今回はスピンキャスト80を分解してきましたよ。
未だかつて一度たりとも中身を見たことがないリールがうちにあります。
それは、以前このブログでも紹介したスピンキャスト80。
中古わずか1900円という値段で購入したわけですが、なんかお気に入りのリールなんですよ。
回した感じもギコギコうるさいし、ハンドルノブ一個しかないし。なんか回すたびに上質なコーヒー豆を挽いてる気持ちになるんですね。
しかし回しても回してもコーヒーの粉はでてこない。
このリールが無限コーヒーマシーンだったらよかったんですが、結局安物のインスタントコーヒーを淹れて今飲みながらこれを書いているαトラウトです。
急にスピンキャスト80のメンテナンスがしたくなった
しかし苦いコーヒーです。
ウドの町中で飲むコーヒーやら、7つの大罪になぞらえた事件を追ブラットピットが、雨の持ってくるような苦さ。
そんな苦味を楽しめる大人になれたのかは不明です。確かに美味しいけれど、苦いものは苦い。
けれどいくら良い豆を買おうが、良いマシーンを使おうが、結局苦くないコーヒーにはならない。不思議なものです。甘い砂糖と牛乳を入れて解決しようとはしない。
で、僕らが使うリールもそうかも。
巻き心地はよくなり、シルキーになろうとも、リールを使わずには居られない。いつまでも巻いている。手を使って、力をいれて、グルグルグルグル。最先端と言われるリールですら、原始的なまでの苦労だけをやめようとしない。
そんな苦労の一つに、メンテナンスがあります。
みんなこれを喜んでやるし、僕もそう。
毎回面倒だし、グリスやオイルで手がベタベタ。なのにメンテを欠かさない。どんなリールでも。
というわけで、そんな不思議な苦労を求め、僕は未だにレトロな外観をとどめている化石リール。スピンキャスト80を分解しながら配信することにしました。
スピンキャスト80を分解してみるが
メンテンナンスするためには、まずは分解から始めないとなりません。
ただし、分解ってのは何時も怖いものです。
特に今までバラしたこともない種類のものは。
長年使っていて、分解経験の多いもの…例えば僕の場合はPCなんかは大体の構造がわかっているので、はじめて触るタイプでも大体安心。
リールの場合も同じで、スピニングならスピニング、ベイトならベイトといった具合に構造が似ているため大体の仕組みはわかります。
ところが、このスピンキャストはまったく構造がわからない。
そもそも中身も見たことがなければ、どんな仕組みで動いているのかもよくわからない。
しかも困ったことに、図面が箱に入っていなかったんです。
しかもダイワのサイトにも存在しないようなので、実際に分解して中身を見てみるしかありません。
スピンキャスト80のギアボックスを開けてみると
ということで中を開けてみると、なんかいきなりパーツが外れて飛び散りました。
最悪です、いったいどこに付いていたのかもわからないのに、これだから新しい機器の分解は嫌なんだ。
とかなんとかグチりながらも、ユーチューブで分解の様子を配信していました。配信すると編集することなく動画UPできて便利なんですよ。
ちなみに、ギアとハンドルの感じはスピニングに似てるんですが、かなりシンプル。
スプールを押し上げるあのピストンみたいな、もしくはカムシャフトみたいな謎のパーツがありません。
スプールの部分が意味不明
さらにスプールの部分の分解をはじめてみます。
スプールの上部のネジを外すと、どうやら分解できるっぽい。
ということで外してみたんですが。
何このスプール、とんでもなく重い。
今まで触ったどのスプールより。というか、なんか鉛の塊みたいな重さ。
こんな重いスプールが入ってればそりゃ重くもなるはず。
けれど、きっとこれほどの重さを持つ金属じゃないと動きが安定しないのか?そのあたりは不明ですが、ともかく中を見てみることに。
すると出てきたのは、これまた妙なギア。
なんだこれ?スプールのどの部分を回してるんだ?
とか思ってたんですけど、どうやらこれがドラグ部分になってるらしい。
仕組みはドラグダイヤルを回すと、ギア部分が上昇。
それによりスプール部分が抑えつけられ、回転しにくくなるというものらしい。
なるほど、スピニングならスプールの上部から抑え付けるところを、下からお仕上げて抑え付けてるわけですね。
ベイトだったらハンドル付近にこの仕組みがあり、スピニングなら上部にあるわけで、ちょうどスピニングとベイトの中間の仕組みって感じでしょうか。
ローターとメインシャフトが抜けない
ここまで分解したら、いよいよローターとメインシャフトを抜きたいところ。
しかし、なぜかメインシャフトも抜けなければ、ローターも抜けない。
ここにはスピンキャスト80唯一のベアリングが入っているので、抜いて洗浄したかったんですが、まったく抜ける気がしない。
しまった、まさかここで詰むとは。
無理をして外すとしたら、スピンキャストの上部にある金属パーツを外さないといけないんですが、これが簡単にやっても抜けない。
抜くとしたら相当な力が必要なんですが、無理をしたら壊れそうなので断念。
パーツクリーナーで各パーツを洗浄
続いて分解したパーツをホームセンターで買っておいた激安パーツクリーナーで洗浄です。
中古で買った商品なんで、もちろんノーメンテナンス。
中身はオイルマミレだし、がっちり固まってしまってます。
こいつをシューっとスプレーして落としたあと、綺麗にしてグリスとオイルを塗り直します。
スピニングと基本同じ塗り方
オイルとグリスについては、スピニングの塗りかたを基本にしてます。
ギア部分はもちろんグリスで、それより上のパーツはオイルを中心に使います。ドラグ部分はもちろんグリスで。
問題は抜けなかったシャフトと、そこに装着されているベアリング。
ここは仕方なくベアリングにパーツクリーナーを吹きかけ、固まったグリスとオイルを抜いたあと、直接オイルを噴射注入してあげます。
すると、一気に回転が好調に。
やっぱりベアリングにグリスが入り込むのが動きを思い切り妨げますね。
分解したスピンキャスト80を元に戻す
さて、ここまで分解したスピンキャスト80を元に戻します。
しかしここで問題発生。
ユーチューブで配信しながら分解清掃していたので、分解手順をまったく撮影していなかった。
これはまずい。
普段なら映像で必ず手順を記録しているのですが、もうまったく手順がわかりません。
ということで、おぼろげな記憶を頼りに組み上げていくのですが。
インスタント・アンチリーバス部分だけまったく覚えてない。
実はこの部分、ギアボックスを開けた時にいきなり飛び出した箇所。
つまり、どうやって付いていたのかまったく見てない。
どうなってるんだこの部分は?一体何がついていたのか?おちつくな、あせるな、小学生の頃、初代ミストに3ヶ月。それでも諦めずにクリアした自分を信じるんだ。
と、なんかよくわからない自尊心だけを頼りにチャレンジした結果、なんとか仕組みがわかりギアに戻すと。
無事にアンチリバース復活。
これで無事メンテナンス終了です。
メンテナンスしたスピンキャストの調子は?
