先日、専用タックルにまみれ荒廃した釣り業界を救うべく現れた全魚種対応ロッド、クロスフィールドを購入した僕ですが、今回は実釣インプレになります。
専用タックルはあるに越したことはないし、もちろんそのためのロッドは幾らでも存在する。
けど、様々なエリアや魚に合わせてロッドを揃えていると、あっという間にお金が消えてしまうのは、釣りをする誰もが体感する悩み。
そこで僕が目を付けたのが、アブガルシアから販売されているクロスフィールドです。
全魚種、全エリア対応ということで、いかなる場所でも使える超汎用型に仕上げられたロッド。
しかも値段が恐ろしく安く、僕の662MLBFはバスワンやトラパラ並みの7000円前後で購入できてしまうのです。
これほどコスパの良いロッドはクロスフィールドを置いて他にあったろうか?──
ただし、ネットで色々と調べてみたのですが、幾ら全魚種対応とはいえ、なかなか渓流や湖での使用インプレが見つからない。むしろクロスフィールドは海で使う方が多いイメージですね。
じゃぁ僕が本流トラウトで使ってやろうじゃないか
なんて使命感にかられたわけではありませんが、バッチバチのネイティブストリームや湖で使っていこうと思います。
まずは近くの本流でクロスフィールドをテストしてきた
というわけで、まずは近くの本流にでかけていきました。
しかしこの日は気温があまりに高い。
5月なのに30度を超えて少し涼しくなったと思たら、それでも日中は27度まで上昇。
一体北海道に何があったのか?環境破壊がそこまで進んでいるのか?
ここまでくるとリアルに世界が終わることを予感した僕
釣り業界の荒廃が救えるなら、リアルな環境破壊も救える気がしましたが、ただ暑さで脳みそが沸騰しているだけでした。死ぬ。もう無理。
なんせ5月の割にやけに成長した草木に覆われた本流めざし、蚊に襲われながら藪漕ぎをしていたんですから。
暑い、ひどい、なんだこれ、眩暈がする。
もうジャングルに迷い込んでしまった僕は、この先に人類最後の集落がある気すらしていたんですが、見つけたのはオアシスのような本流でした。
この暑さの中だと、水の音を聞くだけでも涼しいし、ウェーダー越しの冷たさが本当に気持ちい。
というか、この感じは完全に夏なのに、まだ5月って・・・
僕の頭以上に地球はどうにかなってしまってます。
クロスフィールド662MLに合わせたタックル
今回クロスフィールドに合わせたのはベイトフィネスの下巻きにPE、リーダーにナイロンで、スナップを使う本流での基本的なタックルです。
あとは湖での使用もかねているので、バーブレスでも取りやすいのも意識してます。
一応狙いはニジマスで、サイズは40up以上。
本流にいるモンスターまで取れるような強めのベイトフィネスです。
リール:ロキサーニBF8
ライン:ラパラ/PE1号(50m)
リーダー:ファイター/12lb(4m)
スナップ:オーナー/クロススナップ 1 番
まずはトップウォーターを投げてみる
ということでまず何を投げるのかって
そんなもんトップウォーターに決まってるじゃないですか。
そもそも、このクロスフィールド。
本流トップウォーターのために買ったと言っても過言ではないアイテム。
手持ちのロキサーニBF8と組み合わせ、軽量のトッププラグをスコンスコンと投げまくるという計画があったのです。
というわけで一番バッターは、昔からのお友達であるヘドンのタイニートーピード。
こいつはトラウト用にカスタマイズしてあり、テールフックを一本にしてます。
で、本来スピニングで投げるこいつを投げてやると、これがまたスコーーンと飛んでいく。
うーん気持ちいい。
さらにアクションを加えてみても、やっぱり操作はしやすい。
クロスフィールド自体先調子で少し張りのある典型的なカーボンロッドなんで、軽いトップを扱うのは全然楽。5gのメガバス・POPXジュニアも試しましたが、これまたスコーンと飛ぶし、アクションもかけやすいですね。
で、またトーピードに戻してドッグウォークやらドリフトでのペラ回しを試し続ける。
いいぞ、いいぞトーピード。
春蝉も細々と鳴き始めているし、ちょっと早めの蝉パターンも通用するんじゃないか?
と思い投げ続けるが、ものの見事に反応なし。
ええそうですよ
真昼間の本流トップウォーターなんてこんなもの。
あと一ヶ月すれば、そろそろトップにボコっと出てくるでしょうが、こいつは基本パイロットルアーだし、今時期だとトラウトにはサイズがでかすぎるかも。
というか、ライズすら見えない・・・だめだ、まるでトップで釣れる気がしない。
このまま投げ続ける気もうせたので、
ラパラのCD5アバシでヒット
というわけで、こちらも僕が好きなラパラのルアーのCD5。
ただし、今回はただのCDではなく、アバシウッドを使用したCD5アバシです。
こいつは通常のCD5よりも1g重い6gの仕様となってますが、そのせいか本流での使用感は本家CD5よりも上。
ダウンでも動きが破綻しにくく、トゥイッチやジャークをすると鋭い動きをしてくれます。
こいつを少しアップクロス気味に放りなげて、ボトムを取りつつシュバッ、シュバツと強めのトゥイッチを入れてやると。
一気ににゴツン!
