さて、謎のボロリールをレストア回です。
以前、小渓流用のタックルをもっていないせいで、以前に気の迷いで作ってしまったゾンビタックルを使用し続けていたαトラウト。
しかしこのままではいけない。
渓流はあくまでネイティブなヒーリングエリア。
そこにゾンビを持ち出して新たなB級映画を作っている場合ではない。いや、そうい映画があるならぜひ見たいけれども。
けれども、これはリアルな釣りです。
さすがに腐臭漂うタックルを使い続けて、渓流を汚染してはいけない。
かといってすでにリールは買っているので、新たなリールを買う金がない。
そこで、倉庫をかたずけていた時に見つけた、ボロボロのリールをレストアしてみることにしました。
倉庫でボロボロの1000番リールを見つけた
というわけで、倉庫を整理しているときに見つけたこのボロボロの1000番リール。
たしか前に、中古ショップで「あれリールが500円で売ってるんだけど?」的な感じで買ったんですが、そのまま使わずに取っておいたもののはず。
確かこの時はトラウトもやっていなかったし、使う場面も無かったんですけど。
でも現在の極貧状態を考えれば、こいつを使うのが一番。というか完全に存在を忘れていた。
見た目はかなりダサイし、なんかボロいし、メーカー名は聞いたことがない。
αタックル?あれ?なんか僕の名前に似てるんだけど?
というわけで調べてみると、どうやら海外製のタックルを輸入販売しているメーカーらしい。
それにしてもそうとう古い、ネットを見ても販売履歴すらでてこない。
まぁそれでも使えれば万々歳。
1000番のリールで、ある程度頑丈ならそれで良いんですから。
ところがリールが動かない
さて、どれくらいさび付いているのか?
気になりリールを回してみると。
全然動かない。
動かすたびに、ゴリゴリしか言わない。
だめです。僕の読みは失敗。
これ、完全に壊れてます。
しかし、せっかく見つけたリールです。
なんとか動かしてみようと、リールを分解して故障個所を調べてみることに。
すると、リールのギヤの一部がこんな状態に。
何これ、おもいっきりギアが欠けてる
たぶん、僕が巻いた瞬間に一瞬でギアが欠けたのか、以前に壊してしまったのか。
ともかく、これじゃぁリールなんか動くわけがありません。
グリス塗っておけば治るとかいうレベルじゃない。
これはもう諦めるしかないか、と一瞬思いましたが。
ここで諦めて、新たなリールを買うなんて資本主義に屈したも同然。
負けられない。
貧しさとコスパこそがこのブログ。
壊れたんで新しいのを買おう?
そんなものデーブスペクターのダジャレより寒いですよ。
なおすんですよ。
ここから、このボロボロリールを復活させる。
つまり、レストアってやつですよ!
ボロいリールをレストアすることに
レストア。
その意味は、老朽化によって壊れた機械を回復させること。
主に古い車やバイクを修理するときに使われますが、今回はリールの話です。
で、回復のためには、まずは歯が欠けたギアを交換することが必要です。
しかし、こんな古い1000番のリールに合うギアなんてどっから買えばいいのか?
とりあえずネットで探していた僕ですが、残念ながら、それから30分間のネットサーフィンは無駄に終わりました。
が、ここで思い当たるふしが。
そこで分解して調べてみると、確かに、ばっちりと合うギアが。
それは何かというと。
そう、死霊リールです
この腐臭を放つゾンビの執念なのか、使わなくなるなら俺のパーツを使えといわんばかりにバッチリギアが合う。
というわけで、ゾンビリールのギアをαタックルのスピニングに移植。
これでひとまずギアが動くようになりました。
さすがです。さすがゾンビ。
使われなくとも自らの心臓部であるギアだけでも生き残らせるとは。
なんという生命力。生存本能。
いや、もう死んでるんだけど。
各パーツを磨いてグリスアップ
続いて、各パーツを綺麗にしてあげることにしました。
そうとう古いリールなのか、グリスは切れまくりの塊まくり、回すたびになんかガタガタ動くし。
それで動くようになっても、蘇生した90歳の老人状態。
なんかとりあえず動くだけの存在。
高齢化社会の恐ろしさしか感じないリールになってしまう。
で、このリールをせめて50代位には戻してやりたい。
つまり、足とか腰とか痛いけど、まだまだ働けるよっていうレベルに。
そこでパーツをすべて分解し、錆び落としとグリスアップを慣行です。
幸い、錆びていたのはラインローラーだけで、あとのパーツは無事。
しかし、ボールベアリングのオイルは使い物にはなりません。
そこで、パーツクリーナーを使ってオイルを全て落とす。
ついでにボールベアリングのオイルは粘度が低いシリコンに変更。
