今回はRapalaのカウントダウンアバシの二つのモデルのうち、渓流で使うことの多いCDA5についてご紹介します。
rapalaのルアーの中でもCD5はかなり好きなルアーなのですが、さらに使いやすいと思わせてくれたのが、このCDA5です。
最近rapalaが押しているアバシウッドを使たカウントダウンシリーズですが、こいつがなかなか。
先日も良いサイズのニジマスが釣れたりして、一気にお気に入りのルアーになりました。
しかし、なんかバルサ材を使うことで有名なrapalaだけに、アバシウッドってどうなの?的な部分も含めこのルアーについて紹介したいと思います。
とにかくカッチカチのアバシウッド版CD5?
こちらが僕が使っているrapalaのCDA5です。
一見してごく普通のCD5に見えますし、写真で見てもその違いはわからない。
しかし、こいつは実際に購入し、パッケージから取り出した時点で誰もが違いに気が付きます。
なぜなら
こいつはとにかくカッチカチなんです。
もうすごい。すんごい硬い。
僕らの手には触っただけで物の硬さを図るセンサーのようなものが付いていると昔ディスカバリーチャンネルで見ましたが、こいつに触れただけで硬さを一瞬で計測。
で、明らかにバルサ材とその硬さが違うと判断し、脳に
「こいつヤバイ、なんかすごいカッチカチやぞ」
と信号を送るのです。
硬いものは、基本的に我々にとって危険なもの。
だからこそ僕らの手は敏感に硬さを察知するのですが、その「カッチカチ」シグナルが信じられないビックウェーブとなり脳髄に緊急警報をならします。
やばい、とんでもないカッチカチのルアーがある。
危険だ、こいつはとんでもない変態だ。
と、もう脳内が大パニックです。
そもそもCD5のバルサは、確かに表面は堅いものの、なにか柔らかさのある握り心地。
あと、ルアーが対して冷たくないんですよ。やっぱり木材って空気を含んでるから、外気に影響を受けにくいから。
でも、このアバシは握っただけで硬いとわかります。うん、カッチカチだ。
アバシウッドってどんな木材?
2015年にrapalaが発売したアバシ材のカウントダウン。
最初に登場したのが7㎝と9㎝。
翌年5cmのモデルが登場して一躍名前が知れ渡るようになりました。
けどね
そもそもアバシウッドってなんだよって話です。
バルサ材はルアーの材料として有名なんですが、アバシなんて聞いたことないです。
で、調べてみたらこの木材、ドイツ語読みでアバシ( ABACHI )となっているものの、本来の呼び名は「オベチェ」というのが正解のようです。
オベチェ材とは、アフリカを原産地とする木材であり、別名「アフリカンホワイトウッド」
ただsi,日本では「アユース材」という名前のほうが一般的です。
ナイジェリアやガーナなどのアフリカ南部に多く育つ木であり、アフリカでは輸出のために昔から多く育てられていたようです。
ギリシア語ではscleroxylon(硬い木)と呼ばれているので、やはり硬いのか。
と思いきや、木材の中では実は大して硬くないんです。
木材としての硬度にすると、むしろ若干柔らかめの木材にあたり、加工しやすい木としてアフリカやヨーロッパで家具を作るのに良く使われていますが、家の柱に使うケヤキレベルの最強カッチカチ素材というわけではありません。
むしろ軟性を生かした場所に使われることが多く、卓球のラケットやハイヒールのヒール部分に使うのだとか。
また、木材のバラツキが少なく加工しやすいせいか、オルガンのパイプに使われるほか、ギブソンとフェンダージャパンの限定モデルのギターの素材になったり、一部のバイオリンにもオベチェ材を使ったものが存在します。シャレた木だな。
で、このオベチェがドイツ語で「アバシ」という名前で呼ばれてるわけですね、どうりでアバシ材なんて検索しても出てこないわけですよ。
で、このアバシウッドはバルサ材よりも硬いものの、加工しやすく材質のバラツキも少ないうえ、適度な浮力があることからルアーの材料としてrapala以外も使っています。
ちなみに、日本でこのアバシ材を手に入れる時には「アユース材」で調べてみてください、結構普通に買えます。
加工しやすい木材で適度な浮力もあるため、ヒートンを使ったルアー作りが可能なタイプ。
ということで、ハンドメイドでブラックバスのトップウォータープラグを作る人なんかにはお馴染の材料らしいんですが、粉塵が肺に入ると危ないので子供むけの材料ではないですね。
カウントダウンがアバシになって何が変わったのか?
さて、僕が普段使うCD5と、アバシを使ったCDA5。
この二つの何がどう違うのかって話をしないと、アバシのメリットもデメリットもわからないですよね。
僕も最初「なんでアバシやねん」と良くわからなかったし、だったらCD5で良いわと思ってたし、中古で買うならCD5のほうが数が多いし安いし、べつに必要ないなーと。
でも、実際に使うとその差は明らかであり、狙うターゲットやエリアによってはアバシのほうが断然有利になります。
比重アップにより飛距離も20%上がってる?
