しにくくて、僕みたいな渓流アングラーでも使いやすいんです。

それと、このラトルサウンドがニジマスをはじめとするトラウトに効くんですよ。

なぜかは不明なんですが、普段は繊細でラトル音を嫌うような奴らが、このかん高くシャラシャした音にだけ反応してくる謎。ゴトゴト系のサウンドだとビビって近寄ってこないんですけど不思議です。

今年の一番気に入ったラパラのミノーは?

というわけで年末にことしのラパラを振り返るってことで。

ここは一番を決めたい。

カウントダウンTV的なやつをやりたい。ラパラだけで。

とか、完全にオッサンむけのコーナーなんで恐縮ですが、今年使って一番好きになったラパラについてみていこうと思います。

ただ、もう4つしかないので、順位をつけるのが可哀そう。

たぶん手持ちのラパラちゃんが鬼泣きして脱走しちゃうんで、1位だけを決めようと

1位はフローティングジョイント

今年の個人的ラパラミノー1位はフローティング・ジョイントですね。

いやね、釣果的にはハスキージャークが1位ですよ。

ぶっちゃけめっちゃ釣ってますからね。

それじゃぁなぜフローティングジョイントなの?

M-1の審査なみにあとでネットで荒れちゃうの?

とか心配してるんですけど大丈夫。

それにも一応理由がありまして、とにかく感動的な体験をさせてくれたことですね。

まず動きが凄いキモい。

もうディスってるのかと思ってるんですけど、動かしていて久々にこんなキモいの見たぞって感じでしたね。

それと、このルアーで釣りたいって思わせてくれた所ですね。

他のラパラのルアーも勿論同じ気持ちはあるんですが、フローティング・ジョイントはチェイスが凄い見えるし、誘って食わせるって感覚が凄い強いルアー。

めちゃくちゃトゥイッチかけて釣るっていうか、トントンとして食えー食えーと念じたら食うみたいな霊感釣法が使える。いや実際使えないけど。ぜんぜん霊能力とかないけど。

でもそういう気持ちにしてもらえる部分が大きかったのと、他のミノーとは明らかに一線を画したアイテムだったので、僕の中では大きな衝撃を受けました。

なぜラパラのミノーはこんなに中毒性が高いのか?

それにしても、なぜこんなにラパラのミノーはハマってしまうのか?

今年ラパラを使ってみて色々思うところはあるんですが

結論からいうと、正直よくわからない。

というかなんかこのルアー、妙にわかりにくい。

それほど尖った性能があるってわけでもないし、使い方もコレっていうのがあんまりない。

むしろ僕からしたら結構中途半端な性能。

だからこそハマルというか、むしろその未完成さが魅力なのかなと思いました。

ラパラはなぜ古いルアーを現行販売しているのか

ちょっと前にユーチューブで村田基さんの動画だったと思うんですけど

ラパラのルアーが1日に7万個も売れてるっていうフィシングショーのものがあったんです。

まぁ衝撃を受けましたね。

 

で、そこでラパラが今でも古いルアーを売っている理由として

 

「多くのメーカーが毎年新しいルアーを出しているのに、ラパラが古いモデルを今でも売ってるのは、それでも釣れるから」的な話をしたんですけ。

 

それと、日本は綺麗なルアーは売れるけど、そういうのは世界では通用しないし、プロが使ってるから売れるってのも通用しないし、ああいうのはプロが使うから釣れる。でも、ラパラがずっと古いルアーを売っているのは、投げて巻けば誰でも釣れるから。そういう信用をラパラは勝ち取ってる。だから古いモデルをずっと出してる───と。

 

ほえーなるほど

と、納得する部分が多々ありましたね。

 

確かに日本のルアーは見た目重視だし、使う場面ごとに本当に様々なルアーが出てるし、毎年のようにプロが「これが凄いマジ革命!」てな具合で毎年革命おきてるわけで。そんなに革命起きてたら紛争地帯か世紀末アナーキズムと一緒だろうとか突っ込む人も少なくない。

というところは、僕も確かに感じてたので

そうかーラパラはもう釣れるルアー作ってるから一々変更しないんだなー

とか思ってました。

そこで実際にラパラのルアーを使ってみて感じたのが

いやこれ、そんな釣れるのか?

という身も蓋もない話ですよ。

古いラパラミノーは未だに完成してない

このブログで以前書いた通り、僕は村田基ファン。

というか、僕位の年代でルアーフィッシングをやって、バスも釣ってて、グランダー武蔵をみていた人間でファンじゃない人間を探すほうが難しい。

そんな僕ですから、村田基の話はかなり面白いし好きなんですけど、実際にラパラを使ってみた感想は。

これ、本当にそんなに完成してるんだろうか?