これで回転率をあげてなんとか回しやすくします。
しかし、一度組み立ててみる。
これでいけるか・・・
と思いきや、ぜんぜんガタガタする。
そうとうパーツが摩耗して緩んでます。
これでもだめか・・・・さすがにへこみましたが、まだ諦めません。
そこでラインローラーとハンドルシャフトにワッシャーを追加。
これで部品のガタ付を解消。
さらにゾンビリールから古いボールベアリングを追加。
ハンドルノブの軸受けに使用して、なめらかさ+安定感をプラス。
それを組み立て、いよいよレストア完了です。
これでなんとか巻いてみると、動きは明らかに滑らかになりました。
グリスアップとワッシャーを足したのが効果てきめん。
ボールベアリングの追加で、巻き心地もアップ。ガタツキはありません。
ただ、ギアの音がするんですよね。でも、もうこれは摩耗していて仕方ない。
そこ「これはカーディナルだこれはカーディナルだこれはカーディナルだ」
と自己暗示をかけ、カーディナル3を使っている気持ちになり問題をクリアしました。
いけるのか?レストアリールの渓流デビュー戦
さて、レストアが完了したオンボロ1000番リールを持って、近くの小渓流にいってきました。
使っているロッドは、なまらボロい中古の56UL。メーカー不詳のミステリアスな一品。
使い勝手は良いですが、ちょっとグリップが緩いのが玉にキズです。
さて、この中古コンビで一体どこまでいけるのか?
映画でいえば、まるでスペースカウボーイ状態。
おじいちゃんだけで宇宙にいけるのか?それくらいのハードなチャレンジになりそうです。
しかしおじいちゃんをナメちゃぁいけません。
「伊達に50年リールやってないわ」
と言っているのかいないのか、同年代っぽいロッドとのコンビで小渓流を釣りあがっていきます。
とりあえず巻き心地は最低ですし、ギア比もノーマルなので釣りにくいことは釣りにくい。
が、決して釣れないことはない。むしろなんか面白い。
まずは赤金のベアトリス53sで小ニジちゃん。
アップクロスで釣っていくので、リーリングが大変ですが、掛けるとさらに大変。
こっちに向かって走ろうものなら、手首を釣るような勢いで巻いてキャッチです。
続いてキャストを繰り返すのですが、巻くのがかなり大変。
しかし重さはさほどなく、使えないことはない。
古いリールの不便さ満載ですが、これが結構楽しいです。
その後、何匹かヒットしましたが、あれです。ヤマ〇さんです。
調べてわかったんですけど、たぶんここも5月は禁漁っぽいですね。
いちおうベアトリスのシングルバーブなんで、オートリリースしてました。
というか、この川はいったいどこからサクラマスが沸くのか。
そもそもダム上から流れてきたニジマスしか居ない理由で選んだ川なんですけど、なんでこんなにヤ〇メが沸いているのか、いまだに謎です。
(下流から遡上できる場所がないからランドロックのやつがどこかに居るのか)
で、最後に落ち込みめがけてリュウキ45Sをキャスト。
それから巻いていくと、チェイスしてきたのはなかなかのサイズです。
「よしきた喰えぇ!くっちまぇええ!」
と心の中で叫ぶ。
しかし、流れにのってやってきた彼はスピードコントロールができなかったのでしょう。
ルアーがターンした瞬間に食おうとして見事失敗。
しかし頑張る、急流にのりながらターンしたルアーを追って頑張る!
「が!ガンバレ!ほら!もう少しだから!!」
と、ルアーに向かって急流を逆走しようとする魚を応援。
とにかく泳ぎまくり、ルアーを追いかける魚。
この状況を分かりやすく説明するなら
高速エスカレーターを逆走しながら、目の前にある100万円に手が届きそうで届かない。
そんなカイジ的悪魔のゲーム状態
あと5センチ。
たった5センチでルアーまで届く、それでゲームをクリアしては地下賭博場から脱出できるという距離までやってきた魚
「もう少し!ほらあと少しで・・・」
しかし、急流に巻けてしまい、そのまま下流へ流されていく魚。
敗北
圧倒的敗北!
流されていった魚を見ながら、僕の胸中は悲しみの色に濡れています。
でも、君とはきっとまた会うはず。
その時は僕も応援なんかせず、ルアーを少し送る努力をするからね
というわけでレストアしたαタックルで今後は攻めることに
はい、というわけで今回はリールのレストア記事でした。
レストアが完了したαタックルの1000番は今後も小渓流で使う予定です。
というか、古いリールを復活させるのって面白いですね。
これからも多分安いタックルしか買わないんですけど、中古でヘンテコなジャンクリールを見つけたらカスタムも行っていこうかと思います。
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