まず最初に挙げるべきは、やっぱりウェイトでしょうね。
通常のCD5が5gなのに対して、CD5は6g
これがCD7になると8gから11gにまでウェイトアップします。
このウェイトアップこそアバシの利点。
もともと「飛ばない」ことが最大のデメリットであったラパラのバルサルアーでしたが、これをアバシウッドにすることで「飛ぶ」ルアーに変えてしまったわけですね。
まぁですよ
rapala公式では「飛距離20%アップ!」と書いてありますけど、実際にはどれくらい違うのかっていうと、すんごい飛ぶ。
CDA5なんか、5㎝のミノー投げてる感覚じゃないっていうか、もうスプーン投げてんのかよって勢いで飛んでく。いや、さすがにスプーンは言い過ぎか。
というか、5㎝でウェイト6gのミノーなんてスーパーヘビーシンキングですからね?
そういうルアーはあまり使ったことが無いし、例えようがないけど、全長が短く空気抵抗が少ないぶん、それは見事に飛んでいきます。
フォール速度もかなり速い
続いてフォール速度ですが、当然こちらも上がってます。
速度的には、やはりこちらも20パーセント増加・・・いや、実際には3割以上速く感じますね。
深いポイントに素早くルアーを送り込みたい場合に凄く有効なルアーですね。
CD5だって十分速いんですけど、アバシはさらに速いので「いやいやここミノーで届かんだろ」的な深い場所に潜む魚を狙うのにも適してます。
ちなみにフォール中はラッタリングを行うので、普通のカウントダウンと一緒ですね。
潜航しやすいぶん深い場所を狙いやすくなった
続いて潜航深度ですが、こちらもアバシのほうが若干増えてますね。
CD5の潜航深度が 0.9~1.8mだったのに対して、CDAは 1.2-1.8m となっています。
最大潜航深度は一緒ですが、最も浅い場合での潜航深度が30㎝ほど変わってますね。
ということは、もちろん深い場所を狙いやすくなったということ。
浮き上がりにくく、深いレンジを一定速度で巻き続けられるので、ボトム攻略にはうってつけの性能です。
僕が使った感想もまさにそれで、深いレンジをひたすら引くのが普通のCD5より得意。
感覚的には一段下まで攻めてる気がしますね。
ただ、そのぶんシャローは地獄のように苦手です。
浅い場所でも、ロッドを立てつつ巻いてルアーを通すような方法はCD5でギリギリできますけど、こいつは無理ですね。小さい渓流や湖の浜で使うと常に底にリップがぶちあたります。
ルアーの強度が増しているので大物も相手にできる
そして最後に、アバシ材になったことにより、CD5の強度が増してる点ですよね。
バルサのルアーはアクション優先で、飛距離や強度を犠牲にしている案外ピーキーなルアー。
というわけで、大物相手にバルサのルアーを使うと、ボディを粉々にされるという悲しい出来事がたまにあります。
しかし、カウントダウンアバシなら、バルサよりも強度があるため大物にも対応しやすくなります。
また、大物だけでなく、キャストミスでルアーをぶつけた場合の強度も上がってるので、通常のCD5よりもハードに使えるのが魅力ですね。
動きが安定していて暴れすぎカッチカチ
アクションの特徴としては、普通のCDよりも動きがタイト気味にになっていることも忘れてはいけません。
やはりウェイトがアップしたぶん、動きの派手さは消え、ただ巻きでは細かいピッチを繰り返すようになりますね。
このタイトな動きがスレ気味の魚には効くようで、ただ巻きでなんどか良い魚を出してもらっています。
それと、ダウンクロスやドリフトなど、流れの中での釣りでの安定性はアバシのほうが上ですね。
暴れすぎず流れの中でもタイトに動いてくれるので、コントロールも楽。
ポイントを通過させやすいです。
トゥイッチやジャーキングで鋭い動きが出る
そして最後に、トゥイッチやジャーキングなどの動きについて。
通常のCD5よりもウェイトが重くなったカウントダウン・アバシは、ロッドワークでの動きが素早く大きくなってます。
これが僕、けっこう好きでして。
トゥイッチでヒラヒラ舞うように動くCD5に比べ、鋭く飛び跳ねるようにダートするこの動きがリアクションで釣るのに適してるなと思ってます。
以前のクロスフィールドの記事でニジマスを釣った時も、アップクロスに投げてからボトムに落とし、強めのトゥイッチでルアーを跳ねまわらせて釣りましたね。
川が濁っていたし、魚もボトムべったりでアピールを強くしたほうが効果的な場合には最高。
ただ巻きでダメなら、ブンブン振り回してやります。
カウントダウンアバシよりCDのほうが良い点
さて、それじゃぁアバシのほうが良いじゃん、アバシ買おうよ!