という印象なんですね。

X-rapなどの最新モデルの話じゃないです。

昔からずっと売っているオリジナルフローティングやカウントダウン、ジョイントなどなど。

それと、ハスキージャークも一度廃版になったんでおんなじですかね。

これらのルアーは、釣れるかどうかって言われたら釣れるんです。

でも、誰でも簡単に釣れるルアーかっていうと、そうでもない。

むしろ最近のルアーのほうが簡単に釣れるっていうイメージすらあるんです。

 

まずキャスティングが難しいことです。

投げて飛ばないのも勿論なんですけど、オリジナルフローティングなんかは空中で回転してフックに引っ掛かることすら多いレベル。

これはさすがに現代のルアーにはかなわないし、ルアーフィッシングはどう考えても投げるところからスタートするしかない。

例えば初心者がラパラのオリジナルフローティングを投げるのと、最新の移動重心システム付きのフローティングミノーを投げるのでは飛距離が全然違う。

 

あとは投げて、ただ巻けば釣れるルアーという点。

それは確かに思う、ラパラは投げて巻けば釣れる。

でも、今のルアーも巻いて簡単に釣れるのかっていうと

まあ釣れる。

そんなルアーゴロゴロしている

というか、むしろそこから先に行ってるし、そういう次元にもういない。

 

例えば渓流ではD-コンが流行るまえ、CD3が渓流で多く使われていたと聞いてます。

でも、それからD-コンみたいな平打ヘビーシンキングが流行したのは

アングラーが、投げてただ巻けば釣れるルアーを求めてたからじゃないんです。

渓流で多くの人が求めてたのは、小さくても飛距離が出て、トゥイッチワークでダイレクトに動いてくれて、なおかつ短い距離で多数のアクションを詰め込み、リアクションバイトを獲れるミノー。

だったわけですよ。超わがままでしょ?

だから、ただ巻いて釣れるルアーが欲しかったわけじゃないんです。渓流アングラーは。

トゥイッチ主体の釣りで釣りやすく投げやすいルアーが欲しかった。

しかもダイレクトな操作感と、大好きな渓魚に似た美しいデザインが欲しかった。

だからD-コンだったし、結果めちゃくちゃ売れたわけじゃないですか。

それは、なにも渓流に限った話じゃないでしょう。

ハイレスポンスで、使う魚種やエリアごとに特化していて、アピール力が増えて、短い距離でリアクションバイトが取れて、レンジごとに特化して、根掛しにくい・・・などなど

 

つまり確実にニーズに応える形で変化してるし、細分化してる。

釣り方に合わせて、様々な特化型ルアーに自然と発展していったわけです。

 

たぶん、60、70年代のラパラルアーで、魚を釣る目的だけなら確かに完成してたんです。

でも、それより先があったからX-rapをラパラが作ったのは間違いないし、ストームだってそう。

時代の流れについていくためには、古いラパラだけじゃ対抗できなかったんです。

 

もし永遠にラパラで十分だというなら。

ビートルズでロックは十分って言ってるのと一緒だと思うんです。

音楽って、アンドロイドが歌おうが未だ肉声が好まれてるから、劇的な進化とか嫌う人が多いんですけど、それでもビートルズをずっと聞いてられない。世界一偉大なロックバンドですら。

それでもビートルズ愛好家は、ロックはビートルズで終わったっていうかもしれない。

でも、もしビートルズでロックは十分だったら

きっとロンドンの若者が石鹸で頭をツンツンにして頭皮を痛めつけ、白目を向いて叫ぶこともなくて。

3人組が白と黒のツートンカラーで化粧をして肌荒れに悩みつつ、さらに筋肉痛と戦いなが斧形のギターと重装備で演奏することもなくて

繊細で、天性の感受性を持ったアメリカの青年が、最後にショットガンを咥えることも無かった。

でもそれって、みんな僕らが望んだ結果で。

満足できない貪欲な僕らいるから、こうなっただけ。

それはきっとルアーも同じ。

ルアーの変化に関して唯一望んでなかったのは魚だけでしょう。

 

というわけで

ラパラのルアーは確かに投げて巻けば釣れるけど

ただルアーで魚が釣れれば良い時代はとっくに終わっているんですね。悲しいことに。

 

釣りというローテクな趣味はハイテクを嫌うんですけど

その限られた制限の中で、まるで音楽のように、新しくて、刺激的で、より遠くに、より扱いやすく、しかも使っていて面白いものを求めて、ルアーはどんどんと変化していった。

そこにきてラパラのルアーは昔のまんまじゃないですか。

だから、正直いって使いにくいところが凄い沢山あるし

それはビートルズを聞くのと一緒なんです。

昔からラパラを使っていた人の中には、ここで完成していると思うかもしれないですけど

最近ルアーをはじめて、最新のミノーばかり使っていた人間が突然ラパラを使うと、なぜだラパラと尋ねたくなる所がめっちゃ多いのね。

え、飛ばないじゃん!とか

え、すんごい糸絡むじゃん!とか

これぜんぜん動かないじゃん!とか

ぜんぜん完成してないじゃん、これめちゃくちゃ未完じゃん。

みたいな感想があるんです。

じゃあラパラは昔売れたルアーを、そのまま胡坐をかいて何の努力もなく売り続けているのか?