普段使う鱒レンジャーとは違い、感度が良いせいでナイロンリーダー4mでも当たりが明確に伝わってきます。
うぉお?なんかきたぞぉ?
と巻いてみると、キレイなニジマス。
これがクロスフィールドの初フィッシュになります。
で、こいつは雌。
雌がいるところ、なぜか雄がいることが多い気がするので、もう一度同じポイントにCD5アバシを通して、ほぼ同じ動きをやると。
今度はゴォン!
ゴツン、ではなくゴォン!だったのは、サイズが明らかにさっきと違うから。
いいぞ、こういうのだよ
クロスフィールドで釣りたかったニジマスはぁ!
と、なんか暑いせいか世紀末ワイルドな感じでリールを巻いていく。
ラインも12lbあるし、MLとはいえマックス18gに設定されているクロスフィールドなんで、やりとりは全然余裕。しかもベイトですから巻くのも楽です。
というか、普段鱒レンジャーでこのクラスの相手をしているんで、もう滅茶苦茶に釣りやすい。なんだよみんな、みんなこんな楽してんの?ずるい!もっとはやく教えてよ!
とばかりに一気に巻き上げてみると、なんとも逞しい50upの雄ニジマスさんが現れました。
新しいネットも見事活躍。
やっぱりニジマス相手ならこれくらい大きいネットのほうが安心できます。
いやー凛々しい顔立ち。
ていうかこのアタリのニジマス、やけに顔がでかい気がするけど気のせいだろうか。角野卓三の遺伝子でも入っているのだろうか。渡る世間は鬼ばかりなのか。
ということは、さっき逃がしたのはピー子なのか?ここは食堂だったのか?
とう思うと、角野卓三似のニジマスはリリース後も同じポイントへと入っていく、さっきのピー子もおなじ所に戻ったので、ここが道北の幸楽なのだ。いつかチャーハン注文しよう。
そして、最後に同じポイントで釣れたのは
ウグイパイセンでした。
ウグイパイセンはどこにでも出没するけど、幸楽の常連だっとは、ビール飲んでたところすいません。
湖でも試しに投げてみることにした
というわけで渓流で飲食店を営むニジマス夫婦とウグイパイセンにあい、満足した僕。
けれどまだ時間があったので、車を走らせて湖へと向かいました。
向かったのは道北ではイトウ釣りで有名な人造湖、朱鞠内湖。
ここで試しにロッドを振ってみたんですが、もう正直いって怖いですよね。
なんせ、足元に80cmはあるイトウが泳いでるんですから。
クロスフィールドが折られる恐怖の中スプーンを投げてみる
おわかりだろうか?
この赤い縁の中に、うっすらとイトウの姿があるのである。
なんでこんな足元にイトウが泳いでいるのか──
家からそう遠くない場所ながら、そもそも釣りでお金が掛かるという理由で避けてきた僕にとって、朱鞠内湖のイトウが目の前にいるのはビビリましたね。
ただ、なんか見ているとペアで行動しているみたいで、砂地の砂利をいったりきたり。
しかも、なぜか同じ場所でサークルしている。
ということは、これは産卵活動?
イトウは川の上流域で産卵活動をすると聞いてましたが、湖では浅瀬の砂地でも産卵活動をするのかも。まぁイトウに詳しくないのでわかりませんし、ネストがあるのかも不明。ただ同じところをグルグル動きまわってる。バターにでもなる気でしょうか。
ただ、目の前に魚がいると、どうしても釣ってみたくなるのがアングラーの性根。
恐る恐るチヌークS10gを投げて巻いてみました。
クロスフィードのMLは、これくらいのルアーが一番投げやすいし、アクションもかけやすい気がしますね。もちろん胴調子じゃないんで、スプーニング専用ってわけじゃないですけど、竿先があばれにくいんで案外調子がいい。
とか感想をまとめつつ、手前までやってき、ついにイトウの目の前へやってくる
くる、食うぞ!ついに目の前でイトウが
全力で逃げるんだな、コレが。
そりゃそうでしょうよ。
こんな近くにいるんだから、絶対一回釣られてますよこいつら。
そのせいか、ルアーを見ただけでピューっと反転する始末。
これ絶対つれません。無理ゲーすぎ。
しかも人間の姿はもう見飽きたのか、目の前をすいすい移動していきます。なんですかこれ。完全に養殖イトウです。
トップを投げてみたら…
んじゃぁ、別にこれ使っても大丈夫だよな。
と、毎度のごとくテストのため、タイニートービードにバーブレスフックを付け沖に向かってキャスト。
着水した瞬間からシェイクを繰り返し、蝉っぽく動かしてみます。
止水でのライトトップウォーターゲームでも、やっぱりこいつは良いロッド。
で、そのまま手前までやってきたら
なんかイトウが後を追っかけてきた
まって、ちょっとまって
イトウさん!あんた正気か!