さて、紆余曲折あってメンテナンスをしたスピンキャスト80。
かけた時間はおよそ90分。
その間に手はベトベトだし、机は汚れるし、パーツが元に戻るかまったくわからなかったし。
やっぱりオーバーホールはメーカーに出すがの一番。
にも関わらず、こんな苦労を毎度好んで行うアングラー達は不思議な生き物としか言いようがありませんが、僕もその一人。
しかもその結果ときたら。
ただリールの回転が驚くほど軽くなるだけ。
たしかにギアの音は今もありますし、その感触もある。
けれども回転の滑らかさは段違いで、以前の3倍位はスムーズにまわります。
もうグルングルンに回ってくれる。
それだけなのに何か嬉しい。
これで古いスピンキャスト80も今シーズンは安心して使うことができそうです。
それと一度分解したので、なにか不具合がでたらパーツを見直したりだとか、ベアリング追加カスタムも可能っぽい。
スピンキャスターさん達のブログなんかを見ていると、結構オリジナルな改造をしてて楽しそうなんですよね。
とりあえずはハンドルの強化をやってみたい所。
今後ともにスピンキャストを楽しんでみたいと思っております。
コメント
初めまして。北海道小樽在住のアマチュアアングラーの飛竜と言います。スピンキャスト関連の記事から、こちらにたどりつきました。記事の内容が多岐にわたっていて面白いですね。これからもお邪魔させていただきますのでよろしくお願いします。
Taketo Kakemuraさん>お読みなって頂きありがとうございます!
ブログ見させてもらいました!スピンキャストは僕も今シーズンから使っていこうと思います。
これからも頑張ります!よろしくお願い致します。
こんばんはー。
もう解決済かもしれませんが、スピンキャスト80にabuもしくはダイワのベイトリール用ダブルハンドルが流用できますよ。
ちょっとハンドル側の穴をヤスリで拡げるのと、リール側のハンドル取付部をダブルハンドルの厚さ分ぶった斬るだけです。
その際に、ハンドルシャフト両側のブッシュをベアリングに交換すると、回転フィーリングはゴリゴリのままですが、剛性感が変わるので、グニャ感はやや薄れますよ。
じゅんのすさん>あーリールのダブルハンドル化ですね
僕も色々ネットで見ていて、ダブルハンドル化して使おうーと思いつつ買えていませんでした。
あーやっぱり削る感じなんですね、あれって結構簡単に切れますかね。ビビッてます。
あそこやっぱりベアリング化するのがいいんですね。
ギアのゴリ感はやっぱのこるんですね、なるほどー、パーツ集まったらカスタム開始したいです。
こんにちは。
ハンドル取付カラーは樹脂なので、ハンドル取付の切り欠き部真ん中を糸鋸でカットして、切って二つになったカラーの切り口をヤスリに擦りながら、ダブルハンドル分の厚みを削りました。ハンドルは家に転がっていたアブの純正です。これは細い平丸のヤスリで現物あわせで穴を整えました。
少しリールに対してハンドルを握る場所が近くなります。
内部ですが、ギアを綿棒とピカールで磨いてみたりしましたが、あまり巻き心地は変わらないですね。
それよりも巻き取りピンを簡単にダブル化できるので、部品取りを確保しましたが、甥っ子のキャスト練習用に奪い取られてしまい、まだ実現していません。テンション掛かっていないときの巻き取りにやや不満があるので、是非やりたい改良です。
スピンキャストの利点は手返しの良さと意外にキャストコントロールがしやすくトラブルも少ない点ですね。夜メバル、冬ソゲなどに活躍してくれています。
フィネスやってる仲間には安物リールと散々バカにされましたが、こっちはバックラしませんし。
最悪塩で駄目になっても、名の有るリールよりは気楽に買い替えられる点も良。
長々と失礼しました。
やっぱりダブルハンドル化するといいですよね、情報ありがとうございます、その方法でぜひ試してみたいと思います。
ギアはピカールで磨かれてるんですね。すごいです。やはりギコギコなんですね。
でも僕はギコギコしてるリールに慣れてるので大丈夫かもしれません。
トラブル少ないですよね、スピニングみたいに派手にバックラしないし、ベイトより頻度少ない気がします。
結構こういうチープなタックルが好きなんで、あえて安物ってのも良いかなと思ってます。たしかに買い替えらくですよねw
ご返事ありがとうございましたー