ていうと、そんなわけはない。

そこには間違いなくブランド化したラパラの古いルアーと、そのルアーを長く愛している古参アングラー。そして僕のような新参がラパラの古いルアーにはまる原因があるわけです。

未完のラパラだからこそ愛されている

僕はルアーをキャラクターに近いと思ってるんで、よくこのブログではルアーにしゃべらせてコントをやっていたりします。

で、実際の釣りでのルアーは、僕の代わりに動くキャラクターって感じ。

それも格闘ゲームのキャラクターみたいなものだと思っていますね。

例えばストリートファイター

僕の世代じゃ元祖格ゲーなわけで、そりゃもう僕もハマりましたよ。

そこで皆が好んで使うキャラクターにも当然違いがありましたが、別に強くもないのになぜか使う人間が多かったのが

ザンギエフとダン

この二組ですよ。

とくに印象的だったのはダン。

あいつはあまりに弱かった。

なんで格闘ゲームにこんな使えないキャラクターを放り込んできたのかわからなかったし

あれ以上のネタキャラを僕はまったく知らない。

初めてダンが登場したストリートファイターゼロをやっていた方は覚えているでしょうが

彼のサイキョー流は確実に最弱だった。

 

まず飛び道具が飛ばない。途中で消える。

もうオリジナルフローティング位飛ばないんですよ。

 

みなさんご存知の波動拳のつもりで放った技(我道拳)が、なぜか画面を3分の1も移動せずに消えるんです。

何で消えるの?え、なんで最後まで飛ばないのか?と初めて使った時は大混乱。

そしてガード崩しができない

ストリートファイターではガード崩しの技が絶対あるんですけど、ダンはなぜかこれができないんですよ。

食い気のしぶい魚にリアクションで食わせるようなハードなアクションができないんです。

これがかなり不便で、コンボを狙うタイミングが超シビア。

で、極めつけがcomboがただの挑発という意味不明の使用。

なんでおまえ必殺技が前転なんだよ

相手ノーダメージじゃないかよ

もうだめ、絶対無理。

このキャラじゃまぁ勝てない。

と思っていたのに

気が付くとダンを選ぶ自分がいる。

なぜか挑発して遊んでる自分もいたし、ダンを選ぶと楽しかった。

しかもダンで勝ったときのあの盛り上がりは凄い。

負けた対戦相手ですら「うぉおおお!!」の一声ですよ。

 

そうなんですね。

僕のように、今ラパラの古いルアーを使う人間の印象ってダンっぽさがあるんです。

マジで本当に弱かったけど、みんなに好かれてたダンっぽいんです。

誰もが最強を目指すバーチャル真剣勝負の格ゲーに突然出現してきた最弱という概念。

なにかもが中途半端なのに、そこが人気の謎キャラ。

そのあとマーベルVSにも出て、後のシリーズでもずっと登場し続ける人気キャラになると、あの時誰もが予想してなかったんですけどね。

 

で、ラパラは僕にとってダンにそっくりとうか。

そういう未完成なのに愛される所が、このラパラの古いミノーたちにはあると感じるんです。

 

飛距離でないし、すぐ絡まるし、根がかるし、アクションだって雑なところいっぱいある。

だけど釣れた時の喜びは凄い強くて、なんかそのおおざっぱな見た目がとても可愛く思える。

で、釣りを終えたあと、あんなに使いがってが悪いフローティングミノーですら、また投げようって思っちゃう。

もっと使えば、もっと上手くこいつを使えるようになるんじゃ?という気になるんです。

 

これって、たぶんビッグベイトを投げる人達に近い気持ちだと思うんですが

ビックベイトの場合はダンっていうかザンギエフですね。

しかも初代ですね。スクリューパイルドライバー決まらなかったー。

 

まぁつまり何が言いたいのかって

アングラーってのは案外ダメキャラが大好きなんですよ。

 

一発大物だとか、一撃ドカンだとか

興奮できるものが大好きで、そのために釣りをしている

しかも初代ザンギエフとかダンなら一発ドカン以上に

あまりに使い勝手が悪すぎて、逆にハマルやつらが超多かった。

という部分が凄く大きい。

 