スプーン見て逃げてたじゃないか!
なんでトップにだけ反応してんのあんた!
しかもそれ蝉ルアーじゃないよ!
ペラだよ!大丈夫?
これトーピードだよ!
と色々と注意を促していたら、一瞬のった!カリギュラ効果きた!
しかし、まったく浅かったのか、一発フックアウトでしたよ。
惜しい、いや、惜しくない。
たぶんトップを使うやつが殆どいなくて、なんだこれとは思ってたんだろう。
もしガップリ食ったとしても、このタックルならドラグ使えばギリギリとれるだろうけど怖すぎる。
あとトーピードぶっ壊れちゃわないだろうか。すごいお気に入りなんだけど。
まぁ機会があれば、湖での色物トップゲームでイトウに限らず一本釣ってみたいと思ってます。
クロスフィールド662MLを使ってみた感想
さて、トップウォーター以外にも、ミノー、スプーンと使ってみました。
釣れたのは、本流にいるニジマスで、ずばり662MLBFで狙ってるサイズも上げれましたね。
惜しくもイトウさんは掛けれませんでしたが、正直このロッドであげれるギリギリサイズだったので、ちょっと安心もしましたよね。
というわけでインプレの感想をここにまとめてみたいと思います。
ラインシステム次第ではまったく弾かないのでライトゲームが楽しい
まずこのロッド、最初はトラウトで使うには少し固めかなと思ってたんですが、案外使うとそうでもないですね。
もともとバーブレスで魚を掛けても逃さないため、ナイロンリーダーを4mも巻いてたのもあり、まったく普通に30㎝位のニジマスが釣れました。
もっとバレやすいかと思ってましたが、結構いいですね。
これなら尺ヤマメもつれたり、イワナもつれたり、本流での釣りが快適になりそうです。
PEラインは案外絡まない
トップガイドのみSICを使っているクロスフィールドですが、そのぶんPEラインの糸がらみが気になってました。
しかし、これが案外絡みもせず、まったく普通に使えます。
リーダーが長いのでそれも原因かもしれませんが、ラピノヴァXは結構糸が絡みやすいラインなので、それでも快適に使えたのは驚きです。
30gのジグをなげたり、風が凄まじく強い状況ならALLSICのほうが断然良いでしょうが、ライトゲームで軽いルアーを投げる釣りならほぼ気になりませんね。
感度はほどほどに良好
感度に関しては、凄く良い!とは思いませんでしたが、それなりに良いとは感じました。もちろん鱒レンジャーとの比較ではありません。あれは痛覚が消えた不死身の戦士なので感覚がありません。
比較したのは、僕が持っていて値段も同じ位なメジャークラフトのトラパラです。
トラパラのほうがクロスフィールドより柔らかく、グラスの配合率も若干高いので、当然感度はクロスフィールドのほうがあります。
ただ、感度より曲げを重視してるのがトラパラなんで、そのあたりは仕方がない。トラウト専用ってだいたいそう。
一方のクロスフィールドは感度を上げて、あらゆるルアーフィッシングに対応しようってモデルですから、当然といえば当然。汎用性の高い仕上がりです。
662MLBFはライトゲームならほぼなんでもこなす
僕が購入したベイトフィネスモデルの662MLBFは、ライトゲームならほぼ全てこなせると思います。
トラウトでも、30㎝以上を狙う釣りならまずジャストで使いこなせるでしょうし、本流や湖でも使用可能ですね。
あと、やっぱりソルトでのライトゲームでの使い勝手が一番いいかも。
これ一本あれば、トラウトも根魚もいけるからコスパ良好ですよ。
あとはバスにも全然いけそうですね、ライトリグをカバーに入れまくるのに最適だと思います。
ただ、しいていうなら、例えば管理釣り場なんかでイワナを釣ったりする人は、やっぱり一つ下のULのほうがいいかも。頭を振るような魚相手にバーブレス使う時は、ちょっと硬すぎですね。
あとはアクションの問題で、あと一歩食いこませたいとか、巻物にあわせたいとか、そういうのは無いですし、ラインシステムで対応するっきゃない。
まぁこのクロスフィールドはサイズバリエーションが異常に多いし、スピニングモデルのほうが数が多いので、そこから魚のサイズにだけ合わせてロッドを買えば、あとは同じサイズの魚なら大抵どこでも使えると思っていいです。
クロスフィールド一本でどこまで魚が釣れるか試してみたい
こうしてクロスフィールド入魂をおえました。
イトウさんが掛かってたらロッド破壊されて一発出魂でお陀仏だったかもしれませんが、やっぱり色々な魚を釣ってみたいですね。
なんか全魚種対応とか言われちゃうと、どれだけ釣れるのがチャレンジしたくなる。
いまのところニジマスとグイウーさんだけですが、とりあえず本流にいるトラウト類は一通りこのロッドで釣っていこうと思います。
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