ってなるんですけど、実際にはそうでもないです。
なぜなら、当然これだけヘビーなシンキングミノーは使えない場所もあるから。
全てを一つでこなせるような万能ルアーではないので、場合によっては普通のCDのほうが良いこともあります。
どっちを買おうか迷ったら参考にしてください。
小渓流では深場以外カッチカチに向かない
そもそもCD5自体、浅いところを得意としていないのに、アバシになるとさらにディープエリア専用になるので、当然小渓流ではまったく向きません。
通常のCD5ならギリギリこなせるので、普段いくポイントが結構浅い場合には通常のカウントダウンのほうが良いです。
とはいっても、まるで使えないわけでもなく。
増水している時に落ち込みの底まできっちりミノーを泳がしたい場合には、断然アバシのほうが良いですね。フォール速度も鬼のように速いので、ストーンとボトムまで行ってから魚を引っ張りだしてきます。
低速ではあまり動かないので気を付けて
アバシはCDに比べて低速域に弱くなっています。
流れの中なら急ピッチでタイトに動いてくれるんですがねぇ・・・止水で遅く巻く釣りには恐ろしいほど向いてません。
こういう所ではジャークや強めのトゥイッチでパンパン跳ねさせると使える。
でも、ただ巻きのほうが効果的のようなエリアでは普通のCDのほうが良いです。
あと、アップクロスで動かすときにも同じです。
タダ巻きではあまり動かないので、やはりアクションをつけないといけません。
フォールのブリブリで釣りたい時には不向き
アバシのタダ巻きはタイトさが良いのであって、ブリブリさせたい時にはやっぱり普通のCDのほうが良いと思ってます。
活性がそれなりにある魚なら、やっぱりブリブリっとした動きのほうが誘いやすいし、アピールもしやすい。水も押すので、はやめに魚が釣れると思ってます。
あと、活性がいいとレンジも上向きで、落ちてくるルアーへのバイトも多いですしね。
こういう時、アバシみたいにストーンとボトムに落とすより、これまたブリブリとしたフォールで釣れるのも普通のCDの方です。
カウントダウンアバシ5㎝が向いているエリア
というわけで、普通のCD5にもアバシのCD5にも向き不向きがあるので、このあたりは使い分けが必要。
ということで、今度はCDA5が向いているエリアについて考えてみたいと思います。
本流ではアバシの飛距離とボトムを取る能力が活きる
僕はこのCDA5を本流で使うと決めてます。
というのも、飛距離が抜群に出る他、ボトムをきっちり取ってくるから。
引き抵抗は強めだけど、飛び出すことがないし、動きもタイトだから普通のCD5よりぜんぜん扱いやすいし、魚にも警戒されにくい。
それと5㎝という小ささで本流を攻められるから色んな魚が狙える。
ニジマスを中心にイワナやアメマス、ヤマメ、そしてウグイパイセンだっていける。
小さくて飛んでボトムを狙えるミノーは、やっぱり本流大活躍ですね。
手早くポイントチェックしながらランガンしたい時
あと、こいつは速い釣りにめっぽう強いんで、ポンポンうちながらポンポン回収していくランガンにめちゃ向いてます。
ベイトフィネスタックルでこいつを投げても遠投可能なので、あっちにもこっちにも投げ、速めに巻いて回収。これが一番。
とにかくスピーディーに
かつ広いエリアをミノーでサーチしていく。
そういう釣りならカウントダウン・アバシの出番なんですよ。
河川でも流れの緩いところならこれ、湖でもこれ。
ロックゲームでも勿論これ。スコンスコンルアーを飛ばして探るのが向いてます。
それに、フォールも速いんで、ちんたらレンジに到達するのを待つのがだるいときに良いですね。
僕なんかADHDなんで、遅い釣りがかなり苦手なんですよ。
だから、カウントダウン・アバシみたいにスコーンと投げて、スコーンとレンジに落として、スパーンとロッド煽って巻いてくるほうが性に合ってるんで、そういうのが好きな人にはおすすめでスコーン!
れっつテクトロ
最後はやっぱりテクトロでしょう。
護岸工事されている川や池、防波堤などなど
なんか足場の高いところでロッドだして引っ張っていく時には結構良い感じです。
浮き上がりがすくないし、フォール速度が速いのでトコトコ歩きながらロッドを上下に動かしても良い感じに魚を誘ってくれます。
カウントダウンアバシを使いこんでモンスタートラウトを狙いたい
このCDA5は色んなサイズの魚が釣れてくれるけど、ルアーの強度が増したぶん大物にも対応できるので、やっぱりモンスタートラウトが釣りたいですね。
今年は本流での釣りに積極的に行くつもりなので、あわよくば、ずっと憧れてる僕の中のトラウトキング、降下型ニジマス・スチールヘッドにあえれば・・・
なんて期待してますが、果たしてアバシでスチールが釣れるのか?
とか思ってますけど、こいつを投げる時にはスチール釣れろー!と毎回期待を込めるつもりでいます。
あと、Japan限定カラーが沢山出てる他、全色ホログラム塗装になってるんでナチュラルにアピールできるのが嬉しい。
あのカワイイCD5がカッ飛び&ファストリトリーブ対応モデルとなって生まれ変わったので、こいつでスパーンと魚を釣ってあげたいところです。
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