ダンじゃなきゃ勝てないとか言い出すやつとか

ザンギこそ最強と言い出すやつとか

そういう人が物凄い増えるんですが、釣り人も案外一緒です。

 

釣りやすいルアーで釣りたいんじゃない

ラパラ(ダン)で釣りたい。

そう思わせるルアーに、古くからあるラパラのルアーはなってるんです。

 

なんか釣り人って、非効率的な作業にゲーム性を見出すような人々が多いんですよね。

そのために古いラパラのミノーは売れてるし、使い勝手のよい多くのルアーがある中で、あえて使いたいって思う人が居ると思う。だから未だに昔のままでずっと売れてるんだと。

もちろんそれは、最近ラパラを使い始めた人って話。

昔からラパラを使っている人は、あの時の高性能で高価だったラパラへの信頼があるわけで

昔からガイルを使っているだとか、昔から同じスポーツカー乗っている人とかと一緒で、良いもの長く愛している感覚なんだと思います。

でも僕からしたら最弱のダンであって、そういうキャラを使う面白さがある。

そういう二つの見方でとらえられるユーザー層があるからこそ、ラパラの古いルアーは未だに根強く支持されてるんだと思います。

ラパラの歴史というブランド戦略の成功

オールドタックルにはまる人々がいる理由のもう一つの部分が、古いものへの憧れですよね。

ラパラの歴史は長いですし、その中で多くの伝説を持つアイテムには、古い道具が好きな人たちがハマりやすい要素があります。

このあたりは釣れる、釣れないだとか、使い勝手とかそういう部分とは別

たぶん、ブランド戦略の成功ってことだと思います。

歴史は何よりも強力なブランド力を付加しますし、古いものというだけで価値があがる。

それも昔と変わらない値段で、今でも現行販売しているとなれば、やはりブランド力でユーザーを掴んでるっていう感じもありますね。

あえて進化させず、昔のまま残すというシーランカンス戦略は老舗の食品とか時計だとかバックだとかブーツだとか、歴史=ブランド化しやすいアイテムに多々見られる方法ですが、これをラパラはやっているんだと考えてます。

たとえばドクターマーチン、好きな人多いですよね。

あのブーツも60年代に登場してから殆ど形を変えてないけど、そういう歴史こみで皆好きじゃないですか。あのデザインだって変わったら嫌じゃないですか。

でも履きやすくはないですよね。

ていうか超硬いし重いですよね、僕も持ってるですけど。

真冬とか怖くて履けませんよあんなの。

でも、あれが履きやすいデザインになったら?

むしろ嫌ですし、買いません、そりゃ。

 

そういうもんなんです。

それがラパラが古いルアーを売ってる理由の一つだし、実釣性能以前に、アイテムとしての価値が高い理由。

古くから人気のモデルを形を変えずに売ることでブランド力を高めてるんだと思います。

まぁ、だからって人気が高まるわけじゃない。

僕みたいに新たにラパラのルアーにハマる人は少ないし、基本古参の方々のニーズにこたえている感じ。

それに海外ってこういう戦略をとるメーカーが結構多い印象。

プラドコとかオールドだからこそのブランドってことで古いルアーめちゃくちゃ売ってますよね。

 

でもでも、普通にオールドルアーを買ったら5000円。

でも、まったく同じものが1000円で、しかも新品で手に入る。

だったらラパラが欲しい!って思うのは僕も一緒。

 

長い歴史を持つルアーが、わずか1000円で自分の手に握られ、しかもガンガン使えるんですから、こんなに嬉しいことはないですね。

ラパラのミノーはハマる要素満載

というわけで長々とラパラのミノーについて感じたことを書いてきました。

古くからあるラパラのミノーは決して使いやすいわけじゃないですけど、使ううちにハマってしまう魔性っぷりがある。

それとブランド力も高いし、所有欲を満たしてくれる部分もありますね。

ブランドが好きな人、不条理を好む人、古くから愛している人などなど

本当に多くの見方でとらえられているルアーですし、そういう多面性はどこか人間ぽい。

ダメなところがあったり、別の面がある人のほうが案外好かれるっていうのはマジな話で

単純に「こういうルアーだ!」と使ってすぐ言い切れないあたりが、一番好きなところですね。

それに、あのダンだってストゼロ時代に大会決勝戦で使ってるやつもいて、もう超強かった。あの最弱キャラを極めた使い手たちは凄かったですね。

そういう釣りを極めたい人達は、ラパラを好むような部分がある。

誰でも確かに釣れるけど、釣果を上げるなら技術が絶対必要だし、扱いも難しい。

だからこそ、飽きることなく長く付き合えることは間違いないです。

 

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